【登場人物紹介】
ロディ
金髪の青年。
物語の舞台となる屋敷の主であり、人の姿をした狼。
様々な種族との関りがあり、知識がある。
話す事が好き。
マリアンヌ
藍色のくせ毛を持つ美しい女性。
愛称はマリア、マリー。
吸血鬼を父に、人間を母に持つ混血種、ダンピール。
フランク
貴族のような身なりの男性。
劇団の一員であり、脚本家。
アンナ
黒髪の少女。
呪いをかけられ、話す事が出来ない。
ローラ
桃色の髪の毛を持つ、美しい女性。
海外で主に活躍しているオペラ歌手。
大人しそうな外見に似合わず、お酒が大好き。
フェイ
中性的な見た目の少女。
テレビ鑑賞が好き。日光に当たることが嫌い。
(明言していないが、吸血鬼らしい)
メアリー
金髪に花飾りを付けている女性。
今年で1020歳になる長寿。
人の身で何故現在まで生きながらえているかは不明。
フレディ
純血の吸血鬼であり、ロディの旧友。
何度かロディの屋敷を訪れているようだが、
今回は姿が見えない。
※ モブ爺は存在しません ※
「―――嗚呼、美しきお客人。ようこそ、我が屋敷へ」
目の前に立つ、まだ幼さの抜けない青年は彼女をそう言って出迎えた。
少年から青年へと変化を遂げたばかりのような外見とは裏腹に、その身に纏う雰囲気は……まるで人類の歴史を長く静観していた者のようだった。
彼女は胸の高鳴りを悟られないように、目の前の青年に微笑む。
「本日はお招きありがとう。私はマリアンヌと申します。……お目にかかれて光栄ですわ」
薔薇の刻印が刻まれた封筒を差し出し、彼女はそう言った。
その瞳はまるで恋する少女のように熱を帯び、しかし、久方振りに同胞を目にした者のような懐かしさも秘めていた。
「ええ、僕も貴女のような美しい女性と出会う事が出来て光栄ですよ」
しかし目の前の青年はそんな事は気にも留めず、耳障りの良い言葉を唇にのせる。
目の前にいて確かに自分を見つめているのに、その瞳には自分は映っていないような……そんな錯覚に陥った。
「申し遅れました。僕の名前はロディ、この屋敷の……主です」
自らをロディと名乗る青年はそう言って恭しく一礼すると、僅かに目を細めた。
それは一見すると優しい微笑みにも見えるが、マリアンヌには得物を見つけた獣のようにも見えた。
「嗚呼、気が付かなくて申し訳ない。そのままだと風邪を引いてしまうね。早速部屋に案内しよう。備え付けの日用品は遠慮なく使うと良い」
マリアンヌの癖のついた髪の毛から雫が滴ったのを認めて、ロディはそう言った。
その言葉で止まっていた刻が動き出したかのように、マリアンヌの耳に吹雪の音が入り込んでくる。
と同時に吹雪で全身が酷く濡れていたことを思い出し、「……ええ、ありがとう」と彼の申し出を受け入れた。
その返答に貴族らしい柔らかな笑みを浮かべ、ロディは屋敷の奥へと足を向ける。
マリアンヌも彼の背を追い、螺旋階段へ足を乗せる。
真っ赤なカーペットが彼女から滴る雫と、彼女の足元を飾るヒールの音を吸収する。
「……嗚呼、言い忘れていたよ」
耳が痛くなる程の静寂を、彼の澄んだ声が破る。
ハッとしてマリアンヌが顔を上げると、こちらを振り返り微笑む彼が封筒を差し出していた。
「マリアンヌ嬢、貴女を含む6人が今宵の演者だ。僕が用意した舞台で……美しく舞ってくれる事を期待しているよ」
彼から受け取った封筒の中には、この屋敷の"ルール"が記されていた。
きゅっと唇に力を込めたマリアンヌを認め、ロディは満足気は表情を浮かべる。
「……宜しく、お願いするわ」
「嗚呼、楽しみだね。今夜はゆっくりと休んでくれ」
再び自分に背を向ける屋敷主から、マリアンヌは目が離せない。
―――柱時計が、重い音で夕刻を告げる。
~~~~ ゲーム開始 ~~~~
今回は序章という事で、次回から実録になります。
また、登場人物の中にフレディがいますが彼は客人ではありません。
会話の中に登場します。