救いのヒーローになりたい俺の約束   作:魔女っ子アルト姫

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戦闘服

「初ちゃんにデクちゃん、午前中の授業はどんな感想かしら?」

 

雄英入学から二日目、ヒーロー科の授業がどんな印象や感想だったかを京水は友人である剣崎と出久に尋ねていた。

 

「普通の授業だったから違った意味で、着いていけたかな」

「英語の授業が「プレゼント・マイク」だったのはビックリしたな……」

「それは同感」

 

ヒーロー科と言えば普通の授業も確りと存在している。授業は毎日7限目まで、土曜日は6限目まで行われ休みは基本的に日曜日となっている。他の学校と比較しても何処かハードスケジュールな印象を強く受ける。現代文や数学、英語などと言った通常の学校などで行う授業も行うがそれらを受け持つのがプロヒーローというのが何処か普通ではないのが雄英の自由さなのかもしれない。この他にもヒーロー基礎学というのも学ぶ事になっており、「ヒーロー」になる為の授業がある。それが最も単位数が多い。

 

「午後からはヒーロー基礎学か……どんな事するんだろうな」

「確か戦闘訓練や看護訓練、ヒーロー教養って感じだったわよね」

「まずはその中から何をするかって感じだね」

「俺としては―――看護と救護訓練とかを重視したいな」

 

自分が目指している目標は普通の「ヒーロー」ではなく救いのヒーローという点になる剣崎にとって、誰かを救うための技術というのは最も重視すべき物だと考えている。その為に剣崎は救助訓練などを強く推して行きたい所だが、その辺りは授業が始まるまでの楽しみにしておく事にしよう。

 

「看護、救護訓練を志望。貴方って結構レスキューヒーロー志望なの?」

「んっ……君は?」

「蛙吹 梅雨、梅雨ちゃんって呼んで」

 

背後から話し掛けられたのでそちら側を向いて見ると小柄で猫背気味、どこか表情もカエルのような印象を深く、強く受ける少女がそこにいた。蛙吹 梅雨、同じクラスメイトの一人のようだ。

 

「ああ、どうも。剣崎 初です、宜しく梅雨さん」

「梅雨ちゃんでいいよ、私も剣崎ちゃんって呼ぶわね」

「分かった梅雨ちゃん」

「アァン可愛らしいわね、泉 京水よ♪」

「宜しく、泉ちゃん」

「はぁい♪」

 

そのまま京水と出久とも挨拶を済ませた梅雨ちゃんは話に参加してどんな授業になるのかという話し合いを始める。彼女なりの見解では入学前に個性届と要望を送っているのでまずは自分のヒーロースーツになる戦闘服(コスチューム)が渡されるのではないかと考えている。「ヒーロー」といえば各個人が個性を発揮、活用する為に纏う物であり、自らの存在を知らしめるアピールポイントにもなるからという理由から。

 

「成程……それは確かにあるな」

「確かにそうかもね」

「皆のヒーロースーツ、気になってきちゃうわねぇ♪」

 

気付けば話は皆がどんなヒーロースーツが好みで、デザイン面だとどんな「ヒーロー」の物が最も優れているのかと言う話にシフトしていた。それぞれが推している「ヒーロー」がいる為かこういう話題が終わりが見えなくなるのが当たり前だが、京水は「虎」で出久は「オールマイト」はそれぞれの良さを語りながら相手の推しヒーローはこんな所が素晴らしいんじゃないかと言う話題を展開している。まだ二日目だが本当に仲良さそうにしている二人を微笑ましく見つめている剣崎を梅雨ちゃんはじっと見ている。

 

「楽しそうね、剣崎ちゃん」

「んっそう、見える?」

「泉ちゃんと緑谷ちゃんが話している所から、まるで花が咲いたみたいに綺麗に笑ってる。これじゃあ花が咲き乱れるの咲きで、剣咲ちゃんね」

「はははっそれもそれでいいなぁ」

 

本当に微笑ましそうに見ている。まるで本当のお兄さんのような温かみと嬉しさ、いやまるで慈愛に溢れているかのような笑みにつられるように梅雨ちゃんも笑う。

 

「梅雨ちゃんは好きな「ヒーロー」とか居ないの?」

「そうね……やっぱり色々いるけど鉄板の「オールマイト」かしら」

「やっぱりか、俺もだよ」

「でも、一番気になってる「ヒーロー」は別にいるの」

「別の?」

「ええ。それはね―――」

 

言葉が出ようとした途端に本鈴が鳴り響いた。そしてそれと全く同時に―――扉が力強く開け放たれた。そこから入ってきたのは……

 

「わぁあたぁあしぃぃがっ!!!普通にドアから来た!!!」

 

筋骨隆々の強靭で完璧と言っていい程に鍛え上げられた肉体をした平和の象徴である京水と出久の話にあがり続けていた「ヒーロー」のオールマイトだった。少々タイミングの悪さも感じるが、授業が始まるならしょうがないと話を打ち切って元の席へと戻っていく梅雨ちゃん。結局誰が気になっているのか聞きそびれたので後で聞こうと思う剣崎。

 

「本当にオールマイトだ!!マジで教師やってるんだぁ!!」

「銀時代のコスチュームね」

 

伝説的且つ、全ての人々が認める英雄で平和の象徴の登場に皆のテンションが振りきれるようにあがっていく。それも致し方ないという物だろう、つまり午後からのヒーロー基礎学はあのオールマイトからの授業となるのだからこれを興奮せずしてどうしろと言うのだろうか。

 

「さてでは早速行こうか!!午後の授業は私が受け持つ、そしてそれはヒーロー基礎学!!「ヒーロー」として土台、素地を作る為に様々な訓練を行う科目だ!!正に「ヒーロー」になる為には必須とも言える!!単位数も多いから気を付けたまえ!!そぉして、早速今日はこれ、戦闘訓練!!!」

 

その手に持ったプレートには「BATTLE」と書かれている。いきなり始まるそれに、好戦的且つ野心家な生徒達はメラメラと炎を燃やす。それと同時にオールマイトが指を鳴らすと教室の壁が稼動をし始めていく。そこに納められているは各自の戦闘服(コスチューム)。梅雨ちゃんの推測も正解だった瞬間だった。それぞれがそれを纏って行く中、ある意味剣崎のそれは酷く注目を集めていた。

 

「アァァアン初ちゃんのそれってば凄いカッコいいじゃないッ~!!!イケメンさがより引き立てられてるわぁあん♡」

「有難う京水ちゃん―――気合が入るな、やっぱり」

 

「ヒーロー」とは見た目やイメージ、それらで皆を勇気付ける精神的な支柱となる事も要求される。そんな彼らには見た目も必要とされるので「ヒーロー」は明るい色などを採用する事が多い。だが―――剣崎のそれは全くの別。

 

全身を覆う特殊のスーツのようになっているそれは夜の闇よりも更に深い黒、それを縁取るかのように黄金のラインがボディに走っている。特に目立った装飾もなく特殊な機構も内容に見える筈だが、それを纏った剣崎の存在感はより一層増していた。そんな戦闘服を纏った剣崎は気を引き締めながらグラウンドへと向かう。




多分分かる人には直ぐに分かっちゃう剣崎の戦闘服。
というかある意味隠す気0。
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