仮面ライダージオウIF―アナザーサブライダー―   作:K/K

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省略する所が分からなくてぶつ切りになってしまった印象です。
テレビ版を見ないと分かりづらいかもしれません。


アナザーブレイブ2016

 苦悶の表情し、冷や汗を流し続けながら救急隊員にストレッチャーで運ばれていく息子。

 父である自分は、その苦しみを消す術も和らげる術も無く、ただ息子の名を呼ぶことしか出来ない。

 

「ケイスケ! 大丈夫かっ!?」

「苦しいよ……助けて、お父さん……」

 

 息子──ケイスケの必死に助けを求める声。それを聞いても何一つ出来ない自分の無力さに怒りと涙が出そうになる。

 救急車内に運ばれる息子に付き添って自分も救急車に入ろうとしたとき、それは起こった。

 

「え?」

 

 救急隊員も、野次馬も、ケイスケも全てが停まっている。驚き周囲を見渡す。雲の流れも、羽ばたく鳥も、あらゆるものが時間を停められたかの様に停止していた。自分以外。

 緊急事態に異常事態が重なり混乱が増す。

 

「私はタイムジャッカーのオーラ」

 

 混乱する思考に更なる追い討ち掛ける様に突如聞こえる名乗り。救急車の陰から撫で付け編み込んでいる髪型をした特徴的な衣服をした女性が現れる。

 

「貴方にちょっとだけ悪い知らせと、滅茶苦茶良い知らせがあるの」

 

 いきなり現れた女性──オーラは告げる。

 自分の息子の心臓はそう長くは持たない、と。それがちょっとした悪い知らせだ、と。

 目の間が真っ暗になる気分であった。息子が死ぬ。そんな未来を受け入れることなど父として出来る筈が無い。

 そして、続け様に知らせる滅茶苦茶良い知らせとは、彼女と契約をすれば息子を助けられるということ。

 契約が何なのか内容など全く分からない。だが、時間が停まっている中でも苦しそうな息子の表情を見ていたら、選ぶ道は一つしかない。

 オーラに向かって頷くと、彼女は嬉しそうに笑いながら背後に周ると、掌から少しはみ出る程の大きさをした時計──アナザーウォッチを取り出し、スイッチを押した。

 

「うっ!」

 

 背中から感じる異物感。だが、すぐにそれも消えた。その後にもう一度聞こえるスイッチを押す音。

 

『ブレイブゥ……』

 

 今度は全身に今まで感じたことの無い衝撃が奔る。それと同時に、底知れない力が湧き上がってくるのも感じた。

 

「今日から貴方が、仮面ライダーブレイブね」

 

 自分がどうなってしまったか分からない。だが、この力なら息子を救える。例えそれが道を外れた悪魔の力であっても。

 

 

 ◇

 

 

 常磐ソウゴは、将来魔王となる可能性があるという理由からツクヨミ、ゲイツの四六時中監視をされていた。その目を何とか抜け、体育倉庫内でようやく落ち着いて昼ご飯の弁当を食べられると思った矢先、先客が居た。

 ソウゴのクラスメイトの緒方は、授業をサボり誰もクリアしたことの無いゲームに熱中していた。

 弁当を開きながらソウゴは横目で一度ゲーム画面を見てみる。携帯ゲーム機の画面には鎧をきたデフォルメされた騎士がダンジョンを移動している最中であった。ゲームの種類はRPGの様子。

 ゲームには特に興味が無かったので、ソウゴは目の前の昼ご飯を優先する。

 

「えっ? ──何だ?」

 

 視界の端で一瞬何かが光ったのをソウゴは感じた。光のする方向──緒方の方に目を向ける。すると、緒方はソウゴの方を見て呆然としていた。

 しかし、よくよく見るとソウゴと緒方の目線は合っていない。緒方の視線はソウゴの背後に向けられている。

 その視線を辿り、ソウゴが背後を見た瞬間息を呑んだ。

 顔全体を覆う薄汚れた水色のフルフェイスの兜。額から顎に掛けて縦に細長いスリットが数本入っている。そのスリットから兜の下にある素顔は、瞳の無い濁った黄色い目、剥き出しの乱杭歯という凶相をしている。

 全身も兜と同色の鎧を纏っており、胸の半透明の装甲の中心に『BRAVE』の文字が書かれていた。

 怪人──アナザーブレイブがソウゴの前に姿を現す。

 

 

 ◇

 

 

