「さあ、カリスを渡せ!!」
「だぁからカリスって何の事だっての!?」
凄まじい勢いで飛翔していく怪人、それは最初から目的が剣崎であったように行動している為に出久の言葉が益々信用性を帯びていった。しかし救出しようにも天高く羽ばたかれては追いかける手段が極端に限られてきてしまう。既にピクシーボブの"土流"では届かない距離にまで上昇してしまっている。
「剣崎君を狙って、何をする気なんだ……!?マンダレイ、僕はかっちゃんの方に行きます!!!じっとなんてしていられません!!!」
「ま、待って貴方そんな怪我じゃ!?」
マンダレイの静止の言葉すら聞こえないほどに脳内ではエンドルフィンやアドレナリンが大量に分泌されている。気を失っていても可笑しくはない大怪我を負っていても行動できているのは、ハイになっている影響で痛みを感じなくなっているから、だがちょっとした拍子で冷静になってしまったら即座に倒れこんで動けなくなってしまうだろう。それでも出久は動かずにはいられなかった。森の中へと走りこんで行き、爆豪の元へと急いでいく。
「それに、剣崎君なら一人に慣れた方が力を出せる……剣崎君は、仮面ライダー何だから!!!」
剣崎の強さを十二分に把握している出久は深くは心配していなかった、剣崎は尋常ではないほどの実力者という事もあるが彼が仮面ライダーという事もある。その強さはオールマイトすら認める程で、自らを回復させる事も出来る。彼に勝つ事は非常に難しいと思っている中、頭を振り払いながら剣崎の無事を祈りながら全力で走り続ける。
「離しやがれっ……このカラス野郎!!」
「カラスではない、私はイーグルだ!!」
「つまりワシ……!?」
肩へと食い込んでくる爪、徐々に肉を引き裂いて骨にまで達しようとしているのが痛みが凄まじくなって来る。
「さあいい加減にするがいい、ブレイド。大人しく私にカリスを渡せ、そうすれば命だけは助けてやる!!」
「だから分からないって言ってるじゃねぇか!!ああもう、良いこうなったら……」
このままでは何れやられると思った剣崎はバックルに素早くカードを入れて装着する。
「離してくれないなら……こっちから落ちるまでだ!!」
「何を……!!」
「変身!!!」
『TURN UP』
バックルから
「それならこいつだっ!!!」
「〈
ラウズした事で身体に力が漲ってくる、どんどん迫ってくる地上。そこへと強烈な磁力を発生させつつも、自分の身体からは同じ磁力を発生させる。その磁力の反発を磁力の強弱を調節する事で、ゆっくりと地面へと着地する事に成功する。
「あぶねぇっ……!!」
兎も角、これで変身を行えて自分も最大限に戦う準備は整っている。だが、これでラグドールのサーチに仮面ライダーが引っかかってしまう。自分を見ようとしたら仮面ライダーが其処にいる、即ち仮面ライダー=剣崎 初という方程式が成り立ってしまう……だがそんな事を言ってられない。兎に角周囲を警戒しながらなんとかあのイーグルを倒す手立てを考えなくては……と思っていたときの事、アーマーに何かが張り付いてきた。はがして見るとそれは血が付いたナイフであった。
「ナイ、フッ?」
「梅雨ちゃんあれ!!」
「けっ―――仮面ライダー!!」
「(梅雨ちゃんに麗日さん!?それに―――)」
「あれあれ、誰ですかな貴方?」
そこにいたのは肩から血を流している麗日と庇うように前に出ている梅雨ちゃん、そして―――目の中に狂気を携えながらこちらを赤く染めた頬のまま、向き直る不気味な少女であった。不意に剣を構えると少女は一気に飛びのきながら木々の陰に後退する。
「貴方相当強いです、私は殺されたくないので逃げます。バイバイ……」
そう言って木々の奥へと消えていく少女、思わず見送ってしまった剣崎だがそのままナイフを圧し折ってから彼女達二人へと駆け寄っていく。出来るだけ声を低くして自分だとバレないようにして声を出す。
「無事か」
「はっはい大丈夫です……」
「そうか、ヴィランの気配がしたから来たのだが……まさか山火事とはな」
