仮面ライダージオウIF―アナザーサブライダー―   作:K/K

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Over Quartzer その18

「時代を己の意のままに改竄しようとする大魔王バールクス! 例えお前たちが歴史を管理する役目を持っていたとしても人々から安寧を奪うことはこの仮面ライダーBLACKRXが許さん!」

 

 赤と緑の複眼を輝かせ、バールクスに対し堂々と言い放つRⅩ。バールクスからすれば舌打ちをしたい気分であった。

 予想外の形で本来の姿を取り戻したことはバールクスにとっても、クォーツァーの計画にとっても計算外のこと。

 そして、もう一つ厄介なのは目の前のRXは、本来のRXと若干異なるものと化しているのだ。

 ただのRXならばバールクスの強制したルールに掠るので大幅な弱体化をさせられる。だが、今のRXはシャドームーンの力を宿している。シャドームーンはBLACKとRXと同じく二つの時代を跨いだ存在。それが抗体の様にバールクスの能力を阻む。

 ならば更なるルールを課し、平成以前までもルール内に取り込めば良いと考えるかもしれないが、そうなると長い時間を掛けた今の計画を修正どころか白紙に戻してもっと大規模な計画を一からやり直さなければならなくなる。

 時間を掛かる、もっと繊細な計画を練る必要がある──などというクォーツァーの思惑よりもバールクス個人のプライドがそれを許さない。

 たった一つのイレギュラーの為に王である自分がやり直しを認めるなどあってはならないのだ。

 

「許さん……? それはこっちの台詞だな! 俺はお前の存在を許さん!」

 

 両手に握るリボルケインとサタンサーベルを再び統合させ、長剣と成す。鍔にある風車状の装置が回転し出すと剣身が青白く輝く。

 二人は構えたままジリジリと詰め寄っていく。今までの戦いとは違い両者共に相手の出方を窺う慎重な立ち上がりであった。

 一定の距離間まで来ると二人の足が止まる。距離にして約三メートル。一歩分踏み込めば無いに等しくなる間合い。この距離ならば素手のRXよりも長剣を装備しているバールクスの方に分がある。

 

「とあぁぁ!」

 

 前に出たのはRXの方。そんな有利不利などRXには関係無い。彼には例え不利な状況であっても前に進むことが出来る勇気と不屈の闘志がある。

 バールクスが長剣を振り翳す前に接近し、同時に拳を繰り出す。だが、相手のバールクスもまた桁外れの力と技量の持ち主。RXの拳に即座に反応し、サイドステップで側面に回り込みながら長剣を振り上げ、伸ばされているRXの腕を切断する為に振り下ろす。

 

「はあっ!」

 

 RXは躱された拳を斜め上に払い、手刀の形で長剣の鍔へ打ち込んだ。

 振り下ろされる筈であったバールクスの長剣がRXの手刀によって阻まれる。

 バールクスは手刀ごと押し込もうとするが、長剣はそれ以上先へは進まず行き場を失った力がバールクスの両腕に返り、長剣を震わす。一方でRXの方も長剣をバールクスの方へ押し返すことが出来なかった。

 両者の力が拮抗していることを意味するが、それぞれの立場では捉え方が違う。バールクスは圧倒していた筈の相手にここまで食い下がされている事実に屈辱を覚え、RXの方はBLACKの時に圧倒されていた相手と互角に渡り合え、戦い方が見えてきた。

 

「ふんっ!」

「ぐあっ!」

 

 これ以上の力比べを望まなかったバールクスはRXの胴体に中段蹴りを打ち込む。

 力の入っていなかった部位に蹴りを入れられたことで長剣を押さえていた腕から僅かに力が抜ける。

 そのタイミングを狙ってバールクスはRXの腕を押し退け、距離を開けさせる。RXの体勢が立て直らない間に踏み込み、バールクスは下から上への逆袈裟切りを放つ。

 より頑強になった筈のRXの装甲を長剣は易々と斬り裂き、脇腹から肩に掛け斜めに走る傷を作り出すが──

 

「ぐっ!」

 

 ──その瞬間、バールクスの顔面にRXの拳が命中する。攻撃直後という絶妙なタイミングもあるが、パンチのキレも増していたので回避することも出来ず完全に入ってしまった。

 RXが拳を殴り抜くとバールクスが数歩後退していく。ダメージによる後退はこの戦いが始まってから初めてのこと。

 

「王の顔に手を上げるか……」

 

