春、僕らが高校に入学して早2ヶ月が過ぎた。
その間に市ヶ谷さんがバンドを始めた。
市ヶ谷さんが猫を被らずに喋る友達が増えた。
市ヶ谷が天才引き篭もり少女を脱出した?
「すごいね、市ヶ谷さん。中学時代とは見違えるような進歩だね!」
「うるせぇ!そのことは言うな!」
☆☆☆
今日の二時限目は先生が切れ痔が悪化し、授業ができなくなった為自習だった。
クラスには集中して勉強している人もいれば、近くの席の友達や仲のいい友達とワイワイ話している人もいた。
実際僕もその中の一人だ。
「ねぇねぇ、市ヶ谷さん。」
「なんだよ。こっちは、勉強してるんだけど」
そう言いながらも、こっちに目を向けて聞こうとしてくれるあたりは市ヶ谷さんは優しい人なんだなぁと思わせる。
「昨日のライブすごかったね。僕初めてライブとか行ったけど感動しちゃったよ。」
「うぇええええ!お、お前!来てたのか?!」
「山吹さんに誘われてね。すごかったね!あんなノリノリな市ヶ谷さんを見たのは盆栽に話しかけてる市ヶ谷さんを見て以来だったよ!」
「その時の話はやめろぉ!え、てか、沙綾!あれほどのこいつを誘うなって言ったのに…」
そう言いながら、市ヶ谷さんは周りから注目を集めてるのも忘れてブツブツと何か呟いていた。
え…僕、誘うの避けられてたの。ちょっと、ショックなんだけど…
そう言いながらショックを受けてしょぼくれていると、市ヶ谷さんはそれに気付いたのか気にかけるようの話しかけてくれた。
「あ、あのさ。その、なんだ。私達の曲聴いて見てどうだった?」
「ん?さっきも言ったけどすごかったよ!
最後のバンドのRoselia?よりかはクオリティー自体は劣ってるかもだけど、なんというか、場の臨場感が違ったね!聴いててドキドキしたよ!」
「そ、そうか。そんなベタ褒めされると思わなかったわ。…………えへへ。」
そう言いながら、市ヶ谷さんは照れたように笑った。ん?笑った?も、もしやこれは……!
「い、市ヶ谷さんがデレた!?」
僕は興奮して立ち上がりながら叫ぶように強く言った。
「デ、デレてねぇー!てか、その話いつまで続いてるんだよ!」
市ヶ谷さんも、そんな僕に言い返すように強く言った。
「いつまでもだよ!市ヶ谷さんのデレを見るために僕は頑張って学校来てるんだから!」
「いやいや?!普通に来いよ!なんで私のデレ目的で来るんだよ!」
「いやいや!普通に来いよってセリフだけは市ヶ谷さんには言われたくないからね?!」
僕達のこの少しくだらなくて楽しい言い合いは、隣のクラスの担当の先生が来るまで続きましたとさ。ちゃんちゃん。
「デレてねぇーからなぁ!」
市ヶ谷さんは最後までデレたことを認めてくれませんでした。
どうも、朱色信号機です。
今回も短くてすいません。
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