それだけです。
そんなことよりもなんと来月6月にはダンまち15巻とソード・オラトリア 12巻が同時に発売だって!
んでもってその次の月はダンまち2期やるし、ダンメモも2周年になりますし、この夏はダンまちフィーバーや!!
「僕の名前はヘスティア!よろしくね!」
序章 第5話 ファミリア
ヘスティアと名乗った少女……いや女神は初めて会うレンに明るく自己紹介をした。
この自己紹介からでも彼女が善神であり、神格者なのがわかる。
ヘスティアの容姿は小柄で歛やベルの胸あたりの身長だ。が、それとは対照的に豊満な胸があり、ロリ巨乳という言葉がぴったりだった。
髪はツインテールで服装は胸元が開いたホルターネックの白いワンピースでその大きい胸のせいで谷間が暴力的なまでに目立っており、その大きさをより強調していた。
そして1番の特徴といえば左二の腕から胸の下を通って体を巻きつけるように青いリボンをつけていた。
ここまでのヘスティアの容姿を踏まえると年頃な歛にとって目に毒で直視出来ないように思えるが、ヘスティアの親しみやすい明るい雰囲気が歛に緊張感を与えず接することが出来た。
「それでベル君?なんでレン君をここに連れてきたのか聞かせてもらえるかい?」
「あ、はい。実は……」
ヘスティアに促され、俺をここに連れてきた経緯を説明するベル。
その間俺は今後のことを考えていた。
(とりあえずベルのおかげで今日は野宿せずに済んだが明日もこうとは限らない)
今日はベルの言葉に甘えて泊まらせてもらうが、そのまま明日からファミリアが決まるまで泊まらせてもらうなど虫が良すぎる。
(やっぱ、まず第一目標はどこかのファミリアに入ることだな、んで出来ればダンジョン探索系のファミリアが理想だけど、今日の感じだと難しいそうだな。
一目見られただけで田舎者、弱者って言われてるくらいだからなー)
「はぁ、」
「?どうかしました?」
「ああ、なんでもない気にすんな」
「は、はぁ…」
今日の惨敗記録に思わず溜息を吐き、それに気づいたベルは声をかけるが歛はなんでもないと言い手のひらを振った。
「あ、それで神様、今日はもう雨も降ってますし、今晩だけでもレンさんを泊めさせてください。」
と、俺がこれからについて考えているうちにベルの事情説明が終わったらしく、再度自分の主神に頭を下げていた。
頭を下げるベルに続き俺も慌てて頭を下げる。
「お願いします。今晩だけでいいんでここに泊めてください。迷惑はかけません。上の教会の空いてるスペースでいいのでお願いします。」
「ンー、ベル君の気持ちはわかったし、レン君の事情もよくわかったよ。僕らも余裕があるわけじゃないから満足いく食事とか出せないけど、困っている子供をほっておくのは僕の存在意義に反するしね!今日一日はゆっくりしていってくれよ!」
「!神様ありがとうごさいます!!」
「ありがとうごさいます。助かります!」
その慈愛の心で俺を受け入れてくれたヘスティアに感謝し、ベルの神様がヘスティアで本当に良かったと思った。
っと話がひと段落したとき
ぐぅ〜〜〜〜
俺の方から誤魔化せられないほどの空腹であるアラームが鳴った。
「……はは、じゃあ早速だけどご飯にしよっか!」
「はい!そうですね!すぐ準備します。」
「あー、すまん…手伝うよ」
「あ、じゃあお願いします。」
お腹の音を合図に食事の準備をし出した。
そしてテーブルには3人分の料理が並んだ。
「なんか1人分の食事が増えただけなのに豪華に感じますね神様。」
「そうだね!やっぱり食事は食べる人数が多ければ多いほど楽しいもんさ!レン君もそう思うだろ?」
「え…」
ヘスティアの質問に歛は一瞬戸惑った。つい数時間前までこれから一人暮らしする準備をする予定で、しばらくは1人で食事をするのは当たり前だと思っていた。
それに親や兄弟も仕事やアルバイトで時間がバラバラで家族一緒に食事をするなんてここ何年も無かった。
だからベルとヘスティアの会話には何か眩しいものを感じた。
