救いのヒーローになりたい俺の約束   作:魔女っ子アルト姫

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ベスト4決定、準決勝開幕

剣崎が梅雨ちゃんとイチャイチャしている間に他の試合もバッチリと行われていた。鉄と飯田の試合、"鉄巨人"という異形型の個性を持ち体重も400キロ近い鉄が有利かと思われていたが……飯田は持ち前のスピードを活かし鉄の近接攻撃を回避しながら圧倒、関節などに狙いを絞って動きを鈍らせていきとどめの一撃で相手を吹き飛ばす作戦に打って出た。その目論見は見事に成功、関節などに攻撃を受けて身体をぐら付かせた鉄に出来た大きな隙、そこを胸と首の間を狙って全力の蹴りを命中させた。

 

「何っ……!?」

「グッ……強いなぁ、俺に無いスピード……でも俺だってお前には無い防御力とパワーがある……!!」

 

見事に命中した攻撃を防ぐ事に成功した鉄はそのまま飯田の足を鷲掴みにするとそのまま振り回して場外へと投げ飛ばして何とか勝利をもぎ取る事に成功した。

 

『飯田も狙いは悪くなかったが時間を掛けすぎたな、鉄も飯田のスピードに慣れて対応する事が出来たんだろう。速度を威力に乗せつつ関節を狙うのは悪くないが、狙うべきは顎や頭部だったな』

 

と相澤が解説する中で飯田は悔しそうにしつつも眼鏡を直しながら、鉄へと手を差し伸べて勝利を祝い次も自分の分まで頑張って欲しいとエールを送る。鉄もそれを受け取り次なる勝負も全力で望む事を誓う。

 

「鉄君、次も頑張ってくれたまえ!!いやしかし、次は剣崎君とか……。どちらを応援するべきなんだ!?」

「両方、応援したらいいと思うよ。兎に角頑張るから」

 

次なる試合は京水 VS 常闇という注目のカード。変幻自在の身体を持つ京水と中距離対応能力がずば抜けている常闇、この二人の対決はどうなるのかと注目が集まっていた。が、結果としては京水は常闇に圧倒されるように彼の個性"黒影(ダークシャドウ)"の猛攻を受けていく。

 

「いやぁん想像以上に、キッツいわねこれっ……!!」

「そのままだ黒影、攻撃の手を緩めるな!!」

『アイヨッ!!』

「ぐっ激しいわねっ……!!」

 

常闇からの攻撃を防御に徹する京水、京水の個性である"幻想"は相手に干渉する幻を生み出したり身体を幻想の力で歪める事で様々な超常的能力を発揮する事が出来る。が、それにも弱点が存在し同じような幻想的な存在に酷く弱いという物。言うなれば"黒影"のようなモンスター、自分の個性が近い相手だと、京水の"幻想"は効果を発揮できなくなるという己自身が弱点のような物を抱えている。その理由は京水自身も把握しきれていないが、超常的な個性は自分の幻想の守りを貫通して自分の本体へと攻撃が可能だからと推理した。

 

「決めろっ黒影!!」

『アイヨッ!!オオォォオオラァァアッ!!!!』

「グッ……ガハァッ!!」

 

黒影の一撃が何重にも伸ばされた京水の腕を貫通しその身体に突き刺さった、両者と共に無敵に近い個性と言われていたが京水の弱点が判明した瞬間でもあった。それを受けた京水は吹き飛ばされながらも必死に耐えて場外へとならなかったが、膝を付いて苦しげに息をする。

 

「参った、わね……相性、最悪みたい……!!」

「如何する泉、俺はお前が立つのであれば変わらず立ち向かう。それはお前に対する礼儀であり、俺の敬意だからだ。強敵だからこそ油断はしない」

「そう言って貰えると、嬉しいわねぇ……嫌いじゃないわ、そういうの……いいわ幾らでも、付き合ってあげっ―――」

 

戦う意志をまだ見せようとした京水だが、その身体はゆっくりと前のめりに倒れこんでいく。咄嗟に黒影で京水を受け止める常闇だが既に意識は無く気を失ってしまっていた。ミッドナイトも京水の戦闘不能を宣言し、常闇の勝利が確定した。

 

「既に限界であった筈なのに尚も前進を続け、闘争を続けようとする姿。正に感服に値する、俺はお前を尊敬する。黒影、このままリカバリーガールの所へと運ぶぞ」

『アイヨ、俺モコイツハ好キダゼ』

 

紳士的な対応で戦った相手を医務室まで連れて行く常闇の行動は会場から拍手が巻き起こった、戦った相手に対する敬意を忘れずに賞賛を贈る姿に多くのプロヒーローが常闇に良い視線を送った。

 

 

次なる戦いは爆豪、そして切島。"硬化"という個性で爆豪の爆破に耐える防御能力を見せた切島、そのまま全身硬化を続けたうえで速攻をかけるが―――爆豪も黙ってはいなかった。怒涛とも言える爆破を連打した。それらを受け続けている間に"硬化"は綻び始め、そこを突かれ、絨毯爆撃を行われた事で切島は敢無く敗北を喫してしまった。これによってベスト4が出揃った事になった。

 

 

 

 

『さぁっさくさくっと準決勝も入っちまうぜぇえええ!!!』

 

ベスト4が出揃った遂にトーナメントも終盤、いよいよ準決勝が始まろうとしている。その最初の準決勝が始まろうとしている。

 

「それじゃあ梅雨ちゃん、行って来るね。勝ってくる」

「剣崎ちゃん、応援するけど無茶しちゃ駄目よ?」

「分かってるって、梅雨ちゃんの笑顔の為に勝ってくるよ♪」

「っ~~~!!」

 

