仮面ライダージオウIF―アナザーサブライダー―   作:K/K

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長くなったので分割しました。後編は本日中に投稿します。


アナザーマッハ2019(中編)

「まさか君の方から私たちに助けを求めてくるなんて珍しいね。──それだけ追い詰められていると言えるが」

 

 ウールから匿って貰う様に頼んで来たことに対し、ウォズは率直な感想を言う。喋り方のせいで皮肉を言っている様に聞こえてしまうが。

 

「もうこれしか方法が思い付かないんだ。あの重加速は僕の力でもほんの少ししか抵抗出来ない。次にあったら……」

 

 聞き慣れない単語があったのでソウゴは小声で英志に尋ねる。

 

「重加速って?」

「ロイミュードが起こす現象だよ。人間を含めてあらゆる物体の動き低速化するんだ。でも、意識だけは通常時のまま。『どんより』とも呼ばれている。それに対抗出来るのが仮面ライダードライブとシフトカーなんだ」

「へー。俺も気を付けないと」

 

 ソウゴの方は既にアナザーマッハと戦う気でいる。

 

「それにオーラも早く見つけないと……!」

「随分虫が良いな」

 

 頼むウールにゲイツが吐き捨てる様に言う。

 

「スウォルツに見放されたら、今度は俺たちに擦り寄ってくるのか? 俺たちがどれだけ敵対して来たと思っている」

 

 アナザーライダーの力でゲイツやソウゴは苦しめられてきた。関係の無い人々もアナザーライダーによって傷つけられた光景を目撃している。首謀者がスウォルツだが、その片棒を担いで来たウールとオーラの頼みなど、ゲイツからすれば戯言以下である。

 ウール自身も無謀な頼みだと分かっているのか、ゲイツの言葉に反論出来ず悔しそうに表情を歪め、俯いて黙ってしまう。

 その様子を見ていた英志は、縋る手を振り払う光景に心が痛む思いであったが、話を聞く限り彼らが敵対関係にあり今日まで色々と対立していたのが推測出来る。完全な部外者である自分が簡単に口を出していい状況ではなかった。

 

「今すぐ帰れ」

 

 ゲイツが冷たく突き放すと、ウールは諦めたのかこちらに背を向ける。

 

「ちょっと待って」

 

 だが、それをソウゴが呼び止める。

 

「ゲイツ、今の言い方はちょっときついんじゃない?」

 

 ソウゴがゲイツを宥める様に言うと、ゲイツは睨む様にソウゴを見る。口振りからしてソウゴがウールの頼みを聞こうとしているのが分かったからだ。

 

「何? ……今までのこいつらのしてきたことを考えたら当然の対応だ」

「でも、このまま帰しちゃっていいの? またアナザーライダーに襲われるかもしれないんだよ」

「それがどうした? 自業自得だ。まさか、お前はこいつらがしてきたことを忘れた訳じゃないな?」

「忘れてないよ。色んな人たちを苦しめたり、虐めたりしてきたことは。でも、だからといってウールやオーラが苦しんだり、死んでほしいと思っている訳じゃない。ゲイツだってそうでしょ?」

「それは……」

 

 すぐに言葉は出てこなかった。ソウゴの言う通り、それなりの罰が当たれば良いとは思っているが死までは望んでいない。

 

「ゲイツ」

「ツクヨミ……」

 

 今まで話を黙って聞いていたツクヨミが話に入って来た。

 

「ごめんなさい。私もソウゴに賛成するわ」

 

 ツクヨミもソウゴの意見に同意し、ゲイツは渋い表情となる。

 

「でも、ゲイツの気持ちも分かる。確かにウールたちとは何度も戦ったわ。彼らを快く思わないのも理解出来る。だけどソウゴが言った様にウールたちの命が危ないと分かっていて放っておくのは何か違うと思うの」

「……」

「全部を受け入れなくてもいいの。でも、もう少しだけ様子を見ましょう? ウォズと和解出来たゲイツなら出来る筈」

「そこで私の名前を出すかい? ……まあ、色々といざこざが在ったのは認めるが」

 