 バールクスの仮面には打撃によって罅が入っている。RXのパンチはキレだけでなく破壊力も増大している証であった。

 ダメージらしいダメージを初めて与えられたバールクスであったが、その声は意外と静かなものであった。しかし、それは表面上のこと。バールクスのその一言を聞いたクォーツァーのメンバーはRXへ向けられたものだと分かりながらも我が事の様に身を震わす。

 そして、RXもまたバールクスの声の裏に潜んでいる激情を敏感に感じ取っている。油断すれば呑み込まれ兼ねない程の敵意の奔流を見た。

 RXは構えながらいつでも反応出来る様に神経を集中させる。斬られた箇所からは白煙が生じており、如何にバールクスの長剣の威力が凄まじいのかを物語っている。

 放っておけば戦闘に支障が生じるかもしれない傷であったが、RXはその傷を庇うことも気にすることもしない。

 既に応急手当の準備が整っているからだ。

 空から太陽の光がRXへ降り注ぐ。RXの体が光に包まれ、発光するとバールクスに受けた斬撃痕は綺麗に無くなっていた。

 RXは太陽光を吸収することで如何なる大ダメージであっても一瞬で回復させることが可能なのである。

 RXの反則的な回復能力を目の当たりにしたバールクスであったが、特に驚いた様子も無い。

 何故なら──

 

『BLACK RX!』

 

 ──RXに出来ることはバールクスにも可能な事だからだ。

 バールクスはRXと同じく太陽光をその身で吸収すると光を放ち、仮面にあった罅を瞬時に修復してみせる。

 

「ふっ」

 

 RXに対し鼻で笑うバールクス。RXの回復は必要だったからしたことだが、バールクスがやった回復はRXへの挑発の意味が込められていた。『お前がやれることは俺にも出来る』と行動で表す。

 RXは心乱されることは無かった。相手が自分の力を奪った時からこうなることは想定済み。

 その時、RXは腹部のサンライザーが疼くのを感じた。RXの中に宿っているシャドームーンの力と意思がRXに語り掛けている。

 

 ブラックサン、何をやっている。本物であるお前があんな紛い物に後れを取るな。戦え、光太郎。

 

 疼きはRXへそう語り掛け、発破も掛けている。

 RXも荒々しく、騒々しく、そして頼もしい好敵手の意志に仮面の中で静かに笑いながら、その声に応じて己の中にある最強の力を具現化させる。

 RXの体内に満ちる光が圧縮されていく。極限まで圧縮された結果、物質化したそれはサンライザーの左側が柄として出現、RXは掛け声と共にそれを左手で引き抜き、右手へ持ち替える。

 

「リボルケイン!」

 

 バールクスも使っていた武器──光子剣リボルケインを本家本元が使用。その事実を歓喜するかの様にリボルケインの剣身が輝く。

 

「切れ味比べと行くか?」

 

 初めて武器を手にしたRXに臆せず、逆に長剣を突き付けて挑発する。

 

「行くぞ!」

 

 振るわれるリボルケイン。同じ軌道で迎え撃つ長剣。剣身を輝かせる二振りが衝突した時、閃光が発生した。

 クォーツァーのメンバーらは閃光の後に反射的に後退する。光が駆け抜けた後に彼らの周囲の温度は数度上昇していた。離れていた場所ですら温度が上昇する程のエネルギーの衝突。

 その中心に立つ二人に今どれだけの高熱が発生しているのか想像も付かない。

 二振りの光の剣による鍔迫り合い。拮抗する二人を中心にして膨大な熱が生じ、足元にある地面が赤熱化し出す。

 それでも鍔迫り合いを止めない両者。赤熱化した地面が溶解を始め、二人の周囲が溶岩となっていく。

 常識外れした力の衝突により何もなかった場所が灼熱地獄と化す。この様な高熱の中で二人は力と力、意地と意地の比べ合いをする──かに思われた。

 

「ふっ」

 

 何故かバールクスが一笑する。まるでこの状況を待っていたかの様に。RXは灼熱の中で冷たい悪寒を感じた。

 その悪寒はすぐに現実のものとなる。

 

『ロボライダー!』

「──しまった!?」

 

 ロボライダーライドウォッチの起動。読み上げられた名を聞き、RXは即座にバールクスの目論見に気付いたが少し遅かった。

 周囲を満たす灼熱の溶岩から噴き出す炎。それらがバールクスへと吸収されていき、高熱を帯びていた溶岩はすぐに元の状態へ戻る。

 ロボライダーは炎を吸収する能力がある。そして、吸収した炎を自らのエネルギーへ変換することも可能であった。

 

「くっ……!」

 

 それを示すかの様に拮抗していた筈の鍔迫り合いが徐々にRXの方が押され始める。

 

