「ゲイツ!? そんな……」
アナザーゲイツの登場に、ジオウⅡは動揺を覚える。
一方で、ゲイツの目の前に現れた自分を模したアナザーライダー。
何故、アナザーライダーが誕生したのに歴史が改竄されず、仮面ライダーの力を失っていないのか。
何故、2068年に誕生したライダーなのに2019年という年号が刻まれているのか。
もし、これが自分では無いアナザーライダーであったのならそんな疑問を抱いていたかもしれない。
しかし、今のゲイツにはそんな疑問を抱く余裕は無かった。
疑問を塗り潰す程の嫌悪。同族嫌悪などでは無く、仮面ライダーゲイツという存在を歪に解釈し、辱めている様な醜悪なデザインへの嫌悪であった。
「ふざけるなっ!」
ゲイツは、アナザーゲイツという存在を否定する為に、怒声を上げながらジカンザックスで斬りかかる。
「ふん」
ゲイツの激しい怒りをアナザーゲイツは鼻で笑う。上段から振り下ろされたジカンザックスを、右手に握る片刃の斧の斬り上げを難なく止めると、少し力を込めて弾き上げる。
両手での一撃を軽々と返されたゲイツは、アナザーゲイツの前で無防備を晒してしまう。
「はっ!」
腹部への横薙ぎ。続いて肩への袈裟切り、胸部に✕の字を刻む素早い切り返しの連撃。一瞬にして四回斬られ、ゲイツは呻きながらヨロヨロと後退していく。
『You! Me!』
ジカンザックスを弓モードに切り換え、瞬時に狙いをアナザーゲイツに定めると、光弾を撃ち出す。
アナザーゲイツは半身となってあっさりと回避すると、左腕をゲイツに向ける。
弓音と共に左腕に付けられた弓から赤黒い光の矢が放たれ、先ずはゲイツの腕を撃つ。
「くうっ!」
ゲイツの手からジカンザックスが落ちる。武器を手放してしまったゲイツに、無数の光矢が浴びせられ、そのダメージが限界に達したのか、ゲイツの体は崩れ落ちる。
「う、くぅ……」
変身が解け地面にうつ伏せになりながら胸元を押さえて苦しむゲイツ。そんな状態のゲイツを一笑するアナザーゲイツであったが、突如左に向けて光矢を放とうとし──
「させないよ」
──ツエモードのジカンデスピアで左腕を下から突き上げられ、光矢は斜め上に飛んでいく。ウォズの妨害によって狙いが外された。
「我が救世主の姿を模すとは、不届きな輩だ」
「知ったことか」
払われたジカンデスピアを斧で受け止め、ウォズの胸部を左拳で叩く。更に光矢を撃ち出す。
「ぐっ!」
一撃で二度のダメージを負わされ、後退を余儀なくされるウォズ。今のままでは不利と判断し、ミライドウォッチを取り出した。
『シノビ!』
シノビミライドウォッチを、ビヨンドライバーのスロットに挿し込む。
『アクション!』
『投影!』
ビヨンドライバーに仮面ライダーシノビの力がデータとして流し込まれ、そのデータが具現化される。
『フューチャータイム!』
『誰じゃ? 俺じゃ! 忍者!』
『フューチャーリングシノビ! シノビ!』
紫の色のマフラーを靡かせ、紫色の装甲に換装したウォズの顔に『シノビ』の文字が填め込まれると、ジカンデスピアのモードを杖から鎌へと変える。
『カマシスギ!』
刈り取る形となったジカンデスピアの刃を向けると同時に白煙が上がり、その中にウォズの姿が消える。
アナザーゲイツは左右を素早く見るが居ない。背後の気配を探るがそこにも居ない。ならば残すは──左腕を頭上に向けるアナザーゲイツ──上空のみ。
頭上目掛けて光矢を放つと、読み通りウォズが白煙を上げて姿を現す。
光矢が、ウォズの胸を貫く。すると、ウォズだったと思ったそれは一瞬にして藁作りの人形へ入れ替わる。
シノビの名通り、変わり身の術である。
本体は何処に消えたのか、と思った直後に真正面にウォズが鎌を掲げて現れた。真正面だけではない、右、左、背後にも同じ姿のウォズが現れる。
変わり身の術の次は、分身の術を披露する。
四方から攻めようとするウォズ。状況でも数でも圧倒的に不利と言える。客観的に見れば。