 ウールたちと同列扱いされ、ウォズは少しだけ不満気な表情をするが、全員ウォズの方を見ていなかったので話を遮られない程度の小声で愚痴を零す。

 ソウゴとツクヨミからもウールの懇願を聞き入れるよう頼まれ、ゲイツは腕を組んで眉間に皺を寄せる。

 すると、短く溜息を一つ吐く。

 

「──もし、お前が俺たちを裏切る様な真似をすれば、その場で俺がお前を倒す」

 

 ウールの頼みを受けることに渋々同意しながら釘も刺す。

 これ以上は話すつもりは無いと言わんばかりにゲイツは後ろに下がると、代わりにソウゴが前に出た。

 

「じゃあ、まずはオーラを探そう」

 

 

 ◇

 

 

「いないなー」

 

 オーラを探し始め、気付けば夕暮れになっていた。流れる川を見下ろしながらウールとソウゴは並んでいる。オーラ探しは三人ずつで分かれて行っており、ゲイツとウールが組むとトラブルが起こると思ったので、ゲイツ、ツクヨミ、ウォズの組み合わせになり、ソウゴが責任を以ってウールと組むこととなった。

 もう一人英志も居るが、彼は今ソウゴたちに飲み物を買って来ると言って近くのコンビニエンスストアに行っている。

 

「……滑稽だろ?」

「何が?」

「今まで時間を支配して有頂天になっていた僕らが、頭を下げて見下していた君たちに頼んで来ることがさ。内心では無様だと思っているんだろ?」

「そんなこと無いよ。それだけ必死だっていうのは伝わって来た。色々と在ったしね」

「皮肉かい? それ?」

 

 ウールは顔を顰めるのに対し、ソウゴは微笑を浮かべている。

 

「君たちがしてきたことを全て水に流すつもりは無い。でも、君たちなりに未来を創ろうとしていたのは分かる」

「それも全部スウォルツに踊らされただけだった。僕もオーラも違う時代から連れて来られたんだ。スウォルツによってね」

 

 その事実はソウゴにとって初耳であった。

 

「結局は言い様に利用されていただけだ、スウォルツにね」

「……正直に言うとゲイツも君たちと同じかもって思っていた」

「同じ?」

「より良い未来を創る為っていう部分が。でも、やっぱり違う感じがする。ゲイツは絶対に未来を変えてやる! って強い信念を感じたけど、今の君はそれを諦めている」

「──こんな風になったらそれも仕方ないさ」

「なら俺たちと目指さない?」

「何を?」

「皆が幸せになれる未来を」

 

 ウールはポカンとした表情の後吹き出す。ソウゴの勧誘の言葉に何か思うことがあったのかもしれない。

 

「お前……馬鹿じゃないか? ふふふ」

「えー、俺は本気なんだけどなー。……あれ?」

 

 笑うウールを見て何かに気付く。

 

「アレ、どうしたの?」

「アレ?」

「いつも付けているじゃん?」

「一体何のことを言っているんだ?」

 困惑するウールにソウゴは自分の額を指で叩くジェスチャーを見せる。

 

「いつも頭に付けているじゃん」

 

 ソウゴはウールが常に頭に巻いている羽根の付いた髪飾りが無いことを報せる。すると、ウールはハッとしたように額に触れた。

 

「……アナザーマッハに追われている時に落としたみたいだ」

「大事なものだった?」

「──いや、大したものじゃない」

 

 すると、急にウールが背を向けて何処かへ歩き出す。

 

「何処行くの?」

「トイレだよ。わざわざ言わせないでくれ、恥ずかしい」

「ここからちょっと行った公園が一番近いよー」

「お気遣いどうもっ!」

 

 照れ隠しの様に語気を強めてさっさと足早に行ってしまった。そこへ、丁度入れ替わる形で英志がビニール袋を提げて帰って来る。

 

「紙のお金で買い物するって新鮮だね」

 

 初めての経験だったのか表情を綻ばせながら買ってきた飲み物をソウゴに手渡す。

 

「はい」

「ありがと」

「あれ? 彼は?」

「ちょっとトイレに行ってる」

「一人にして大丈夫かい?」

「大丈夫だと思うよ。ウールは結構強いし」

 