「がら空きだぞ?」

 

 鍔迫り合いの中であろうことかバールクスは片手を離す。しかし、RXは片腕だけの長剣を押し返すことが出来なかった。

 

「ふん!」

「ぐあああっ!」

 

 高熱を帯びたバールクスの拳がRXの胸を突く。更にロボライダーライドウォッチによってパワーも強化されており、無防備な状態で受けたRXは数十メートルも殴り飛ばされる。

 

「凄まじいパワーだ……!」

 

 殴り飛ばされた先で胸を押さえながら立ち上がるRX。押さえた隙間からは煙が漏れ出ている。かなり効いたが、まだ戦うことが出来る。

 

(恐らく奴はこうなることを予測して俺との接近戦を挑んだんだ……! 敵ながら何て恐ろしい読みだ……!)

 

 強烈なエネルギーを発生させ、それにより周囲を高熱化。ロボライダーの能力を活かせる環境を作り出す。RXがリボルケインを出した時からここに至るまで全てがバールクスの計算であるとRXは確信し、戦慄する。

 バールクスの攻撃がこれで終わるとはRXも思っていない。お互いの距離は数十メートル離れている。そうなると次なる攻撃は──

 

「ボルティックシューター!」

 

 ──RXの推測が正しかったことを証明するバールクスの声と共にロボライダー専用銃ボルティックシューターが出現し、橙色の光弾を発射。

 

「はあっ!」

 

 RXはすぐさまリボルケインで光弾を斬り払うが、その後を詰める様に次々と光弾が迫って来る。

 休む間も無くリボルケインを振るい続けるRX。全ての光弾を払っていくが、RXに余裕など全く無かった。

 

(何て精密な射撃なんだ……!)

 

 光弾を払う度に射線を微妙に修正し、払った後のRXが捌き難い位置を狙った精密射撃が飛んで来る。一瞬でも気を緩めれば着弾を許してしまう。

 

(何度も俺の危機を救ってくれたボルティックシューター……その銃口に狙われることがこんなにも恐ろしいとは……!)

 

 窮地を救ってくれてきた武器が今度は自分を窮地へと追い込む構図に皮肉を感じざるを得ない。まるでボルティックシューターで屠ってきた敵が時間や空間を超えて復讐しに来た様にすら思えてくる。

 

「だが……!」

 

 RXは一歩踏み込み、自ら光弾へ接近すると紙一重の差で光弾を斬り払う。続いて踏み込み、またも光弾を打ち落とすRX。

 

(ボルティックシューターの弾速は使い手である俺も熟知している!)

 

 自分の知る武器だからこそ光弾が来るタイミングを計ることができ、ほんの僅かな時間を使い、ゆっくりとだが着実に距離を詰めていく。

 もし、ロボライダーに変身出来たら持ち前の防御力を生かし、同じくボルティックシューターを撃ち合いながら距離を詰めていただろう。しかし、今はシャドームーンの助力によってRXへの変身能力を取り戻したに過ぎない。ロボライダーやバイオライダーにも変身出来ない。

 弾幕の中を一歩一歩進んで行くRX。たった数十メートルの距離でもボルティックシューターに狙われているという緊張感と重圧のせいで何十倍の距離に感じられた。

 

「ちっ」

 

 粘るRXにバールクスは舌打ちをする。距離を詰めて来るのならバールクスの方から後退をすればいいだけの話だが、攻撃以外で後退するなど、まるでRXに気圧された様でバールクスのプライドが許さない。

 だが、その間にRXは残り数メートルの位置にまで来ていた。綱渡りの様な状況であっても心や集中を乱さない強靭な精神力を見せつける。

 あと一歩踏み込んだら弾幕の密度を上げることを考えていたバールクス。そう考えた矢先にRXは前へ一歩踏み込む。そして、同時リボルケインを前方へ突き出した。

 バールクスの視点からすれば意味不明な行為であった。まだ互いに距離がある段階である。ここで突きを放っても空を切るだけのこと。

 案の定、光の剣身は何も無い空間を虚しく突く──かと思った瞬間、剣身が突如として伸びた。

 

「何っ!?」

 

 間合いの外からの攻撃に驚き、迫って来るリボルケインの剣身に対して仰け反るバールクス。剣身は鞭の様にしなると、ボルティックシューターの方へ伸びて行き、光の剣身でボルティックシューターの銃身を切り飛ばして使用不能にする。

 リボルケインを鞭の様にする。これは奇跡が起きて急に備わったものではなく、元からリボルケインに備わっていた機能であった。だが、バールクスが驚くのは無理も無いこと、何故ならRXはその機能を今ここで初めて見せたのだ。