 アナザーブレイブは緒方を意識不明した後に姿を消した。搬送された病院でソウゴたちは、意識不明となる患者が次々と発生していることを知る。

 アナザーブレイブの手掛かりを緒方が最後にやっていたゲームだと察し、ソウゴはゲームに挑戦してみるも、クリアどころか途中で詰まってしまう。

 ゲームを熟知した人間を探すことに決め、そこで天才ゲーマーMの存在を知り、Mを探すこととなった。

 その途中で出会ったジオウを信奉する預言者ウィズから聖都大学附属病院に行くように予言される。

 そこの病院で天才ゲーマーMこと宝生永夢のことを知るが、彼はクリア出来ないゲームの謎を追って連絡が取れないことを、天才外科医鏡飛彩から聞かされた。

 そして、ゲームの手掛かりなるかもしれないと二枚の紙を手渡されるのであった。

 更にもう一つ渡されたものがある。

 

「これも持っていけ」

「ライドウォッチッ!」

「何故お前がこれを?」

「……あの時の落し主はお前だったみたいだな」

 

 飛彩とは今日が初対面であり、ライドウォッチを渡されたゲイツは少し戸惑った表情となっていた。

 

 飛彩から渡された紙を見詰める二人。

 

「……これ何語?」

「さあ……」

 

 紙に書かれた文字を読めず、ソウゴとツクヨミは首を傾げる。

 

「ドイツ語だ」

 

 呆れてゲイツが助け舟を出してきた。

 紙を取り、書かれた内容を読み上げる。

 

「どういう意味」

「下下上上右左右左」

「これって……キーの操作だ!」

「じゃあ、もう一枚の紙には何て書いてあるの?」

 

 ゲイツは字面に目を走らせる。

 

「──トンヌラゲレゲレサンチョパパス」

「…………ぷっ」

 

 真面目な顔をしたゲイツの口から出る少し抜けた感じのする言葉に、ソウゴは思わず吹き出す。

 

「……何がおかしい」

 

 当然の如くゲイツを怒らせ、頬を片手で挟まれて締め上げられる。

 

ほ、ほめん。は、はらって(ご、ごめん。わ、わらって)

「今、この場でお前を倒してもいいんだぞ?」

「もう。争っている暇なんて無いでしょ!」

 

 ツクヨミが間に入り、とりあえずゲイツは手を放す。

 

「一枚はキーの操作として、もう一枚は何なんだろう」

「多分──」

 

 ソウゴはゲームを起動させ、画面にキャラクターが映し出される。そこで先程ゲイツから教えてもらったキーを入力する。

 すると、画面にノイズが走り、別の画面が映し出される。上半分は白い空白、下半分はあいうえおなどの文字が書かれていた。

 

「あれはパスワードだ!」

 

 

 ◇

 

 

 ソウゴがパスワードを入力した途端、病院内の敷地にいた筈のソウゴらは、見知らぬ場所に移動していた。

 驚き、周囲を確認する。確認して分かった。ここは見知らぬ場所ではなく見覚えのある場所だと。携帯ゲーム機の画面で何度も見た城下町と同じ構造であった。

 唸る様な声が聞こえる。声の主──アナザーブレイブが自らの領域を侵すソウゴたちに敵意を剥き出しにしている。

 ようやくアナザーブレイブを見つけたソウゴとゲイツ。ジクウドライバーとライドウォッチを取り出し、ソウゴは仮面ライダージオウへ、ゲイツは仮面ライダーゲイツへと変身した。

 二人が変身したのを見て、アナザーブレイブはその手に燃え盛る炎の剣と、冷気を放つ氷の剣を出現させる。

 

「ガアアアアアアアアア!」

 

 叫び声を上げながら迫るアナザーブレイブ。上段から振り下ろしてきた炎の剣を、ジオウ、ゲイツは左右に別れて避け、自らも武器を取り出す。

 

『ジカンギレード! ケン!』

 

 ジオウは側面に『ケン』の文字が描かれた片刃の剣。

 

『ジカンザックス! Oh! No!』

 

 ゲイツは『おの』と描かれた斧を手に握る。

 左右から同時に、刃を振るうジオウたち。しかし、アナザーブレイブは二本の剣でそれを受け止める。片手で二人のライダーの力を押さえて見せた。

 鍔迫り合いをし、このまま押し切ろうとするジオウとゲイツだったが、アナザーブレイブの剣から炎と冷気が噴き出し、思わず後退してしまう。

 

「うわっ!」

「くっ!」

 

 怯む二人の隙を狙い、アナザーブレイブは足元にあるものを出現させた。

 RPGなどでよく見る宝箱。それをゲイツ目掛けて蹴り飛ばす。

 蹴り飛ばされた宝箱は、空中で開く。宝箱の縁には鋭い牙がびっしりと並んでいた。

 