 時間停止を使えば少なくともアナザーマッハから逃げることは出来る。

 

「そうなのか……」

 

 ウールのことを殆ど知らない英志は、自分よりも知っているであろうソウゴの言葉を信じ、ビニール袋から腕枕をしたデフォルメされた牛が描かれた長方形のパッケージを出す。『ひとやすみるく』と文字で書かれたそれを開け、幾つもある一口サイズの包みの一つ開け、白色の飴を口に放る。

 

「ふーん……こんな味だったんだ……」

 

 飴を舐めながら感慨深そうに呟く英志を見て、ソウゴは訊く。

 

「その飴、どうしたの?」

「昔、父さんがよく食べていたのを思い出してね……。つい買っちゃったんだ」

「へえー。そう言えば、英志のお父さんって仮面ライダードライブだったんでしょ? 何か親が仮面ライダーって凄くない?」

 

 ソウゴの率直な感想を聞き、英志は照れ臭そうに笑う。

 

「僕が生まれた頃にはもう仮面ライダーに変身出来なくなっていたけどね。でも、父さんが仮面ライダーとして戦っていたっていう話は周りから何度も聞かされたよ」

「凄いお父さんだった?」

「うーん……だらしない時は本当にだらしなくて母さんに叱られている所を何度も見たけど、カッコイイ時は本当にカッコ良かった。それにとても優しい人だった」

 

 英志は遠くを見つめながら無意識の行動なのか腕に巻いてあるネクタイを握る。英志の声には父への憧憬が感じられた。

 

「気になってたんだけど、それって──」

「ああ、これは父さんから貰ったんだ、御守り代わりに。勝手にだけどね」

 

 英志の声が少しだけ暗いものになる。

 

「──お父さんに何かあったの?」

「……今は入院をしている」

「それって、まさか未来で復活したロイミュードに?」

 

 英志は首を縦に振る。

 

「父さんは警察官なんだ。ロイミュードたちに襲われている市民を一人でも多く避難させようと体を張って、それで……」

「大丈夫、なの?」

「重傷だったけど命に別条は無いってさ。でも、ずっと意識を失ったままだった」

「それで英志がお父さんの代わりにドライブに?」

「ああ。僕にも何か出来るかことを探して、見つけたのがドライブとして戦うことだったんだ」

 

 英志は変身する為のシフトカー──シフトネクストスペシャルを握り締める。

 

「僕は必ず原因を突き止めて未来を救いたい。父さんの代わりに」

「いいね。英志も良い未来を創る為に頑張っているのかー」

「そんな大層なことじゃないさ」

 

 褒められて謙遜する英志。

 

「俺も頑張って王様になってより良い未来を創りたいなー」

「え? 王様?」

 

 思わず聞き返す英志であったが、異変に気付く。目の前のソウゴの動きがゆっくりとしたものとなっているのだ。

 

「重加速!? すぐ近くにアナザーライダーがっ!」

 

 シフトカーの力で重加速の影響を受けていない英志がすぐに周囲を見回す。そして、視線が一転で止まった。

 黒色の機械で出来た体。胸部から腹部に掛けて赤黒い血管の様な管が左右対称に八本伸び、まるで蜘蛛の脚を思わせる。頭部の上半分は頭蓋骨そのもの、両眼窩にはパイプ状の器官が突き刺さっており、頭蓋骨の下半分は人のものではなく牙が鋏状になっている。

 

「ロイミュード!?」

 

 現れたのは英志の居た未来を破壊し暴走する機械生命体ロイミュード。この時代では既に全滅した筈であった。

 

「何で……ん?」

 

 ロイミュードが急に現れたことに驚くが、同時に気になる点も見つけた。胸の中央にある白いプレート。ロイミュードはそこに自身の魂、コアと呼ばれるものがナンバーという形で刻まれている筈なのだが、現れたロイミュードには何故かナンバーが無い。

 

「ッ──考えるのは止めだ!」

 

 おかしな点があるがそれよりもすべきことがある。英志はドライバーをデータから実体化させ、腕に巻いたブレスレット──シフトブレスを構える。

 

