仮面ライダージオウIF―アナザーサブライダー―   作:K/K

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アナザーディケイドの能力を見て、今回のアナザーライダーはタイムリーですね。


アナザーG42019(前編)

 タイムジャッカー───スウォルツは、掌に収めた新たに手に入れた力を見てほくそ笑む。

 

(オーマの日が過ぎ、新たな歴史が刻まれようとしている。時空が歪み始めているが好都合だ。お陰でこの力が手に入った)

 

 ジオウが魔王に至る歴史では、時間が繋がらず本来ならば入手することが叶わない力であったが、歪みが生じたことで、僅かの間だけ時間が繋がり、その間に得ることが出来た。

 

(これを使い──)

 

 スウォルツが企みを考える時間は、そこで止められる。彼の背後から聞こえる足音。一つでは無い。数え切れない程の無数であった。

 スウォルツは、その足音に臆することなく傲岸不遜の笑みを浮かべながら背後を振り返る。

 見渡す限りの異形、異形、異形。常人ならば即座に逃げるか腰を抜かすだろう光景。しかも全てが殺気立っており、そのまま気絶していてもおかしくはない。

 殆ど同じ姿だが、唯一異なる姿の異形が見つける。それがこの群れを統率しているのが態度から分かった。

 

「ほう? 俺の力に引き寄せられたか」

 

 スウォルツにとってこれは予想の範囲内のことである。慌てる必要も無い。寧ろ、彼にとっては手間が省けたと言って良かった。

 

「アギト……」

「ふっ」

 

 統率する異形が言葉を発する。スウォルツはそれを聞いて失笑した。時を操る力をそれと勘違いしている様子に思わず。

 声を押し殺して笑っているスウォルツに、異形たちはじりじりと近付く──

 

「ふん」

 

 ──が、スウォルツの時間停止を受けて、その動きを無理矢理停められた。

 アナザーウォッチを片手に、スウォルツは異形たちの目の前を悠然と横切っていく。

 

「ここで会ったのも何かの縁だ。俺からお前たちに特別なプレゼントを贈ろう」

 

 指一本動かせない異形たちを見下す様に笑う。

 

「未来への時間旅行だ。是非の意見は求めん」

 

 

 ◇

 

 

「G3システム起動」

 

 警察訓練施設内に於いて、ある特訓が行われていた。

 アナウンスする男性がガラス越しに見下ろした先には、青と銀のメタリックな装甲。胸には警察の所属を現すマーク。背部にバッテリーが付けられ、その残量を示す為に腹部のバックルが設けられている。頭部額には三本のアンテナとオレンジのバイザーを持つ。かつて、とある存在から市民を防衛する為に生み出された通称G3と呼ばれる特殊強化装甲服である

 二体並ぶG3。彼らの周囲には穴が一つ開いた長方形の装置。それを見守る様に制服の警察官や装備を纏った機動隊が複数居る。

 

「G3マニューバ」

 

 その言葉を合図に装置から鉄球が発射される。専用の銃で迫り来る鉄球を次々と撃ち落していくG3たち。

 訓練順調、かに思えた。

 突然の爆発と振動。誰か訓練場扉を爆破する。弾け飛ぶ扉と入って来る黒煙。G3たちや他の警察官、機動隊も突然のことに呆然としてしまう。

 何か射出された音の後、更に起こる爆発。今度は訓練場内で起き、衝撃で警察官、機動隊は壁面に叩き付けられた。

 訓練場内は煙に覆われ、周囲が見えなくなる。

 

「何が起こった!? 大丈夫か!?」

 

 アナウンスをする男性──G3ユニットの責任者である尾室隆弘は、イヤホンのマイクに呼び掛ける。

 一帯が煙に覆われているせいで何が起こっているのか尾室からは確認出来ずにいた。

 

「ぐあ! うあああああ!」

 

 返って来たのは悲鳴。G3ユニットが何者かに襲われている。

 

「な、何が……!」

 

 尾室の後ろで訓練の見学をしていた警察官幹部らが緊急事態に顔を蒼白させている。

 

「や、やめ! ぎゃあああ!」

「く、くそぉぉぉ!」

 