顔を赤くしている梅雨ちゃんの頭を軽く撫でるとそのまま駆け出してステージへと駆け登って行く剣崎、その視線の先には自分の対戦相手が控えていた。それは自分が騎馬戦でチームを組んだ鉄、防御力は正に折り紙付きの彼が自分の対戦相手となる。

 

『準決勝第一試合、その対戦カードはぁぁぁっ!!!!轟との対決は最早激熱、此処まで凄まじい実力で己の身一つで勝ちあがってきた剣崎 初ぇぇぇぇっっ!!!対するは普通科でベスト4入りの快挙!!正に普通科の星の鉄巨人!!鉄ぇええぇぇっ……巨躯ぅぅぅぅう!!!!さて、さっさと始めてもらうぜ!!レディィィ、スタートォォオ!!!』

 

「行くぞ、鉄君!!」

「来い、剣崎さん!!」

 

目の前に立ちはだかる巨大な壁にすら見間違えそうなほどに巨大な鉄、4.65メートルを誇る男が目の前にいるのだから剣崎が感じている威圧感は相当な物。しかし、それでも負けじに真っ直ぐと向かって行く。爆発的な跳躍力で懐に飛び込んだ剣崎は腕を振るってその腹部へと拳を突き立てた。

 

「グッ……中々の威力をお持ちでっ……!!」

 

それを真正面から受け止めた鉄は多少響いてはいるように見えるが応えているようには全く見えない。巨体な上に身体の硬さは凄まじい、そんな動く鉄巨人に拳を突き立てた剣崎は思わず顔を青くしながらバックジャンプして距離を取った。

 

「っ~~~イ、イッテェェェッ!!?手が壊れるかと思ったぁぁっ!!?」

「自慢ではありませんが私の身体の硬度は鋼以上、正に鉄壁!!そしてっ!!」

 

痛みに悶絶している剣崎へと走っていく鉄は両手を組んでハンマーのように一気に振り下ろす、それを当たる寸前の所で回避するが地面には大きな穴と周囲には亀裂が走っていた。

 

「この硬さは攻撃力にもなるのです、さあどうやって私を倒すつもりですかねっ!!」

「ぐっ、そぉぉぉっ……」

 

身体能力強化を行う剣崎にとって戦いにくい相手なのは搦め手を使えるような相手ではなく、同じく身体能力を強化するか元々優れた身体を使って真正面から挑んでくる相手。それが常時硬化しているような相手は特に辛い。殴ろうが蹴ろうが自分にダメージが跳ね返ってくるのだから。殴った手の痛みが漸く引いてきたので改めて構えを取り直した剣崎、しかし剣崎にはある考えがあった。圧倒的な防御力も実証出来て改めてこの手しかないと確信する。

 

「よしっ……オオオオオオオッッッ!!」

 

雄たけびを上げると再び鉄へと突撃して行く。万策尽きての特攻にもみえるような行動に周囲からも驚きの声が漏れて行く、それを当然迎え撃とうとする鉄。突撃に合わせて自分も走り、剣崎へと掴みかかろうとする。そしてその圧倒的なリーチが剣崎を捕まえようとした時―――剣崎は更に一歩深く踏み込んで鉄の懐に入り込んで腕と脇辺りに手を当てると一気に鉄を持ち上げた。

 

「でぇぇえいいやああ!!!!」

「おおおおおおっっ!!!??」

 

体重約400キロという巨躯は剣崎の怪腕が唸りを上げると共に持ち上げられるとそのまま、地面へと叩き付けられた。凄まじい音を立てながら叩き付けられた鉄、巨体故に投げ飛ばされるというのは初めての経験であったが、剣崎は立ち上がろうとする鉄を軽く蹴り上げると強引に立たせる。そしてそのまま前屈みにさせるとジャンプし鉄の身体を一気に地面へと叩き付けた。

 

『何と剣崎、あの鉄を軽々と投げて飛ばして叩き付けているぞぉ!!騎馬戦でも見せた怪腕がここでも唸りを上げるぅ!!』

『鉄の身体の硬さなら打撃攻撃は余り硬化は無い、だが投げなら話は別だ。最低でも自分の体重分の衝撃が身体に入る、いうなれば防御貫通攻撃だ』

 

「ウェェエエエラァァア!!!!」

「ぐあああっっ!!!」

 

今度は自分も倒れ込みながら腕の力と合わせて、鉄に巴投げを仕掛ける。激しく唸りを上げるように音を立てるステージ、鉄の体重も相まってステージには再び凄まじい亀裂が入っていく。そんな中から立ち上がろうとする鉄は投げられるという経験が全くない為に既にフラフラになっていた、自分の体重の事もあってまさか投げられる人間なんていないだろうと思っていた為に投げ技に対する耐性がないのが酷く災いしている。

 

「おおおおっっ!!」

「うぐぉっ……おおおおっっ!!!」

「ウェェエエエエエエイイイイイッッ!!!」

 

此方へと飛び掛かってくる剣崎、フラフラながらも必死に立ち上がった鉄は全力で拳を振るった。それは剣崎の首を掠めるが当りはしなかった、そしてお返しと言わんばかりに腕をつかんだ剣崎は全力で鉄を持ち上げるとそのまま振り回してぐるぐると何回も回転して、ジャイアントスィングで鉄を場外へと投げ飛ばした。

 

『鉄君場外!!よって勝者、剣崎君!!』

「う、腕が……疲れた……」

「こっちは目が、回りそうだ……」




思い切って投げてみました。これも確りとした元ネタあります、まあライダーネタじゃないけど。
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