救いのヒーローになりたい俺の約束   作:魔女っ子アルト姫

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凄まじき戦士、シュートスタイル。

新たに改良された剣崎のコスチューム、それはBOARDが剣崎の個性をより詳しく解析しそれに準じた物へと進化させた物。今まで以上により大きくなっており体格が更に増しているかのように見えるだけではなく、マッスルスーツとしての機能も上昇しており、更なる力が発揮出来るようになっている。

 

「オリャアアアアアアッッッ!!!!」

 

それでいながらも全身へと張り巡らせられるようになっている黄金のライン、それらはエネルギーを伝達する役目を担っており、そこから新開発させられた個性をより細かく伝達する新技術が導入されてコスチュームその物が身体と一体化するような作りとなって、細やかな動きをする事が可能となっている。その威力を試す為に拳を思いっきり振り切った剣崎は、セメントスが作り上げた巨大な山のような壁へと風穴を開けるほどのパンチを繰り出していた。思わずその破壊力を見て、剣崎はコスチュームの性能が著しく上昇しているのだと自覚する。

 

「これが俺の新しいコスチュームの力……」

「素晴ラシイ破壊力、正ニ一撃必殺ノ型ノ新タナ誕生デアル」

 

エクトプラズムも認めるほどの破壊力を見せ付ける剣崎、更に威圧的な外見へとなったコスチュームは何処か棘棘しくなっているのにも関わらず剣崎本人の影響なのか、威圧的と言うよりも頼もしく安心感を与える物へと変じさせている。そんな彼は引き続き訓練を積んでいる時の事、出久がこちらへと走ってきた。彼も今日に至るまで様々な変化があり、腕には保護サポーター、足にはスパイク兼アーマーのアイアンソールを装着したキッカーへとスタイルを変えていた。

 

「剣崎君、もし良ければキックの事に付いて色々と聞きたいんだけど……」

「俺にか?蹴りなら飯田の方が良いんじゃないか?」

「飯田君にも色々聞いたんだけど、飯田君は機動力メインな所を参考にさせてもらったんだ。それで今度は所謂火力メインなキックをする剣崎に聞きたいんだ」

「な~る、先生良いですか?」

「良イ、剣崎君ハ彼ニ対シテ基本ヲ教エナガラモウ一度自分ヲ見直シテミルトイイ」

「分かりました」

 

剣崎は既に個性を活かした技を複数開発を終了している、そもそもが個性を発動している状態こそが必殺技と言えるし十二分に選択肢を作り上げているとエクトプラズムに判断されている。これから伸ばすべきなのはそれらを活かした戦い方と選択肢をどうやって活かして行くかという物。その為にも一度自分を見直してみる事も重要となってくる。

 

「んじゃ始めて行くか、と言ってもまずどんな事を聞きたいんだ?」

「剣崎君は今まで僕の"フルカウル"の訓練とかにも良く付き合ってくれるから分かると思うけど、やっぱり小回りの利いた機動力でそれを活かすとしたら機動戦が主になるんだ。だからダッシュの延長で使えるキックとかが良いと思ってるんだ」

「ああ。フルカウルは全体的な戦闘力の向上と機動力の大幅強化がメインだもんな」

 

故に出久が主軸に置きたいのは蹴り、それもオールマイトがメインに据えているパンチによるスマッシュに変わる自分なりのシュートによるスマッシュ。その為にも仮面ライダーとしてもキックを必殺技にしている剣崎の技を参考にしたいとの事。

 

「成程な……それなら出久はカウンター系じゃなくて自分から向かって行くタイプのキックをやって行った方が良いかもな。それと蹴る時は足の力だけを少しだけ上げてやるのも重要になってくる」

「うんそれは僕も考えてる、蹴る瞬間にだけ出力を上げるって言うのをね」

「それなら幾つか実演してみるか」

「お願いします!!」

「セメントス先生、新しい的をお願いします!!」

「OK。任せておいてくれ」

 

とセメントスに新しい壁で的を作ってもらって剣崎は幾つかのキック技を披露する、その場で跳躍しながら落下しながら加速して蹴りこむ。助走を付けた勢いのまま蹴りを叩きこむ、体重を乗せた浴びせ蹴り、踵落としなどなど様々な蹴り方を実演して行くと出久は目を大きく開いて食い入るようにそれを目に焼き付けていく。そして中でも最も出久が喰い付いた物があった。

 

「ウェエエエエエイッッ!!!!」

「こ、これだっ!!!」

 

それは助走で勢いを付けたまま蹴る前に自ら回転しながら跳躍して、回転の力をキックにプラスして放つ飛び廻し蹴りであった。フルカウルの機動力を存分に活かせる上に回転する事で瞬間的に出力を高めるという要素をやりやすくなるというのが大きな理由であった。

 

「僕にあったスマッシュ……うん、これならフルカウルを活かしながら必殺技に出来る!!」

「よしそれなら試しに蹴ってみると良いさ。何でも試してみないとな」

「うん!!!」

 

この後剣崎の見直しと共に出久のキック練習が始まり、出久は徐々に蹴りをマスターしていきながらも"ワン・フォー・オール"の出力を制御しながら瞬間的に高めて相手を倒すシュート・スタイルへ更なる磨きを掛けていく。

 

「ねえ剣崎君、さっきのカウンターの奴も見せてくれないかなっ!?あれも回し蹴りでしょ、参考にしたいんだ!!」

「と言っても出久の回し蹴りと違って、あれはその場で動かないで近づいてくる相手に放つカウンター系の奴だぞ?」

「それでもっお願い!!」

「ったく分かった分かった……」

 

 

「エクトプラズム、如何かな緑谷少年と剣崎少年は」

「オールマイト」

「私が来たっ!」

 

と体育館へとやって来たオールマイトは二人の事をエクトプラズムへと尋ねてみる、一緒に訓練をしている様子は個性の訓練をしていた頃の様子に酷く似ているからかオールマイトは笑みをこぼしている。

 

「良イ関係ヲ築イテイル。互イガ互イヲ刺激スルライバル同士、ソシテ師弟トモ似タ関係デモアル。面白イ」

「そうか、それは非常に良いな!!」

 

とオールマイトが笑った時、体育館内で凄まじい爆音と爆風が巻き起こった。周囲の隆起したセメントの足場は衝撃波によって揺るがさせ、脆い箇所は次々と綻びていく。それを巻き起こしたのは出久に頼まれて、カウンターマイティキックを試しにと全力で放ってみた剣崎であった。どうやら新コスチュームの影響でパワー上限が増している為か、セメントスが用意した巨大な山のような壁を完全に粉砕して吹き飛ばしてしまうほどの超威力を発揮してしまった。

 

「けっ剣崎君、凄い……!!!」

「……あれ、この威力流石にやばくね」

 

と目を輝かせる出久をさておきながら、剣崎は口角を痙攣させるかのように困ってしまうのであった。そしてBOARDに直ぐに連絡して、自分の力を数値として見えるように出来ないかと相談した所、パワーメーターやその他機能を内蔵した直ぐにメットを送ってくれるという事になった。




剣崎コスチュームを簡単に言うと最初がアメイジングマイティ、今現在がアルティメットフォームって感じ。

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