 煙の中から聞こえる発砲音。G3が銃撃を行っているらしいが、命中音は聞こえない。暫くの間撃ち続けていたが、その内銃声は聞こえなくなった。

 ドン、という音と共に尾室の目の前のガラスに蜘蛛の巣状の罅が入る。防弾加工している筈のガラスを突き破る程の勢いで埋め込まれているG3の頭部。

 それを見た瞬間、尾室たちは最悪の事態を予測したが、幸いにもガラスにめり込んでいるのは頭部パーツだけであり、中身は入っていない。

 煙が消え去った後、立っている者は誰もいず、襲撃者も消えていた。

 当然ながら尾室たちはすぐさま外部と連絡を取り、G3装着者及び警察官、機動隊の救助を要請する。

 幸いにも死者は居なかったが、殆どの者が重傷を負っており入院を余儀なくされる。

 警察施設の襲撃など前代未聞のことであり、警察の面子を掛けてすぐに調査が始まった。

 その中で、G3のカメラに襲撃者の姿が映っていることが分かり、その映像が再生される。

 それを見た尾室は驚愕した。

 

「G3……! じゃないまさかこれは!」

 

 尾室はそれを知っている。知っているが、実物を見たのは初めてであった。何故ならば、それの設計は存在するは存在するが──

 

「G4……!」

 

 

 ◇

 

 

 アナザーカリスとの戦いの後、またもや現れた海東大樹から、オーマジオウのメッセージを見せられた。

 オーマジオウは、王になる為ソウゴに残り六つのライドウォッチを集める様に真意の分からない助言とも取れる言葉を送った。

 ソウゴは、いずれは対峙するであろうオーマジオウと肩を並べられる力を得る為に、敢えてオーマジオウの言葉に従い、ライドウォッチを集めることをクジゴジ堂内でゲイツ、ツクヨミ、ウォズに告げる。

 今後の方針は決まったが、肝心のライドウォッチの手掛かり無く悩むが、ウォズは自然とライドウォッチを手に入れてきたので、その内に手掛かりの方から来ると言う

 すると、その言葉を待っていた様に大叔父の順一郎が帰宅し、テレビを付ける。テレビでは、警察のG3ユニットが何者かに襲撃されたというニュースが流れていた。

 

「G3──仮面ライダーアギトと関わりのある警察の特殊部隊だね」

 

 ウォズから齎される情報。G3は手にしていないライドウォッチの一つ、仮面ライダーアギトと関わりのある存在。今のタイミングで襲撃を受けたとなると、否が応でもアナザーライダーの影がちらつく。

 

「おじさん! ちょっと出かけてくる!」

「あ、そう。何か物騒だから──」

 

 止めようとはしたが、話し終える前にソウゴは出ていってしまった。

 

「──気を付けてね」

 

 アギトの手掛かり。それに誰かが襲われているのを知って居ても立っても居られなくなる。

 

「あの! 私たちも!」

「ツクヨミちゃんたちも?」

 

 ツクヨミたちもソウゴの後を追う。

 

 一人の残された順一郎は、ソウゴたちが出て行った入口を少し寂しそうに眺めている。そんな順一郎を他所にテレビでは次のニュースが流れる。

 

『✕✕✕✕にて三十才の女性が溺死した状態で発見されました。警視庁によると近くに水場など無く、十八年前に起きた不可能犯罪と酷似していると発表し捜査を始めました』

 

 

 ◇

 

 

 ソウゴたちは、未来の情報からG3ユニットが何度か襲撃を受けるという情報を手にし、G3ユニットの動向を知れば、アナザーライダーを待ち伏せすることが出来ると考えた。

 その会話の中で、ソウゴは何気なくレジスタンス時代のツクヨミについて聞いてみた。以前、ツクヨミからレジスタンスの時のゲイツ、ウォズのことについて教えてもらったので、今度はツクヨミについて知りたくなった。

 そこでソウゴは、ツクヨミに過去の記憶が無いことを知る。レジスタンスに拾われる時には既に記憶喪失であったと言う。

 ツクヨミの新たな事実に、複雑な心境となるソウゴ。しかし、本人が気にしていないというのでそれ以上は何も言えないし、出来もしなかった。

 G3ユニットが外で演習を行う未来情報からその場に向かうソウゴたちだったが、その現場ではソウゴたちの想像とは異なる光景が広がっていた。

 

 

 ◇

 

 激しい銃撃。既にG3ユニットがアナザーライダーに襲われていると思い、ソウゴたちは急いで駆け付ける。

 確かにG3ユニットや警察官たちは襲われていた。だが、襲っていたのはアナザーライダーではない。

 顔の上半分が蟻、下半分が人の顔。首には黒い布を巻き、体色もまた黒い異形。しかも一体ではなく、数え切れない程大量に居る。

 銃撃を受けても僅かに怯む程度で、G3ユニットたちを追い詰めていく。

 