だが、アナザーゲイツからすれば危機でも何でもない。いとも容易く打破できる。その手段は、既に彼の手の中にある。
アナザーゲイツがアナザーウォッチを取り出す。それを見たウォズは別のアナザーライダーへと変身させまいと、一気に駆け出す。
アナザーゲイツはアナザーウォッチを起動させ、体が黒いエネルギーによって包まれていく。
「そのまま眠り給え」
『フィニッシュタイム!』
ジカンデスピアのタッチパネルをスワイプし、力を全開にする。
『一撃カマーン!』
四方から振り下ろされるウォズの刃。その形通りに、命を刈る為の死神の一撃が繭の様なエネルギーを貫き、内部のアナザーゲイツさえも──
「なっ!」
刃を突き刺した箇所から重油の様な黒く粘り気のある液体が噴き出し、四方を囲んでいるウォズへ掛かる。
慌てて下がろうとするウォズであったが、足がその場から離れない。それどころか体も上手く動かない。掛かった黒い液体が一瞬にして硬化し、ウォズの動きを縛る。
『グリィス』
黒繭を破ったアナザーゲイツは、新たなアナザーライダーへ変身していた。
金槌で叩いて無理矢理形作った様な凸凹で錆びが浮いた金色の装甲。薄黒い半透明の頭部。額からは半ばで折れた一本角、両眼には赤い半透明のバイザー。バイザーの奥には歯車の形をした目が見える。
両肩には排水管の様な筒が溶接した様にくっついており、その筒から黒い液体がドバドバと溢れ出ている。
下腹部には左側に罅割れたガラス管、右側に柄が曲がったレンチ。中央にはひしゃげたチューブが突っ込まれた左右非対称のベルトが巻かれている。
アナザーライダーは、ウォズを挑発する様に人差し指を立てた左手の甲を見せた。左手の甲には『GREASE』の文字。ウォズからは見えないが、右手の甲には『2017』と描かれていた。
アナザーグリスから流れ出る黒い液体は周囲に広がっていき、数メートル内を自らの領域と言わんばかり黒く染める。
名が示す通りならば流れているのは潤滑油なのだろうが、新品ではなく何年も使い古した様な汚らしい色であり、見る者に嫌悪感を与える。実際、ジオウⅡは近寄ろうとはせず、ゲイツも広がっていく潤滑油から怪我を押して避けようとしている。掛けられたウォズなど堪ったものでは無い。
アナザーグリスは、足元に広がる黒い潤滑油を躊躇なく手で触れる。それだけでなく手首の位置まで沈み込ませる。
浸した手を持ち上げる。すると、その手を中心に周りの潤滑油まで持ち上げられていく。
潤滑油は急速に形を変えながら固まり、一瞬にしてアナザーグリスの手に巨大な作業アームを装備させる。
U字状の簡素な造りであり、固まり切っていない潤滑油が滴っている。
アナザーグリスは、その作業アームでウォズを挟み、締め上げる。
「ぐああ!」
骨が軋み、内臓が圧迫されていく苦痛にウォズが声を上げる。
「ふん!」
アナザーグリスの手から作業アームが切り離されると、潤滑油を噴出させ、ウォズを掴んだまま近くのビルへと突っ込んでいった。
ゲイツとウォズを無力化させたアナザーグリス。しかし、こんなのは前哨戦にしか過ぎない。
本命はジオウⅡのみ。
『ゲイツ』
アナザーグリスからアナザーゲイツへと再変身する。
斧を構えるアナザーゲイツを見て、ジオウⅡもまたサイキョーギレードを構えた。
二人同時に走り出す。合図など無い。まるで打ち合わせでもしたかの様に息の揃った完璧なタイミングであった。
走りながらアナザーゲイツは光矢を数発撃ち出す。ジオウⅡは速度を緩めずにそれらを次々と斬り払う。
ジオウⅡが全て撃ち落とした直後に、アナザーゲイツが斧を振るう。それに反応し、サイキョーギレードで防ぐジオウⅡ。
『ライダー斬り!』
柄のトリガーを引き、刀身にエネルギーを纏わせる。しかし、それを見たアナザーゲイツも斧の刃に赤黒い光を帯びさせた。
鎬を削り合う刃から火花では無くピンクと赤黒い光が発せられ、反発し合い、その結果二人とも吹き飛ばされる。
