救いのヒーローになりたい俺の約束   作:魔女っ子アルト姫

94 / 105
二次試験、ヴィラン役にピッタリ。

一次試験のように展開されていく待機場、其処から飛び出していく受験生達は改めて先程まで自分達が駆け回っていたフィールドが瓦礫の山となっているこの状況に息を飲みながら全員が駆け出していく。そこで助けを待っている人達を救う為に。

 

「これがさっきまで私達が居たフィールドとはとても思えないわね……。凄い有様」

「瓦礫に注意しよう、落ちてくるのは僕達にとっても危険だ!」

 

集団で纏って動いている中で真っ直ぐと走りながら全方向に神経を集中させる剣崎、メット内の機能も最大限に使いながら周囲に潜んでいる人達を見落とさないようにする。そんな時に剣崎の聴覚に泣き叫ぶ子供の声が聞こえてくる。そちらへと向かってみると頭部からの出血をしている子供が祖父が潰されたとパニックを起こしていた。

 

「お爺ちゃんが、お爺ちゃんがぁぁっ……!!」

「もう大丈夫、安心してくれ。頭部の怪我の出血は止まってるがある程度深いな、落ち着いてな。よし、立てるか?」

 

すぐさま其処へと急行した剣崎は柔らかい声色で落ち着くように促しながら、怪我をして居る少年の細かい状態や呼吸数、出血の量やその怪我の今の状態などを確認。手早く素早い確認に加えて周囲の状況確認に祖父の事も手早く確認しながら同時に、障子達に確認を頼んだりするのを一瞬の内に判断して、子供が歩く事は可能だが足に打撲などを負っている事を確認して優しく抱き上げる。

 

「よし、京水ちゃんこの子を八百万が待機している救護所へと連れていってあげてくれ。もう大丈夫だ、俺達が来たからな!!」

「ええっ任せて頂戴!!送り届けたら通信機で連絡するわね!」

「う、うんっありがとうぅ……!!(……状況把握も一流、私の怪我の状態の確認も僅かな時間……仲間への指示も的確で無駄がない。超一流の粋に達している、雄英高校1-Aの剣崎 初……ポイント贈呈決定)」

 

京水が子供抱えて走っていくのを見送った皆は剣崎の無駄の無い指示や気迫に驚きながらも同時に大きな安心を感じられた。彼の指示ならば問題なく従って自分の行動を預ける事が出来る。

 

「皆、最後にこれを徹底してくれ。被災者は不安を抱えてる、一番なのはそれを取り除いてあげられる力強い言葉だ。オールマイトの「私が来たっ!!」みたいにな、だからそれを頭にいれて―――行くぞ!!」

『了解!』

 

 

「あ、足を瓦礫に潰されちゃってるんだ……早く、助けてくれっ……!!」

「大丈夫です、今私達が助けますからっ安心してください!!瀬呂君、峰田君この近くの瓦礫を固定して!!この辺りの瓦礫、下手に浮かせたら大変な事になるかもしれん!!」

「分かって今やるぜ!!峰田、細かい部分にもぎもぎ頼むぜ!!」

「おうよっ!!お茶の子さいさいだぜ!!」

「常闇、瀬呂と峰田が瓦礫を固定するまで黒影で補佐をしてやってくれ。黒影なら繊細の力加減で瓦礫を支えられる!!」

「承知、黒影―――命を救うぞ!!」

「アイヨ!!」

 

瓦礫が折り重なるような状況が多いこの場、確かに多くの人達を救うというのは大切だろうがもっと大切なのは自分に何が出来て、その場において何が必要なのかを客観的に判断して即座にそれを周りに伝達して適切な個性を持つ者を連れてこられるか。個人の能力ではなく判断力とコミュニケーション能力が問われているといっても過言ではない。

 

「剣崎、救助者を2名発見だ!!瓦礫が邪魔して助けられねぇらしい、ビル跡だ!!

