詳細が知りたい人は、仮面ライダー平成ジェネレーションズフォーエバーを視よう!
※9/23ちょっとだけ加筆。
戦兎が一足先に世界の異変に気付いた後、他の者たちも徐々に自分の認識とこの世界とのズレを目の当たりにし始める。
万丈と一海は拠点としていた『nascita』というカフェが、『nasuvi』という名の別の店へと変わっていた。
その店の前で一海たちと同じくかつての仲間であった石動美空と会い、一時の再会を喜ぶもすぐに変貌し、万丈たちのことを忘れてしまい幻徳と同じ様な状態となってしまった。一海たちも自分たちと同じく記憶を保持したまま新世界へと移動した、という楽観的な考えを持っていた万丈も、流石に事の異変に気付き始める。
一方で、ただの女子高校生となってしまったツクヨミを監視していたゲイツもまたこの世界の異変と遭遇する。
ツクヨミたちが入った店。かつてクジゴジ堂が在った場所にはモジモジ堂という別の店名が掲げられており、時計屋から喫茶店へとなっていた。
中の店主は以前と同じソウゴの大叔父である常磐順一郎であったが、ゲイツと会っても彼とは初対面である様に振る舞い、ツクヨミのこともゲイツのことも完全に忘れてしまっていた。
そして、子供を探していた戦兎は辺りを駆け回った結果、遂に子供を見つけることが出来た。子供はシンゴという名前であり、何故怪人に襲われているのか全く心当たりが無いという。
戦兎も自己紹介をし、安心させる為に自らが仮面ライダービルドであることも明かす。
仮面ライダーの名を聞き、シンゴはすぐに『クウガ』の仲間なのかと聞いてきた。
初めて聞くライダーの名に戦兎は思わず問い返してしまう。その反応で戦兎がクウガのことを知らないと分かられてしまった。
警戒心を解こうとしたことが、逆に強めさせることとなったが、戦兎は何とかしてそれを解こうとする。
◇
「クウガ……初めて聞くな。少なくとも俺の仲間の中ではその名前の仮面ライダーは居ないな」
「仲間? 他の仮面ライダーを知っているの?」
「ああ。クローズにグリス、それにローグとマッドローグ。後はエボ……いや、あれはいいか」
「初めて聞いた……ねえねえ! それってどんな仮面ライダーなの?」
警戒心が好奇心へと変わる。初めて聞く仮面ライダーの名に興味深々という感じで曇っていた表情が輝き始める。
「そうだな。まず俺が変身するビルドっていう仮面ライダーは──」
「ダメじゃないか、シンゴ。俺の側から離れちゃ」
横から聞こえてきた声にシンゴは体を震わせた。喜々としていた態度が一変し、恐怖に染まる。
声のした方をぎこちなく向くシンゴ。戦兎もまたそちらを見る。
黒いコートを纏う青年──ティードが、どこに焦点を当てているのか分からない目で佇んでいる。
一目でティードが放つ危険な気配に気付いた戦兎は、シンゴを守る為に彼を背後に移動させる。
「保護者って雰囲気じゃないな」
直感的に感じ取ったもの、シンゴの異様な怯え方。どう考えても危険人物としか思えない。
警戒する戦兎を無視してティードは歩み寄って来る。その顔に不気味な笑みを張り付けて。
「シンゴ、逃げろ」
戦兎はこの場からシンゴを逃がすことを選択する。いざ、戦闘になった時庇い切れる保障が無いこと。また。狙いがシンゴならば彼が逃げる時間稼ぎをするつもりでもあった。
シンゴは一人逃げることに躊躇する。
「早く逃げろ」
戦兎はもう一度シンゴに逃げるよう促す。
「う、うん!」
全力疾走で駆け出すシンゴ。去っていく背を追おうとするティードであったが、戦兎はその肩を掴み止めようとする。だが、一瞬でその手を叩き落とされた。
ならばと拳を振るう戦兎であったが、拳が当たる直前にティードの姿は消え、別の場所に瞬間移動していた。
