体表が波打ち、黒く染まる。それが水飛沫の様に飛び散ると、始の姿は変わっていた。
漆黒の金属装甲。稲妻の様な金色の紋様。銀を彩る血管の様な赤が入った胸部。額には一対の触覚。ハートを模した赤い仮面は昆虫に似た複眼であった。
アナザーカリスと酷似しているが、より洗練された姿。その姿を見て、ジオウは思わず声を出す。
「仮面ライダー!?」
探していた仮面ライダー──黒ウォズから事前に聞いた名が正しいとすれば──仮面ライダーカリスが向こうから現れた。
「始さんっ!」
アナザーカリスの方も、カリスの変身に動揺している声を出す。彼女にとってもその姿は初めて見る。
カリスが虚空に手を伸ばす。その手の中に浮かび上がる様に現れる弓──カリスアロー。弓の放つ輝きから、ジオウは構えているソニックアローと同種の武器であるとすぐに分かった。
カリスは、カリスアローを構えてジオウに向かって走り出す。
「ちょ、ちょっと待っ──」
制止の言葉を聞くより先に、カリスが振り下ろしの斬撃を放っていた。それをソニックアローで咄嗟に防ぐジオウ。
「話を──」
聞く耳持たないと言った態度で、続けて斬撃を繰り出す。袈裟切りのそれをジオウは切り落とすが、カリスは手首を返し、下から上への軌道に変える。
「もうっ!」
こうなれば力尽くでも話を聞かせようと、斬り上げに対し横薙ぎの斬撃で弾く。
弾かれた勢いを利用し、旋回しながら離れるカリス。カリスが振り返ったとき、弓の中央にあるレバーを引く動作を見せる。
その動きに、ジオウも反射的に弓弦を限界まで引き絞った。
カリスアローから放たれる光の矢。少し遅れてソニックアローから発射されるエネルギーの矢。
射つと同時に二人は避ける為に横へ動いたので、互いに放った矢は、二人の肩を掠めて火花を上げさせる。
「くっ!」
「うっ」
掠めた箇所が、熱を帯び、白煙が上がる。
カリスがまた矢を撃とうとする。ジオウもまた弦を引こうとするが──
「始さん!」
「うわっ!」
カリスに気を取られていたせいで、アナザーカリスに背中を斬り付けられた。
「ソウゴ!」
前のめりになるジオウに、ツクヨミが声を上げる。
「このっ!」
ジオウは倒れる間際に踏み止まり、振り向き様にアナザーカリスへ矢を射ち込む。
「きゃあ!」
胸部に直撃して倒れるアナザーカリス。
「その娘を傷付けるなっ!」
カリスは声を荒げながら、ジオウに矢を放つ。放たれた数は三。ソニックアローで咄嗟に二本弾けたが、三本目がジオウの胸部に命中する。
「うあっ!」
仰け反るジオウ。だが、ダメージは少ない。陣羽織を模した装甲のおかげで損傷を軽減出来ていた。
ジオウが怯んでいる隙に、カリスはバックルを外してカリスアロー中央にセット。そして、ベルト側面に付けてあるホルダーを開き、中から三枚のカードを取り出す。
三枚のカードを、カリスアローに付けたバックルにスラッシュさせる。
『DRILL』
『FLOAT』
『TORNADO』
読み取らせたカードは、カリスの背後で巨大化し、青いエネルギーとなってカリスの体に吸収される。
ただならぬ雰囲気に、ジオウもまたディケイドライドウォッチのスイッチを慌てて押す。
『ガ、ガ、ガ、鎧武!』
『ファイナルアタック! タイムブレーク!』
ジオウからカリスに向けて、輪切りの檸檬とオレンジを模したエネルギーが交互に並びながら伸びる。
『SPINNING DANCE』
目の前で並ぶそれに構うことなくカリスは駆け出し、勢い良く飛び上がる。その体から漆黒の竜巻が生じる。竜巻によって生み出される回転の力を突き出した右足に乗せ、檸檬とオレンジを突き破りながらジオウに迫る。
ジオウもまた目の前で並ぶ檸檬とオレンジの中に飛び込み、果実型のエネルギーの中を通過する度にその力がジオウへ流れ込んでいく。
「はあっ!」
「たああっ!」
