ディケイドの力によって2068年に送り込まれたソウゴとツクヨミ。そこで彼が見たものは絶望に満ちた未来であった。
総人口は激減し、残された人々も怪我や飢えによって苦しみ続けている。
最高最善の魔王になり民を幸せにすることを目指していたソウゴにとって受け入れことが出来ない未来。
自分が犯すかもしれない所業に苦悩するソウゴ。
そんな彼の前に未来の自分であり、この地獄を生み出した人物、オーマジオウこと五十年後のソウゴが現れる。
未来の自分を否定するソウゴ。しかし、未来のソウゴは自分こそ最高最善の魔王だと言って憚らない。
故にソウゴは決意する。今、ここで、未来の自分を倒すことを。
◇
『ディ、ディ、ディ、ディケイド!』
ディケイドライドウォッチを装填し、ドライバーを回転させることでディケイドアーマーを呼び出す。
『アーマーターイム!』
『ディーケーイードー!』
黒を主とした体にマゼンタカラーが混じる。液晶画面の様な仮面に縦に連なるプレートが描かれ、目には緑で『ディケイド』の文字。
両肩、胸部に装甲が追加され、胸部と左肩にはバーコードが描かれており、右肩はバーコードの様に白と黒の色で『ディケイド』と描かれている。
『ライドヘイセイバー!』
鍔の部位に短針と長身が備わった片刃の剣を取り出す。ディケイドアーマー専用の武器であり、その身に19の仮面ライダーの力を宿す。
ジオウと合わせれば20の仮面ライダーの力が一つになったことを意味するが、その剣身を突き付けられても、前に立つ敵は超然と立つ。
全身から放つ覇気をそのまま具現化した様な黄金の体。時計の長針と短針を模したマント。顔の『ライダー』という文字は同じだが、額には三つのクロノグラフが備わっている。腰に巻くジジクウドライバーには王に相応しい絢爛たる装飾で飾られていた。
全てを超越した存在。これこそが最低最悪にして最高最善の魔王オーマジオウである。
ジオウはライドヘイセイバーの長針を回す。
『ヘイ! クウガ!』
クウガの紋章を選択し、柄に備わったトリガーを引く。
『クウガ! デュアルタイムブレーク!』
ジオウの前に封印を意味する刻印が現れ、それをオーマジオウ目掛けて突き出す。
オーマジオウは迫る刻印に悠然とした態度を崩すことなくライドウォッチを一つ取り出す。
四本の角。黒い目。そのライドウォッチに描かれる者の名は──
『アルティメットフォーム!』
刻印はオーマジオウに触れる前に炎に包まれ、焼き尽くされる。
「えっ!」
驚くジオウに対し、オーマジオウが手を突き出す。途端、ジオウもまた炎に包まれた。
「うああああああ!」
全身を焼く炎の熱に溜まらず地面に転がる、もみ消そうとするが炎は消えない。
オーマジオウが手を突き出すのを止めると、それに合わせて炎も消えた。
「これだけで私とお前との差を感じた筈だが?」
低く重々しい声。幼さがまだ残るソウゴの声とは重圧が違う。
「うるさいっ!」
しかし、ジオウはそれに屈することなく立ち上がろうとする。
「己の想いを曲げぬか。それこそ王の証……!」
オーマジオウはそんなジオウの反骨心を讃える。
『ヘイ! キバ!』
その屈辱に耐えながらもジオウは次なる紋章を選択。
『キバ! デュアルタイムブレーク!』
ライドヘイセイバーの剣身を弾き鳴らす様に指先を滑らすと、剣身から無数の黄金の蝙蝠たちがオーマジオウへ飛翔していく。
オーマジオウはまた新たなライドウォッチを出す。蝙蝠の様な羽の飾りがあり、鮮やかエメラルドグリーンの目を持つ仮面ライダーの顔。
『ダークキバ!』
オーマジオウの前方に蝙蝠を模した巨大な紋章が現れる。黒で描かれたそれは深緑の輝きで彩られていた。
「ふん!」
オーマジオウがその紋章を押し出す。黄金の蝙蝠たちはその紋章によって次々に粉砕され、それを放ったジオウへと迫る。
「くっ!」
構えるジオウ。しかし、紋章は何事も無いかの様にジオウを通過。
「えっ」
一瞬の間の後、ジオウは紋章に引き寄せられ、磔にされる。
「うああああ!」
磔にされたソウゴを、赤い電流の様な力が襲う。だが、これで終わりでは無い。オーマジオウは更なるライドウォッチを取り出している。
額には星座盤。向かい合う蛇の如き赤い両眼。
『エボル!』
オーマジオウの右足を中心に、星座早見盤を彷彿とさせる渦巻くエネルギーが生じ、それがオーマジオウの右足に吸い込まれていく。
オーマジオウが指招きをした途端、ジオウが紋章から弾かれ、オーマジオウに向かって飛んで行く。
「はあっ!」
それを右足で打ち返すオーマジオウ。星すら滅ぼす力が、ジオウの体に流し込まれる。
「うぐあっ!」
再び紋章に磔にされたかと思えば、またも弾かれる。そしてオーマジオウはそれを蹴り返す。
紋章、オーマジオウによって弄ばれるジオウ。息つく暇も無く数度往復した後に紋章は消え去り、ジオウは地面に倒れ伏す。
「く、ううう……!」
最早立つだけで精一杯のジオウ。傷ついた体でも尚ライドヘイセイバーの針を回そうとする。
「流石、私だ。まだ折れぬ」
ジオウが諦めない姿を見せる度に、オーマジオウはそれを褒める。一種の自画自賛であるが、ジオウが不屈であればあるだけ、オーマジオウへ至る未来は強固なものとなることを意味していた。
「ならばここからは私からお前に与える試練だ! 見事耐えてみせろ!」
オーマジオウが見せつける様に取り出したライドウォッチ。額、両頬から伸びる黄金の角。鮮やかな黄金のライダー。
『コーカサス!』
瞬間、ジオウは自分の身に何が起こったのか分からなかった。少し遅れてオーマジオウの姿が見えないこと、そして、数十を超える打撃を撃ち込まれ、宙に跳び上がっていることに気付く。
ジオウの目には神速で動くオーマジオウを捉えることが出来ない。
『クロノス!』
直後に全てが停止する。冠の様に頭部から生えた八本の角。緑と黒のみで形作られた顔。時の神と同じ名を持つライダー、クロノス。神速は神のみが許された時へと至る。
「これで最後だ」
両手に握られるライドウォッチ。右手には三本のアンテナに青い目のライダー。左手には鳥類を彷彿とさせる黄金の仮面を被るライダー。
『G4!』
『オーディン!』
時間が停止された中で羽ばたく黄金に燃える不死鳥。その不死鳥が羽ばたくとその翼から全てを溶かす烈火を帯びた羽と、全てを斬り裂く疾風を纏った羽が放たれる。
そして、オーマジオウの周囲の空間が歪み、そこから巡航ミサイルの弾頭が次々に現れる。その狙いは全てジオウに定められていた。
「超えてみろ! 私よ! 超えたとき、お前は最高最善の魔王となるっ!」
その台詞後に時間停止は解かれ、圧倒的暴力がジオウを蹂躙する為に解き放たれる。
魔王なんだしガンガン行こうぜ! みたいな話です。
本編では書かなかったですが、エボルブラックホールフォームとゴッドマキシマムゲーマーの宇宙コンボとか、激情態とアルティメットの合わせ技も面白いかもしれませんね。
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