明らかに人間の範疇を超えた能力。
再びその姿が消える。何処に消えたか探す戦兎であったが、途端背後から腕を捻り上げられた。
もう片方の腕で反撃を試みるも、その腕もあっさりと捕まえられ同じ様に捻られる。
「何者だ……!?」
関節を極められる痛みに耐えながら正体を問う。
「タイムジャッカーのティードだ」
タイムジャッカーもティードも初めて聞く名である。
「しかし、この世界に存在しない筈のライダーが何故存在する……? お前たちはどうやってこの世界に来た?」
「存在しない……? やっぱり俺たちじゃなく世界が!」
「シンゴが逃げたせいか?」
「シンゴが? どういう意味だ!?」
「──まあいい。せいぜい利用させてもらおう」
「くっ!」
ティードの拘束を力尽くで振り解くと、すぐにビルドドライバーを装着し、フルボトルをセットする。
『ラビット!』
『タンク!』
『ベストマッチ!』
ビルドドライバーのハンドルを回し、ドライバーから伸びたチューブにフルボトル内の成分が流れ込んでいく。
『Are You Ready?』
「変身!」
成分が装甲を形成し、ファイティングポーズを構えた戦兎に装着されていく様をティードは黙って見ている。
『鋼のムーンサルト! ラビットタンク! イェーイ!』
ラビットタンクフォームに変身したビルド。再びドライバーからチューブが伸び、絡み合い、中にボトルの成分が入っていくとチューブはドリルを刀身とした武器──ドリルクラッシャーと成る。
出現させたそれ握り、ティードへ斬りかかる。
「ふっ」
ビルドが変身していく過程を無表情で見ていたティードの表情が変わる。相手を見下す冷笑へと。
振り下ろされたドリルクラッシャーに向けて、ティードは右手を突き出す。その瞬間、回転していたドリルクラッシャーの刃は止まり、更に振り下ろされる筈であったドリルクラッシャーも空中で固定される。
「な、に……!」
ドリルクラッシャーを持つ右手から右肩に掛けてどんなに力を込めても動かなくなる。感覚すら無い。ビルドの意思と完全に切り離されていた。
「お前じゃ俺には勝てない」
ティードがビルドに顔を近付け、囁き掛ける。
ならばと左手で拳を放とうとするも、拳を握り締めた時点で動かなくなる。停止は両腕だけでなく全身にまで及び、完全停止させられた。
「言っただろう? お前じゃ勝てないって」
ティードは挑発する様にビルドの仮面の青と赤の境界を指先でなぞる。
屈辱を覚えるが撥ね退けることすら出来ない。
「──ああ、一つ訂正する」
指が離れると共にティードは後退していく。
「俺には勝てないじゃない。俺たちには勝てない、だ」
途端、ビルドの停止が解除された。下がっていくティードを追おうと一歩踏み出す。
ピチャ、という粘着質な音が聞こえる。視線を下に落とすと、ビルドの足元は黒いタールの様な液体で満たされていた。
黒い液体を認識した瞬間、液体が触手の様に伸び、ビルドの両足に絡みついてその場に固定する。そして、液体表面を滑らせコンベアーの様にビルドを運んでいく。
「何だこれ!?」
足元に絡み付く液体を振り払おうとするが、足裏が張り付いて解けない。
液体が跳ねる音が背後から聞こえてくる。まだ動かせる上半身を捻り、背後を見た。
経年劣化した様な見た目のくすんだ金色の装甲。薄黒い半透明の仮面に赤い目。両肩に付けられた排水管の様な筒。筒からは黒い液体が流れ続けている。
見た目は醜悪そのものだが、ビルドが知っているライダーによく似ている。
「グリス……!」
その声に反応し、アナザーグリスは右手の甲を見せながら人差し指を立てる。一海が変身する前によく見せるポーズであった。その右手の甲には『GREASE』と描かれている。
突然足元が弾け、ビルドの体がアナザーグリスに向かって飛んでいく。
