ダイキライ/ダイスキ   作:ドキドキムネキュン

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自分の書く能力のなさにむなしくなりつつ、いろんな作者様の作品を読んで勉強中です。


2羽 今度はパンツを見せた

うろ覚えで歩いてたけど何とかラビットハウスにたどり着けた。

でっけーな。

からんからん。

扉をあける。

だがあんまり客はいなかったというか俺一人じゃないか。

ここの経営大丈夫?

 

「あ、あの。すいませんまだ準備中なんです」

 

可愛い声が聞こえた。

チノちゃんの声だ。

俺は帽子をかざして挨拶した。

 

「よっ」

「あっ!」

 

きっとチノちゃんが俺をにらむ。

嫌われてるなー。

 

「な、何しに来たんですか?」

「これだよこれ。学校の帽子。いるでしょ?」

「うぐっ」

 

言い返せないのか悔しそうに口を閉じた。

 

「それともいらない?」

「い、いります」

 

おずおずと受け取る。

手、ちっさいなー。

指先だけでも触れたいなー。

帽子を受け取ってからはたと気がついたように言った。

 

「で、でも! どうしてここがわかったんですか? や、やっぱり変態さん…」

「違うって。相変わらず自意識過剰だね。帽子に名前書いてあるでしょ。珍しい名字だからすぐにわかったの。お父さんがやってるバーに行ったことあるんだよ」

「そ、そうなんですか?」

「そういうこと」

 

父親に対する信頼度が高いのか、お父さんのことを知っていると言ったら急に表情が柔らかくなった。

お父さんっ子なんだね。

可愛いなぁ。

 

「あの…」

 

そんなことを考えていると、チノちゃんがうつむき加減に一言。

 

「ご、ごめんなさい。帽子を届けてくれたのにひどいこと言いました。そ、それに、その…み、見ちゃったっていうのも私の誤解でしたし…」

 

真っ赤になっている。

俺が何を見ちゃったのか(もちろんパンツだが)明言できないあたりも恥ずかしがり屋さんで可愛い!

っていうかちょろいなー。

実際には俺、君のパンツを見たくて凝視してたわけなんだけど。

その時、チノちゃんのお父さんが下りてきた。

 

「チノ、お客さんかい?」

「お父さん」

「あ、お邪魔しています」

 

俺はお辞儀した。

 

「おや君は」

 

お父さんが俺を見て言った。

 

「久しぶりだね。大沢さんところのバーテンダー君じゃないか」

「覚えていていただいて光栄です」

 

実はクビになったばっかの俺のバイトってバーテンダーだったんだよ。

駅前の老舗バー「おおさわ」で働いてたってわけ。

老舗ってのは名ばかりで代変わりしてからバカ息子がすげーチープな経営してるんだけどね。

このラビットハウスに以前来たのも、敵情視察だったってわけ。

 

「今日はどうしてこんな時間に家に?」

「娘さんの帽子を拾ったんですよ。で、名前が香風でしたから。タカヒロさんとこのかなと」

「そういうことか、ありがとう。礼を言うよ」

「いえ。こちらこそ、お昼は完全に閉めてると思いませんでした」

「人手不足でね」

 

タカヒロさんが自嘲気味に苦笑い。

 

「爺さんが死んでから喫茶を継ぐ人がいないんだよ」

 

それで閉めてたのか。

 

「前はお父さんが喫茶を?」

「そうなんだ。趣味というか道楽みたいなもんだったけどね」

 

俺は広い店内を見渡した。

 

「もったいないな」

「しょうがないさ。どうすることもできない」

 

ため息交じりにそう答えるタカヒロさんを、チノちゃんが不満そうに見ていた。

それに気がついた俺はチノちゃんに声かけた。

 

「不満そうだな」

 

ちらっと俺を見たチノちゃんは、こっくりとうなづいた。

 

「私がもっと大きければ、おじいちゃんの後を継ぐんですが」

「いい心がけだなぁ」

 