「何っ!」

 

 咄嗟に腕を出すゲイツ。宝箱は生き物の様に蓋を開閉させながらゲイツの腕に噛み付いた。

 

「放せっ!」

 

 宝箱を振り解こうとするゲイツ。注意がそちらに向いているのを狙ってアナザーブレイブが仕掛けようとするが、ジオウがそれを阻む。

 振り下ろされた氷の剣を上手く防ぐが、続いて振るわれる炎の剣はジカンギレードで防ぐことが出来ず、身を捩って何とか回避するがそのままバランスを崩して転倒してしまう。

 地面を転がって距離を離そうとするジオウ。ある程度離れて立ち上がったジオウの前にあったのは宝箱であった。

 自動的に開かれる宝箱。ゲイツのこともあって思わずジカンギレードを構えるが、中にあったは溢れんばかりの金貨の山。

 

「え! お金?」

 

 襲い掛かる宝箱とは違い、拍子抜けするが、その瞬間金貨の山が弾け飛び、散弾の様にジオウの全身を叩く。

 

「うああああ!」

 

 全身を襲う衝撃に、吹き飛ばされるジオウ。

 ゲイツは宝箱のモンスターをジカンザックスで斬り落とし、ジオウは体を押さえながらも立ち上がる。

 

「こいつはここで倒すぞ!」

 

 ゲイツは腕に填められたライドウォッチを取り外し、スライドさせる。浮かび上がるその顔は──

 

『ドライブ!』

 

 起動させたライドウォッチをジクウドライバーに填め、ドライバーを一回転させる。

 

『ライダーターイム!』

『仮面ライダーゲイツ!』

 

 ゲイツの顔から飛び出す文字『どらいぶ』。

 

『アーマーターイム!』

 

 ゲイツの背後に現れる赤を基調としたアーマー。その両肩にはタイヤが装着されている。

 

『ドライブ! ドライブ!』

 

 ゲイツが一歩踏み出むと同時にドライブアーマーはゲイツへと装着され、『らいだー』の文字が『どらいぶ』に置き換わる。二歩目を踏み込んだとき、その速度を加速させる。

 残像が起きる程の高速移動に反応出来ず、顔面に拳を打ち込んだ。

 

「よし! 俺も!」

 

 それを見たジオウもビルドライドウォッチを起動させ、ジクウドライバーに填めてアーマーを呼び出す。

 ゲイツとは違い、前方に現れてポーズを決めるビルドアーマー。ジオウはそれに向かって前蹴りを放つ。

 ばらけたアーマーは体勢を崩しているアナザーブレイブに次々と当たり、丁度金貨のときの仕返しという形となる。

 散ったアーマーは軌道を変え、ジオウへと装着される。

 

『ベストマッチ! ビルド!』

 

 装着と同時に装備したドリルで、アナザーブレイブを突く。

 火花を散らして飛んで行くアナザーブレイブ。しかし、すぐに立ち上がる。

 

「オオオオオオオオオ!」

 

 アナザーブレイブは叫ぶと思い切り地面を踏み付けた。

 空間全体が震え始める。

 

「何だ?」

 

 突如として地面から壁が突き出た。

 

「うわっ!」

 

 ジオウは仰け反る。その間にも次々と壁が現れ、並び、何かを形作っていく。この壁のせいでジオウとゲイツは分断されてしまう。

 

「これって……」

 

 アナザーブレイブの力により瞬く間にダンジョンが形成されるのであった。

 

 

 ◇

 

 

 辛うじてアナザーブレイブを撃退したソウゴたち。アナザーブレイブの正体を見たが、その直後に宝生永夢こと仮面ライダーエグゼイドによって妨害されてしまう。

 何故、エグゼイドがアナザーブレイブを助ける真似をしたのか気になるソウゴ。

 ゲイツはアナザーブレイブを倒す為に2016年に向かう。

 そこで、2016年の永夢と飛彩と会って事情を話すが、飛彩には与太話と一蹴されてしまうのであった。

 

「……まだ居たのか」

 

 子供たちに囲まれているゲイツを見て、飛彩は冷たく言う。

 

「言った筈だ。お前たちに異変があるまで待たせてもらうと」

 

 子供たちに袖を引っ張られながら言っているせいで若干締まらない。

 

「時間の無駄だな」

「言ってろ」

「ねえねえ」

 

 子供の一人が飛彩の白衣の袖を引っ張る。

 

