仮面ライダージオウIF―アナザーサブライダー―   作:K/K

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エターナルが一話限りで無いことに驚き。
でも、初めて書いて、ハーメルンに投稿して、完結した仮面ライダーの二次創作がエターナル+NEVERなので喜ばしいですね。


アナザーG42019(中編)

 新たなアナザーG4が、ジオウⅡに殴り掛かる。

 大振りのフックを、重ねた剣で受け止めた。だが、拳を当てた状態で膂力にものを言わせて押し込もうとしてくる。

 重ねた剣を広げてアナザーG4の拳を跳ね返し、ジカンギレードを振り下ろす。

 アナザーG4は肩でジオウの剣を受け、同時にジオウの空いた脇腹に拳を打ち込む。

 

「うくっ!」

 

 痛みで息が詰まる。だが、ジオウⅡはそのままサイキョーギレードでアナザーG4を斬る。

 サイキョーギレードの刃が、首の付け根辺りに振り下ろされたが、アナザーG4は痛がる素振りを見せず、機械の様に淡々とジオウⅡの脇腹を殴り続ける。

 戦って分かった事だが、アナザーG4に痛覚は無いらしい。斬られても衝撃で体が振動することはあっても、痛みで硬直、悶えることが無い。

 攻撃を受けると同時に反撃を行い、今のジオウⅡの様に何度も殴られ続けているせいで攻撃の手が止まることが無い。

 ジオウⅡの動きが鈍ると、アナザーG4はジオウⅡの両肩を掴み、引き寄せると共に膝を鳩尾に捻じり込む。一発で止まらず、何度も繰り返す。

 臓腑がひっくり返る様な吐き気と痛みを感じる。しかし、いくら痛みがあろうとジオウⅡもされるがままでは無い。

 機械の様な正確な動きをするアナザーG4の攻撃を、身を以って観測しタイミングを計る。

 そして、そのタイミングに合わせジカンギレード、サイキョーギレードの柄頭でライドウォッチのスイッチを押す。

 

『ライダーフィニッシュタァァイム!』

 

 力が全開となる二つのジオウライドウォッチⅡ。すぐさま体を捻り、アナザーG4に側面を向ける。そこへ繰り出される膝が、ジクウドライバーの端を突き上げ、一回転させる。

 アナザーG4自身によって、ジオウⅡの技をお膳立てする。

 

『トゥワイスタイムブレーク!』

 

 アナザーG4に張り付くマゼンタ色の『キック』と金色の『キック』の文字。ジオウⅡは向き直り、両肩を掴まれたままの状態で両脚を持ち上げる。膝を曲げ、自分と相手の間に両脚を滑り込ませ、胸の位置にまで上げると両脚を力一杯伸ばす。

 張り付く二つの『キック』の文字を収める様にしてジオウⅡの両足裏がアナザーG4に炸裂する。

 爆ぜる様に輝くマゼンタと金のエネルギー。アナザーG4もキックの威力に耐え切れず、肩を掴んでいた手が離れ、蹴り飛ばされた。

 ジオウⅡがアナザーG4に強烈な一撃を叩き込んでいる傍らで、ゲイツとウォズもまたアントロードたちを一掃する。

 

「問題。蜂と蟻は、同じ祖先を持つ。〇か×か?」

 

 アントロードたちにクイズを出すウォズ。アントロードたちは迷うどころか、答える意思が無く、問題を出したウォズを襲う。

 

「時間切れ。正解は〇だ」

 

 アントロードたちの爪がウォズに触れる前に、頭上から雷が落ち、アントロードたちに命中する。落雷を受けたアントロードたちは感電し黒焦げとなるが、まだ動く気配があった。

 

「ならもう一問だ」

『ビヨンド・ザ・タイム!』

 

 ウォズはビヨンドライバーのハンドルを前に倒して引く。ドライバーから音声が発せられると共に、クイズミライドウォッチの力が杖モードとなっているジカンデスピアに流れる。

 流れ込んだエネルギーが、鉤状の先端で球体を形成し、ウォズはその球体をアントロードたちに向けて振るう。

 

『クイズショックブレーク!』

 