「い、いえこれはきっとヴィランがやったんです!!さっきマンダレイさんのテレパスでヴィランが来たからって交戦の許可が下りたりして……!?」
「落ち着け一つずつゆっくりでいい」
と剣崎は仮面ライダーとして振舞っている事に気付いた梅雨ちゃんもそれに合わせるようにしながら、剣崎がばれないようにする事を決意しながら麗日と話を合わせていく。そんな中―――
「おい蛙吹、麗日!!」
「轟君に障子君、それにデク君!!」
「ケロッ緑谷ちゃんその怪我!!?」
「僕、は大丈夫……!!」
「おいてめぇは何なんだよォ!!てめぇもクソ共の仲間かぁあ!!?」
「ち、違うわ爆豪ちゃん!!私達仮面ライダーに危ない所を助けてもらったの!!」
「まさか、こんなところで仮面の騎士と出会う事になるとはな……」
背後から轟、障子、出久、爆豪、常闇がやってくる。突然の出会いに双方共に驚きを隠せないが、兎も角互いの情報を交換して最善を尽くす事に専念する事にした。手短に互いの事を理解したお互いらは仮面ライダーが敵ではなく味方である事、爆豪を護衛しながら宿泊所へと向かっている事を理解した。
「兎も角、治療を行う」
「てめぇにんな事が出来るんのかよ!!」
「出来るわ。USJで相澤先生の傷を仮面ライダーは治してくれてる……!!」
「そっか、そう言えばそんな事もあったな……」
「わ、私は大丈夫だからデク君を優先して……!!」
「兎に角静かにする事だ」
『〈
ラウズした力で二人へと回復の光を差し向けていく、兎に角出久の傷は想像以上にやばい。かなり集中させなければ治す事は難しい、そして9割以上も出久へと費やした結果として出久の両腕は復活し麗日の身体も治癒させる事に成功した。
「……あんなにボロボロだった腕が治ってるなんて……」
「有難う仮面ライダー!」
「有難うございます!!」
「礼は、危機を脱してからにしよう。まだ空に敵がいる」
その言葉に全員が意識を集中し警戒を高めた、空に敵がいる。機動力が圧倒的なほどに上な相手がいると言うことだ。対策を立てようとした時、再び森の影の中からイーグルが飛来してきただが今度は梅雨ちゃんを狙っての行動だった。
「邪魔を……するなっ!!!」
「それはお前だぁっ!!!」
咄嗟に身を乗り出して、自らを盾にするようにしてイーグルの爪の斬撃を防御する。流石に片腕の物は虎の一撃で粉砕されているが、もう片方が残っていた。それによる攻撃が剣崎の身体へと突き刺さった。
「(剣崎ちゃん……!!)」
思わず叫んでそうになるのを必死に抑える梅雨ちゃん、深く突き刺さったそれはライダーのアーマーと言えど耐えられるか分からない物であった。それほどまでの一撃、しかし剣崎は耐えていた。腹部へと突き刺さったそれを鷲掴みにしながら剣崎は爛々と目を光らせながらイーグルを睨み付ける、思わず怯んでしまったそれを―――
「彼女に、手を出すなぁぁぁっっ!!!!」
思いっきり殴りつけた。頭部を殴りつけられたイーグルは倒れこむが剣崎は攻撃を止めない、翼へと手を伸ばしそれを力一杯に引っ張ってそれを引きちぎる。激痛にもだえるイーグルの声が森の中に響き渡るがそんな事気にしない。今剣崎の中にあるのは梅雨ちゃんへと攻撃を向けたこの怪人への怒りだけだった、圧倒的な機動力の源である翼をもぎ取るとそのまま木へと投げつける。そして一気にカードをラウズする。
『〈
「ウェェエエエエエエエエエエエイッッッッッ!!!!!」
爆発的な速度を長短距離で発揮しながらその勢いまま、雷撃を纏った凄まじい蹴りをイーグルへと炸裂させる。怒りも相まってか以前繰り出したとき以上に破壊力が乗っているそれは、イーグルの身体を崩壊一歩手前まで追い込みながら命中する。それを受けたイーグルは身体を震わせながら爆発を撒き散らしながら倒れこんだ。そしてショッピングモールで戦った怪物と同じくバックルが開いた。
「……もしかしてこいつもか」
もしやと思いながらイーグルにもカードを投げつける、すると矢張りその身体は混濁した緑色に発光しながらカードへと吸い込まれていく。完全にカードに吸い込み終わるとカードは手元へと戻ってくる。カードには『
「これは一体……!?」