救いのヒーローになりたい俺の約束   作:魔女っ子アルト姫

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仮免試験、点数。

ヒーロー仮免許取得試験、その全工程が終了しいよいよ合格発表が成されようとしていた。やれる事だけはやった、後は天に運を任せるのみと思っているが皆緊張した面持ちで発表のときを待っていた。そして巨大モニター前に目良が立っていよいよ合格発表者が公表されようとしていた。

 

『え~それではこれより、合格発表者を発表したいと思います。モニターに50音順にて名前が表示されますのでどうぞご確認ください』

 

遂に表示されたモニターに映り込む合格者の名前、それらに皆が食い入るように自らの名前を探していく。剣崎もそれらに目を向けて50音順で探そうとするが真っ先に梅雨ちゃんの名前を見つけて思わずホッとするのであった。表示それさえ確認できたのであればもういいような気もするのだが、自分の名前を探し始める。一つずつ確認して行き、遂にカ行へと差し掛かった。

 

「剣崎―――っあった……!!」

 

カ行の辺りを探していく、そして見つけた「剣崎 初」の名前。剣崎は見事仮免取得試験に合格した事がしめされていた。それを見て矢張り心のどこかで不安だったのかホッとしつつも嬉しさが出て来たのか、息を吐いてしまった。まあ仮免に落ちたとしても仮面ライダーとして活動はするつもりなので、余り気にしないつもりでは居たのだが……合格したと分かると嬉しくなってくる。

 

「剣崎君やったよ僕受かってた!!」

「おうやったなっ!俺もだ」

「俺も受かってたぜぇ!!」

 

次々と上がってくるA組から上がっていく喜びの声が合格者の多さを如実に現している、これも林間合宿と必殺技の特訓でアレだけ苦労したお陰だろう。そして剣崎は少々心配な爆豪へと顔を向けてみると如何やらまだ探しているようである、そして―――爆豪は口角を持ちあげながら大きく笑いを上げた。

 

「シャアアアッッ!!!」

「爆豪、受かってた!?」

「ああ、合ったぜ!!当然だけどな!!」

「轟お前は!?」

「待てまだだ、常闇の近く……あった」

 

爆豪と轟も如何やら確りとあったようで剣崎は思わず胸を撫で下ろした、という事は―――A組は全員仮免取得成功という事になる。全員が大声を上げて大喜びする中で目良がプリントを配布すると知らせを出す、其処には今回の試験の採点の方式と個人個人の点数が書かれているので確りと目を通して欲しいと言われる。合格のボーダーラインは50点、減点方式となっているらしい。

 

「出久、お前どうだった?」

「僕は78点だったよ。行動自体は問題ないけど、その前に足とか止めちゃったりとかで減点されてるみたい」

「俺は87点だったぞ剣崎君!!どうやらもう少し応用と動きの柔らかさを付けた方が良いらしい」

「其処は慣れだからな……これから積んでいけばいいさ。俺のも早くこないかな……」

 

とうずうずしている剣崎に出久と飯田は直ぐに来ると言って諭す。

 

「剣崎ちゃん、まだなの?」

「みたい、梅雨ちゃんは?」

「私は85点だったわ。如何やらちょっと慎重になりすぎて時間掛け過ぎちゃったのがまずかったみたいね」

「ふ~ん……やっぱり経験とかが大きく出てるな」

 

梅雨ちゃんもかなりの高得点、こうなると自分はどうなるのだろうか。今回の事で自分がこれからの活動における注意点なども確認出来るので出来れば早く知りたい、次々と配られていく皆のプリント。その中でも八百万が97点という超高得点を叩きだしているという事が耳郎の驚きの声で知らされて、早く自分のもこないかなと思っていると、爆豪の声が響く。

 

「あ"あ"ッ!!?56点だぁぁっっ!!?」

「えっと何々……荒々しい声と物言いで要救助者に対する威圧は大幅減点対象、そしてヴィランとの交戦中に一切周囲を考慮せずに大爆発を起こしすぎ、納得だわ」

「って勝手に見てんじゃねぇぞクソが!!!」

 

どうやらかなり低かったらしく爆豪は合格したのも関わらずご機嫌斜め、しかし減点される理由となったのは切島は盗み見て言った内容に凄まじく納得がいく。剣崎の指示とかが無かったら普通に不合格もありえた点数なのである。

 

「轟、お前は?」

「俺は89点。やっぱり個性を使っての救助の仕方が課題らしい、雑な部分で減点されてる。やっぱまだ炎の方が調整し切れてないな」

「お前でも89点なのに八百万が97点って……」

「あっ剣崎ちゃん来たわよ」

「剣崎君、どうぞ」

「あっ有難うございます」

 

剣崎が受け取るとA組の皆が次々と集まってくる、どうやら皆剣崎の点数が気になるらしい。

 

「おいおい、なんで皆こっち来るの!?」

「だって気になるもん!剣崎君の指示がなかったらあんなにスムーズに行かなかったもんね!!」

「だなっ最初の役割分担だってお前が言ってくれたんだぜ?」

「そうそう、最初に決めてくれたから心に余裕が出来たんだし」

「早く教えてよ剣崎の点数!!」

「まだ見てないってば……ええっと」

 

そして漸く見始めた剣崎、自分の点数は―――

 

「……100点満点ッ!?」

『すごっ!!?』

 

なんと八百万を完全に越えた満点であった、剣崎は素早い状況確認や要救助者の状態確認や適切な行動などが完璧に近いレベルで素早い上に周囲の指示や連絡が徹底されているなどで満点が与えられていた。その他の部分、点数以外での部分では役割分担などリーダーシップ的な部分も評価に値するなどというコメントが書かれている。

 

「やっぱり剣崎君凄いよ!!流石だね!!」

「アァン流石初ちゃんだワァアン!!私ってば84点だってのに!!」

「私は67点……うむぅぅっ精進しなくては……」

「いや、普通科からの途中編入でいきなり受かるって相当凄いからな鉄!!?」

 

「イナサ、そっちは?」

「オッス!!78点で見事合格っス!!!」

「良かったな」

「おうっス!それと轟、なんか、勝手に嫌な顔したりしてすいませんでしたっス!!轟の目、全然エンデヴァーと違ったっス!!!」

「いや、もう気にしてねぇよ。これから宜しく」

「おうっス!!!!」

 

こうして剣崎 初はヒーロー資格仮免許の取得に成功。また一歩、救いのヒーローとしての道を歩む事に成功するのであった。そしてそれは、また一歩、大きな戦いに近づく事を意味する。




剣崎が入る影響で大きく異なった世界になっております。

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