救いのヒーローになりたい俺の約束   作:魔女っ子アルト姫

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部屋披露と、一夜。

「いやぁ剣崎君の料理、最高でしたぁ……♪」

「最後のデザートまで完備とか完璧すぎるよ……」

「はふぅ凄い満腹……♪」

「アァン、なんて心地いい満腹感なのかしら……♪」

 

夕食を終わった頃、談話スペースでは腹を満たした皆は満足げに笑いを浮かべていた。剣崎の振舞った料理は本人曰く仕込む時間がなかったので手抜きのようなもの、らしいがそれでも十分過ぎるほどの美味しさを誇っていた。お嬢様育ちな八百万ですらリップサービス抜きで絶賛する程の腕前であった。爆豪も料理に喰らい付いており、おいウェイ野郎足んねぇぞもっと持って来い!!と催促したほど。

 

「満足しただけようで何より、今度は中庭で流しそうめんっていうのも楽しそうだな」

「おおっそれ良いな!!折角の夏休みだし、楽しく行かないとな!!」

「うんうん、流しそうめん賛成~!!」

 

と次の食事イベントに皆がワクワクするのを見ながら微笑む剣崎、やっぱり誰かが笑顔になってくれる様子が好きなんだなと隣に座っている梅雨ちゃんは思いながら笑っている剣崎を眺めていると、芦戸が思い出したかのように大声を出した。

 

「あっそうだご飯ですっかり頭から抜けてた!実はさ、お部屋披露大会しません!?」

「おおっ披露大会!!皆の部屋を見て回るって事か!?そりゃ面白そうだな!!」

「それじゃあ2階の人からだから……まずは緑谷君の部屋から!!」

「え"っ」

 

いきなり標的にされてしまった出久は大慌てしながらどんどん部屋へと向かって行く皆を止めようとするが、皆は止まらずにずんずんと進んで行って出久の部屋を開けてみた。其処に広がっているのは物の見事にオールマイトのグッズやらで埋め尽くされている部屋であった。確かに出久にとってオールマイトは誰よりも特殊な憧れでオリジンでもある、そんな相手に憧れるなというのも無理があるだろう。そんな調子で次々と紹介されている部屋、まあ例外的に峰田の部屋のみは明らかにやばいというオーラを本人が出しているので除外されて行くのだが……。因みに爆豪は拒否して部屋へと戻って行った、寝るらしい。

 

「あれ、そう言えば泉の部屋って何処なんだ?」

「アァン私の部屋はこっちよ」

 

と案内して行く京水だが、向かう先は女子たちの部屋がある側。先生達から見ても京水はそっちに分類出来るという事なのだろうか……それとも京水なら女子の方にしても全く問題ないだろうという信頼故なのか……真偽は分からないが、兎に角京水の部屋を見て見る事にした。

 

「さあさあ入って!!」

 

と促されて入った京水の部屋は―――酷く整頓されており隅々まで清掃が行き届いているのか床の端まで輝いているように見える。小物はシンプルに纏められて収納されながらも御洒落に飾り付けられ、赤い椅子にオレンジのカーテン、小さな鉢には白い花が活けられ、各所から出来る女の部屋という雰囲気が溢れ出ている。

 

『すごッ!!』

「わああぁぁっなんか出来る人の部屋って感じで素敵!!」

「あの椅子に座りながら優雅に紅茶を飲んでる姿とか凄い様になってそう!!」

「へえぇっ中々素敵な部屋じゃないか、俺の母さんもこんな感じに部屋は綺麗にしてたよ」

「いやんもっと言って!!」

 

正に一人暮らしをする者のお手本のような部屋作りをしていた京水に皆から賛美の声が上がるのであった。所々にある乙女心をくすぐるような小物もポイントが高いと梅雨ちゃんが言っていた。しかし次の部屋のハードルが上がってしまったのか次の者は少しガックリ来ていた。そんなこんなで続いて行く部屋披露大会、続いては鉄の部屋となった。クラス一番の巨漢の男の部屋はどのようになっているのかと皆興味深々だった。

 

「皆さんのご期待に添えるかどうか……」

 

と照れながら開けられた鉄の部屋は彼の個性の関係上か、頑丈な物で作られている物が多くタンスなども特殊合金で出来ているらしい。が、それでも各所にはワイヤーラックなどで小物収納をしつつ自分らしさを演出しながらとどめに彼の愛犬であるチータンがお出迎えした。

 

「おっ~凄いこっちもなんかカッコいい!!そしてワンちゃんだぁ~!!」

「もふもふだぁ~!!」

「おい鉄、お前も口田と同じことしてんぞ。あいつは兎だけど」

「え、ええっ~……」

 

大型犬でもふもふの毛が自慢らしいチータンはおいておくにしても、部屋は整頓されているし男の部屋としても参考になる部分があったりもする。そんなホクホク顔の皆だったが、ラストとして遂に剣崎の部屋となった。梅雨ちゃんの部屋は、剣崎の料理の手伝いをする為に途中で切り上げたのでまだ終わっていないので、後日するとの事。

 

「それじゃあラストは剣崎の部屋!!」

「実は俺、剣崎の部屋って気になってたんだよな」

「俺も俺も」

「おいおいそんなにハードル上げてくれるなよ」

 