「アナザーライダーじゃない!?」

「何だあの怪物共は……?」

「アナザーライダーの仲間なの……?」

「あれはアンノウンだ」

 

 皆の疑問にウォズが答える。

 

「アンノウン?」

「かつて仮面ライダーアギトやG3と戦った異形たちの呼称さ。誰もその正式な名は知らない。──しかし、アギトとの戦い以降、アンノウンは消えた筈だが……?」

 

 再び人を襲い始めたアンノウンたちに、ウォズは何か作為的なものを感じる。

 

「早く助けよう!」

 

 ソウゴらはドライバーとウォッチを構え、アンノウン──アントロードたちに向かう。

 

「君たち! 危ないから下がっていろ!」

 

 民間人が入り込んだことに気付き、尾室は慌てて声を掛ける。

 

「大丈夫。私たちに任せて」

 

 ツクヨミのそんな言葉に尾室は驚き、変身するソウゴらに二度驚く。

 

『仮面ライダージオウ!』

『仮面ライダーゲイツ!』

『仮面ライダーウォズ! ウォズ!』

 

 変身した彼らはすぐにアントロードとの戦いを殴り飛ばす。銃撃でも怯む程度だったアントロードがジオウらの拳で飛んでいく。

 飛んでいったアントロードたちに後続が巻き込まれ、足並みが乱れる。その隙に、ジオウたちは各々の武器を取り出す。

 

『ジカンギレード! ケン!』

『ジカンザックス! Oh! No!』

『ジカンデスピア! ヤリスギ!』

 

 ジオウが斬りかかり、ゲイツは斬り払い、ウォズは突き放つ。ライダーたちの攻撃が直撃し、三体のアントロードの頭上に光の輪らしきものが浮かぶと爆散する。

 数は多いが一体ごとの力は高いものでは無い。連携を崩さなければ勝てる、そう思った直後、アントロードの群れから何かが飛び出し、ジオウ、ゲイツ、ウォズを襲撃。

 避けることも出来ず、気付けば三人は背中を地面に打ち付けていた。

 

「くっ!」

「何だと……!」

「これは!」

 

 アントロードたちの中から出て来た者、それはジオウたちが探していたアナザーライダーであった。

 銀で縁取られた黒の装甲。だが、纏っているのではなく、打ち込まれたコの字型の杭や釘、ワイヤー等で直接体に固定されている様な見た目をしており、痛々しい。

 背部にはバッテリーを背負っているが、所々破損しており青白い火花が出ている。腹部にバッテリー残量を示すバックルがあるが、割れており表示が見えなくなっていた。

 G3と似た頭部だが、額のアンテナは二又に分かれたもので、バイザーも水色であった。その水色のバイザーから透けて見える見開かれた白眼がアナザーライダーらしさを強調する。

 口のマスク部分はひしゃげて裂けており、ギザギザになった部分がハロウィンの南瓜の様に口と牙を現している。

 右肩装甲に『G4』。左腕に『2019』。それがこの存在をアナザーG4であると表していた。

 

「やはりG4……!」

 

 現れたアナザーライダーを見て、尾室が動揺した様に叫ぶ。

 

「G4?」

「何故だ! 何故そんな姿をしている! G4は……G4は設計だけで()()()()()()()()()()()!」

 

 G4は設計の段階で、危険と判断され開発はされていない。想像だけの存在である。それが歪ながらも目の前に現れ、動揺しない訳が無い。

 この情報は、ジオウらにとっても驚きであった。実在しないものが、アナザーライダーとなっているのである。

 

「まさか……」

 

 ウォズだけは何かに気付き、誰にも聞かれない声で小さく呟く。

 アナザーG4は、見た目通りの機械的な無駄の無い動きでジオウらに接近すると、まずジオウの首を掴み上げる。

 

「うう!」

 

 呼吸が止められる苦しみ。ジカンギレードで反撃を試みようとすると、その前にアナザーG4の手刀で手から叩き落された。

 

「ジオウ!」

 

 ゲイツが立ち上がり、ジカンザックスを弓モードにしてジオウを助けようとする。しかし、ゲイツが光弾を放つ直前、ジオウを射線上に翳し盾にする。

 

「なっ!」

 

 タイミングのせいで急停止も出来ず、無情にも光弾は放たれ全弾ジオウに命中。

 

「うああああ!」

 

 着弾の衝撃で悶えるジオウ。仲間を誤射したことに動揺するゲイツ。その動揺の隙に、ジオウをゲイツに投擲する。百キロ近いジオウを風切り音がするぐらいの速さで投げつけられ、受け止め切れずに二人纏めて地面を転がっていく。