穿つ蹴りと突き抜ける蹴り。二つの力が激突し合った結果、果実型のエネルギーは、果汁の様に跳び散り、漆黒の竜巻は溶ける様に霧散する。殆どの力が相殺されたが、余波でジオウとカリスは吹き飛ばされた。
相打ちとなった両者。すぐに二人は立ち上がろうとするが──カリスが何かに気付き、視線を横に滑らす。
カリスの視線の先には、耐える様な必死の形相でこちらへ向かってくるジャケットを羽織った青年がいた。
「……剣崎! まさかお前まで……」
カリスは、剣崎と呼んだ青年が現れたことにひどく動揺する。カリスが動揺する中、剣崎はカリスとの距離を詰めていく。距離が縮まっていく度に剣崎の形相は険しいものとなっていった。
「始……! 力を使ったな……!」
剣崎のその言葉には、悲しみと怒りが籠っている。
「俺は……もう俺の力を封印することは出来ない……!」
剣崎は震える手で取り出したのはバックルらしきもの。そこに一枚のカードを挿し込む。カードの中央にはヘラクレスオオカブトの絵。
「何故だ……! 始!」
バックルから手が離れる。バックルからカードを連ねた形のベルトが射出され、自動的に剣崎の腹部に装着される。
人差し指を立てた右腕を、左斜めに持ち上げ、相手に右手の甲を見せる構えを取る。
「変身!」
掛け声と共に右手を返し、そのままバックルに付いていたハンドルを引く。
『TURN UP』
カードを装填していた部分が回転し、スペードのマークに変わると、剣崎の前方にヘラクレスオオカブトが描かれた光のゲートが出現する。
光のゲートを潜り抜けることで、ゲート内で分解されていた物が剣崎へ装着される。
青のスーツを下地にし、銀色の装甲。鳩尾の部分にはスペードのマーク。
頭部は、銀色の仮面に赤の複眼。額には鋭角の角があり、頭頂部を隠す程大きく、長い。カードに描かれていたヘラクレスオオカブトを彷彿とさせる姿である。
変身した剣崎は、手を小刻みに震わせながら、腰に付けてある両刃の剣を引き抜く。押さえられない衝動に抗おうとしているが、押さえ切れ無い。その僅かな抵抗の証が、体の震えであった。
「運命は……避けられないのか!」
慟哭を上げながら、剣崎こと仮面ライダーブレイドはカリスへ斬りかかる。裡から彼を突き動かす獣の本能によって。
◇
ゲイツ、ウォズは、アナザーディエンドが放った二体のアナザーライダー──最早モンスター同然の姿をしているが──に苦戦を強いられていた。
蒼炎や超音波で攻撃する彼らを、ゲイツはジカンザックスの弓モードで、ウォズはフューチャーリングシノビの手裏剣で対抗するが、自由に空を飛び回る彼らはそれらを全て回避してしまい、逆に攻撃を受ける始末。
苦戦するゲイツたち様子を、ディエンドはただ眺めているだけであった。アナザーディエンドの姿を見てから完全に戦う気が失せており、それどころか佇む姿から不機嫌さが感じ取れた。
アナザーディエンドの方は、そんなディエンドの態度を咎めない。というよりも既に当てにしていなかった。
キュイイイイイイイイ。
アナザーナイトが放つ超音波で、ゲイツとウォズは反射的に耳を覆う。無防備な姿を晒したことで、アナザーディエンドが動く。
右手指先をゲイツたちに向けると、先端から光弾が発射され、アナザーナイトに気を取られていた二人に着弾する。
「ぐっ!」
「うあっ!」
地面に横たわる二人に対し、アナザーディエンドは更なる追い打ちを仕掛ける。
新たなカードを取り出し、右手首に挿し込む。
『ファイナルアタックライドォ・ク、ク、ク、クロォォズ』
空を飛んでいたアナザークローズは旋回し、アナザーディエンドの背後に回る。
アナザーディエンドは両手を左右に広げ、腰を落とす。その右足が蒼い炎で燃え上がった。
「はっ」
アナザーディエンドが跳び上がる。それを合図に、アナザークローズが蒼炎を吐き出す。
背部に炎を受けたアナザーディエンドは、その身に蒼炎を纏わせながら撃ち出された。
弾丸の様に飛ぶアナザーディエンドが向かう先にはウォズが居る。