「先生も遊んでー」

「──済まないが、俺は忙しい」

 

 それを断る飛彩を見て、ゲイツは鼻を鳴らす。

 

「やはり冷たい奴だな。あの永夢という医者が俺と似た様なものと言っていたが……」

 

 同類だと言われたことは、ゲイツには心外だった。

 

「何? 研修医が? ──ん?」

 

 飛彩の体にノイズの様なものが走り始める。

 

「始まったか!」

 

 それを見てゲイツは走り出す。一方、自分の体に起こった異変を見て、眉間に皺を寄せる飛彩。本当にゲイツが言っていたことが起きようとしているのを直感で感じていた。

 

「先生、先生」

 

 ゲイツを囲っていた子供の一人が、飛彩に声を掛ける。

 

「どうした?」

「これ落ちてたよ」

 

 子供から差し出されたのは、何も描かれていないウォッチ──ブランクウォッチであった。

 飛彩にとっては見覚えの無い代物である。

 

「──そうか」

 

 子供から手渡されたそれを受け取る。

 

「落した人に返さないと、可哀想だよ?」

「……ああ、そうだな。これは必ず俺が持ち主に届けよう」

 

 飛彩は子供たちにそう約束する。

 その約束は、2018年になって果たされる。

 

 ◇

 

 

 アナザーブレイブの正体は、飯田という男であった。彼が意識不明者を次々と作り出していた理由、それは心臓の病を負った息子の為のドナーを無理矢理生み出す為であったのだ。

 息子の為とは言え、数多の命を贄にして一つの命を救うのは、あまりに罪と血と業に塗れていた。

 しかし、息子に何も出来ない父は、間違っていると分かっていてもその手段に縋るしかなかった。

 全てを悲劇で終わらせない為に、2016年での最後の戦いが始まる。

 

「ウアアアアアアア!」

 

 アナザーブレイブが咆哮すると、周りに建物が建ち始めた。ゲームの世界を現実の世界に顕現させている。

 現れた建物の扉が開き、中から質素な服装をした人々が現れる。いわゆるNPCというものであったが、丸焼きにした鶏の様な形をしたオレンジ色の頭部をしていた。

 手には包丁、鍋、薪、椅子、レンガ、農具といった取り敢えず武器になりそうな物を持って、一斉にジオウ、ゲイツに襲い掛かる。

 

「何だ……?」

「俺の姿を真似ているのか……? 下らないことを」

 

 騒ぎを聞きつけ永夢と飛彩が現れる。永夢はアナザーブレイブの姿に驚き、飛彩はそれを見て不快感を表す。

 

「とにかく僕たちも!」

「あれは目障りだ」

 

 共にゲーマドライバーを装着し、変身アイテム──ライダーガシャットを起動させる。

 

『マイティアクションX!』

『タドルクエスト!』

「大変身!」

「術式レベル2・変身!」

 

 ゲーマドライバーにライダーガシャットを挿し込み、中央バックルを開く。

 二人の周囲を回転するゲームパネル。永夢は前に来た時に右手を突き出してパネルに触れ、飛彩は左手を横に突き出してパネルに触れる。

 

『マイティジャンプ! マイティキック! マイティマイティアクションエーックス!』

『タドルメグル、タドルメグル、タドルクエスト!』

 

 仮面ライダーエグゼイドに変身した永夢。そして、仮面ライダーブレイブへ変身した飛彩が、NPCたちに向かって走り出す。

 エグゼイドのソードモードとなったガシャコンブレイカーとブレイブのガシャコンソードが次々にNPCたちを切り伏せ、あっという間にアナザーブレイブに接近する。

 エグゼイドとブレイブから放たれる斬撃の連続。一方的に押されるアナザーブレイブ。しかし、形勢はすぐに変わってしまう。

 エグゼイドとブレイブの体が光り、仮面ライダーとしての力が失われていく。

 エグゼイドは完全に変身が解けて永夢に戻ってしまったが、ブレイブはまだ辛うじて変身を維持出来ていた。

 だが、それも時間の問題である。

 

「おい」

 

 ゲイツは飛彩に渡されたライドウォッチを出しながら、ジオウに声を掛ける。

 ライドウォッチを取り出した直後、ブレイブの変身は解け飛彩に戻る。

 

「よし! 今の俺達なら!」

 

 ジオウが2018年の永夢から貰ったエグゼイドウォッチのスイッチを押す。

 

『エグゼイド!』

 

 ゲイツもまたライドウォッチを回し、ブレイブの顔を表示させるとスイッチを押す。

 

