救いのヒーローになりたい俺の約束   作:魔女っ子アルト姫

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体育祭、障害物走:後編

『さあぁ先頭がいよいよ第二の関門へと差し掛かったぞぉ!!!落ちれば即アウト、それが嫌なら這いずりなっ!!!ザ・フォォォオオオオオル!!!!』

 

第二の関門として姿を現したのは巨大な峡谷のように大口を開けている地の底へと向かっているような真っ黒い闇、切り立った崖のような足場とそれらへと架けられているロープの橋だった。つまり、ロープを綱渡りの要領ので渡っていく事で奥へと進んで行けという事になる。その証拠に既に轟がロープを凍らせてその上を滑るようにしてどんどん奥へと進んで行っていく。

 

「剣崎ちゃん、さっきは本当に有難うね。でも此処からは正真正銘のライバルよ」

「ああ分かってるよ、お互いに頑張ろうね」

「うふっ自信有り気な梅雨ちゃんも可愛いわねぇ」

「ケロケロ有難うね、それじゃあお先にっ!!」

 

梅雨ちゃんは蛙のジャンプ力で高々と跳躍するとそのままロープの上へと着地するとそのまますいすいと渡って行く。梅雨ちゃんにとってのこの程度の物は障害にすらならないようだ。

 

「それじゃあ初ちゃん、ワタシも行くわねん。後で会いましょうね♪」

「ああ。そっちも頑張ってね」

「それじゃあ、イクわよイクわよイクわよイクわよイクわよイクわよぉぉおおおおん!!!!!」

 

ルナ・ドーパントへと変身した京水は伸縮自在は腕を大きく伸ばしてそのままロープを掴むとそのママ一気に腕を縮ませてその反動で一気に足場から足場への跳躍を繰り返して行く。二人とも個性を生かした突破方法をしている、さてと自分もどうするかと一瞬頭に浮かんだがどうすればいいかなんて簡単だった。一旦後ろへと猛ダッシュする。

 

『おーと此処で剣崎が逆走!!?おいおいそっちは逆だぞって止まった、一体何をする気だぁぁあああ!!?』

「よし、この位の距離があればいけるな……」

 

もう直ぐ後続組が追いついて来る頃、だけど慌てる事なんてない。自分のやれる事を全力でやれば後悔なんて起こらない、そして自分の全力を出せば確実にここは突破できる……!!数回片足だけでジャンプしながら足を伸ばすと一気に体勢を取る。

 

KICK(キック)〉〈MACH(マッハ)〉〈TIME(タイム)

「―――『固有時制御(TIME ALTER) 瞬間超加速(MACH KICK ACCEL)』ッ!!!」

 

体内時間の操作、爆発的な脚力による瞬間的な超加速。一気に加速して行く身体が更なる加速をしていく、空気さえも切り裂いて付き進むような様は正にミサイルのような様子。その爆発的過ぎる加速力は会場で見ていたプロさえも驚愕させる物だった。

 

『は、速ぇぇええええええ!!!!???おうイレイザーヘッド、お前のクラスどうなってんだ!!?飛んでもねぇ人材ばっかじゃねぇか!!!?なんだあの速度、飯田の奴よりもクソ速いじゃねぇか!?』

『んなことはクラスの人材配分をした奴に言え。剣崎は個性は身体能力の強化。足のキック力を瞬間的に高めるのを何度も何度も繰り返してあんな加速をしてんだろうな』

 

相澤の解説も間違っていない、『MACH(マッハ)』に合わせて『KICK(キック)』を発動して跳躍能力を高める事で一歩一歩進む距離を伸ばす事でより速度を高めている。そしてその速度はこれからの事に役立つ。一気に加速した勢いのまま、更に強く地面を蹴った剣崎はそのまま大ジャンプを行った、間にあった全てを飛び越えて第二関門のゴールへと到達した。

 

「ウェェェエエエエエイ!!!!」

『マジかぁぁぁあっっ!!!??剣崎、あの足場の間を一気にジャンプして、飛び超えたぁぁぁぁぁ!!!??』

「轟ぃぃぃぃ!!!待てぇぇぇぇっっ!!!!」

「くそもう追いついてきやがったのか!!」

「待ちやがれぇぇぇ半分野郎、ウェイ野郎がぁぁああ!!!!」

「おいその呼び方は納得いかねぇぞ!!!!」

 

『さぁあラストの障害だぁああ!!そこらは一面地雷原!!名付けて『怒りのアフガン』!!!もし踏んでも安心しな、競技用だから威力は控えめ、だが音と爆発は派手だから失禁しねぇように気を付けな!!!』

 

トップ集団は轟、剣崎、爆豪。この三人が入り乱れたまま地雷原へと進んでいく。爆発の勢いで空中を進んで行く爆豪に独走させないように轟も片足分だけ地面を凍らせて地雷が爆発しないようにしながら進んで行く。剣崎は全力ダッシュしながらも目を必死に動かして地雷のない場所を選びながら走り、二人との妨害を続ける。

 

「退けクソ共がぁ!!!」

「くそ、面倒な奴だな!!」

「ぁぁあああんだと半分やろうがぁぁ!!!!」

「前々から思ってたけど、お前本当にヒーロー目指す気あんのかよ!?」

「あるわくそがぁ!!!」

「だったら言葉遣い直せ!!!」

 

そんな言いあいが続いていると、後方から凄まじい爆風が巻き起こった。思わず降り返るとそこには凄まじい爆炎が巻きあがっている、がなによりもそんな巻き起こった巨大な爆風に乗ってこちらへと急接近している緑谷がいた。第一関門で手に入れたと思われるロボの装甲板を盾にしながらそれで爆風を受けて飛んできていた。

 

『偶然か故意か!?A組緑谷、爆風で猛追!!!つーか、抜いたぁぁぁってマジかぁぁぁぁ!!!!?大、大、大、どんでん返しだぁぁぁぁぁっっ!!!!!!!!!』

「させるかぁっ!!!」

「デクぅぅぅ!!!俺の前に行くんじゃねぇええ!!!!」

「やるなぁ出久!!!だけど、負けてたまるかぁ!!!」

「僕だって、負けるつもりはないっ!!!!!」

 

爆風に乗った出久はそのまま装甲板を地面へと叩き付けた、するとあった地雷を更に爆破してその勢いで更に加速して関門を突破して更なる奥、ゴールへと突き進んで行く。その最中、身体が輝いているようにも見えて剣崎は思わず笑うがそれを追いかけて全力で走り出して行く。

 

『この結果を誰が予想できたぁぁぁ!!!??第一種目を1位で通過したのは、なんと大方の予想を裏切ったスーパーダークホース!!!緑谷 出久だぁぁぁあああああ!!!!そして2位はぁ剣崎 初だぁぁぁぁ!!!!』

 

「たっはぁっ負けたぜ出久!!お前、スゲェよ!!!」

「それほどでもないよ、それに君が訓練を付けてくれたお陰でもあるから!!」


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