救いのヒーローになりたい俺の約束   作:魔女っ子アルト姫

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取得と動き出していく。

「ほい、これが俺の連絡先だ。気軽にメールでも連絡でもしてくれて構わないから」

「おおっありがとうッス!!それじゃあ俺すぐにいかなきゃいけないんで!!それと轟、改めて色々すいませんでした!!」

「いやもういい。俺も悪かったしな」

「それでは失礼します!!」

 

試験場を出てすぐにイナサに連絡先を受け渡した剣崎、そしてその手にあるのは自らの顔写真が印刷されている仮免許。自らが、いや剣崎 初という一人の人間が救いのヒーローとしての道を歩み始めている証明になっていることに嬉しさを感じていた。自分自身の力で勝ち取った立場、それらが嬉しくてしょうがない。

 

「おい剣崎、お前マジですげぇよ満点とか!!」

「本当ですわっ!!やっぱり剣崎さんはすごいですわ!!」

「爆豪と比べたら雲泥の差だよな」

「んだとぉてめぇ!!!」

 

そう言って自分を称賛してくれる声に心地よさを感じながらも笑顔を浮かべる、100点という今回の救助演習の基準において完璧を指し示す数値をたたき出した剣崎は紛れもなくトップ中のトップだった。顔写真を撮る時に言われたのだが100点を取得したのは今回自分だけだったという話だった。

 

「いや、俺はまだ先を目指すよ」

「おいおい満点なのにか?」

「ああ。完璧というある種の限界よりももっと先へ―――Plus Ultraってやつさ」

 

自分が見えているのは遥か先、自分にとっての救いのヒーロー。それは人々の心に光をともし、その光を柱として、何かあった時に頼れるモノにする。言うなれば心の安寧の象徴、自分という存在がいることで誰かに安心感を与えたい。それこそ剣崎が目指すヒーロー、平和の象徴であるオールマイトとどこか似ている目標だが剣崎にとってオールマイトは救いの神も同然、憧れるのは必然ともいえる。

 

「救いのヒーローを目指してるんだよね剣崎君、まるでオールマイトみたいだ」

「ははっオールマイトか、いいなそれ。あの人は憧れだったけど、確かに目標にするのはピッタリなでかい壁だな。よ~し目指すはオールマイトだ!!」

「その意気その意気!!あっそうだ剣崎君、虎さんに仮免許取れたって見せに行こうよ!!」

「ああっそうだな」

「その場で整列ぅぅぅッッ!!!!」

「「サーイエッサー!!!」」

『最早芸レベルだ……』

 

やって来た虎による声に即座に反応する二人に対して、皆はたぶんこの先何があってもこんな反応するんだろうなと思うのであった。まあ林間合宿で身体の奥の奥にまで叩き込まれた虎の指導は生半可なことでは抜けないだろうから、恐らく虎がやってくる度にこんなやり取りが続いていくことなのは間違いない。

 

「まあ堅苦しい話はこのぐらいにしておくか……では改めて緑谷、剣崎、おめでとう。我は師として非常に嬉しい限りである、これから貴様らが歩んでいくヒーローへの道はこれからが本格化していく事だろう。言うなれば登山道の入り口に立ったに過ぎないということだ。だが、本格的な登山のためには様々な準備や体作りなどが必要不可欠だ、その為の努力を忘れるな」

「「はい!!」」

「うむ、それではこれをくれてやろう」

 

そういうと虎は二人の胸元にバッチのようなものをつけてやった。それは「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ」のエンブレムのようなものが彫り込まれている物だった。それを見た出久は興奮したかのように声を上げる。

 

「ここここここっこれって「ワイルド・ワイルド・プッシーキャッツ」のエンブレムバッチじゃないですか!!?」

「うむっそうだ。それは我々プッシーキャッツの仲間らの共有している仲間の証という意味もある。つまり、貴様らもプッシーキャッツの一員でもある、という意味合いがある」

「そ、そんなの貰って、いいんですか……!?」

 

剣崎が問うと虎は笑いながらこう言った。

 

「貴様らには受け取る資格がある、これは同時に我々からの指名とも置き換える事が出来る」

「えっそれって!!?」

「卒業後の進路に組み込んで貰っても構わんからな」

 

つまり、剣崎と出久の二人はプッシーキャッツからの指名を確約されたといっても過言ではない贈り物。1年の時点でヒーロー事務所からの指名を受ける、かなり異常なことともいえるだろう。

 

「と言っても強制はせん、これから正に様々な体験をするだろう。貴様らが歩みたいように歩むがいい」

「「はいっ!!!」」

 

虎からの言葉を重く受け止めた二人、その顔に宿っているのは決意と覚悟。これから自分たちが歩んでいく世界に踏み出す勇気とそのために心構え、それらを改めて確認すると前に進んでいくことに決めるのであった。

 

「っとそうであった。剣崎、お前の連絡先貰えるか」

「構いませんけど……」

「ピクシーボブから聞いてこいと煩く言われてな……この後も飲み会なのだが、どうせなら一緒に来るか?」

「い、いえ俺は遠慮させていただきます……これどうぞ、ピクシーボブにもよろしくお伝えください」

「うむ、ではな。これからも精進を忘れるな」

 

この日の夜、ピクシーボブから早速メールなどが飛んできて、梅雨ちゃんの視線に痛さを感じながら対応に困る剣崎であった。

 

 

 

「―――そうか、彼は仮免許を取得したか。ありがとう」

 

受話器を置きながら夜景を視界に映しながら笑みを浮かべて喜ばしい事だと笑うが、同時に上げられてきた報告書を見て顔つきを鋭くする。報告書には巨大な剣と盾を持った黄金の怪物が映り込んでいる。それを見て橘は思わず歯ぎしりをする。

 

「動き出すのか……カテゴリー、キング……」

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