 放たれた球体は、アントロードたちに接近するとドーム型に展開し、アントロードたちを閉じ込めた。

 

「問題。女王蟻は十年以上生きることが出来る。〇か×か?」

 

 アントロードたちの足元で、〇と×のマークが交互に入れ替わり、アントロードたちの解答を待つ。

 だが、アントロードたちは自分たちを閉じ込めているドームをこじ開けることに必死になっており、ウォズの問題を聞いていなかった。

 あまりにクイズのし甲斐が無い相手に、ウォズは溜息を吐く。

 

「時間切れだ。答えは〇。因みに、働き蟻の寿命は一年から二年と言われている。尤も──」

 

 アントロードたちの足元に〇が描かれ、その線が発光し始める。

 

「君たちの寿命は今日までだ」

 

 噴き上げる爆発。ドーム内が爆炎と衝撃によって満たされ、アントロードたちを消し飛ばす。

 アントロードたちの隙間を縫う様にして疾走する青い風。高速で移動するゲイツリバイブに触れることも見ることも誰も叶わず、アントロードが吹き抜けていく風をその身に浴びた時は最期、痛烈な一撃と共に宙へ。十数体ものアントロードたちが、ほぼ同時に空高く上げられる。

 

『パワードターイム!』

 

 ゲイツリバイブライドウォッチを九十度回転させながら、消えていたゲイツリバイブが疾風から剛烈に姿を変えた後に立ち止まる。

 地面に潜って逃げられない様に全て宙へと浮かせた。後は打ち洩らすことなく倒すだけである。

 ゲイツリバイブライドウォッチを外し、『つめ』から『のこ』モードに変形させた、ジカンジャックローに填め込む。

 

『ジカンジャック!』

『剛烈! スーパーのこ切斬!』

 

 橙に輝き唸るジカンジャックローを宙目掛けて振り抜く。ジカンジャックローから無数の光輪が放たれる。一撃の威力を上げるのではなく、一定の威力を維持し数を増やす。

 光輪がアントロードたちに触れると、波打つ光の刃で削る様に斬り裂き、全てのアントロードたちを爆散させた。

 ゲイツリバイブとウォズによってアントロードたちの数は三分の一にまで減る。しかし、ゲイツリバイブたちも疲労しつつあり、まだ三分の一も残っているという気持ちになってしまう。

 また、ある問題があった。

 

「──居ないね」

「何がだ?」

 

 残党を倒す過程でゲイツリバイブとウォズが背中合わせになったとき、ウォズがポツリと零す。

 

「彼らの統率者さ。見た通り彼らは蟻とよく似ている。女王蟻が何処かに潜んでいてもおかしくはない」

「最初から居ないのかもな」

「それなら有り難いが確証が欲しい。──もし、女王蟻を放っておいたら延々と増え続けることになるかもしれないよ」

「──あまり想像したくないな」

 

 その時、ジオウⅡによって蹴り飛ばされたアナザーG4がゲイツリバイブたちの前を横切る。その際に複数のアントロードたちを巻き込んでいく。

 少し遅れてジオウⅡもゲイツリバイブたちの側に来た。

 

「二人とも無事みたいだね」

「あの程度の相手には遅れはとらないよ、我が魔王」

「そういうお前はどうなんだ? 手応えはあったのか?」

「それは……んっ!」

 

 ジオウⅡの視線の先でアナザーG4が立ち上がる。その動きは不自然なもので、操り人形を連想させる。

 アナザーG4はギクシャクとした動きで胸に手を入れ、中からアナザーウォッチを取り出すと、すぐ側に居たアントロードの胸に突っ込む。

 

『G4』

 

 アナザーG4の変身が解け、また別のアナザーG4が誕生すると、変身が解除されたアントロードは倒れ込み、爆発して散る。

 

「また……!」

「……どうやら、あのアナザーG4は相当危険なアナザーライダーらしい」

「危険?」

「恐らく変身者は命を奪われる。強力な力を持つ分、デメリットもそれ相応なのだろうね。ああやって使い回す理由も納得がいく」

「馬鹿な! 変身したら死ぬアナザーライダーだと? 何の意味がある!」

 