アナザーグリスは筒から出ている黒い液体に触れる。手に纏う液体は形を変え、U字型の作業アームへと変化し、飛んできたビルドにそれを叩き付けた。
「うぐっ!」
強烈な迎撃を受け、ビルドは呻く。だが、アナザーグリスの攻撃はそれで終わらない。ビルドを殴り付けたアームが開き、ビルドを挟むとそのまま地面に叩き付ける。
二度、三度地面に打ち付けるが、ビルドよりも先に地面の方が罅割れ、砕けた。
アナザーグリスのアームが離れ、砕けた地面の上でビルドは仰向けになる。
「くっ……!」
アナザーグリスはビルドの首を掴み、無理矢理立たせる。その手の甲には『2018』の文字が描かれていた。
「しんかをもやしてぶっ潰す……」
「その顔で、その台詞を言うな……!」
心の火と書いて心火。本物のグリスがよく口にする台詞である。気合を込める時に使う為のものを、アナザーグリスは覇気も生気も無い声で呟く様に言う。何から何まで間違っており、本物への侮辱であった。
ビルドは、アナザーグリスの手をドリルクラッシャーで弾き上げ、そのドリルクラッシャーを切り返してアナザーグリスを斬ろうとする。
が、アナザーグリスに届く前に刃が止まる。ティードの能力による停止である。
身動き一つ取れないビルドの顔を、アナザーグリスが殴り付ける。その直前に停止が解除されるが防御は当然間に合わず、無防備でそれを受けてしまう。
「くうっ!」
地面に倒れるビルド。すぐに起きようとするが、またもティードによって停止させられる。
タイムジャッカーとアナザーライダーの連携により、ビルドは何一つ出来ない。
アナザーグリスが腰に巻かれているベルトに手を伸ばす。罅割れたガラス管、ひしゃげたチューブ、折れ曲がったスパナで形成されたドライバーもどき。
曲がったスパナを倒す。罅割れたガラス管に金色のエネルギーが注入され、罅から蒸気が噴き出した
その場で跳躍するアナザーグリス。両肩に付いている筒が九十度角度を変え、後方に向けて黒い液体を噴出させてアナザーグリスを空中で疾走させる。
突き出されたアナザーグリスの右足が黒と金が混ざり合って輝き液体で覆われ、空気抵抗を受けて飛沫の様に散っていく。
停止状態のビルドにそれを避ける術は無く、胸部にアナザーグリスの蹴りで痛打され、蹴り飛ばされる。
その最中にダメージが蓄積し過ぎて変身が強制解除され、生身の状態で地面を転がっていく戦兎。
ようやく止まった頃には衣服は所々裂け、頬や口から流血していた。
「ま、だだ……!」
傷を負いながらも立ち上がる戦兎。再びビルドドライバーのハンドルを回し、再変身を試みようとする。
「うあああああ!」
激しい痛みが戦兎の全身を襲う。変身解除直後の再変身は、変身者の肉体に多大な負担を掛ける。下手をすれば命にかかわる。
だが、戦兎はハンドルを回す手を緩めない。決死の覚悟による再変身。
『Are You Ready?』
「変──」
しかし、その覚悟すらティードは嘲笑う。
突き出した手から放たれる波動。それは戦兎だけでなく、ドライバーから伸びるチューブ。その中を流れるフルボトルの成分すらも停止させる。
変身する過程を完全停止させられた。
ティードは徐に左手を左眼の前に翳す。左手甲に描かれた黒い輪。それが金色に輝き、輪の中心に金の瞳が開かれる。
「
金の瞳から発せられる金の閃光。戦兎がそれを受けると、変身過程で現れていたチューブ等が炭化する様に消え去り、戦兎自身も糸が切れた様に脱力する。
「さあ、二つも道具を手に入れたことだ。お前はシンゴを探しに行け。それと、これも持っていけ」
ティードは何かをアナザーグリスに投げ渡す。それを受け取り、ティードの指示に頷いた後に去っていく。
「お前はこっちだ」