「変身!」

 

 シフトブレスにシフトネクストスペシャルを装填。

 

『ドライブ! タイプネクスト!』

 

 ドライブへ変身した英志は指を鳴らす。ドライバーに吊るされたホルダーからネクストシフトカーの一台が飛び出し、重加速の影響を受けているソウゴの手の中に入る。

 

「うお! ──動ける!」

 

 重加速からソウゴが抜け出したのを見て、ドライブTNは襷掛けしたタイヤから複合武器──ブレイドガンナーをデータから実体化させ装備する。

 すると、ロイミュードの胸のプレートから金色の光が発せられた。急なことだったので回避出来なかったドライブTNはその光を浴びてしまう。

 その光を浴びると、持っていたブレイドガンナーが金色の光に分解、データ化されロイミュードはそれをプレートに吸収。吸収した光を放つとデータが再構築され、今度はロイミュードがブレイドガンナーを装備する。

 

「そんな……!?」

 

 武器を奪取されたことに驚くドライブTN。その動揺する間にロイミュードはブレイドガンナーの銃口をドライブTNへ向けていた。

 撃ち出される光弾。だが──

 

『祝え! 仮面ライダー! グ・ラ・ン・ド! ジオーウ!』

 

 ドライブTNの背後から飛び出してきた『ライダー』の文字が光弾を全て弾いてドライブTNを守る。

 ドライブTNが後ろを振り返るとソウゴのグランドジオウへの変身が丁度終えていた。

 

「それがジオウ……! ──派手だね」

 

 頭から足の先まで金色で、体の各部に仮面ライダーのレリーフを纏ったグランドジオウの姿を見て率直に言う。ソウゴ、ゲイツ、ウォズが自分と同じ仮面ライダーに変身することは事前に聞いていたが、想像を遥かに上回る派手さであった為に思わず感想を洩らしてしまった。

 そんな二人のやりとりなど無視してロイミュードが再びブレイドガンナーから光弾を撃とうとする。

 それを見逃さなかったドライブTNは、ドライバーのキー型のスイッチを回す。その瞬間、ドライブTNのスピードが何倍にも加速。幾本もの光の筋を残像の様に残しながら高速で移動を開始。

 ロイミュードはブレイドガンナーの光弾で迎撃しようとするが、狙って撃った時には既にドライブTNが移動した後。

 前身のドライブにも同じ加速能力が有るが、ドライブTNは次世代型らしくそれよりも上回る速度で動き、更に手順も少ない。

 加えてもう一つ追加された能力が在る。

 左右に素早く切り返してロイミュードを翻弄しながら近付いていくドライブTN。だが、ロイミュードも機械らしくドライブTNの動きのパターンを解析し、次に移動する地点とタイミングを先読みすると、計算に従い光弾を撃つ。

 読み通り移動した直後のドライブTNへ命中。しかし、撃たれたドライブTNは水色の光のワイヤーフレームとなって消滅する。

 ロイミュードが本物だと思って撃ったのは、データを実体化させたデコイに過ぎない。これこそがドライブTNのもう一つの能力。

 そして、ドライブTN本体はスライディングキックで地面を滑走。ロイミュードもそれに気付くもブレイドガンナーを向けられる前にドライブTNは下から斜め前へ横蹴りを繰り出してロイミュードの腹を蹴り抜く。

 ロイミュードは蹴りの勢いに逆らわず、その威力に乗って後退。呻き声一つ出すことは無かった。

 上手く避けて一撃を与えられたが倒すには至らない。せめて奪われたブレイドガンナーを取り戻せたら、とドライブTNは思った。

 

『ドライブ!』

「え?」

 

 急に名前を呼ばれてグランドジオウの方を見る。グランドジオウのレリーフから何かがドライブTN目掛けて射出された。

 飛んできたそれをドライブTNは反射的に掴み、掴んだ物を見て驚く。

 ブレイドガンナーと同じ材質の水色の剣身。握る柄には車のハンドルが付けられており、兎に角目立つ。そして、グランドジオウも同じくレリーフから出て来た車の左ドアを模した銃を握っている。

