洗脳されたフリをしてティードから情報を聞き出した戦兎。だが、ティードが余裕のある態度であっさりと退いたこと、最後の言葉に引っ掛かりを覚えていた。
もしかしたらこの一連の流れがティードの仕組んだ罠かもしれない。その考えに至った戦兎は、ソウゴと万丈と共にシンゴの家を目指す。
シンゴから聞かされた住所付近へと着いたソウゴたち。周囲の家からシンゴの家を探そうとしたとき──
「あっ、アタル!」
ソウゴがこちらに向かって歩いて来るアタルと照井の姿を見つけた。だが、一緒に居る筈のシンゴと一海の姿が無い。
三人は急いでアタルたちに駆け寄った。
「何かあったのか!?」
万丈がそう聞くと、アタルと照井は何故か困った様な表情となる。
「おい。あの小僧とカズミンはどうした?」
「それが……」
アタルが言い辛そうな表情をする。
「──分からない」
「はあ!?」
アタルに替わって照井が答えた。
「何かがあった。何かが起きて二人は何処かに消えてしまった。だが、その何かが分からない」
「おい! 寝ぼけたこと言ってんじゃねえぞ!」
ハッキリとしない照井の答えに万丈は怒りを露わにし、照井のジャケットを掴み上げる。
「おい。止めろ、万丈!」
「待ってよ、龍我。照井刑事はふざけている訳じゃ無い気がする」
「照井刑事って……お前、警察官かよ!」
掴んでいた手を思わず離す。冤罪ではあるがかつて脱獄囚であった身の万丈。警察と聞いて反射的に拒否反応を見せてしまう。
初対面の戦兎はともかくとして、照井と僅かな時間であるが共闘もしたソウゴは、照井はふざける様な真似をする人物には思えなかった。『確証は?』と聞かれれば答えることは出来ない。ソウゴの『そんな気がする』という直感がそう告げていた。
「まずは話せられることだけ聞いてみる。何か分かるかもしれないだろ?」
「──分かったよ」
万丈は戦兎の言葉に従う。不貞腐れた表情であったが、何もしないと示す様に腕を組む。
「話を聞かせてくれるか? ああ、それと言い忘れていた。俺の名前は桐生戦兎。天才物理学者だ」
自らを天才と称する戦兎に、照井は一瞬だけキョトンとした顔となるがすぐに元の威圧感のある顔付きへと戻った。
「風都署超常犯罪捜査課の照井竜だ」
自己紹介と共に身分証明の為警察手帳を見せる。
「その年で警視か。エリートだなぁ……」
警察手帳に書かれた階級を見て、戦兎は驚く。
「なあ、警視ってどれぐらい偉いんだ?」
「さあ……? 警部より上?」
「その警部ってどれぐらい偉いんだよ?」
後ろで万丈とソウゴがコソコソと話していたが無視。下手に触れると本題から脱線してしまう。
「それで一体何があったんだ? 覚えている範囲で教えてくれ」
「大したことは話せないが……」
そう前置きしてから照井は話し始める。
記憶が途切れる前、照井とアタルは間違いなくシンゴ、一海と一緒に行動しており、その途中でアタルの家に着いた。
ここから先の記憶が欠如しているという。気付いたらアタルの家から離れた場所にアタルと共に立っており、何故か変身をしていた。その時にはシンゴと一海の姿は無かったと言う。
「あんたも仮面ライダーだったのか……まあ、その話は一先ず置いておいて。記憶を失っている間に何が在ったんだ……?」
「ツクヨミやゲイツも記憶が無くなって別人みたいになってたけど、それとは違うみたいだし──あれ?」
ふと、ソウゴ自身も照井たちと似た様な経験をしたことを思い出す。今朝、学校へ登校する途中で別人となる前のゲイツと一緒に広場に居た。ツクヨミに引っ張られて学校に向かったせいで今まで忘れていたが、その時に何をしていたのか全く記憶に無い。
「──俺も同じ様なことが在った気がする」
「もしかしたら何か記憶を操作されているのか?」
二人の話を聞き、戦兎はそう推測する。あまりに不自然な記憶の消失。何かしらの影響を受けたのは間違いない。
「他に何か覚えていることは無い?」
「他には特に──いや、一つだけあった」