歩くティードの背をヨロヨロとした足取りで付いていく戦兎。俯きながら歩く戦兎。その目は洗脳され黒く濁ったもの──ではなく、未だに強い意思の輝きを内に秘めていた。
◇
「名前は何ていうの?」
「──シンゴ」
「シンゴ……へえ……」
アタルはシンゴの名を聞き、少し驚いた顔となる。
詳細を聞くと母親は入院しており、父親もそれに付き添っているという。ただ、病気という訳では無く。弟が生まれからとシンゴは嬉しそうに語っていた。
「──照井竜だ」
照井竜は聞かれる前に自己紹介。ついでにある物を取り出す。警察手帳であった。
「警察官なんだ!」
「そうだよ。風都の二号ライダー、仮面ライダーアクセル! あ、握手してもいいですか!」
「……何故知っている?」
「そりゃあ……有名だから」
「仮面ライダーアクセル……全然知らない」
アタルとは対照的にアクセルの名に困惑しているシンゴ。
「知らないの?」
「今度見られる仮面ライダーなら知っているよ! 仮面ライダークウガ!」
「見られる?」
シンゴの言葉にソウゴは引っ掛かるものを感じた。
「クウガ! その年で渋いなぁ! あ、もしかして結構前のライダーとかが好き? 仮面ライダーBLACKとかRXとか?」
「仮面ライダーBLACK? RX……?」
「あれ? ……違うの?」
シンゴの反応に、アタルは話題を空振りしたことが分かり、困った表情となる。
「でもクウガか……俺、クウガが始まる前の日に生まれたんだよ」
「じゃあ、今日が誕生日?」
「え? 何で?」
さっきから話が嚙み合わない。話す度に齟齬が生まれる。ソウゴはそれを変に思い、照井もまた妙に感じていた。
「仮面ライダーの話はいいが、色々と聞きたいことがある」
「分かってるって。でも、そういうのは落ち着いた場所でしよう。近くに俺ん家があるから」
と、意気揚々とクジゴジ堂へと向かうソウゴであったが、そこにあったのは『モジモジ堂』という看板。
「え?」
時計屋から喫茶店に変わっており、大叔父である順一郎はソウゴの記憶が全く無い。
「ええ?」
更にはツクヨミを監視していたゲイツもいたが、彼もまた記憶喪失となっており、勉強漬けのガリ勉に変貌していた。
「うええええ!?」
結果として居場所を失うこととなり、楽観的であったソウゴもこれにはショックで、自分の方がおかしいのかと少し悩んでしまう。
結局、近くの公園で話し合うこととなり、取り敢えずシンゴを自宅に送り届けようとする。
すると、そこに現れる二人の青年。
「龍我!」
「万丈龍我! それと……猿渡一海……?」
「お前誰だっけ?」
「何で俺だけ疑問形なんだよ」
万丈と一海が合流する。過去に会ったことがあるソウゴは喜ぶも、万丈の方は既視感を覚える程度で首を傾げている。
「知り合いか?」
「うん。ほら、俺だよ! 俺!」
「あー、あー、あははははは! ああ! ああ……?」
「──とてもそうは見えないが?」
何となく話を合わせ様としている万丈に、照井は呆れた表情となる。
シンゴを探していた万丈たちは、先に探しに行っていた戦兎の行方を尋ねる。返ってきた答えは、もしかしたら捕まったかもしれないという万丈たちの不安を煽るもの。
一同どうするべきかと悩んでいたとき、そこに走り寄って来る無人のバイク。
戦兎の開発したバイク──マシンビルダーであった。
無人のバイクが万丈たちの所へ来た。それが戦兎の差し向けたものだと判断し、万丈とソウゴはそれに乗って戦兎の下へ向かう。
シンゴたちのことを照井と一海に任せて。
◇
とある廃屋。ジオウとクローズは危機に陥っていた。彼らを追い詰めているのはビルド。
ビルドの後ろではティードが薄ら笑いを浮かべている。
