仮面ライダービルド アナザーワールド   作:ラズベアー

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第6話

ディケイドとNEW電王は連携して攻撃するが、アシッド・ハンターは容易くかわし、一方的に攻撃をする。

「蜘蛛の怪人なら、こいつでどうだ!」

ビルドはライダーカードをベルトに装填した。

 

カメンライド・響鬼!

 

ディケイドの身体を炎が包み込み、消えると共に紫の鬼のライダーが姿を現した。

 

アタックライド・音撃棒・烈火

 

続けてカードを装填すると、D響鬼は両手に太鼓のバチのような武器を手にした。

「姿を変えたところで、同じことを!」

ハンターの背中の触手から強力な酸を飛ばす。D響鬼は炎を纏わせた音撃棒で飛んでくる酸を弾き落とす。

ハンターは攻撃の手を変え、触手を伸ばして攻撃を始めた。

NEW電王もモモタロスが変身した剣・モモタケンを振り、応戦する。

「今だ、ディケイド!」

一瞬の隙をとり、D響鬼はハンターの懐に飛び込んだ。

 

ファイナルアタックライド

HHH響鬼!

 

ハンターの腹に太鼓のようなものが浮かび上がり、D響鬼は手にした音撃棒を叩きつけようとした。

「小癪な真似を!」

ハンターは手に持つスチームブレードで迫り来るD響鬼を切り付け、弾き返した。同時にD響鬼から士の姿へ戻ってしまった。

「うわ!」

「士さん!」

「幸太郎!よそ見すんな!」

モモタケンが叫ぶが一瞬の隙を見せたNEW電王にハンターの容赦ない攻撃が降り注ぐ。

「うわあ!」

NEW電王も変身が解かれ、モモタロスも元の姿に戻ってしまった。

 

「二人がかりでもダメなのか。」

「モモタロスが悪い訳じゃないけど、テディがいれば。」

「くそぅ。」

三人は膝をついてしまう。

「貴様らに私は倒せんよ。」

ハンターは少しずつ冷静さを取り戻していた。

「私が引き継いだトランスチームシステムとカイザーシステム、そして葛城が残した研究データ。これさえあれば、私は世界の神になる。」

「貴様…世界を手にしてどうするつもりだ!?」

士はハンターに聞いた。

「新世界の創造だよ。荒廃したこの世界はエボルトによるものだが、それが無くても人はいずれ滅びの道を進む。何故かわかるか。」

ハンターは続けた。

「間違った科学のせいだ。この世界で一番知恵のある生命体。それが人間だ。しかしその知恵を正しく使わず、間違った使い方をした結果、間違った科学が生まれ世界を傷つけてしまった。」

「何を…。」

幸太郎が言った。

「考えてもみたまえ。今もなお、世界各地で行われている戦争や紛争はそれを可能とする軍事兵器、即ち人類の間違った科学技術によって引き起こされたもの。また、当たり前のように言われているが、自然破壊でさえ同じことではないか!」

「私は孤高の天才だ。正しい知恵と正しい科学力を持っている。この力で人類を救うのだ。」

ハンターは高らかに笑った。

「その結果が、今も人々が苦しんでいるじゃないか!それにスマッシュなんて怪物で統治しようなんて!」

幸太郎が反論する。

「新世界の創造には、間違った知恵を持った人間など邪魔なだけ。せめて私の管理下にいることが唯一の救いになるだろう。邪魔をするものは神の裁きを受けるのだ。」

「ふざけるな!」

士は言った。

「世界を創るのは一人でするものじゃない。そこに住む民があって初めて世界は成立するんだ。それを否定して独り善がりの考えで世界を創るなど間違っている!」

「何を馬鹿なことを…。」

「お前が民を否定するというのなら、俺達はその民のために戦う!」

「お前は、一体何者だ!」

ハンターは士へ問う。

「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」

「ふん!口だけは立派なようだが、お前達だけで何ができる。」

「我が科学力の前にひれ伏すがいい!」

ハンターは最後の攻撃のために構える。

 