「それは?」
「──仮面ライダーだ。緑の仮面ライダーに会った。二人組で侑斗とデネブと呼び合っていた」
「また新しい仮面ライダーか……」
「仮面ライダーゼロノスの桜井侑斗でしょ?」
アタルがさも当然のことの様に仮面ライダーの正式な名前どころか、変身者の名前まで喋る。
「知っているのか?」
「仮面ライダー電王に出てくる二号ライダーだよ。デネブっていうイマジンとコンビなんだ」
「電王……?」
質問をしたらまた新たなライダーの名前が出て、戦兎は戸惑ってしまう。
今までせいで忘れてしまっていたが、ソウゴも照井も初対面でアタルに正体を見抜かれていた。
アタルを警戒まではしないが、不審には思ってしまう。
「……何でそんなに詳しいんだ?」
「俺だけじゃないよ。皆知っているよ」
「皆?」
「見せた方が早いかな……あそこが俺の家なんだ。付いてきて」
アタルに言われ、まだ色々と気になることがあったが、取り敢えずはアタルの家に向かう。
アタルの家はどこにでも普通の一軒家であった。招かれたソウゴたちは、アタルの部屋に案内される。
「どうぞ。入って」
ドアを開け部屋の中に入ったとき、目の前に広がる光景に誰もが言葉を失った。
部屋中に余すところなく置かれてある見たことがある仮面ライダーのフィギュア。見たことも無い仮面ライダーのもあった。
壁に張られてあるポスターにはポーズをとって写されているジオウ。当然ながらそんな写真をソウゴは撮った記憶が無い。
仮面ライダーの多種多様な武器やドライバーが玩具となって丁寧に並べている。
「何これ……」
ソウゴは呆然とした様子で置かれていたジオウのフィギュアを手に取る。戦兎もまた目を見開いてビルドのフィギュアを取っていた。
照井は壁際に飾られてある玩具と化したアクセルドライバーとエンジンブレードから目を離せず、万丈はズラリと並べてある玩具のフルボトルに絶句する。
「仮面ライダーは現実の存在じゃない。虚構の産物なんだ」
アタルの言葉に全員の視線が彼に集中する。
「本当だったら君たちは存在しないんだ。存在したとしても、それは君たちを演じた役者だけだ──君たちは俺の妄想なんだ」
ソウゴたちの存在を自らが創り出した妄想と言い切る。
アタルは語る。ある日突然イマジンという存在と契約したことを。
「イマジン?」
「仮面ライダー電王に出てくる怪人みたいなもの。契約すれば一つだけ願いを叶えてくれる」
「願い? 何を願ったの?」
「仮面ライダーに会いたい。それも出来るだけ沢山の仮面ライダーに」
虚構の存在に、実在しない存在に会いたい。その願いが叶い、アタルの前にソウゴたちが現れたと言う。
そもそもアタルがそんな願いを望んだのは、彼の生い立ちに理由があった。
アタルが生まれた日、当時七歳であった彼の兄が行方不明になった。アタルの両親は、どんなに年月が過ぎてもアタルの兄のことをずっと引き摺っており、アタルへの愛情も引き摺られている分だけ与えられなかった。
愛情が無い訳では無い。ただ、その余裕がアタルの両親には無かったのだ。
その足りない分を補う様に、アタルは仮面ライダーに夢中になった。いつか仮面ライダーが兄を助けてくれるかもしれないと子供心に想って。アタルにとって仮面ライダーは寂しい現実を忘れさせてくれる存在であったのだ。
しかし、成長するにつれて仮面ライダーが現実の存在でないと受け入れていく。否、受け入れてしまう。
浸食してくる現実。そこへ現れた現実を忘れさせてくれる存在、イマジン。アタルが契約し、願うのに何の躊躇も無かった。
「だからさ、今起こっていることは全部俺の妄想なんだ。俺が満足したら全部無かったことになる」
アタルの願いが全ての切っ掛けならばそうなのかもしれない。だが、それもまた彼らにはアタルの現実逃避にしか聞こえなかった。
「だからあの子が捕まっていたとしても、一海がやられていたとしても現実じゃないから平気だって言うのか?」
