フルボトルバスターでゾンビを退治するお話 作:ランブルダンプ
ベルトとか武器を身近な物で見立てて遊ぶタイプ。
例えば果物を切って鎧武のベルトっぽいって思ったり、パーカーを被ってゴーストの真似をしたり。
ゾンビが現れて一週間が経った。
私のフルボトルバスターも年季が入ってきて、衝撃に晒され続けたフルフルボトルは相手を殴る度に『ピョンピョンピョン!ラビット!ドーンドーンドーン……タンク』と壊れたラジオの如く鳴るようになった。
「さて、食料はまだまだあるけどどうしようか」
ラジオからはまだ情報が入ってくるものの、テレビは放送休止が多くなってきている。
「というかまだ電気が来るのが驚きだよ」
最低限の電力だけは施設が生きてるのか、それとも誰も居ない状況で壊れるまでの命なのか。
どちらにせよ、単3単4とボタン電池は大量に在庫がある。
当分は玩具を鳴らす電池には困らない事は確かなようだった。
今日も今日で適当に朝ごはんと水浴びを済ませてゾンビ狩りに出かける。
『ハザードオン!ラビット!タンク!スーパーベストマッチ!!ドンテンカンドンテンカンドンテンカンドンテンカンガタガタゴットンズッタンタンガタガタゴットンズッタンタンAre you ready?アンコントロールスイッチ!ブラックハザード!ヤベーイ!』
大抵この長さの変身音を掛けてるとゾンビの一匹二匹は掛かる。
寝てる間に侵入されるのは嫌なので、さっさと駆け寄り殴り殺す。
「最近のライダーは変身音が長いって言われるけど、こういう時は役立つなぁ……」
私的には平成ライダーは二期から観てるので長い方が落ち着く。
兄貴はファイズとかWが好きなのでどうしてるだろうか。
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教室のバリケードを乗り越えて、皆で固まってる部室へと向かう。
小説『悪の教典』と『がっこうぐらし!』を参考にしたので知性の無いゾンビにはまず突破出来ない代物だ。
数に頼れば突破されそうだが。
今日はそこそこ遠出したので成果が多くてホクホクしてる。
教室の扉を開けると中の皆がこっちに視線を向けた。
女子の一人はWのベルトを着けてヘッドホンしながら寝てる。
分かってるじゃねぇか。流石俺の彼女だな!
「諸君!今日の戦利品だ!」
「食料!?」
寝てたのに飛び起きる。
残念、だがそれより価値があるものだ。
「ブックオフに置きっぱだったアクセルドライバー!コンセレの奴だぜ!」
おおー!と一人は歓声を上げるも残る5人は困惑気味に、
「え?しょ、食料は……?」
「これから行く!ゾンビの群れの中を振り切るぜ!」
「楽しそう!あたしも行く!ちょっと待ってガタックゼクター何処に仕舞ったっけ……」
彼女がガタックゼクターを探してる間、アクセルメモリを鳴らして遊ぶ。
「照井竜ごっこが出来るとはなぁ……!」
「え、まさかそれをする為だけに……」
「あ、服とかはちゃんと取ってきたぞ。リュックん中」
「変……身!!」『アクセル!』
『HENSHIN…CAST OFF…Change STAG BEETLE』
渋い変身音を聴きながら彼女を連れてバリケードを乗り越える。
エンジンブレード代わりに用務員室で拾った特大バールを手に持つ。
彼女は高枝切りハサミを手に取った。
「じゃあ行くか!!」
「途中でトライアルメモリ見つかるといいね!」
「ハイパーゼクターもな!」
クロックアップ音を鳴らしながらキャッキャウフフと廊下を駆けてると、教室から何人かゾンビが出て来た。
「ライダーカッティング!!」
此方を振り向いた瞬間彼女のハサミがゾンビの首へと吸い込まれ、両断した。
「俺も負けてられねぇな!オラオラ!!エレクトリック!スチーム!!」
俺も通る生徒が誰も居ない廊下で思う存分バールを振り回してゾンビに叩き付けて肉塊へと変えていく。
「マキシマムっドライブ!!」
フルスイングで二体まとめて首を撥ね飛ばした。
「っしゃあ!」
そのまま調子に乗って30分ほど二人で暴れまわり、残してた二階のゾンビはあらかた狩り終えた。
「ねぇねぇ!私の活躍見てた?見てた?」
「もちのロンさ!首がポーンって!」
「えへへ……そっちのエンジンブレードも凄かったよ!」
可愛い。
血飛沫が下手な化粧より彼女の美しさを高めてると思う。
「よし、体も温まってきたし街に出るか!」
「うん!沢山やろう!」
この後帰ってくるとバリケードが破壊されてて友達がゾンビと化していた為、殺した後、変身ベルトを回収して俺と彼女だけで実家を目指す旅が始まるのだが……それはまた別のお話。
主人公の家族はどうしてるのか
兄、実家へ帰るべく彼女と二人旅。教室のメンバーからは狂人のように見られていた。実際妹と同じく非日常を趣味で満喫するヤベー奴。
父、スーツアクター。現場からコスチュームを来たまま帰宅し近所の平和を守っている。筋肉ムキムキマッチョマン。
母、父が帰宅するまで何も気付かずのんびり家事をしていた。天然。
お互い連絡取れないものの「俺の家族だし上手くやってるんじゃね?」と特に心配せず毎日趣味を満たして暮らしている。