 アナザーライダーの契約者は、それぞれの目的の為にアナザーライダーの力を使っている。変身したら死ぬなど、目的を果たせないと同義である。

 

「彼らに死の恐れは無い。だからこそ、あのアンノウン全員は契約をしているのだろうね。彼らはアナザーG4を動かす為のパーツだ」

「怖っ……」

 

 ジオウⅡとゲイツリバイブは戦慄すると同時に、契約者がアンノウンたちで良かったと思ってしまった。もし、普通の人間が契約者ならばアナザーG4になってしまった時点で命を落としてしまう。そこで終われば悲劇で済むが、先程のアントロードたちの様に次々と体を替えて動くようならば悲劇は惨劇となっていただろう。

 アナザーG4がアントロードたちと共にジオウⅡらに無機質な目を向ける。構えるジオウⅡたち。だが、不意にアナザーG4を含むアントロードたちの動きが止まった。

 アントロードたちは、触覚を動かし何かを感知すると地面に穴を掘り始めて潜っていく。

 アナザーG4も、アントロードたちの穴の中に入り去ってしまった。

 暫く様子を見るが奇襲など無いと分かると、ジオウⅡたち変身を解く。

 

「何だったんだろう」

「もしかしたら、女王蟻に呼ばれたのかもしれない」

「お前が言っていたことか。あの動きの躊躇いの無さはそうかもしれないな」

 

 いるかどうか確証が無かった女王蟻が、今の統率された動きで存在を感じさせられる。

 

「あ、そうだ。あの人たちを手伝わないと」

 

 負傷しているG3たちや警察官の救助の手助けに行くソウゴ。ゲイツもまたそれに続く。

 ウォズもまた向かおうとするが、突如として消えたアナザーG4、アントロードたちの動きに嫌な胸騒ぎを覚える。

 

(何故、急にこの場を去った……? まさか……)

 

 

 ◇

 

 

 ジオウⅡたちの戦いの裏で、ツクヨミは独り逃げていた。

 自分が持つタイムジャッカーと同じ力をどうするべきか悩んでいた所に、スウォルツが現れ、ツクヨミに向けてアントロードたちをけしかけた。

 ファイズフォンXで身を守りながらの逃亡。しかし、アントロードたちの数は減る何処か増える一方。

 ツクヨミの素性に関して何か知っている様な口振りで、彼女の力を引き出させようと追い詰めていく。

 逃げ続け、人気の無い倉庫街まで来る。しかし、そこが限界であった。逃げ場も無く、体力も底尽きる手前。ファイズフォンXの銃口を、四方を囲むアントロードたちに向けるのが唯一の抵抗であった。

 アントロードたちの爪牙がツクヨミを引き裂こうとする。絶体絶命、その時ある音がアントロードたちの注意を引く。

 ツクヨミもまた音の方に目を向ける。胎動とも脈打つ音にもとれ、何かが起こる、そう感じさせる音。

 ツクヨミの視線の先で誰かがこちらに向かって来る。建物の影のせいで輪郭しか見えなかったが、姿から男性と分かる。

 その男の腹部からは光が放たれ、音もまたそこから発せられていた。

 アントロードたちが一斉に男の方へ行く。目の前のツクヨミよりも優先して襲い掛かる。男の何かがアントロードたちの敵意を引き付ける。

 男もまた走る。建物の影から抜け、光の下に現れたときツクヨミは男の顔を初めて見る。

 人が良さそうな印象を受ける壮年の男。光り輝いていたのは、腹部に装着されたベルト。金の宝玉を上下に挟み込む様に左右から伸びる金の装飾が施されていた。

 ベルト。そして、男がアントロードの一体に拳を打ち込むと同時に変えた姿から、その者が何者かを察する。

 ツクヨミは、未来で飾れられていた石像でその名を知っていた。

 

「アギト……!」

 

 一対の黄金の角と赤い複眼。黒のスーツを覆う黄金の鎧。その身に光の力を宿したことで覚醒した戦士──仮面ライダーアギト。

 アギトの一撃で倒れ伏すアントロード。すぐに別のアントロードがアギトの背後から爪で襲うが、アギトは背を向けたまま爪を腕で弾き、振り返ると同時に首に回し蹴りを打ち込む。