ウォズも相手の狙いが自分であることに気付き、咄嗟にジカンデスピアを縦に構えて防御の体勢をとる。
炎の勢いそのままに、アナザーディエンドの飛び回し蹴りがウォズへ打ち込まれる。
「うああああああ!」
ジカンデスピアの柄で少しは威力を削げたが、アナザーディエンドはジカンデスピアごとウォズを蹴り飛ばす。
飛ばされたウォズは、転がりながら変身が解除され、苦しそうに胸を押さえる。
地面に着地するアナザーディエンド。纏っていた蒼炎も鎮火する。その直後に、ゲイツが斧モードのジカンザックスを振り下ろす。
攻撃直後。その瞬間が最も油断する時と言っても過言では無い。ましてや、一人撃破している。
最大の好機。だが、ジカンザックスがアナザーディエンドに触れることは無く、ゲイツの刃は空を切る。
頭上を見上げるゲイツ。アナザーディエンドが真上に飛び上がったことで、空振ってしまった。
空ではアナザーディエンドが宙を飛んでいる。彼の両肩をアナザーナイトが掴んでおり、それを翼にして飛翔していた。
空中でアナザーディエンドがカードを取り出すのが見える。ゲイツもまた迎撃する為に動く。
相手はアナザーナイトの力を使っている。ならば使う力は一つしか無い。
ジカンザックスを斧から弓に変え、ライドウォッチを填め込む。
『フィニッシュタァァイム!』
『ナイト!』
仮面ライダーナイトの力をジカンザックスへ伝導させるゲイツ。上空のアナザーディエンドもカードを装填した。
『ファイナルアタックライドォ・ナ、ナ、ナ、ナイトォ』
アナザーナイトの巨大な両翼がアナザーディエンドを包み込み、そのまま絞る様に捩じれ、その身が一本の槍、あるいは杭となって錐揉みしながらゲイツへ落下する。
穿つ凶器にゲイツはジカンザックスの射出口を定める。
ギリギリまで距離を詰めさせ、最大の一撃を叩き込む。迫る力に対し、ゲイツの手が恐れで震えることは無かった。
衝突する間際、ゲイツは力を解き放つ。
『ギワギワシュート!』
ジカンザックスから撃ち出されるのは、竜巻型のエネルギー。
錐揉みするアナザーディエンドの力と、螺旋を描くゲイツの力。共に捩じれる力がぶつかり合ったとき──ゲイツが弾き飛ばされた。
「うああああ!」
力負けを吹き飛ばされたゲイツ。ダメージが許容範囲を超えて変身が解ける。
地面に突き立てられたアナザーナイトが両翼を広げ、中から無傷のアナザーディエンドが出てくる。その側にアナザークローズも寄り、鳴いて威圧する。
「ゲイツ君! ここは引いた方が賢明だ……!」
黒ウォズがマフラーを伸ばしてゲイツを包んで隠すと、自分も包み込み、この場から消え去る。
アナザーディエンドがディエンドを見る。既に何処かへ消えていた。
独りとなったアナザーディエンドは、変身を解除して白ウォズに戻る。
アナザーディエンドのウォッチを見つめる。思っていたよりも役に立った。仮面ライダーウォズの方が扱い易いが、これはこれで使える。穴埋めとてしは十分である。
白ウォズはこれからのことを考える。もうディエンドには頼らない。実力があることは認めるが扱い辛すぎる。
このまま予定通りにアナザーカリスと、あの二人が動いてくれるのを待つだけ。
白ウォズはジオウライドウォッチⅡとゲイツリバイブライドウォッチを取り出した。
懸念材料であるウォッチも今は白ウォズの手の中にある。これが無ければアナザーカリスを倒すことなど出来ない。
その時、ジオウライドウォッチⅡ、ゲイツリバイブライドウォッチから光が伸び、白ウォズと繋がる。
「これは……!」
光が結び合い三角形となり、その中心に力が収束していき、未知なるライドウォッチが現れる。
◇
ブレイドとカリスの激闘。それにアナザーカリスが巻き込まれ、正体が天音であることが判明した為にブレイドの意識がそちらに取られ、その隙にカリスが逃げたことで中断となった。
事情を聞く為にソウゴたちは、ブレイドこと剣崎一真と接触する。