内から湧く怒りを押さえながら吐く戦兎の言葉は冷たく、アタルは憧憬の存在であった仮面ライダーからその言葉を向けられ、底冷えする様に震える。
「俺の妄想が終われば全部解決するんだって!」
だが、あくまでもアタルは今起こっていることは全て妄想であると言い切る。というよりも、その都合良い仮説に逃げていた。
「言ってろ」
ここまで来ると戦兎も呆れたのか、突き放す言葉と共にアタルの部屋から出て行く。もうここには用が無いと言わんばかりに。
万丈はアタルの話を聞き、割り切れないのか顔を顰めながらも戦兎の後を付いていく。照井は無表情のまま、ソウゴは後ろ髪を引かれる様な表情で去っていった。
アタルの家から出ようとしたとき、玄関に二枚の写真が写真立てで飾られているのを戦兎が見つける。
一枚目はアタルと両親の物。高校入学記念に撮ったものらしく今の制服姿のアタルが写されていた。しかし、アタルも両親も笑顔を浮かべていない。
そして、もう一枚は──それを見た時、戦兎は目を見開く。戦兎の反応に気付き、照井もまた写真の存在に気付いて驚いた。
彼らの中にある仮説が浮かび上がる。
アタルの家から出ると、万丈は皆に言う。
「俺は一海たちを探してくる! ついでに桜井何とかっていうのをな!」
落ち着かない様子であった。自分たちが非現実的な存在と突き付けられ、どう処理するべきか分からず苛立っている。苛立ってからこそ行動に移る。
それだけ言うと万丈は制止もする暇も無く走り出す。モヤモヤとした自ら感情を振り払う様に。
「俺たちって……虚構の存在だったの?」
ソウゴもまたその事実にショックを受けていた。
「──かもな」
「それがどうした?」
戦兎は受け入れ、照井もまた平然としていた。二人の反応にソウゴは驚くしかない。
「二人は平気なの!?」
「桐生戦兎というのは元から存在しない人間。──創られたヒーローだ」
桐生戦兎は、ある人物の思惑により葛城巧という科学者の記憶を奪い、顔を作り替えたことで誕生した。まさに虚構と言うべき存在であった。聞かされた時は戦兎も思い悩んだが、今ではその事実を受け入れている。
「俺の現実は俺が一番知っている。積み重ねてきたことに何の偽りも無い。それだけが俺の真実だ」
今までの日々が照井竜という存在を創り上げた。悲劇や戦いの中で鍛え上げられた照井の鉄の精神は不惑。仮面ライダーが虚構の存在などという事実は既に振り切っている。
「虚構とか現実とかそんな違いに大した意味は無い」
「どういうこと?」
「その内分かるさ」
戦兎は敢えて答えを教えない。それは自分の中で見つけることが重要だから。誰かに教えてもらった答えよりも、自分で導き出した答えの方が価値がある。
「……俺さ、王様になりたいんだ」
ソウゴの突然の言葉に二人は目を丸くする。
「アタルの話を聞いたとき、俺思っちゃったんだ。この『王様になりたい、なって世界中の人たちを幸せにしたい』って夢も誰かに与えられたものなんじゃないかって」
虚構の存在だからこそ、自らが掲げる夢さえも誰かが作った『設定』と考えてしまった。
「──でも、二人がそう言うのなら俺はその言葉を信じるよ」
虚構と現実の違い。今のソウゴに答えは無い。だが、迷わない二人を見て、ソウゴは二人を信じ、自分も迷わないことに決めた。
「ところでさ、俺が王様になったら戦兎は化学部門の大臣、照井刑事は警備担当の責任者にならない?」
いつもの調子を戻し、ふてぶてしく二人を未来の王国にスカウトする。
「ふふ。考えておくよ」
戦兎と照井は微笑を見せた。
◇
シンゴを捕まえたことで、ティードの計画は最終段階へと移行する。
シンゴをある装置の中に入れ、封印する。それをスイッチにして街の中心に巨大な塔が生える様に現れた。
周囲を風車で囲い、側面に時計盤を付け、塔の先端には二又に分かれた角を付けた奇妙な塔。
空は黒い雲に覆われ、風が吹き始め、天気が狂い出す。
その出現と共に現実と思われていた世界と虚構が結び付け合う。