 

『フューチャーリングシノビ! シノビ!』

 

 シノビミライドウォッチで姿を変えたウォズは、ジオウを投げ捨てた直後のアナザーG4の背後に移動し、鎌へ変形させたジカンデスピアを振り下ろす。

 しかし、アナザーG4は振り返ることもせず、横に一歩移動してウォズの攻撃を空振らせ、ジカンデスピアの先端を踏み付けて動きを止める。

 

「なっ!」

 

 難なく躱されたことに驚くウォズ。その顔面をアナザーG4の拳が貫いた──が、すぐにウォズは巻き藁へと変わる。

 身代わりの術で何とか躱せたウォズ。だが、アナザーG4は突き出した拳を、右に向かって振るう。

 姿を現したウォズの側頭部に、アナザーG4の裏拳が打ち込まれ、不意の一撃のせいでウォズは膝から崩れ落ちる。

 アナザーG4は、徐に左肩装甲を引き剥がす。剝き出しとなる回路や金属ワイヤー。すると、その部分から内部部品が溢れ出し、何かを創り上げていく。

 

「やっば……!」

 

 数秒も経たずに出来上がったそれを見てジオウは思わず声を震わす。長方形の外装の無に金属の塊と、それに連装された四発の小型ミサイル。色々と知識の足りないジオウでも見ただけ仮面の下が蒼白となる。見たこともない兵器よりも、既存の兵器の方がその危うさを想像し易い。

 アナザーG4は、まずウォズに向けてミサイルを一発発射。音速を超えたそれは、ウォズの足元に着弾。火柱と共にウォズを噴き上げる。

 振り返り固まっているジオウたちにも発射。逃げる余裕は無く、ジオウたちも爆破に巻き込まれる。

 

「ソウゴ! ゲイツ! ウォズ!」

 

 爆撃される仲間を見て、悲痛な声を上げるツクヨミ。そのツクヨミにもアントロードたちが迫っていた。

 ファイズフォンXを構えるツクヨミ。すると、ツクヨミの前でアントロードたちは奇妙な行動をとる。

 左手の甲に右手の指で何かのサインを描く。それが何を意味するのかツクヨミは分からない。しかし、アントロードたちの殺気が増した様に思えた。

 アントロードたちの口から、一斉に吐き出される蟻酸。撃ち落とせる筈も無く、ツクヨミは思わず目を瞑ってしまう。

 一秒、二秒経とうとも何も起こらない。ツクヨミが目を開けると、蟻酸は空中で停まっていた。それを吐き出したアントロードたちも。

 まるでタイムジャッカーと同じ現象が起き、ツクヨミは助かったことよりもそれを自分が起こしたことに動揺した。

 

 

 ◇

 

 

 ツクヨミの時間停止が解除されると共に、何故かアナザーG4、アントロードたちは引き上げてしまった。

 今までとは違い、G3を優先的に狙うアナザーライダーの動きに何か目的の様なものを感じるソウゴたち。

 他にアギトの手掛かりは無いかと探すと偶然レストラン『AGITΩ』の存在を知る。ダメもとで尋ねてみると、アギトと深い関わりのある翔一という人物の名を知るが、海外で修行していて日本に居ないことを知る。

 掠める様な手掛かりであった為に落胆する。そこにウォズからアナザーG4が出現したという情報を聞き、ソウゴらは現場に向かう。

 

 

 ◇

 

 

 現場では既にアナザーG4、アントロードとG3たちが交戦していた。

 

『変身!』

 

 現場に着いたソウゴらはすぐに変身する。

 

『ジオウ! ジオウ! ジオウⅡ!』

『リバ・イ・ブ! 疾風! 疾風!』

『フューチャーリングクイズ! クイズ!』

 

 相手の実力は既に知っている。不覚を取らない為に最初から全力で行く。

 ゲイツとウォズは、アントロードの相手をし、ジオウⅡはアナザーG4の相手をする。

 ジカンギレードとサイキョーギレードの二刀流でアナザーG4に挑むジオウⅡ。

 右からの振り下ろしの斬撃。それを半歩移動して避けるアナザーG4。そこにすかさず左の横薙ぎ。だが、身を屈めて避けられてしまう。

 ジオウⅡは、アナザーG4との戦いに違和感を覚える。二度目の斬撃、それを放つ前にアナザーG4が既に回避行動を取っていた。

 

(まさか……)

 

 ジオウⅡは確かめる為に未来を先読みする。

 回転するジオウⅡの二対のヘッドパーツ。数秒先のアナザーG4の未来の動きが見える。

 横から来る右の大振りをしてくる光景。ならばその下を潜り込みながら、胴体に斬撃を、と思った瞬間、映像にノイズが走り、大振りのフックが下から突き上げるアッパーの映像に変わる。

 

(やっぱり、これって……!)