「上鳴を直ぐに呼んで電気が流れてないかの確認、その後に鉄と芦戸、京水ちゃんで行ってくれ」

「了解だぜ!!おい上鳴聞こえるかっ直ぐに来てくれ!!」

「剣崎ちゃん、大変よ直ぐにこっちに!!」

「ああっ今行く!!」

 

受験生達はそれらを冷静に考えながら様々な事を考慮した上で動かなければならない、レスキューはハッキリ行って個性を使った戦闘などと同じく訓練の数などの経験が物を言う。他が2年ばかりの中で1年で受けている雄英は戦闘能力に関しては経験豊富だが、しかしレスキューに至っては経験不足と言うしかない。だがそれをフォローしていたのが仮面ライダーと言うライフワークの中で多くの人達を救っている剣崎であった。

 

「轟、こっちの人の為に氷を炎で溶かして水を用意してくれ!!」

「解った。直ぐに用意する」

「葉隠と尾白は轟と応急処置、その後は救護所へ運んであげてくれ」

「了解した!!」

「任せといて!!」

 

仮面ライダーとして、日常的に人を救い続けてきている剣崎は2年や3年とは比較にならない程にレスキューの経験が蓄積されている。しかもそれは訓練ではなく実際に起きている災害や事故現場が大半で、命の危険に遭っている人々を相手に行っているので錬度も非常に高くなっている。

 

「飯田に出久、鉄達がもう直ぐ二人を連れてビルから出てくる。その二人を連れて救護所へっ!!」

「解った!!行こう緑谷君!!」

「うん!!」

『おいウェイ野郎!!6時に腕と足を折った奴が居るぞ!!』

「ああっ解った!!なんだよ爆豪、お前結構協力的じゃねぇか!!」

『るっせぇ!!仮免に受かる為だクソがぁ!!』

「梅雨ちゃん、一緒に来てくれ!」

「了解よ」

 

上空では瓦礫などを爆破で一掃しながら道などを作っている爆豪が高い視点を活かして、怪我人を見つけて剣崎に伝えるという事を率先してやっている。本人曰く、瓦礫を片付けるだけじゃあ退屈でヴィランが来るまでの間位はこの位やってやる、俺に出来る事だからやっているだけ。それを聞いて仮面ライダーとしての言葉が相当響いていることに笑いがこみ上げてくる剣崎であった。

 

「ご無事ですか、もう大丈夫です!!」

「あ、足を……」

「いけないわ、こっちの人は出血が酷すぎて意識が薄くなってるわ!」

「解った。八百万、これから怪我人を新たに二人連れて行く。一人は意識が薄くなってる、医薬品はまだ余裕あるか!?」

『大丈夫ですわ、他校の皆さんも協力してくださってるのでまだまだ余裕があります!何時でも来て下さい!』

「よし、梅雨ちゃん俺がそっちを運ぶよ。君はこっちの人を」

「解ったわ」

 

的確な判断と優先すべき事や通信機による報連相、それらを徹底しながら剣崎と梅雨ちゃんは怪我人を救護所へと連れて行った時―――凄まじい爆発音と共に黒い影のような存在が現れた。

 

『ヴィランが現れ追撃を開始、現場のヒーロー候補生達はヴィランを制圧しつつ救助を続行してください』

「さあ如何する、全てを平行して出来るか……戦うか守るか、助けるか逃げるか、どうするヒーロー……!!」

 

試験場の壁を爆破するようにして現れたのは巨大な鯱のような姿をしながら凶暴そうな見た目をしている男、それはプロヒーローでありヒーローランキング10位にランクインするほどの実力を誇る超一流のヒーローであるギャングオルカ。見た目こそヴィランのような恐ろしい見た目をしているが、それを覆すほどの活躍と実力、そして気質を持ち合わせており、剣崎が尊敬するヒーローの一人。まあ確かにヴィランとしてはピッタリすぎる配役だ……。

 

「ならっ―――全部を平行してやればいい。おい聞こえるか、相手はヒーローランキング10位のギャングオルカ、相当強いけどお前なら十分立ち回れるはずだ。後から他にも行かせるけどなんならお前が倒しちまえ―――爆豪!!!」

「―――っしゃああああああ!!!!行くぞ、シャチ野郎ォォォオオオオオオ!!!!!」

 

解き放たれた爆豪は、喜々として空中を爆発で舞いながら手下と思われる黒タイツの部下ヴィランを率いるギャングオルカへと向かっていく。そして手下ヴィランを救助を行っているヒーロー達から遠ざけるかの如く、落下と共に一気に回転しながら大爆発を引き起こしてヴィランらを牽制すると共に爆風で吹き飛ばしていく。

 

「ほぅ……攻撃と救助ヒーロー達への防御を兼ねた一手か……悪くない、悪くないぞヒーロー」

「思う存分、暴れてやるぜぇぇぇぇぇっっ!!!!!」




かっちゃん大喜び。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。