少し前。マシンビルダーに導かれてやってきたジオウたちを待ち受けていたのは、ティードによって洗脳された戦兎であった。
通常の変身時に使うボトルとは長さが倍程あるボトル──フルフルラビットタンクボトルを上下に振り、先端を捻ると片端が戦車のマークとなる。
『タンク&タンク!』
それをコの字型に折り、ビルドドライバーへと挿す。ビルドドライバーには既にグリップの形をした赤いツールが付けられている。使えば短時間で理性を奪い、使用者を戦闘マシーンへと変える装置──ハザードトリガー。
本来ならば、フルフルラビットタンクボトルはそれを制御する為のものであるが、正気では無い戦兎が使うのは皮肉に感じられる。
ソウゴたちが止める声を無視したまま、戦兎はハンドルを回す。
『ガタガタゴットン! ズッタンズタン!』
『Are You Ready?』
「……変身」
前後に出現する鋳型。それにプレスされる戦兎。鋳型が開くと真っ黒で刺々しいビルドが現れるが、すぐにその周囲に小型の青い戦車たちが並び。
それらが変形し、ビルドの装甲として装着される。
『鋼鉄のブルーウォーリア! タンクタンク!』
『ヤベーイ! ツエーイ!』
キャタピラや戦車を模した一目で分かる重装甲。両眼はビルドの時とは違い両方とも青い戦車の形をした複眼。二段階で変身し、ジオウたちを襲うビルド。
タンクタンクフォームが拳を打ち込めば、クローズやジオウの防御など容易く突き破り、防御越しに重い一撃を見舞う。
ジオウたちが正気を取り戻させる為にしがみつき、呼び掛けるが体を振るうだけ引き剥がされる。
鈍重そうな見た目に反し動きも速く、ジオウたちを上回る動きで追い詰めていく。
仲間であることと、ライダーとしての力の差で追い詰められていくジオウたち。
遂には可変大型武器──フルボトルバスターの砲口がジオウたちに向けられる。
『フルフルマッチデェース!』
フルボトルバスターにフルフルラビットタンクボトルが装填され、砲口から溢れたエネルギーが青い球体を作り上げていく。
直撃すれば無事では済まない。
『フルフルマッチブレイク!』
引かれるトリガー。フルボトルバスターからエネルギー弾が発射される──ティードに向かって。
全ては戦兎の思惑通り。洗脳された様に見せかけていたのはティードから情報を得るため、ジオウたちと戦ったのも相手の隙を生み出す為。
「──やはり、洗脳された振りをしていたか」
エネルギー弾はティードに触れる前に空中で固定される。
不審な点は幾つかあった。ティードの居場所がバレたこと、戦いの中に殺気を感じられなかったこと。
「──まあいい」
出し抜かれた筈のティードに焦りは無い。この展開は、どう転んでもティードにとって都合がいい。
「タスクは果たされた」
空間を突き破り、アナザーゼロライナーが現れ、空中で固定されていたエネルギー弾を吹き飛ばす。
「何!」
「ビルド、お前は頭が切れるかもしれないが──」
アナザーゼロライナーがティードとビルドたちを分かつ壁となる。
「──一手遅い」
アナザーゼロライナーが走り去る。その後にティードの姿は無かった。
◇
シンゴを自宅に送り届ける道中、面倒見が良い一海にシンゴはすぐに懐いたが、クールな雰囲気を出す照井には少々怖がっていた。
「お前、もう少し愛想良く出来ないのかよ」
一海が苦言を呈する。
「……これでもしているつもりだ」
「どこがだよ。そんなむっつりしやがって。そんなんじゃあ、子供だけじゃなくて女にもモテねぇぞ?」
「生憎、俺は既婚者だ」
「あっそ……はああああああああああ!?」
思いもしなかったことだったので、一海は絶叫を上げていた。
それなりに賑やかにシンゴの家へ向かっていたが、その途中でアタルの家に着く。その家を見た途端、シンゴは何故か絶句する。
照井はその反応を目聡く見ていた。