すぐさま立ち上がるジオウⅡ。そして、額に飾られた二対の時計の針が回転し始める。ジオウⅡの固有能力である未来予知が発動したのだ。
ジオウⅡの頭の中に数秒後の未来の光景が映し出される。アナザーゲイツが斧を振り上げて飛び掛かってくる光景。
「お前の未来が──えっ!?」
ジオウⅡが戸惑った声を上げる。
「未来? だったら見せてやるよ、存分にな!」
頭の中で映し出されている未来の映像に変化が起こる。アナザーゲイツの体がぶれ、無数の姿となり、それぞれが別々の行動をとる。
『クロォォズ』『ブレイブゥ……』『メテオォ』『カイザ……』『デルタァ』『バース……』
それだけでなくアナザーライダーへと変身する光景も混ざっていた。
ジオウⅡは見逃していた。2019年のゲイツはある分岐点に立っていることを。それは、ジオウを倒し救世主となるという分岐点。すなわちジオウを倒す為の力を有しているということを意味している。
そして、今起こっていることこそ対ジオウ用のアナザーゲイツの能力。百パーセントに近い精度を持つ未来予知に、あらゆる可能性を挿し込み重ね合わせることで未来予知を混乱させた。
どれが正解なのか惑わされる中で、ジオウ二Ⅱの予知する時間に、現実の時間が追い付いてしまう。
アナザーゲイツの出した答えは──
『スナイプ……』
黒青色の割れたヘルメット型の頭部。顔の右半分は大きな十字の傷が有り、それによって片目が失われている。右肩からは襤褸切れの様なマントを掛け、その両手には側面に炎の絵が描かれたスナイパーライフルを持っている。
ヘルメットの側面に『SNIPE』、掛けられたマントの背面に『2016』。アナザーブレイブから派生したアナザースナイプへアナザーゲイツは変身した。
「また!」
どんどん出てくるアナザーライダーにウンザリした声を上げるジオウⅡ。そんなジオウⅡの心境など無視してアナザースナイプはライフルの銃口を向ける。すると、十字傷の中を縦、横と移動する赤い光。まるで照準を定めているかの様であった。
ライフルから光弾が放たれる。ジオウⅡはすかさず未来予知をして弾道を先読みすると、射線から移動する。
予測通り光弾を回避してみせたジオウⅡは、すぐにサイキョーギレードとジカンギレードを合体させ、サイキョージカンギレードにし今放てる最強の一撃を出そうとする。
構えたジオウⅡは違和感を覚えた。アナザースナイプに妙な余裕があるのだ。
アナザースナイプは、右手を前に出し、その手を銃に見立てて発砲するジェスチャーをしてみせる。
直後、ジオウⅡは背中に衝撃を受ける。
「うあっ!」
ジオウⅡの背部から上がる白煙。何かが着弾したことを意味する。
「何が……」
「生憎、このアナザーライダーの銃は百発百中なんだ」
その言葉で理解した。先程避けた光弾が軌道を変えて自分に命中したのだと。やはり、ジオウⅡは焦っていたらしい。未来予知の時間が不十分であったせいで、見えた未来から先の弾道まで読み切れていなかった。
アナザースナイプは、アナザーゲイツへ戻るとベルトに付けてあるアナザーウォッチのスイッチを押す。ベルトが輝き、斧と弓も強い光を放つ。
相手もまた最大の攻撃を放とうとしているのが分かり、ジオウⅡは痛みを押し殺して剣を振るう。
「はああああ!」
斧を振り、三日月状の巨大な刃が放たれ、そこに同じく巨大な光矢を射ち込むことで二つは一つに混ざり合い、円となってジオウⅡへ迫る。
「やああああ!」
『キング! ギリギリスラッシュ!』
ジオウⅡもまた巨大な刀身によってそれを迎え撃つ。
大きな力が衝突し合い、相殺し合った挙句、残った力が衝撃波となって二人に襲い掛かった。
「うあああ!」
吹き飛ばされ地面を転がっていき、その途中で変身も解けてしまう。
疲労と痛みで鈍くなった体を起こすソウゴ。ジオウⅡとアナザーゲイツの力がぶつかり合ったせいで大きなクレーターが出来ていた。
ソウゴが探してもアナザーゲイツの姿は見当たらない。