 リボルケインは大体の敵をその機能を十全に使用する前に倒すことが出来るので、RXにとって武器というよりも必殺技に等しい。

 隠された機能を初めて使う相手が、RXと似た存在であるバールクスとは皮肉としか言い様がない。

 体勢を崩し、ボルティックシューターを失ったバールクス。それを好機と見たRXは、リボルケインの剣身を戻しながら走り出し、瞬時に距離を詰めるとリボルケインでバールクスの胸を貫く。

 

「これは……!」

 

 リボルケインから伝わってくる感触にRXは焦りを混ぜた声を上げる。確かにリボルケインはバールクスの胸部を貫通していた。ただし、液状化している胸部を。

 

『バイオライダー!』

 

 体の一部分を液状化してリボルケインを回避したバールクスは、今度は全身を液状化させ、液体の塊となってRXに体当たりをする。

 

「ぐわあっ!」

 

 その体当たりに後退させられるRX。すると、液体となったバールクスは空中を飛び回り、RXの後ろに回り込むと再び体当たりをする。

 

「がはっ!」

 

 連続攻撃の後、バールクスは空中を動き回る。次なる攻撃の機会を狙っている様であった。

 RXはリボルケインを構えたまま飛翔するバールクスを睨む。バイオライダーの能力はRXも身を以って知っている。液化している状態では例えリボルケインでも無効化されてしまう。

 戦うのであれば、同じバイオライダーの能力を使用するのが一番だが、前述した様に今のRXにバイオライダーへの変身能力は無い。

 手も足も出ない絶体絶命の状況──今のRXで無かったのなら。

 そう、今のRXは通常時のRXとは違う。彼には今までに無い力があった。

 

(バイオライダーの力は誰よりも俺が知っている……! そして、その弱点も!)

 

 バイオライダーの動きを目で追うRXのサンライザーが帯電した様に緑色の輝きを発し始める。サンライザーに左手を翳すとその光は左手へ移って行く。

 バールクスが真っ正面から挑んできた。液状化した体に対する絶対的な自信を持つ故の行動であろうが、今回ばかりはそれは自信ではなく驕りであった。

 

「シャドームーン! 技を借りるぞ!」

 

 五指を開いた左手をバールクスへ向け、RXはその技の名を叫ぶ。

 

「シャドービーム!」

 

 五指から放たれた稲妻が、バールクスへ飛んで行く。ビームであろうが通過する体になっているバールクスはシャドービームに構うことなく突っ込んでいくが、シャドービームはバールクスを貫くのではなく網の様にバールクスを囲った。

 

「っ動けん!?」

 

 シャドービームに囲まれたバールクスは、そのまま空中で固定される。サタンサーベルの時にもあった反重力が発生し、バールクスを捉える。

 

「油断をしたなバールクス!」

「ほざけ! 捉えた程度で──」

 

 俺を倒すことなど出来ん、という言葉は吐く前に呑み込まれた。バールクスは身動きが取れない状態になっている己の体の変化に気付いたのだ。

 液体となっている体。半透明の体に小さな気泡が生み出され始める。気泡はすぐに増えていき、大きな泡となっていく。

 

「貴様っ!」

「気付いたか! 俺は今お前の体をシャドービームで熱している! いくらバイオライダーの体でも気化すれば無事では済まん!」

 

 液状化した体ならば爆発で四散しても元に戻ることが出来る。だが、戻るのはあくまで液体となっている場合である。RXはシャドービームによってバールクスの体を直接熱し、気体へと状態変化させようとしていた。

 かつてRXもシャドームーンのシャドービームでバイオライダーの力を破られたことがある。バイオライダーを相手にするのならこれ程相応しい力は無い。

 

「おのれ……!」

 

 バールクスは体が蒸発する前に液体化を解除し、長剣を振り抜くことで囲っていたシャドービームを斬り払う。

 そして、受けた屈辱を晴らす為にRXへ斬りかかった。

 上段から振り下ろされた長剣をリボルケインで防ぐ。すると、長剣が光り輝き、リボルケインへと戻る。そして、バールクスの左手にはサタンサーベルが握られており、その切っ先はサンライザーへ向けられていた。

 

「もう一度貫いてやろう!」

 

 がら空きとなっているサンライザーへ突き出されるサタンサーベル。一度サタンサーベルによって奪われた命が、もう一度奪われようとしていた──ガキン、という金属音が鳴る前までは。

 

「何ィ!」

 