そう言いつつも皆は轟の部屋並の物が来るのではないかと身構えていた。轟の部屋はフローリングが落ち着かないという理由で純和風の和室へと完全にリフォームされていた、本人曰く頑張って一日でリフォームしたらしいが一体何をどうしたのだろうか……。そして遂に開けられる剣崎の部屋……其処にあったのは

 

「おおっ!」

「これすご~い!!!」

「ほ、本当に凄い……!」

 

と剣崎の部屋は和モダンテイスト、現代的なデザインの中に和のテイストを取り入れた和モダン。どこか懐かしい雰囲気で、居心地のいい和モダンスタイルは、実はなかなかテクニカル。それでいて必要以上に着飾らない内装とカーテンは障子に交換されているからか、和のような印象を強く受けるが置かれている椅子などは和の雰囲気と調和するように選ばれたものな為にモダンな雰囲気を上手き引き出し、壁に掛けられている富士山の写真や部屋の奥に置かれているカメラなどが眼を引く作りになっている。

 

「こりゃすっげぇっ~……マジでイケメンのする事って違うな」

「俺、一回で良いからこんな部屋に住んでみたいわ」

「ねぇねぇ剣崎君、このカメラって剣崎君の?」

「ああっ。父さんから貰ったカメラだ、壁にある富士山の写真も俺が取ったものだ」

『すごっプロ並じゃん!!』

 

意外な一面を見せつつも抜群の部屋センスを見せ付けた剣崎の部屋であった。そんな部屋も含めた結果―――女子達から圧倒的な評価を集めた砂藤が優勝となった、理由としては砂藤が時間が余ったので焼いたケーキが美味しかったという物だった。因みに票数で言えば準優勝は剣崎だったりする。そんなこんなで部屋の披露大会も終わって皆自分の部屋に戻って行って寝る準備を始めた頃の事だった、剣崎は二人分のお茶を淹れて、椅子に腰掛けている彼女へと差し出した。

 

「はい梅雨ちゃん」

「有難う剣崎ちゃん」

 

皆が部屋に戻り、入浴などが済んだ暫く後の事。こっそりと抜け出した梅雨ちゃんは剣崎の部屋を訪れていた。そんな彼女を招き入れた剣崎は笑顔であった。

 

「やれやれ、漸くちょっとした騒ぎが収まったね」

「そうね。でも皆の部屋を見れてちょっと楽しかったわ」

「だな。俺は出久の部屋が予想的中ど真ん中で笑っちゃったわ」

「オールマイト一色だものね、でも緑谷ちゃんらしかったわ。剣崎ちゃんは誰に入れたの?」

「梅雨ちゃんがいたら梅雨ちゃんだったね」

「あらっ嬉しい、私は剣崎ちゃんのこの部屋に入れたわ」

「ありゃ嬉しい」

 

そう言って微笑み合う。何気ないやり取りが本当に楽しくて致し方なく、何時までもしたくなってしまう。梅雨ちゃんはお茶を飲み終わるとベットに腰掛けている剣崎の隣に腰を下ろして、身体を密着させながら身体を預ける。そんな彼女を抱き寄せると剣崎は聞いて見る。

 

「如何したんだい、梅雨ちゃん」

「ううん、こうしたくて」

「じゃあ満足するまでそうしてていいよ」

「有難う、ケロっそれじゃあ有難くそうさせて貰うわ」

 

思う存分に剣崎の体温とその感触を独り占めする梅雨ちゃん、そんな剣崎も彼女の柔らかな身体の感触を味わいながらもこうしていられることに幸せを感じていた。そんなときにある事を思いついた。

 

「あっそうだ梅雨ちゃん、折角だから写真撮っていいかな。携帯の待ち受けにしたいんだ」

「あらっいいわね、後で私にも送ってね」

「勿論、それじゃあほらほら笑って」

 

そう言いながら抱き合いながら上手く携帯を掲げて映るようにして、ウィンクをする梅雨ちゃんとピースサインをする剣崎という非常に絵になる二人が撮れた。それを彼女の携帯へと送ると早速二人は一緒に携帯の待ち受けにするのであった、それをみて御揃いねっと笑いあうとここで時計を見て、そろそろ寝ないと拙い事に気付いた。が、とある事に気付く。

 

「あっそうだ、梅雨ちゃんの部屋ってまだ片付け終わってないんじゃ……」

「実はそうなの、ベットの上の布団もまだまだ準備出来てないの」

「そりゃ参ったな……今から一緒に行って作業するのは流石に拙いだろうし……」

 

流石に剣崎が一緒にいって手伝いをするのは色々と拙い、しかしこのままでは梅雨ちゃんの寝場所にも困る……。すると梅雨ちゃんは上目遣いで少し涙目になりながらも剣崎を見上げる、そんな彼女に見つめられた剣崎は身動きが出来なくなり釘付けになってしまう。

 

「だから,ねその……今日は、此処で一緒に寝てもいい……?」

「つ、梅雨ちゃんさえ良ければ……じゃ、じゃあ梅雨ちゃんはベットを使ってよ。俺は椅子で寝るからさ……」

「そ、それじゃあ風邪を引いちゃうわ……だから、その……い、一緒に寝ましょ……?」

 

剣崎は、ハートを撃ち抜かれるという感覚を初体験した瞬間であった。そして、二人は共に一緒のベットに入り、手を繋ぎながら共に眠った。ドキドキしっぱなしだった為か、中々寝付けなかったのは言うまでもあるまい。そして翌日は、皆に疑われないように寝不足を隠しながら必死に平静を装うのであった。

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