 多対一の状況下。アギトは体全てに目が付いているのではないかと思える程の直感と見切りで、アントロードたちの攻撃を躱し、防ぎ、反撃で急所を強烈な一撃で叩く。

 数の不利を覆す強さを見せつける。

 しかし、スウォルツはアギトの鮮烈な戦いを見ても尊大な態度を崩さず、寧ろ笑みを深める。

 

「まんまと現れてくれたな。仮面ライダーアギト」

 

 全てはスウォルツの掌の上。

 

「アナザーライダーを生み出したのも、こいつらを動かしたのも、お前をおびき寄せるため。お前の持つアギトの力を手に入れるためだ」

 

 

 ◇

 

 

 大量に押し寄せてくるアントロードたち。その攻撃を巧みに捌き、的確な反撃で数を減らしていくが、アントロードたちが尽きることは無い。

 それでも、孤軍奮闘するアギトにアントロードたちは押し切れずに居た。

 しかし、状況は一変する。

 

「アギト……」

 

 アントロードたちの唸り声の中に混じるしゃがれた女性の声。咄嗟に振り向き声の方を見る。

 

「ぐっ!」

 

 三又の矛が突き出され、アギトの胴を抉った。アギトの感覚を以ってしても反応し切れない速度での一撃。

 抉られた箇所を押さえながら、アギトは矛の主を見る。

 他アントロードたちとは違い、赤みがかった女性的な体つきをし、武器だけでなくコルセットの様な鎧をも纏っていた。

 女王蟻。そんな言葉を思い起こさせるアントロード。

 その感覚は間違ってはいない。このアントロードこそが全てのアントロードたちを統べるクイーンアントロード。

 クイーンアントロードはアギトに矛を振るう。振り下ろし、薙ぎ、突く。

 アギトの感覚を凌駕する槍捌き。完全な回避は出来ず、直撃は避けるのが精一杯であり、アギトの肉体に裂傷が刻まれていく。

 しかも、事態は更に悪化する。

 

「そこまでよ。この女がどうなってもいいの?」

 

 アギトを制止させるのはタイムジャッカー、オーラの声。彼女はツクヨミにファイズフォンXの銃口を突き付け、アギトを脅す。

 アギトの側にウールもまた現れる。

 スウォルツが何も計画を話さずに独自の行動をとっていたことに不満を抱いていた二人は、スウォルツの鼻を明かす為に彼らもまた独自に動いていた。

 その目的はアギトからその力を奪うこと。

 ウールはブランクウォッチを出し、起動させてアギトへ押し当てる。アギトの力がブランクウォッチに流れ込み、アギトライドウォッチに変化し、アギトの姿は解除され人間の姿に戻る。

 

「ツクヨミ!」

 

 そのタイミングに合わせてソウゴらもこの場に着く。ウォズの勘でツクヨミを探すことになったが、それが功を奏した。

 地面が揺れ、突き破ってアナザーG4もまた現れる。アナザーG4はソウゴらを睨む──のではなく、アギトライドウォッチを持っているウールを睨んでいた。

 

「何だこいつ。何で僕の方を見ているんだよ」

「余計な真似を。お前の持つアギトの力は奴らにとっては忌むべき力だ」

「どういうこと?」

 

 現れたスウォルツにオーラが問う。

 

「ウォッチの力である程度は操れるが、アギトの力の前では制御出来ん。早くしないとお前も餌食になるぞ?」

「何だよそれ……」

 

 スウォルツの言う様に、アナザーG4だけでなくアントロードたちもウールに向かって来ている。唾液を垂らし、牙をガチガチと鳴らす。

 

「ちっ!」

 

 ウールは忌々しそうに舌打ちをすると、アナザーG4たちの時間を停止させる。

 

「だったらこうすればいいんだろう!」

 

 ウールはアナザーG4からアナザーウォッチを引き抜く。そして、それをクイーンアントロードにアギトライドウォッチと共に挿し込んだ。

 

『G4』

『アギト!』

 