クジゴジ堂で彼の口から聞かされたのは、栗原天音についてとこの世界の危機に関わること。
かつてバトルファイトと呼ばれるどの種族が地球で繁栄するかを決める戦いがあった。最後に残った種が世界の支配者となる。
剣崎と始はジョーカーと呼ばれる人では無い存在である。戦いで負った傷から流れる緑色の血がその証であった。
ジョーカー同士は、引かれ合い戦う性を背負っており、どちらか一方が残った場合、バトルファイトのルール上、ジョーカーが最後の一人となると世界が破滅する。
信じ難い話であるが、白ウォズの言葉や行動からして真実味があった。
全て説明し終えると、剣崎はソウゴたちとの協力を拒否し、一人で決着を付ける為に始を探しに出て行ってしまう。それは、自分たちの問題に他人を巻き込みたくない為の拒絶に思えた。
ソウゴたちも黙っている訳にはいかず始を探そうとする。彼を探すことでアナザーカリスである天音も見つけられると踏んだ。
彼女が写真スタジオを襲っていることから、始に関する情報も写真スタジオに手当たり次第に聞けば見つかると考え、行動する一同。
それによって相川始の情報を得ることが出来たが、白ウォズの方もノートの力にとって始と剣崎を引き合わせ、戦いを始めさせる。そこにアナザーカリスである天音をけしかけて。
◇
白ウォズとソウゴが向かい合う。始の居場所が分かり、そこへ向かう途中に白ウォズが現れた。
黒ウォズとゲイツは、先に始の下へ向かっていた。空が黒く染まり、明らかな異変が起きていた為に。
ソウゴが残ったのは、自分が望む未来がある筈なのに、世界を滅ぼそうとする白ウォズの真意を聞く為である。
白ウォズは言う。既に自分が望んだ未来は来ない。ならば、未来そのものが不要だと。
それを聞いたソウゴは──
「諦めんなよ……勝手に未来を決めつけるなって言ってんだよ!」
──白ウォズに叱咤の声を飛ばす。
決められた未来など無く、今を生きる自分たちによって未来は作られるのだと。
「分かっているのかな? 魔王。私は君の敵だよ?」
「分かっているよ。──だから、最後までもがいてもがいて俺たちを苦しめればいいじゃん。俺たちも、白ウォズに負けない様に戦うからさ」
敵にすら諦めるなと声を掛けてくるソウゴに、白ウォズは面食らった表情になった後、苦笑を浮かべる。
「まさか魔王に発破を掛けられるとはね……礼という訳では無いが」
白ウォズは奪ったジオウライドウォッチⅡとゲイツリバイブライドウォッチをソウゴに渡し、更にもう一つライドウォッチを渡す。
「何か凄いの出た!」
通常のライドウォッチよりも大きい重厚感のあるライドウォッチを手渡される。
「念の為にもう一度聞くが、私に言った言葉に後悔は無いのかい?」
「無いよ。俺が本当に思ったことだから」
「……そうか。──行きたまえ、魔王よ」
「うん」
ソウゴはゲイツたちに追い付く為に走り去って行く。
「最後までもがけ、か……ならばそうさせてもらうとしよう」
◇
空に浮かぶ、捻じれた黒い巨大な石板。その表面に蠢く何十、何百もの黒い異形。アナザーカリスがジョーカーの力を取り込み、最後のジョーカーとなったことで世界を滅ぼす力が発動しようとしていた。
それを止める為に、ジオウは新たな力を使う。
『トリニティターイム!』
『三つの力! 仮面ライダージオウ! ゲイツ! ウォズ!』
『トーリーニーティー!』
『トリニティ!』
白ウォズから渡された新たなウォッチは、ジオウ、ゲイツ、ウォズを一つの仮面ライダーに同化させる。
右肩にゲイツの顔。左肩にウォズ。胸部にはジオウ。新たな仮面は、側頭部に赤と緑のベルト型の装甲を付け、顔には三色のライダーの文字。黄の『ラ』、マゼンタの『イ』、水色の『ダー』。
トリニティの名に相応しい三位一体の姿であった。
ジオウトリニティとなり、剣崎と始からジョーカーの力を奪ったアナザーカリスと戦うが、三つの力の前にアナザーカリスは圧倒される。