『ブレイブ!』

 

 ドライバーのロックを解除し、二人は新たな鎧を纏う。

 

『アーマーターイム!』

 

 重なる音声。

 

『レベルアップ!』

 

 再び重なる音声。

 

『エグゼイド!』

『ブレイブ!』

 

 最後だけ異なる音声。

 仮面ライダーエグゼイドを模した外装。両腕にハンマーを装着し、顔には『エグゼイド』の文字が描かれたエグゼイドアーマーを装着するジオウ。

 仮面ライダーブレイブを模した西洋の甲冑を模した外装を纏い、顔には『ぶれいぶ』の文字。装備していたジカンザックスの表裏に赤と青の刃が追加される。赤の面には揺らいだ文字で『ほのお』。青の面には角張った文字で『こおり』と描かれている。これがブレイブアーマーを装着したゲイツの姿であった。

 永夢はエグゼイドに近付き──

 

「ノーコンティニューで──」

「何かクリア出来る気がする!」

 

 息の揃った決め台詞。

 一方ゲイツの方は――

 

「……」

「……お前は何か言わないのか?」

「言う必要は無い」

「……冷たい奴め」

「……俺に切れないものは無い、とでも言っておけ」

「断わる」

「……愛想の無い奴め」

 

 息の揃わないやりとりを見せる。

 

 

 ◇

 

 

 エグゼイドアーマーでアナザーブレイブを殴る度に『ヒット!』という文字のエフェクトが浮かび、ブレイブアーマーの力を得たジカンザックスは振る度に炎と冷気の軌跡を描き、当たれば『HIT!』という文字を浮かばす。

 二人のライダーの力に圧倒されるアナザーブレイブは、前の戦いで見せたダンジョン生成能力を発動させる。

 次々と出現する壁。

 すると──

 

「はっ!」

 

 いきなり壁を殴り粉砕する。ジオウは現れる壁を次々と破壊していき、アナザーブレイブの能力を発揮させない様にする。

 最後には只の瓦礫の山だけが残った。

 

「わーすっげ! これがエグゼイドの力かー!」

「そんなんじゃ無いんだけどな……」

 

 RPGをアクションゲームの力で強引に解決してしまうジオウに、何とも言えない表情を見せる永夢。

 身を隠すダンジョンも無くなり、アナザーブレイブは完全に逃げ場を失った。

 ジオウは最後の一撃を放つ準備に入る。

 

『フィニッシュタァァイム! エグゼイド!』

 

 ゲイツもまたそれに合わせ、ブレイブライドウオッチを外し、ジカンザックスに填める。

 

『フィニッシュタァァイム! ブレイブ!』

『You! Me!』

 

 斧形態から弓形態へと変形させると引き金を引っ張る。

 

『クリティカル! タイムブレーク!』

 

 具現化したその文字を、アナザーブレイブに打ち出して怯ませるジオウ。

 

『ギワギワシュート!』

 

 ジカンザックスに放たれる氷の矢。その軌道に沿って地面が凍っていく。

 氷の矢がアナザーブレイブに刺さると、全身が凍結する。

 打ち出された文字は、ジオウを導く様に一直線に並び、その文字をジオウを通り抜けていく。

 

『Oh! No!』

 

 弓から再び斧へと変わるジカンザックス。ゲイツは凍り付いた地面の上を滑り、アナザーブレイブに急接近。

 

『ザックリカッティング!』

 

 灼熱の斬撃と繰り出される鉄槌。

 

『ヒット!』と『HIT!』の文字が交差したとき『GREAT!』という文字へと変わり、大きな爆発が起こる。

 爆発が消えた時、そこにあったのはアナザーブレイブではなく息子を思う一人の父が残されていた。

 

 

 ◇

 

 

「息子は! ケイスケは大丈夫なんですか!」

 

 搬送されたケイスケは聖都大学附属病院に運ばれた。息子の病状を若い医師に尋ねる。

 

「率直に申し上げて息子さんは危うい状態です!」

 

 心臓が止まる気分であった。目の前が真っ暗になる。

 

「──ですが」

 

 ケイスケの塗り潰されそうな未来に──

 

「私の鏡式バチスタ手術変法を使えばまだ間に合います」

 

 ──一筋の光が差す。

 

「お願いします! ケイスケを助けて下さい! 鏡先生!」

 

 

 




アナザーブレイブ
身長:203・5cm
体重:99・5kg
特色/力:ゲームの世界と現実の世界の往来/RPGに関するものの実体化。

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  • IF令和ザ・ファースト・ジェネレーション
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