 黒いエネルギーに包まれ、それが解除されるとクイーンアントロードはアナザーG4に変わっていた。アギトライドウォッチを入れられたことで差異もある。まず、水色であったバイザーが赤に変わり、腹部に巻かれていた罅割れたベルトが赤い宝玉が中心に埋め込まれた瞳の形をしたベルトに変わった。

 本物のライダーの力とアナザーライダーの力が同時に宿される。

 

「こいつは僕が使う」

「ほお? お手並み拝見といこう」

「行け」

 

 ウールの指示に従い、アナザーG4がソウゴらに突撃していく。ソウゴらはすぐにドライバーを構え変身しようとする。

 

「動かないで!」

 

 ツクヨミが人質であることを強調するオーラ。それを見て、ソウゴたちは変身するのを中断し、左右に分かれてアナザーG4の突撃を避ける。

 

「待て」

 

 いつの間にかオーラに接近していたスウォルツがファイズフォンXを掴んでいた。

 

「ここはウールの自由にさせろ」

「はあ? アタシに命令しないでくれる?」

「お前の意見は求めていない」

 

 互い眼光を飛ばすが、先に折れたのはオーラであった。舌打ちと共にファイズフォンXの銃口を下げる。

 

「好きにやれ、ウール」

「言われなくてもそうするさ」

 

 新しい玩具の様にアナザーG4を動かすウール。彼は知らないだろう。スウォルツに別の目的があることを。

 

『変身!』

 

 ひとまずだが、ツクヨミの命が大丈夫と分かり、ソウゴたちは変身する。

 ソウゴはジオウⅡに、ゲイツはゲイツリバイブ剛烈に、ウォズは仮面ライダーウォズに。

 ソウゴたちの変身を、アギトであった男は驚いた様に見ていた。

 

「はっ!」

 

 サイキョーギレードで斬りかかるジオウⅡ。だが、振り抜く前に手刀で腕の内側を叩かれる。電気が走った様な痛みで危うく剣を落としそうになる。

 痛みでジオウⅡの動きが遅くなった瞬間に、側頭部を拳で打ちぬかれる。

 

「うっ!」

 

 怯むジオウⅡと交代してゲイツリバイブがジカンジャックローによる突きを繰り出す。その時、アナザーG4がベルトの右横を叩く。中央の宝玉から赤い柄の片刃剣が出現する。

 その剣はゲイツリバイブも見た事がある。以前ディケイドが変身したアギトが使用していた剣であった。

 片刃剣──フレイムセイバーの柄を握り、ジカンジャックローと刃を交える。火花の様な橙の光を旋回させるジカンジャックローに、振るう度に灼熱の軌跡を残すフレイムセイバー。

 力はほぼ互角。ゲイツリバイブの方に分があると言えた。だが、厄介なのはゲイツリバイブの攻撃を悉く避けてしまうアナザーG4の動き。

 

「ダメだ、ゲイツ! そいつは未来が見える!」

「だったら、予測でも追い付けない速度で攻めるだけだ!」

『スピードターイム!』

 

 剛烈から疾風へモードチェンジし、ジオウⅡの未来予知ですら追い付くことが出来ない速度でアナザーG4の周囲を動き、攪乱する。

 ゲイツリバイブの選択は決して間違いではなかった。アナザーG4に有効な戦いと言える。しかし、それはアギトライドウォッチを埋め込まれる前のアナザーG4を指す。今のアナザーG4には未来を見る力に加え、アギトの超越した感覚が備わっている。

 アナザーG4はフレイムセイバーを振り上げる。柄元にある二枚の角飾りが展開し、六枚角となる。

 高速の動きの中でゲイツリバイブはジクウドライバーを回転させた。

 

『百烈! タイムバースト!』

 

 ゲイツリバイブライドウォッチの力を、『つめ』モードにしたジカンジャックローに流し込む。青く輝くジカンジャックローを構え、アナザーG4とゲイツリバイブは交差する。

 いつの間にかアナザーG4はフレイムセイバーを振り下ろしていた。

 

「ゲイツ!」

 