 サタンサーベルの刺突を防いだのは、RXが左手に握るサタンサーベルと同じ赤い剣身を持つ両刃剣。一見サタンサーベルに似ているが、その剣の鍔は翼の様に左右に広がったデザインとなっている。

 シャドームーンの専用武器──シャドーセイバー。シャドービームと同様に今のRXならばそれも取り出すことが可能。

 

「分かったか! 俺は独りで戦ってはいない! 俺はシャドームーンと共にお前と戦っているんだ!」

「嘗ての敵に縋るか! 南光太郎!」

「敵であると同時に俺の友だっ!」

 

 サタンサーベルを弾き、シャドーセイバーでバールクスを袈裟切りにするが、反撃の横薙ぎがRXの胸を切り裂く。

 

「くっ!」

「ちっ!」

 

 斬られた反動で下がる両者だが、バールクスはその間に柄頭でライドウォッチとジクウドライバーを操作する。

 

『フィニッシュタァァイム! バールクス!』

 

 足を止め跳躍するバールクス。RXもまたそれを読んでおり同じタイミングで跳び上がっていた。

 

『タイムブレーク!』

 

 両足を赤色発光させてキックを繰り出すバールクス。

 

「RXキック!」

 

 RXは空中で全身を捻りながら両足によるキックを放つ。バールクスとは違い、右足は赤、左足は緑という異なる発光をしていた。

 空中で激突する必殺のキック。同種の力の衝突は爆発と閃光を生じさせ、二人の姿がその爆発の中に消える。

 間もなくして地面に降り立つ両者。至近距離で爆発を浴びたせいで全身から煙が上がっている。結果は互角、と思いきや──

 

「くっ……!」

 

 RXの膝が折れる。バールクスの方に分があった様子。それを見たバールクスは一気に決着をつけようとする。

 

『フィニッシュタァァイム!』

『バールクス!』

『BLACK RX!』

 

 リボルケインとサタンサーベルが一つに束ねられ、長剣と化す。

 

「己の力で死ねっ!」

『タイムブレーク!』

 

 発光する剣身がRXの胴体を貫いた。

 

「がはっ!」

 

 貫かれた背中から光のエネルギーが火花となって散っていく。

 

「かかったなっ……!」

 

 その瞬間、RXもまたリボルケインとシャドーセイバーでバールクスを貫き返す。切っ先は背中まで抜け、RXと同様に火花が散る。

 

「ぐああっ! 貴様ぁぁ……!」

 

 リボルケインによる必殺の一撃。その名はリボルクラッシュ。原理は至って単純。リボルケインにある光のエネルギーを相手が爆散するまで注ぎ込むというもの。

 バールクスは長剣によって繰り出したリボルクラッシュにより、RXの体内には膨大な光のエネルギーを流し込まれている。

 だが、相手は光のエネルギーに長けたRXである。RXはこの流し込まれた光のエネルギーを利用し、体内を通じてリボルケインとシャドーセイバーへ伝え、逆にバールクスへ返したのだ。

 RXだからこそ可能な掟破りのカウンターリボルクラッシュ。しかし、相手もまたRXと同じ力を持つバールクス。RXに出来るということはバールクスにも可能なことを意味する。

 

「舐めるなぁぁぁ!」

 

 RXと同じ様に注がれた光のエネルギーを長剣によって注ぎ返すバールクス。尽きる事の無い無限のエネルギーが二人の間で循環する。

 

「これで、いい……!」

「何だと……? まさか、貴様……!」

 

 その一言でRXの意図を察する。膨大な光のエネルギーを巡らせている現状、バールクスはロボライダーの能力やバイオライダーの能力を使用することが出来ない。些細な隙を生めば間違い無くバールクスの体内で光のエネルギーが爆散する。

 これにより、バールクスは果ての見えない耐久戦に引き摺り込まれてしまった。

 

「この状態を、狙って……!?」

「言った、筈だ……! お前を倒すのは、ソウゴだと……! そして、俺の役目は、足止めだと……!」

「その為だけに……この愚か者がっ……!」

 

 RXの決意に激昂し、長剣を深々と刺し込むバールクス。しかし、RXは怯まない。

 

「信じることが、俺の正義と言った筈だ……! その正義を果たせるならば……如何なる地獄だろうと、仮面ライダーBLACKRXは耐えてみせる……!」

 

 RXは自ら終わり無き苦痛へと自らを投じる。

 ソウゴが戻って来ることを信じ。

 




実力的にはバールクス>RXシャドーアイというイメージで書いています。
足りない部分は経験と精神力で埋めている感じです。

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