二人の戦いはここで一先ず中断となった。
◇
「君にはガッカリだよ……我が救世主」
戦いを終えた白ウォズがゲイツに失望の言葉を吐く。
「魔王を倒す気持ちは、今の君には無いみたいだ」
「そんな訳……あるか!」
語気を強めて否定するゲイツであったが、白ウォズはそれ笑い、魔王を倒す為のゲイツリバイブウォッチが起動しなかったことが何よりの証拠と指摘する。
言葉を失い、ゲイツリバイブウォッチを思わず見るゲイツ。
「君の使命を思い出したまえ。それともあの偽者に君の代わりを頼むかい? 少なくとも今の君よりかは魔王を倒す覚悟はある」
白ウォズは、ゲイツを囃し立てる。或いは煽っているのかもしれない。今のままなら救世主の座すら奪われると。
遠目に弱っているソウゴが見える。それを見て見ぬふりをして背を向けたことこそ、彼の心の裡を現していると言ってよかった。
◇
ツクヨミは加古川飛流について調べ、彼がかつてソウゴと同じバスの事故で両親を失ったことを知り、真相を調べる為に2009年に跳ぶ。
現代の2019年では、飛流が再び早瀬を襲い、彼からアナザーライダーの力を奪ってしまった。ソウゴも現場に着くが一歩及ばなかった。
ソウゴはそこで飛流が何故ソウゴに敵意を抱いているのかを教えられる。
2009年のバス事故、そこで白い服を着た女性がソウゴの名を叫び、銃を撃った。それによって事故は起こったという。
ソウゴが魔王になる未来を聞かされた飛流は、ソウゴの巻き添えによって両親を失ったことを強く恨み、お前さえ居なければと憎む。
そして、その感情のままソウゴへ戦いを挑んだ。
一方でゲイツもツクヨミから飛流とソウゴの関係を聞き、詳細を調べる為にタイムマジーンに乗って2009年に行っていた。
蛇行し危うい運転をするバスを見つけ、内部の様子を探るゲイツ。そこで彼は見てしまった。
ツクヨミがソウゴの名を叫びながら銃を撃つ姿を。それから間もなくしてバスはトンネル内に入り、爆発してしまう。どう見ても脱出が間に合う筈が無い。
自分の覚悟の無さが、ツクヨミをそこまで追い込んでしまったと慙愧の念に囚われるゲイツ。
同時にそれは彼の中で一つの覚悟が決まった瞬間でもあった。
◇
2019年。そこではジオウⅡとアナザーゲイツが激しい攻防を繰り広げていた。
ジオウⅡを倒せる可能性を持ち、天敵に等しいアナザーゲイツに苦しめられるジオウⅡ。だが、ジオウⅡの高い能力のせいで今一歩追い込めないアナザーゲイツ。一進一退の戦い。しかし、その均衡のとれた戦いを崩す者が現れる。
横から乱入してきたゲイツが、ジオウⅡとアナザーゲイツの間に割って入る。
「邪魔をしに来たか! 帰れ! 常磐ソウゴは、俺が倒すべき存在だ!」
「……違うな」
ゲイツは徐にゲイツライドウォッチを取り出し、既に装着しているジクウドライバーへ挿す。
そして、取り出すもう一つのライドウォッチ。ゲイツリバイブライドウォッチ。ゲイツの覚悟を認める様に、ブランク状態であったライドウォッチに鮮やかな色と絵柄が宿る。
「ジオウを倒すのは、俺の使命だ」
『ゲイツリバイブ! 剛烈!』
ジクウドライバーに挿し、救世主としての力を今解き放つ。
「変、身……!」
『リ・バ・イ・ブ! 剛烈!』
『剛烈!』
二つライドウォッチから解放された力がゲイツを囲み、その中心でゲイツに新たな姿を与える。
巌の如き荒々しさと、何人でも傷付けることが叶わない様な剛という言葉に相応しい厚みのある橙の胸部装甲。より鋭角さを増した顔に嵌る『らいだー』の文字。
「祝え!」
いつの間にか白ウォズが現れ、祝福の言葉を声高らかに上げる。
「巨悪を駆逐し、新たな未来へ我らを導くイル・サルヴァトーレ。その名も仮面ライダーゲイツリバイブ。真の救世主がこの地に降り立った瞬間である!」
