「おおっだぁぁっりゃああ!!!」
切り立った崖と不安定すぎる足元、そんな場所から次々と崖下へと落ちていくかのように転がって行く人影が見える。それに混じるかのように勇ましい声と鋭く振るわれる金属音がそれらを破るかのように響く。
「こ、こいつなんて強さだっ……!!」
「ひ、怯むんじゃねえよ人数は俺達の方が勝ってんだ!!囲んで数で圧し潰せっ!!」
「やれるもん、ならなっ!!!」
想像以上の強さに驚きながらも数ではこちらの方が有利なんだと自分らを鼓舞しながら向かっていく「ヴィラン」を鋭い剣戟で敵を切り裂きながらもそれを跳び越えながら所持していた剣を投げつけて翼を持っていた「ヴィラン」の翼へと突き刺して動きを封じるとそこへ強烈な回し蹴りを炸裂させる。そんな事を行っている「仮面ライダー」こと剣崎は周囲にはまだまだ敵がいる事に軽く舌打ちをする。
「どんだけいるんだこいつらっ……!!」
ハッキリ言って敵の強さは有象無象に近く、中には個性によって比較的に強い力を持っている者もいるがそれでもこの程度ならば全滅させるなんて事は容易い。しかしそれでも時間が掛かりすぎる、手早く済ませる必要が出てくる。
「仮面ンライダァァア……てめぇの首は俺が頂くぜぇ!!!お前の剣良いよなぁ……俺に、くれよぉっ!!!!」
背後から隙を突くかのように襲い掛かってきた相手の攻撃をしゃがんで回避しながら、薙ぐ様な一撃を防御して防ぐ。相手が振るったのは巨大な大剣、重さもとんでもない。それを両手、いや全身から生やすかのようにしている。相手の一撃の重さを利用してそれで後方へとジャンプしながら距離を取る、なんとも異形な姿だ。
「俺の剣が、欲しいか」
「ああそうだ。俺の個性は身体から剣を生み出して、自在に扱う事が出来る!!そして俺はッ!!!」
凄まじい跳躍力から腕を槍のようにするように突き出してくる攻撃、それを回避するがその刹那にその腕を見ると腕その物が剣のように変化していた。それが崖へと突き刺さると大きな亀裂が走って行き崖の一部が崩壊して行く。
「全身を刃物に変える事が出来るのさっ!!!攻防一体のこの個性……俺は、強いっ!!!!」
「全身が刃物、その硬度と切れ味そして破壊力を存分に発揮出来る……確かに厄介だな―――だけど、一瞬で相手を切れば意味がないだろ」
早急に確実にこの「ヴィラン」を仕留める事を決めた剣崎、「醒剣ブレイラウザー」からトレイを展開した。そしてそこから2枚のカードを引き抜いた、それはスペードの紋章が刻まれながら何やら怪物のような絵柄が刻印されている。それをブレイライザーのスラッシュリーダーへとラウズさせていき、それらを放り投げるとカードは剣崎の身体に重なるように一体化していく。
『〈
蒸気のように身体から沸き上がってくるエネルギー、それらを全て制御しながら構えを取った。意識を集中させていくと周囲の音がまるで聞こえなくなるようになっていく、それでありながら周囲の状況を感覚的に把握出来ている。目の前にいる「ヴィラン」は走ってきながら大剣を振り下ろしてくる。大剣が体に触れようとした時、剣崎は一気に駆け出しながらその大剣を両断しながら「ヴィラン」へと必殺の斬撃を叩きこむ。
『〈
「ウェエエヤァァッ!!」
鋭く、重く、雷撃を纏った必殺の斬撃。それは易々と刃物の身体を持つ「ヴィラン」の皮膚を切り裂いた。刃物であるという事は電撃を良く伝導していくためか、ブレイラウザーが纏っていた雷は全身へと広がっていくと「ヴィラン」を崩れさせた。
「がぁっ……あっ……まさか、鋼鉄以上の硬度がある俺の、身体が……俺の切れ味を、上回って……!?」
「一撃で終わらせたかったから使ったけど、本来なら使うまでもなかった」
ブレイライザーによって崩れ落ちるかのように倒れこんだ「ヴィラン」はこの中でもトップクラスの実力者だったらしくそれが破れた事は異常な事態らしく全体に動揺が広がっていく。敵集団は統制が取れていないただの有象無象、下手に連携されて襲われるという心配をしなくて済む。
「さてとっ―――続きをしようか「ヴィラン」。言っておくが……時間は掛けたくないんでな、加減は無しだ」
「ひ、怯むなぁ!!!」
「押し潰せぇぇええええ!!!」
「射撃班、早くやれよッ!!!」
振り絞るかのような絶叫を上げながら両腕や頭を向けてくる「ヴィラン」、その名の通り射撃攻撃系の個性を持っているのだろう。素早くカードを一枚取り出してそれをラウズする。
『〈
ラウズされたカードを取りこんだ剣崎、それらに向けて銃弾もしくはバズーカのような砲弾が発射されていく。剣崎の身体に命中するかと思いきや……弾丸は身体をすり抜けてその周囲にした他の「ヴィラン」へと直撃して行く。まるで、彼の身体が液状になったかのように次々とすり抜けていく弾丸。幾ら撃とうが決定打には至らない、意を決して一人が斬りかかるが……武器は沈むように剣崎の中へと入って止まってしまい、カウンターで重い一撃を受けてしまう。
「な、なんだこいつ……複数の個性を持ってやがるのかぁ!?」
「電撃出すからと思ったら今度は、水みたいに……!!!」
困惑が広がっていく中、液状化から元に戻った剣崎はこれ以上時間は掛けたくないと思いつつも複数枚のカードをラウズしていく。
「お前達の相手はもうこれ以上はごめんだ、さっさと沈んでもらう……!!」
『〈
「速攻で、沈める」
次の瞬間、剣崎の姿はブレるように消えていくと次々と気を失って行く「ヴィラン」が続出した。超高速で動きながらも風の抵抗を受けていないかのような攻撃に敵集団は理解も出来ないまま、意識を全て刈り取られて行った。
ラウズカード紹介
クローバーのカテゴリー7:『〈
劇中未使用。
体質変化系のカテゴリー7の中でも特に強力な力を秘める物。
身体を液状化させるので、やろうと思えば某怒りの王子のような戦闘も出来るかもしれない。