「?レンさん?」
「あ、ああ悪い、そうだな、やっぱみんなで食べるのはいいこと、だよな」
「はい!」
「うんうんレン君わかってるね!じゃあいただこっか!」
「はい!神様」
ベルの返事から3人とも手を合わせ、
「「「いただきます!」」」
こうして、俺は何とか今日1日だけだが寝床を確保することが出来た。
そして何故か数時間前の俺が見たら貧相と思う食事は数時間前に食べたバーガーセットよりもうまく、とっても暖かいものだった。
「…………」
ベルとヘスティアが寝静まった時を見計らい俺はホームの外、廃教会にあるベンチに寝っ転がっていた。
ヘスティアには
「レン君はそこのベットで寝てくれよ。え?僕はどうするのかだって?ムフフン心配は無用さ!僕は今日ベルと一緒のソファーで寝るからね!そうさ、これは仕方なく、やむ得ず、なくなくそうするしか無いのさ!ムフ、ムフフ、ムフフフフ………」
と言われたが、ようは俺をダシにしてベルと一緒に寝ようとし、恥ずかしさの申し訳なさからベルが慌てて「ぼ、僕は床でいいですよ!!!」と顔を赤くしながら叫び、それを阻止しようとヘスティアがベルを強引にソファーに寝かせつけるというよくわからん一悶着があった。
俺が仲裁に入り、話し合いの結果俺が床に寝ることでまとまった。その際ベルに「レンさんはお客なんだからせめて柔らかいソファーで寝てください!」とちょっと怒り気味に言われたが、流石にそこまで図々しくする訳にはいかない訳でベルを説得し、渋々承諾してくれた。
(たく、どこまでお人好しなんだよ……)
たった数時間だけどこの〈ヘスティア・ファミリア〉が、どうゆうファミリアなのかがよく分かった。
(団員、というか眷属はベル1人、計2人のファミリア。結成はつい数週間前。ヘスティアとベルはどっちもこのオラリオに来たばっか)
故にベルはダンジョン、ヘスティアは屋台のバイトで2人で稼ぎなんとか生計を立ててる。
それでも決して辛そうとか苦しそうというわじゃなく、毎日2人で支え合って生活している。そしてそこには確かな家族の絆のようなものがあり、これから入ってくる加入者が入ってきてもそれは変わらないだろな。
いいファミリアだ。
(俺もこのファミリアに……)
そこで歛は自分自身でも気づかないほど心身ともに憔悴していたらしく、ふと自分もこの暖かい空間の一員になりたいと思っていた。
「って!んなわけ行くか!散々世話になってその上『ここ居心地いいんでファミリア入れて下さい』なんて言えるわけねーだろ……」
こんな都合のいい事を思える自分が嫌になる。
(ダメだ完全に弱気になってる……)
情けない。本当に情けない。見通しが
甘かった所為で今日の寝床の確保も出来ず、最終的には年下のしかも冒険者になったばっかりの少年に助けてもらって………
(今まで本当、恵まれてたんだな俺は……)
今回の成果を言えば俺が今までどれだけ恵まれた環境にいたのか認識出来たぐらいだ。
「はぁ…これ以上ナイーブになってもしかない、とりあえず今日はもう寝よう、明日ヘスティアに入れてくれそうな神に心当たりがないか聞いてみるか」
今日の歛の行動が正しいかはわからない。
でも
「本当いいファミリアだなここは」
歛がベルの誘いを受けた事でヘスティアという女神に会えた。
「もし願うなら俺もこのファミリアに……いやないな……」
そして彼女の司る事物の一つが慈愛である。そんな彼女が明日からも苦労するとわかっている子供をほっとくなんて、それは彼女自身が許さないだろう。
「へぇー、嬉しいこと言ってくれるじゃないか」
「え?」
それに
「ベル君が助けたいと思った子だから大丈夫とは思ってたけど、ものすごくいい子じゃないか」
「な、なんで」
「いやー、君の事情を聞いたときにちょっと違和感を感じてね、タイミングよく君が上に行くのがわかったからね、話しをするなら今かなって」
「話って………それに違和感ってなんだよ」
「レン君、田舎から来たって嘘だろ?」
「な………どうして」
嘘は付けない。