もしわかんねーと感じましたら。そのモヤモヤのまま本屋へ足を運んでいただき、ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか?一巻をお手にしてもらえればと思います。
ということで第3話どうぞー
序章 第2話 冒険者とファミリア
「ファンタジー、ファンタジーって思ってたけど、ここまでファンタジーだとはなー、しかもRPG要素まであると来た。もう完全に脳のキャパオーバーだ。エルフとかキャットシー、ドワーフはわかる。パルゥムとかもまだわかる。でも神様ねーわ、しかもアプリゲームでよく聞くレアリティ高い名前がちらほらと、もうね考えてるのも馬鹿馬鹿しくなるわ」
果物屋の親父にこの世界のことをあらかた聞き終え、元の噴水広場に戻ってきた斂は今一度状況の整理をして、そのありえなさからほぼ現実逃避または思考停止状態になっていた。
斂がこの世界に来てまだ数時間。それでもこの世界について大体のことがわかった。
まずこの都市の名は〈迷宮都市オラリオ〉なんでもこの世界じゃ一番大きな都市で唯一の迷宮=ダンジョンが存在する都市らしい。その迷宮に入り挑む者のことを〈冒険者〉といいこの冒険者は皆〈神〉の〈恩恵〉という力を得ている。
「その神が比喩的な意味じゃなくてもろ本物の神で、天界から来た理由が刺激を求めて来って言うから驚きだよな。しかも天界から来た神は全員神の力とやらが使えないと来た。職務放棄もいいとこだな。ってことはあれか今天界は少ない人数で回しているわけか。同情するぜ。」
1000年前に天界より降り立った不変不滅の超越存在(デウスデア)。下界に住む者を子供達と言い、その子供達が見せる変化に刺激を求めて降りて来た。そして降りて来た神は一部を除きほぼ全員が神の力〈アルカナム〉を禁じられその結果、身体能力や機能が並の人間と同じまたはそれ以下になるため怪我や病気にもなるらしい。天界から降りた神の多くはこのオラリオにいるらしいが、ここ以外にも遠くの村や国、都市にも存在しており、そのせいで天界では死者の魂を導く仕事が滞っており残った神達はデスマーチが続いているらしい。職務放棄どころか完全なるブラック企業である。
「んで、まずこの都市で暮らすにはどっかの神の〈ファミリア〉に入るのが手っ取り早いと」
超越存在〈デウスデア〉である神の恩恵〈ファルナ〉を受けた下界の子供はその神の眷属となりその集まりを〈ファミリア〉と呼び、その神の名前、例えばよく知る神ゼウスのファミリアだったら[ゼウス・ファミリア]のように親である神の名のファミリアで呼ばれる。
〈ファミリア〉はその親の神、主神ごとに違いがあり、冒険者系が最も多いが、商業系、製作系、医療系、果ては国家系なども存在するようだ。
っと時間にすれば数時間だがこれだけのことがわかった。つまり逆に言えばこれらのことはこの世界では、そこら辺のおっさんでも当たり前に知っているということ。まさにファンタジー。ゲームの世界に迷い込んだみたいだった。
「でも、肝心の〈恩恵〉やら〈ステイタス?〉についてはあまりわからなかったな、つかそもそも俺この世界から元の世界に帰れんのか?俺ラノベやアニメはそこそこ好きだけどあの主人公達みたいにあの世界に絶望感とか退屈もしてねーし、何よりまだバリバリで親生きてんだけど!?まだ全然親孝行とかしてないし!?ていゆうか!俺4月から大学生なんですけど荷造りまだなんですけどーーーーー!?」
問題はそこかい。
「あーくそ!だいたいあのメールの主は俺になにをさせたいんだよ!!!!そりゃ選んだのは俺だよ!?確かに最終判断をしたのは僕のだよ!でもそのまま放り投げることねーだろ!?なぁおじさん!」
「え!?わ、わし?」
「そーだよアンタだよ!ねぇありえないよね!?この状況!理不尽過ぎるよね!?」
「え、そ、そうだね、理不尽だね」
「勝手に理不尽とか決めつけてんじゃねーぞ!!!はっ倒すぞゴラァ!」
「ひ、ひぃ!」
これぞまさに理不尽である。
「はぁ、はぁ、はぁ………あー、ちょっと騒いだら落ち着いて来た。んまー愚痴も言ったし、理不尽に対してはちょっと大人気ないが八つ当たりして少しスッキリしたし、これからどうするかだな。」
先程のがちょっとのはずはないがやはり人間その状況に慣れれば落ち着くもので人が変わったように淡々と思考をした。
(まぁ、とりあえず騒ごうが喚こうが元の世界には戻れないし、状況が一向に進まない。じゃあどうするかって話だけど、まず目先の目標というかやるべきことはメールの主を見つけ出すことだな。神がいる世界に連れてこられたんだ。だったらそいつは神の可能性が高い。しかもここはその神が最もいる都市。もし、いないにしても手がかりの一つや二つあってもおかしくない。)
斂は今自分に出来ること出来ないこと、何をするべきかを簡潔にまとめる。実は彼は昔から不測の事態にその時は慌てるものの、その状況に慣れてしまえば、思考をクリアにして動くことが出来、この時の彼の選択は迅速である。
「うし!とりあえず元の世界に戻るとか、1人生活の荷造りとか大学生のことは後回しにだ!ここに呼んだメールの主を見つけ出して1発ぶん殴る!」
そしてその選択は失敗しない。
「のためにまずはファミリア探しだな、基本は冒険者系だけど恩恵?が貰えんならどこでもいいかな。まぁ、神は娯楽優先で動くやつばっかみたいだからできれば人格者の神がいいんだけどな。とりあえず片っ端から突撃だ!」
こうしてまた彼は選択した。その場に留まるのでもなく、帰れないからと諦めるのでもなく、前に、未知の世界に踏み込む覚悟を持って。それはもしかしたら冒険者の本質の一つのかもしれない。ならば彼は案外この世界が合っているのかもしれない。まぁでも
「あのお願いします。このファミリアに入れてください。」
「失せろガキ」
ボキっ
「あのお願いします。このファミリアに入れてく、」
「断るこのファミリアは強き者以外に用はない」
ボキっボキっ
「あ、あのお願いします。このファ」
「帰れ田舎者」
ボキっボキッボキ
人間、決心や心変わりだけじゃ強くなれるもんじゃないある程度経験も積まなくちゃならないじゃないと……
「………滅べ世界。」
心がすぐ折れる。このように。彼は見た目の割には心は純真で気付きやすく、そして繊細だ。
「あ、あの」
だからこそ、そんな彼だからこそこの出会いは偶然ではなく必然だったのかもしれない。
「え?」
「大丈夫ですか?」
少年と赤目白髪の少年、世界と世界が交わる時物語は動き出す。
さぁ、刮目せよこの冒険譚を