『トリニティ! タイムブレーク! バースト! エクスプロージョン!』
三人のライダーの幻影がジオウトリニティと重なりながら『きっく』の文字を突き進み、『キック』の文字に囲まれたアナザーカリスに飛び蹴りを打ち込む。
打ち込まれたアナザーカリスは、背後のキューブ型のエネルギーに取り込まれ、一瞬の間を置いた後に爆発した。
爆発の後には気絶した天音。そんな彼女の体内から飛び出したアナザーウォッチと、ジョーカーの力を取り込んだ際に変化したのか、ブレイドとカリスのライドウォッチも転がり出る。
これで全てが終わった──かに思えた。アナザーカリスを倒したというのに石板は消えない。
それもその筈、アナザーカリスのウォッチは破壊されていなかった。
「『アナザーカリスのウォッチ、破壊されることなく白ウォズの手に渡る』」
ノートを閉じて白ウォズが転がっているアナザーウォッチを拾い上げる。
『白ウォズ……! まだ悪足搔きを!』
「そこの魔王に言われてね。最後まで徹底的にやることにしたよ」
『カァリス』
アナザーウォッチを再起動させた白ウォズ。また天音をアナザーライダーへ変えるのかと思いきや──石板に向けてアナザーウォッチを投げた。
『なっ!』
石板表面で蠢く異形の内の一体に、投げられたアナザーウォッチが入り込む。
アナザーウォッチを取り込んだ異形を苦しみ、石板から落下する。
ここから先の現象は、白ウォズにとっても予想していないことであった。
二つのジョーカーの力に、世界を滅ぼそうとするバトルファイトの力。それらが合わさったことで、アナザーウォッチの力が次の段階に上がる。
『ワイルドカァリス』
起き上がる異形がアナザーライダーへと変身する。だが、それはジオウらが知っているアナザーカリスとは異なっていた。
黒の体色は赤へ、銀色の胸部と赤い仮面は緑へと色を変え、長弓が無くなった代わりに手首横から鎌を生やしている。
異形がアナザーワイルドカリスとなったことで、他の異形たちにも変化が起こる。異形全てがアナザーカリスの姿へ変身したのだ。
変身したアナザーカリスたちが、次々と石板から落とされていく。
「──さて、こうなってしまったら私にもどうすることも出来ない。世界が滅びるか、それとも君たちが止めるか。尤も──」
『ディエンドォ』
白ウォズがアナザーディエンドに変身する。
「私は君たちの邪魔をするがね」
敵はアナザーカリスたちとアナザーディエンド。こちらはジオウトリニティのみ。戦力差圧倒的である。
「あ゛あ゛……」
アナザーワイルドカリスが手を上げると、アナザーカリスたちが獣の様な声を発しながら駆け出す。
構えるジオウトリニティ。だが、先頭を走るアナザーカリスたちに銃弾が浴びせられ、その動きが止まる。
「世界が滅ぼされる訳にはいかないよ。まだこの世界のお宝を手に入れていないんだ」
ネオディエンドライバーを構える海東がそこに居た。
「何処かに行ったかと思えば……私を裏切るか……!」
「君と仲間になったつもりは無い。それに、だ」
アナザーディエンドを見て、海東は露骨に機嫌を悪くする。
「その姿が気に入らない。嫌なことを思い出すからね」
『カメンライド』
ネオディエンドライバーにカードを挿し込み、頭上に掲げる。
敵かと思ったら味方の様な行動。掴み所の無い自由な行動に、思わずゲイツは言ってしまう。
『一体何なんだ、お前は?』
その問いに、海東は少しだけ嬉しそうに笑う。
「通りすがりの仮面ライダーだ。覚えておきたまえ──変身!」
『ディエンド』
長くなるのでもう一話となります。
白ウォズの最後の行動に関しては、テレビのジオウトリニティで使用で見極めるから、直接戦って見極めるに変化した感じです。
次回ジオウたちVSアナザーディエンドVSアナザーワイルドカリス軍団となります。
先にどちらが見たいですか?
-
IF令和ザ・ファースト・ジェネレーション
-
IFゲイツ、マジェスティ