◇
「どうなっているんだ? 何だあれは?」
侑斗は突然生えた塔を見て、呆然と呟く。巨大クワガタムシをゼロライナーでようやく追い払った後だというのに、更に事態が悪化する。
「侑斗! これは不味いんじゃ……」
「言わなくても見れば分かる! デネブ! 急いで──」
「デネブ?」
侑斗の声を聞き、誰かが駆け寄って来た──万丈である。
「お前、デネブって言うのか!」
「は、はい! デネブです」
詰め寄られても丁寧に頭を下げて自己紹介をするデネブ。
「じゃあ、お前が桜井何とかか! 仮面ライダー何とかの!」
「何とかってなんだ! 桜井侑斗だ! ……それを知っているってことは」
「俺も仮面ライダーだ!」
宛も無く走り回って探し続けた万丈。偶然にも侑斗たちを見つけることが出来た。
「なあ! シンゴとかいう小僧は!? 一海はどこへ行ったんだ!?」
「落ち着け! 取り敢えずまず説明しろ!」
万丈は自分が知っていることを全て侑斗たちに話した。あまり要領の得ない下手な説明であったが、侑斗たちも断片的だがこの世界の現状について知れた。
そして、アナザーゼロノスことについて聞かされた時、不快そうに顔を顰める。
「──成程な。なら、そのアナザーライダーの力は間違いなく記憶消去だ。自分の関わった者たちの記憶を消す──ふざけた能力だ」
吐き捨てる様に言う侑斗。ゼロノスへの変身にはリスクが存在する。そのリスクとは変身する度に周りの人間の中から桜井侑斗の記憶が失われていくこと。
そのリスクが能力と化しているアナザーゼロノスには嫌悪感しか覚えない。そう易々と起こっていいことではないと侑斗は身を以って知っているからだ。
「──にしても俺たちの存在が現実では無い、か。向こうじゃ俺の記憶なんて殆ど無いのに、こっちじゃしっかりと残っているかもしれないなんてな」
「侑斗……」
侑斗が居た世界よりもこちらの世界の方が侑斗の存在を多く知られているかもしれない皮肉な結果に、侑斗は自嘲する。
「どういう意味だ?」
「大したことじゃない」
万丈がもう少し聞こうとしたとき、悲鳴がそれを遮る。その悲鳴は一つだけでなく、多くの人々のものが重なっていた。
悲鳴の方を急いで見れば逃げ惑う人々とそれを追い掛ける多種多様な怪人たち。
骨の様なマスクを被った怪人。緑の甲羅を背負った怪人。ミイラの様な怪人。黒い布を纏った怪人など数え切れない。
それを見た侑斗と万丈は声を掛け合うことなく同時に走り出し、その最中に変身する。
『変身!』
ゼロノスとクローズへと変身した二人は、逃げる人々を掻い潜って怪人集団の先頭を蹴り飛ばす。
何人も巻き込んで転倒していく怪人たち。それにより怪人たちの進行が遅れる。
多勢に無勢。しかし、二人は怯むことなく怪人たちへと戦いを挑んだ。
◇
「あ、あれって……?」
アタルは自室の窓からそびえ立つ塔を見ていた。思いもよらない展開に声が震える。妄想が生み出したものと割り切れればいいが、アタルの中にあんな塔の記憶は無い。
『おいおい。厄介なことになってきたなー』
アタルの袖から白い砂が零れ落ちながら、脳内で契約したイマジンが話し掛ける。
「で、でも仮面ライダーが居れば……」
『もう力は限界だ。あのライダーたちを保ってられねーよ』
「こんな時に!?」
『しょうがねえだろ! 俺一人で何人分やってると思ってんだ!』
相当ハードなのかアタルの言葉にイマジンは怒鳴り返す。
「限界を超えたらどうなるの……?」
『この世界に居させるだけなら記憶を失って順応するだけで済む。でもな、さっきも言ったようにもう限界なんだよ! 限界を超えたらそりゃあ元に戻るだけだ』
◇
『スペシャルチューン!』
クローズは両刃剣──ビートクローザーの鍔中央にドラゴンフルボトルをセットすると、柄頭を三回引っ張る。
『ヒッパーレ! ヒッパーレ! ヒッパーレ! メガスラッシュ!』
蒼炎を纏った刀身が振るわれると、斬撃の軌跡の形をした火炎弾が放たれ怪人たちを次々に斬り裂いていく。