 ジオウⅡは叫ぶ。空中から落下するゲイツリバイブに向かって。

 ゲイツリバイブが展開していた翼の片翼が、半ばまで斬り裂かれ、断面が赤色化していた。

 アナザーG4は目線を向けることなくフレイムセイバーを投擲する。すると、ジカンデスピアを構えていたウォズが慌ててそれを弾き落した。

 アナザーG4には視えていた。ウォズが動き出そうとする未来の光景が。故に先手でそれを潰す。

 今度はベルト左横を叩くアナザーG4。ベルトから両端に刃が付いた薙刀──ストームハルバードを取り出し、折り畳まれた刃を展開させると、フレイムセイバーを落した直後のウォズに飛び掛かる。

 上段から振り落とされたかと思えば、手首を返して下からの斬り上げとなり、ストームハルバードを旋回させながら斬りかかろうとする。

 

「厄介な……」

 

 ストームハルバードが風を切る度に風圧が起こる。倒れる程のものでは無いが、顔に当たると視界が一瞬だけ閉ざされてしまう。その中でのアナザーG4の連撃を防ぐのは至難の業であった。

 振り抜かれるストームハルバード。風の壁がウォズを圧し、動きが停まった所で胸を突く。

 

「うあっ!」

 

 突き飛ばされたウォズが、ゲイツリバイブを介抱しているジオウⅡの下へ転がっていく。

 三人を一纏めにしたアナザーG4は、右肩の装甲を引き千切り、その痕からミサイル発射機構を創り出す。

 三人を一気に吹き飛ばす意図が見える。

 自分のせいで三人の命が危険に晒される。ツクヨミは思わず叫んでいた。

 

「危ない!」

 

 その瞬間、世界の時が停まる。再び起こしてしまった現象。しかし、今のツクヨミにそのことを戸惑っている暇は無い。

 オーラからファイズフォンXを奪い返し、アナザーG4の正面に立つ。

 その動きをスウォルツだけが眼球で追っていた。

 ツクヨミはファイズフォンXから光弾を発射し、アナザーG4が創り終えたミサイルに着弾させる。

 それと同時に時間停止が解除された。光弾で撃ち抜かれたミサイルは爆発。他のミサイルにも誘爆し、アナザーG4を中心にして大爆発が起きる。

 自分たち以外の時間停止と爆発が立て続け起こり、ウールとオーラは軽いパニックになりながらも自分たちも時間停止で爆発から逃れる。

 爆発が消えると爆心地には黒焦げのアナザーG4が横たわっていたが、すぐに立ち上がり、ジオウⅡらを探す。

 しかし、ジオウⅡたちもツクヨミも、アギトに変身した男の姿も消えていた。

 アナザーG4は、生き残ったアントロードたちに無言で指示を飛ばす。彼らは黙って穴を掘り、ジオウⅡらを探しに行く。

 独り残ったアナザーG4は、指示を待つ様にスウォルツたちを見ていた。

 

「スウォルツ」

「後は好きにすればいい。だが、覚えておけ」

 

 スウォルツは、ウールを見下ろして笑う。

 

「お前のした行動は、正しいが間違ってもいる。大人しく兵に兵の役割をさせておくべきだったな。王は兵にはなれない」

「何だよそれ、意味が分からない」

「いずれ分かる」

 

 何処まで子供扱いするスウォルツに、ウールは不貞腐れた表情を浮かばながらアナザーG4を伴ってこの場から離れていった。

 スウォルツは言わなかった。アギトとアンノウンが反発し合う存在であることを。そんな力を一箇所に留めておけばどうなるか、容易く想像が出来る。

 

「まあ、せいぜい頑張ればいい」

 

 暴走する未来を予期しても、スウォルツはウールを助ける気など毛頭無かった。

 

 




因みにアナザーG4に変身すると、そこから体力が継続的に1減っていく感じです。未来予知を使うと更に加速する感じで。
アントロードたちの体力が10だとしたら人間の体力は3か4。尽きたら新しい体が見つかるまで戦闘力半減で動くという仕様。

先にどちらが見たいですか?

  • IF令和ザ・ファースト・ジェネレーション
  • IFゲイツ、マジェスティ
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