喜びに満ちた感情で謳う白ウォズ。ジオウⅡは、白ウォズも根っこは黒ウォズと変わらないと再認識する。そして、アナザーゲイツはというと、白ウォズなど眼中に無かった。思わず後退しそうになる程の圧力を持ったゲイツリバイブから目を離せないのだ。
アナザーゲイツを無視してゲイツリバイブはジオウⅡの下へ向かう。
「させるか!」
慌ててゲイツリバイブに斬りかかるアナザーゲイツであったが、背部に斧を当ててもゲイツリバイブは微動だにせず、更には斧の刃も一ミリも食い込んでいない。
『パワードのこ!』
ゲイツリバイブは専用武器であるジカンジャックローを取り出す。ナックルガードに丸鋸が付いており、丸鋸の側面には『のこ』の文字が刻まれていた。
唸り声を上げ、ジカンジャックローの刃がアナザーゲイツの体を削り斬る。
「ぐああああ!」
その一撃は強く、重い。たった一発で意識が飛びそうになる。
「くそっ!」
だが、復讐心で意識を繋ぎ止め、ゲイツリバイブに左手を押し当て、零距離で光矢を射ち込む。
しかし、それでもゲイツリバイブの装甲は貫けず、傷も負わせられない。
アナザーゲイツが連撃を打ち込む中で意にも介さない態度でゲイツリバイブはジカンジャックローの手前にあるボタンを押す。
丸鋸が高速に回転し始め、刃の周りに橙の輪が浮かび上がる。
見るだけで不味いと感じ、アナザーゲイツは咄嗟に──
ジカンジャックローの一撃がアナザーゲイツの胸部に打ち込まれ、そのままトリガーを引かれる。
『のこ切斬!』
溜められたエネルギーは、必殺の一撃となりアナザーゲイツを吹っ飛ばす。飛んだ先にある障害物を全て破壊しても尚止まらず、数十メートルも飛ばされて姿が見えなくなった。
再びゲイツリバイブはジカンジャックローのスイッチを押す。光輪が浮かび上がり、アナザーゲイツが飛んで行った先に容赦の無い追い撃ちを放った。
次々と粉砕されていく障害物。やがて、その先にいる目標に着弾──したかと思えば、衝撃が四散した。
砂埃舞う中に何かが居る。
「何あれ……?」
中から出て来たものにジオウⅡは、理解不能といった様子の声を上げた。
紫色の装甲。まるで爬虫類の様に鱗状になっており、胸部は黒曜石の様に黒光りし罅が入っているかの様な溝がある。
ジオウⅡが何よりも驚いたのは、首から上にワニの側頭部が乗っかっているという点である。爬虫類特有の瞳孔が縦に割れた目がジオウⅡたちを見ていた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
苦し気な声を出しながらワニの口が開かれる。中から胸部と同じ黒曜石が現れた。縦に裂けた罅が二つ有り、そこから青い目がギョロギョロと動く。卵を喉に詰まらせたワニ、という印象を受ける異形の頭部。その後頭部に『ROGUE』『2017』の文字が貼られていることから、これもまたアナザーライダーであるのは間違いない。
「間一髪……だった……」
のこ切斬を受けたとき、アナザーゲイツは変身していた。彼の持つ数々のIFアナザーサブライダーの中で最も防御力に優れたアナザーローグに。これでなければ今頃負けていた。
「帰れ。ジオウを倒す、それが俺の未来だ」
「断る……! 常磐ソウゴを倒すのは俺だ! 誰にも邪魔はさせない!」
睨み合うゲイツリバイブとアナザーローグ。
「──分かった」
ジオウⅡは静かに武器を構える。この戦いはもう誰にも止められない。誰もが覚悟を決めている。ならば最後まで戦い抜くだけ。
ジオウⅡ、ゲイツリバイブ、アナザーゲイツの三つ巴の戦いが始まろうとしていた。
映画のアナザーライダーが本編に出ますね。アナザーWも出て欲しいところです。
因みに映画の話はまだ考え中です。
先にどちらが見たいですか?
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IF令和ザ・ファースト・ジェネレーション
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IFゲイツ、マジェスティ