俺は感心した。

バーおおさわのバカ息子と大違いだ。

チノちゃんならちゃんとお爺さんの遺志を継ぐだろう。

俺は言った。

 

「どこかのバカ息子とは大違いだぜ。俺をクビにしやがったバカ息子とはな」

 

その言葉にタカヒロさんが反応した。

 

「クビ?」

「えぇ。実はもう俺、おおさわのバーテンダーじゃないんです。先日クビになったばっかでして」

「どうして? 君みたいな優秀でやる気のあるバーテンダーが」

「優秀ってのは買いかぶりすぎですが。やる気があるのが鼻についたんでしょうね。俺がうまい酒を出したいって言ってるのが気に入らないんだって言ってました。あの人、おおさわを老舗のバーじゃなくて、スナックかキャバクラみたいにしたいんですよ」

「なるほど」

 

タカヒロさんがうなづいた。

 

「噂は耳にするよ。おおさわは、いい酒を置かなくなったって。どこにでもあるような酒しか置かなくなってきたってね」

「そうなんです。珍しいものを仕入れようとしたりしたら嫌がるんです。そんな無駄な金をかけてどうする。はずれだったらどうする。決まったラインナップだけでいいんだって。リキュールの種類も減らされて、ろくにカクテルも作れなくなりました」

「経営者としては正しいが、バーとしては死につつあるね」

「はい」

 

タカヒロさんが、急に言った。

 

「ねぇ、君。うちで働く気はないかい?」

「はぁ!?」

 

唐突すぎる提案に驚く。

 

「お、お父さん?」

 

チノちゃんも驚いてるぞ。

 

「いや、さっき言ったように人手が足りないんだよ。君なら信用できる。前にうちの店に来た時にしゃべって、君は真剣にバーテンダーの仕事をしていると感じたからね」

 

驚いたけど、すっげーラッキーな提案だ。

バイトクビになって困ってたし。

しかも、タカヒロさんの店ならチノちゃんとも接触できる。

またパンチラ見れるかも!

 

「やります! やらせてください!」

 

俺は敬礼した。

 

「ありがとう。それと、頼みがあるんだ」

「なんですか?」

「確か君、遠くの街からこの街に出稼ぎに来たって言ってたね、依然」

「そうです。木組みの街とは縁遠いスラムの生まれですよ」

「じゃ、一人暮らしだね。賃貸?」

「はい」

「家に住み込まないか?」

「え!?」

 

さらに驚きの提案だ。

 

「実はね、チノの面倒を見てほしいんだ。ほら、バーテンの仕事をやってると昼夜逆転だから。ときどき交代でお昼の喫茶をやってもらって、その分夜にチノの相手をするとかうまくシフトを回したい」

 

夜にチノちゃんの相手。

エロい響きだ。

 

「いいのかな? 俺が住み込んで」

 

チノちゃんをみる。

目をそらされたけど、

 

「べ、別にダメじゃないです」

 

とのお答え。

ちょっと気を許してくれてきた。

 

「じゃ、決まりだね」

「はい」

「さっそく、仕事着の大きさをチェックしようか。今夜からでも手伝ってほしいから。オヤジのお古がサイズ合うか着てみてほしい」

 

で、更衣室へ。

サイズは合いそうだな。

爺さん、ガタイよかったんだな。

しかし、股間のチャックが少しきつかった。

腰回りが俺より細いのか。

無理ではないが…。

そのときノックの音。

チノちゃんの声。

 

「あの、サイズは合いましたか?」

「何とか大丈夫」

「そうですか」

 

ガチャ。

チノちゃんが扉を開けた瞬間のことだ。

無理に閉めてたチャックが開いて俺のブリーフが丸見えになった。

 

「いやん」

「きゃーっ!!」

 

チノちゃんが大声を上げる。

チノちゃんにパンツ見せつけちゃったぜ。

快感。

 

「お昼と逆になったなぁ」

 

俺はしみじみと言う。

 

「ば、バカッ! やっぱり嫌いです!!」

 

チノちゃんはほっぺ真っ赤っかにしてドアを閉めた。

 

 

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