 

「父さんのハンドル剣! それにドア銃も!」

 

 見た目そのままの武器の名を声に出すドライブTN。そのあまりのネーミングセンスの無さにグランドジオウは聞き間違えたかと思ってしまう程であった。

 

「ハンドル剣にドア銃って……。いや、分り易いけど……」

「僕が付けた訳じゃなからね! 父さんのセンスだからね!」

 

 ドライブTNもその名前に思う所があるのか必死な様子で命名者が自分ではないと否定する。

 ロイミュードは無言でドライブTNに光弾を放つ。ドライブTNは初めて握るハンドル剣を巧みに動かし、光弾全てを斬り払う。

 

「癖はあるけど、行ける!」

 

 気を抜けばハンドル剣に振り回されそうになるが、それを持ち前のセンスで操る。

 ロイミュードが次々と撃ち出す光弾をドライブTNが光弾で弾き飛ばす。後方にいるグランドジオウもドア銃で援護。ドライブTNを上手く避けながら光弾を光弾で撃ち落とし、更にロイミュードの肩にドア銃の光弾を着弾させた。

 その一撃で動きが鈍るロイミュード。グランドジオウが生み出してくれた隙を無駄にはせず、ドライブTNはシフトブレスのシフトネクストスペシャルを、ハンドル剣のグリップ上部にあるスロットへ挿し込む。

 

『ヒッサーツ! ネクスト!』

 

 シフトネクストスペシャル内部のエネルギーがハンドル剣へ伝わり、剣身から電子回路を思わせる光を発生させる。

 

『フルスロットル!』

 

 ドライブTNが急加速を開始。一瞬でロイミュードの目の前に現れる。

 ロイミュードはブレイドガンナーを振るうが手応えが無い。居た筈のドライブTNの姿が消えていた。

 気配を探知し、ロイミュードが上を見上げるとハンドル剣を上段に構えて跳び上がるドライブTN。ブレイドガンナーで撃ち落とそうとするが、ロイミュードは別の気配も探知。視線を左右に動かすと右と左にもドライブTNの姿。

 データの実体化を応用した分身。三体の内どれかが本物であるが、ロイミュードのセンサーはどれも本物であると示していた。

 上か、右か、左か、どれが本物であるのか見抜くには時間が足りない。

 上と左右から同時に振るわれるハンドル剣。本物は右から来ていたドライブTNであり、ロイミュードを脇から腹に掛けて横薙ぎに振り抜く。

 機械の体が裂かれ、血の代わりに火花と機械油を飛ばし、裂かれた傷から金属とケーブルが飛び出す。

 

「──素晴らしい」

「え?」

 

 今まで一言も発しなかったロイミュードが初めて喋ると、ドライブTN目掛けてブレイドガンナーを投げつける。

 投げられたブレイドガンナーをドライブTNが掴むと、その隙にロイミュードは両手先から光弾を足元に撃ち出し、土煙を巻き上げる。

 風に吹かれて土煙が流れていくとロイミュードは既に逃走していた。

 

「今のがロイミュード……」

「アナザーライダーだけじゃなくロイミュードまで……。これも時空の歪みが原因……?」

 

 二人は変身を解きながら、事態が複雑化してきたことを感じ取っていた。アナザーマッハを倒す、それだけでは解決出来ない様な気がしてならないのだ。

 

「ジオウ!」

 

 慌てた声と共にウールが戻って来る。

 

「今、重加速が! あのアナザーライダーが現れたのか!?」

 

 重加速を感じ取り、ウールは気が気でない様子。また自分が狙われていると思ったのかもしれない。

 

「いや、アナザーライダーじゃなくてロイミュードが襲ってきた」

「ロイミュードが!? 何でだよ!?」

「それは、分からない……」

 

 そうとしか言えなかった。

 この日、他の仲間にもロイミュードを報せる為にオーラの探索を一時打ち切りとなった。代わりに夜はタカウォッチロイドとコダマスイカアームズに探して貰い、この日は終わりを迎えた。

 そして、翌日。事態は急展開を迎える。

 

 

 

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