ゼロノスがゼロノスベルト上部にあるボタンを押す。
『FULL CHARGE』
ゼロガッシャーを組み直し、大剣からボウガンへ変形させると柄頭のスロットにゼロノスベルトから抜いたカードを挿し込む。
カードに充填された力がゼロガッシャーへと流れ込むとゼロノスはトリガーを引く。
ゼロガッシャーから発射されるAの字型の光の矢。次々と連射され、撃ち込まれた怪人たちの体にAの文字を刻み込む。
デネブもまた指から弾丸を放ち続け、怪人たちを撃ち抜いていく。
怪人たちはクローズたちに一掃され、束の間の静けさが戻る。
「はあ……やっと倒し切れたか」
クローズは疲労が籠った溜息を吐きながらドライバーを外す。市民たちも既に避難しており、周囲には誰も居ない。
ゼロノスもベルトを外そうとし──
「おい!」
「うん? うおっ!」
万丈の足元が爆発し、その衝撃で手の中のドライバーが何処かへ飛んでいってしまう。
ゼロノスとデネブが万丈を庇う様に前に立つ。再び現れる怪人の集団。しかも、今度はそれを率いている者たちが居る。
アナザーグリスともう一人、顎下から鰐に喰われている様な見た目の頭部に爬虫類の皮膚の様な装甲を纏うアナザーライダー───アナザーローグである。
「あいつら、グリスとローグにそっくりじゃねえか!」
「あいつだ。そのシンゴっていう子供を攫ったのは」
「奴らが! なら一海の居場所も!」
万丈がゼロノスの隣に並ぶ。生身で挑もうとしていると思い、ゼロノスが咎める声を出す。
「おい!」
「まだ俺にはこれがある!」
ビルドドライバーでは無く、スクラッシュドライバーを取り出し腹部に装着する。
『スクラッシュドライバー!』
装着が完了するとドラゴンの横顔が描かれたゼリーパウチ──ドラゴンスクラッシュゼリーの先端を捻り、スクラッシュドライバーに挿す。
『ドラゴンゼリー!』
万丈は爪を立てる様に左手を突き出しながら、右手をスクラッシュドライバーのレバーに叩き付ける。
「変身!」
万丈を囲む様に巨大なビーカーが現れ、ビーカー内が水色の液体で満たされる。
『潰れる! 流れる! 溢れ出る!』
ビーカー内の液体が万丈を包み、白色のスーツへと変わると頭頂部から水色のゲルが噴き出す。
ゲルは両肩の装甲となり、胸部にはクリアスカイブルーのドラゴンの横顔を作り、白色の頭部にドラゴンを模した同色の仮面を作り上げる。
『ドラゴンインクローズチャージ! ブルルルァァァァ!!』
クローズからクローズチャージへと別形態へと変身した万丈。それを見たゼロノスはゼロガッシャーからゼロノスカードを抜き、反対側に返す。
反対側には緑ではなく黄色の線が描かれていた。
「デネブ!」
「分かった!」
デネブがゼロノスの背後に立つ。ゼロノスはベルトの上部にあるレバーを押し、カードを挿し込んだ。
『VEGA FORM』
ゼロノスベルトに描かれるVの字。
胸部に追加される黒の装甲。逆に複眼部分が消えレールだけが残る。
ゼロノスの両肩に伸ばされたデネブの手がキャノン砲となって装備され、デネブの衣服はそのままマントとなり、胸部装甲の中央が開きデネブの顔が現れる。
顔面部のレールを走る左右に分割されたドリルが中央で一つとなり、一回転すると星の様に開き、その下の赤い複眼が出現する。
ゼロノスアルタイルフォームからベガフォームへと形態を変えた。
「合体しちゃったよ……」
ゼロノスのフォームチェンジに、クローズチャージは状況も忘れて啞然とするのであった。
話的にはやっと折り返し地点ぐらいになります。
先にどちらが見たいですか?
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IF令和ザ・ファースト・ジェネレーション
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IFゲイツ、マジェスティ