 

 ジオウⅡは、そのアッパーを左に避け、回り込みながら背後から斬りかかることをイメージする。すると、映像はアナザーG4の後ろ回し蹴りに変わった。

 ジオウⅡは確信し、未来予知を止める。これ以上は無意味であった。

 

「このアナザーライダー! 俺と同じで未来を予知している!」

「何!?」

「成程。そういう能力か……」

 

 未来が視えるせいでそれに対応する動きをしようとすると、相手もまたそれに合わせて動きを変える。そのせいで千日手の様な現象が起こってしまった。恐らくはアナザーG4もジオウⅡと同じ様な映像を視ていただろう。

 アナザーG4の半眼がジオウⅡを睨む様に見ている。

 

「──あれ?」

 

 アナザーG4を見てまたもや違和感。アナザーG4はあんな顔をしていただろうか。

 アナザーG4は左肩装甲を外し、ミサイルを創り出そうとする。

 

「させるか!」

 

 ジオウⅡは接近し、サイキョーギレードの刃をアナザーG4の脇腹に打ち込む。

 

『覇王斬り!』

 

 七色の光がアナザーG4の胴体を斬り裂く。──だというのにアナザーG4は痛がる素振りも見せず、サイキョウギレードを持つ手を掴む。

 

「え! え!」

 

 ジオウⅡが見ている前で、アナザーG4は完成したミサイルを空いた手で発射機構ごと持ち上げる。

 ジオウⅡは勘違いをしていた。アナザーG4が、アントロードを統率する存在であると。

 事実は違う。アナザーG4も含めてアントロードは駒である。それも死を恐れない死兵。根本的に戦いへの考え方が違う。だからこそ彼らとアナザーG4はこれ以上無い程に相性が良い。

 

「ジオウ!」

「我が魔王!」

「うそっ!」

 

 ミサイルが全弾搭載されたそれを、ジオウⅡに向けて鉄槌の様に振り下ろし──

 

「はぁ……! はぁ……! 間に合った!」

 

 ──ジオウⅡは肩で息を吸う。心臓がまだバクバクと早鐘を打っていた。爆撃前に間一髪の所で時間を巻き戻すことに成功し、アナザーG4がミサイルを創り出している時間に戻ってきた。

 しかし、これでアナザーG4に時間を巻き戻す能力が知られた。今度はもしかしたらそれへの対処を含んだ動きを見せるかもしれない。

 アナザーG4はミサイルを完成させ、それを放とうとした瞬間、半眼であった目が閉ざされる。すると、連動して糸が切れたかの様にアナザーG4も動かなくなった。

 

「何? どうしたんだ?」

 

 アナザーG4の意味不明な動きにジオウⅡらは戸惑う。

 すると、アナザーG4近くの地面が盛り上がり、中からアントロードが出現する。

 アントロードの出現に合わせて、アナザーG4はぎこちない動きで胸に手を突っ込み、中からアナザーウォッチを取り出す。

 

『G4』

 

 起動させたそれをアントロードの中に入れる。アナザーG4はアントロードとなり、アントロードは新たなアナザーG4となる。

 

「ど、どういうこと?」

 

 変身が解けたアントロードの頭上に光の輪が浮かび、その後に爆発する。

 新たなアナザーG4はその炎を浴びながら、見開かれた白眼をジオウⅡらに向ける。

 怪物がアナザーライダーになるのは驚きであった。それに加えアナザーウォッチを使い回して変身するのも初めて見る。同じ姿のアナザーライダーを量産したり、一人が複数のアナザーライダーになるのを見た事があるが、それは本来契約しているアナザーライダーの能力である。これとはまた違う。

 

「そういうことか」

「何か分かったの? ウォズ」

「──私も初めてのケースで戸惑っているよ。恐らく契約しているのはアンノウン一体では無く、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 視界全てを埋め尽くすアントロードたち。これら全てがアナザーG4の契約者であった。

 




ギガント(打撃武器)。G4を始めて見た時はあのでかいミサイルに痺れました。
劇場ライダーがIFの存在みたいな設定を見て、割とビックリしました。
この二次創作内の設定と上手いこと嚙み合ったので。

先にどちらが見たいですか?

  • IF令和ザ・ファースト・ジェネレーション
  • IFゲイツ、マジェスティ
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