フルボトルバスターでゾンビを退治するお話 作:ランブルダンプ
寝る前にバリケードのチェックを行う。
そろそろ電気が途切れ途切れになってきたので、最近は日が落ちる6時くらいにはもう戸締まりをしている。
まだ食料とかには相当余裕があるけど、明日はちょっと遠征してみようかな。
バリケードの遠くに置いてあるCDプレーヤーからそこそこの音量で『Be the one』が流れてるのを聴きながら停まってるエスカレーターを登り、寝具コーナーのベッドに飛び込む。
明日は起きたらCDプレーヤーに群がってるゾンビの殲滅、終わったらご飯食べて出発だ。
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朝、目覚まし時計を見たら9時だった。
ライダーはもう放送されない。
その事実に微妙にイラつきながら、テンション低めのまま朝の日課に出掛けた。
『ラビッ……ラビット!フルボト……タ……タンク!』
だいぶ音が掠れてきた。
まだ殴る度にちゃんと音がなってるものの、本来の使用用途を越える使い方をしてるせいか音声が少々不気味だ。
たまにやたらデカイ音が鳴るのは基盤の故障なんだろうけど、驚くので止めて欲しい。
電源切ってても鳴るんだよなぁ……
電池抜かないと駄目か。
居たゾンビは三体、そのまま殺すのもつまらなかったので、ライダーキックの真似事やハザード状態の真似をしながら嬲り殺させて貰った。
……エボルトって偽名結構合ってたかもしれない。
朝御飯は手早くカップラーメンをかき込んで、背中のリュックにはベルトと水と食料を詰め込んで出発した。
私が居た家電量販店は割と駅に近い。
商店街を抜けて暫く歩く。
辺りを見渡すもゾンビの姿は無い。
まぁ私が一週間も狩り続ければ少しは減るよね。
そんな事を考えながら駅の階段を駆け上がり、改札を破壊して通り、駅のホームへと向かう。
ホームへ降りると電車が停まっていた。
「うわー中ゾンビだらけじゃん」
願わくばそのまま共食いして自滅して欲しい。
多分車内が締め切ってあるから出てこれずにお互いの音に反応して喰いあってたんだろう。
「……何ヵ所かは扉が開いてる。逃げた人でも居たのかな?」
もしくは逃げた先でゾンビになって私に殺されたか。
自販機を壊してジュースを頂こうかと思ってたけど、ここで音立てたら大量のゾンビに取り囲まれそうだし止めておこう。
すぐに戻れば良かったんだろうけど、せっかくのこんな雰囲気なので、荒れたホームを端から端まで散歩する事にした。
「このーままー♪歩き続けーてるー♪ふんふんふーん」
小声で歌いながら、扉が開けっ放しになっている電車の側を通り過ぎた時だった。
『フルボトル!!』
ーーっ!!めっちゃビックリした!!
やめろよそういうの!!
怒り半分で近くの自販機にフルボトルバスターを叩き付ける。
……レッドブルが二本出て来たのでありがたく回収する。
さて、今ので大体ゾンビが私に気づいただろう。
「どうしよっかなー」
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結果から先に言うと逃げた。
よくゲンさんもトランスチームガンで逃げてたし、立派な戦略だよ。
電車の中に居たゾンビがつられてどんどん車内から出て来て、通勤ラッシュもかくやとなったんだからしょうがないと思う。
地道に潰せば倒しきれない事もないけど、今日の目的は遠出。
いたずらにゾンビで遊ぶ事ではない。
bookExpressで拾った『僕のヒーローアカデミア』の18巻を読みながら駅を越えた先にあるビル街へと向かう事にした。
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飲食店多めなので保存食は無いと仮定して、本屋へと向かう。
暗い店内だがこっちにはライトがあるので問題無く本屋までたどり着けた。
「ヒロアカの19巻あるかなー」
漫画を漁る。
『ブレイクブレイド』とかロボットモノで面白そうだ。
残念ながら最新刊しか置いてない。
「今度ブックオフ辺りに遠征しよっかなー……この辺には無いから遠そうだけど」
ブックオフならついでに昔のライダーの玩具もあるだろうし。
『ア……マッチ……ブレイク!! 』
「うっひゃああ!!」
ビックリしたぁ!!
壊れてるのかと思って、ブンっと横に振ると、何やら固いものにクリーンヒット。
「あ、ゾンビ居たんだ」
多分店員さんだろう、前掛けを着けたゾンビだった。
「ビックリさせられた恨み!!」
暗闇の戦闘という555の映画じみた展開にテンション上げながら、私は来るゾンビを薙ぎ倒して行くのだった。
今宵のフルボトルバスターは血に飢えておる……