その時、襲撃者であるアナザーアクセルが姿を現す。
住宅街での戦闘を避ける為に一時逃亡する照井たち。彼らが逃げた先は、とある公園。幸い人の姿は無くここでならば全力で戦える。
『スクラッシュドライバー!』
互いにドライバーを構える照井と一海。それを見て、相手もまた仮面ライダーであることを悟るが、詳しい話は後回しにし目の前のアナザーアクセルに集中する。
『ロボットゼリー!』
『アクセル!』
一海はゼリーパウチ型のアイテム──ロボットスクラッシュゼリーをスクラッシュドライバー中央に挿し込み、照井はUSB型アイテム──ガイアメモリを構える。
『変な道具で変身するな……』
などと互いの変身アイテムに対する感想を抱きながら、二人は揃って変身する。
「変身!」
「変……身!」
『潰れる! 流れる! 溢れ出る! ロボットイングリス! ブルルルァァァァ!!』
『アクセル!』
赤い輪が照井を覆い、その姿を仮面ライダーアクセルへと変身させる。
レンチ型のレバーを押し、ロボットスクラッシュゼリーが左右からプレスされることで一海を中心にビーカーの様な機構が出現し、ビーカー内が黒い液体に満たされると一海を覆う金のボディスーツへと変化。更に頭頂部からゲル状の物体が噴き出し、胸部、仮面、両肩の装甲へと変質し、彼を仮面ライダーグリスへ変える。
変身した二人。二対一という状況であったが、すぐにその構図が変わる。
「もう一体!?」
アナザーアクセルの援軍としてアナザーゼロノスが姿を現し、その手に大剣とボウガンが複合した武器を構える。
戦況が二対二にとなる。
『おい』
「何だよ! 今、話している余裕なんて無いって!」
アタルの内に響く声が呑気に話し掛けてくる。
『お前のお望み通りの展開が来るぞ』
「それってどういう……?」
「やっと見つけたぞ!」
怒声と共に現れる青年とその隣に並ぶ怪人。
「ああ! デネブがいるから多分桜井侑斗!」
青年──桜井侑斗の名をアタルは思わず叫んだ。
「桜井侑斗……仮面ライダーゼロノスか」
アナザーゼロノスが、忌々しそうに喋る。
「俺を知っているのか? こっちはお前たちに色々と聞きたいんだよ!」
侑斗は腰にベルトを巻く。黒を基調とし中央が円形となっており、緑と黄のラインが描かれている。
侑斗は、同じく緑のラインが入った硬質のカードを取り出し、それをベルト中央のレバーを押す。
「変身!」
掛け声と共にカードがベルト中央に挿し込まれた。
『ALTAIR FORM』
ベルトから飛び出した光が装甲とスーツを形成し、侑斗へと装着される。頭部から顔に掛けて二本のレールが現れ、その上を二頭の牡牛の顔がレールに沿って走っていく。
両眼に当たる位置で牡牛たちは止まり、変形し緑のバイザーへと変わった。
「はあっ!」
変身完了と共に右手を掲げる。落雷が発生し、それがアナザーアクセルたちの足元へと落ちた。
目の前に落ちた雷に、アナザーアクセルたちは怯む。そんな彼らを指差し、新たに現れた仮面ライダーが宣言する。
「最初に言っておく! 俺はかーなーり強い!」
世界の異変に仮面ライダーゼロノスもまた参戦する。
書いててタイムジャッカーとアナザーライダーのコンビネーションは反則だと思いました。
時間停止が破られない以上、どうすることも出来ませんしね。
今更ですけど、ジオウのオリジナルアーマーも出す予定です。
先にどちらが見たいですか?
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IF令和ザ・ファースト・ジェネレーション
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IFゲイツ、マジェスティ