救いのヒーローになりたい俺の約束   作:魔女っ子アルト姫

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研究所所属、ヒーローチーム

「人類基盤史研究所内ヒーローチーム、BOARD事務所……ねぇ」

 

翌日の昼休み、漸く絞る事が出来た剣崎だがそれでも職場体験先の候補はまだまだ凄まじい数がある。4632件というとんでもない指名の中からかなり絞った方なのだが……それでも候補は400件以上も残っているというのが凄い状況である。机の上に広げられている資料、それらを確認しながら候補を絞っている剣崎だが、そんな彼の姿を見かねて出久と梅雨ちゃんが溜息を吐いている彼へと近づいていく。

 

「剣崎君大丈夫?提出期限明日までだけど」

「全然……何とか絞ってこのだからな、ざっと数えても400超えてるから今日と明日最大限使って絞りきるしかないと思う」

「剣崎ちゃんは優勝してる物ね、注目集めちゃってるのも無理も無いわ。でも4000件越えてるのによくそこまで絞り込めたわね」

「ああ。取り敢えず嫌いなヒーローは全部除外して、そこから色々と分けて行ったからね」

 

まず利益追求、名誉を追及しているヒーローは真っ先に除外した。自分には来ていないがエンデヴァーの物もあったら真っ先に除外する事間違いなしである。好き嫌いで分けた後は基本的なヒーローと救助を主軸にするヒーロー、調査専門、それぞれが主軸としている活動別に分けてそれらから興味が惹かれた物に分けたのが約400という数である。更に此処から絞っていく必要がある。

 

「出久はもう決まってるのか?」

「うん、僕はグラントリノってヒーローから指名を受けたからそこに行くつもりなんだ」

「グラントリノ……え~と確か結構古いヒーローだったような気がするけど思い出せないなぁ」

「そうね私も良く分からないわ、でも緑谷ちゃんってもっと有名なところからも受けてなかったかしら?確かシューティングヒーローのクリアリングからとかも来てたわよね?」

「そうなんだけど、僕としては此処がいいかなぁって思った」

「ふぅ~ん……良く分からないけどお前がそこで良いと思ってるんならそれでいいんじゃないか?」

 

先日出久から話を聞いた話では、新たに指名して来たヒーロー事、グラントリノはオールマイトが学生時代の担任だった人らしく"ワン・フォー・オール"の事も把握しているヒーローとの事。そんなヒーローからの指名、という事で出久は興奮していたがオールマイトはマッスルフォームである屈強な身体を震わせながら顔を青ざめさせていた。出久曰く、オールマイトがガチ震えしていて愕然としたらしい。思わず剣崎もどんだけ恐ろしいヒーローなんだろう……と思ってしまった。まあこの場は梅雨ちゃんもいるので話を合わせるだけにしておくが。

 

「んでさ出久、BOARD事務所の事って知ってるか?妙に名前が気になって一応候補に残してるんだけど」

「えっ嘘、剣崎君あの人類基盤史研究所にある特殊個性ヒーローチームBOARD事務所から指名来てるの!!?どれだけ凄いの!!?」

「えっそんなに凄いの……?梅雨ちゃん分かる?」

「全然……」

 

凄まじく興奮している出久のテンションの上がりっぷりが全く理解出来ずに付いていけない二人を他所に最早芸染みている早口による剣崎の力と注目度とその分析を行う出久、そんな彼に説明を求めるのであった。

 

「あ、ああごめんね。えっとまず人類基盤史研究所っていうのは人類歴史や進化の根本に付いて解き明かそうとしている世界でも指折りの研究機関なんだよ。今では個性に関する研究を行っていて、多くのプロヒーローもそこに訪れて自分の個性に対する理解度や自分さえ知らなかった個性の真実を解析したって事でヒーロー界隈じゃ本当に有名な所なんだよ」

「へぇ……そんなに凄い所だったのか」

「そういう所があるって事すら知らなかったわ、一般的に公開されてるって訳でもなさそうね」

「基本的にそこで扱われる情報は極秘扱いされているから、一般的に公開されている情報は少ないんだ。でもヒーロー界隈だと知らない人なんていない位に有名な所さ」

 

知る人ぞ知る、という奴だろうか。ヒーローも多く立ち寄るのであれば彼らの個性に関する情報もある、それらを秘匿する為に基本的に見学や情報公開などは極一部しか行われていないとの事。ヒーローマニアでもある出久ですら研究所の詳細は把握出来ていない。

 

「それで緑谷ちゃん、そのBOARD事務所っていうのは如何いう所なの?」

「その研究所に所属している事務所なんだけど、そこのヒーローは研究の一環で色んな実験に参加した影響で特殊な個性を持ってたりするんだ。詳しい事は研究所が秘匿しちゃってるから、現代ヒーローとしては珍しく情報が少ないヒーローだよ」

「へぇ~……なんか面倒くさそうな所だな」

「まあね……。でもそこは凄い人気で色んな人が入りたいっていうんだけど、研究所の所属だから全部研究所が審査するから殆どの人が弾かれるって話だよ」

「それって剣崎ちゃん相当凄いんじゃないかしら?」

「うん僕としてはそこを凄い推したい!!」

 

と鼻息を荒くしながら言う出久、そう言われるとかなり興味を惹かれるし何で自分を指名したのかも気になってくると言うもの。それに個性の研究をしていると言うのもなんだか面白いような気もする。

 

「んじゃそこにして見るかな……後で相澤先生にちょっと相談してみるわ」

「そうね、私も受け入れ可能って言われてる水難救助の所で相談したいから付き合うわ」

「剣崎君行くならさ、そこに所属しているグレートブレイブヒーロー、グレイブとランサーヒーロー、ランス、後ボウガンヒーロー、ラルクのサインお願い出来ないかな!!?」

「貰えるなら貰って来てやるからそう興奮するなっての!!?」


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