「お前の科学は間違っている!」

 

どこからか声聞こえてきた。

「何!?誰だ!」

「っ!あれは!」

彼らの前に一人の男が立っていた。

「佐藤太郎か。」

士は男に尋ねた。

「違う。」

しかし、そこにいるのは紛れもなく佐藤太郎だった。

「僕は、葛城。葛城巧だ。」

葛城巧と名乗る佐藤太郎の腰にはベルトがまかれていた。

「そんな馬鹿な!?」

ハンターは狼狽えた。

太郎は笑みを浮かべると両手に赤と青のフルボトルを持ち数回振り上げる。

「さぁ、実験を始めようか。」

 

ラビット!タンク!ベストマッチ!!

 

ベルトにボトルを二本装填するとレバーを回し始めた。すると、ベルトから太郎の前後にアーマーが生み出されていった。

 

Are you ready?

 

「変身!」

 

鋼のムーンサルト!

ラビットタンク!!イエーイ!!!

 

「仮面ライダービルド。創る、形成するという意味のビルドだ。以後、お見知り置きを。」

太郎の身体を挟み込むように赤と青のアーマーに包まれ、仮面ライダービルドに変身した。その身体は両手両足共、左右で赤と青のアーマーを纏い、マスクには右目に青い戦車の意匠を、左目に赤い兎の意匠を表していた。

「あれが、仮面ライダービルド。」

「幸太郎!」

後からテディと美空が駆けつけた。

「待たせたな、幸太郎。」

「テディ!」

「幸太郎、まだやれるな!」

士が幸太郎に尋ねた。

「あぁ、まだクライマックスじゃないからね!」

「あ!幸太郎、それ俺の台詞!!」

幸太郎も笑みを浮かべながら答えた。

 

「「変身!!」」

 

士と幸太郎は、再び仮面ライダーの姿に変わった。

「テディ!」

「うん!」

NEW電王が指を鳴らすと、それに答えるかのようにテディは剣へと姿を変えNEW電王の手元に収まった。

「ようやく俺の出番が来たぜ!」

モモタロスも自分の腰にベルトを巻いた。

 

「変身!」

ソード・フォーム!

 

「俺!ようやく参上!!!!」

モモタロスは赤い装甲を身につけ、頭頂部から正面にかけて桃が現れると、二つに別れて複眼になり、仮面ライダー電王に変身した。

「君が仮面ライダーディケイドか。」

ビルドが言った。

「共に戦おう、ディケイド!」

「あぁ、ビルド!」

ハンターの前に4人のライダーが立ち上がった。

「ええい、何人揃おうが結果に変わりはない!」

4人のライダー達は次々とハンターへ攻撃する。それに対応していくハンターだったが、徐々に追い詰められていく。

「こんなことがあり得てはいかんのだ!」

ハンターは背中の触手から蜘蛛の糸を吐き出し、ビルド以外のライダーの動きを止めた。

「くっ」

「ビルドといえど、一体一ならば。」

「巧!」

美空はビルドへ向けて何かを投げた。

「これは、いいものを持ってきたな!」

ビルドは受け取ったものを迷わずベルトに装填する。

 

ゴリラ!ダイヤモンド!ベストマッチ!!

 

「ビルドアップ!!」

 

輝きのデストロイヤー!

ゴリラモンド!!イエーイ!!!

 

姿を変えたビルドは肥大化した右手で強烈な一撃をハンターに叩き込む。

立ち上がったハンターは、触手から酸を飛ばし手に持ったネビュラスチームガンを撃つ。しかし、ビルドは左手から巨大なダイヤモンドを生み出し、それを盾にしてハンターの攻撃に耐えた。また、それを右拳で砕き、飛び散ったダイヤの破片をハンターにぶつける。

「ぬわあ!」

ハンターは次々に飛んでくるダイヤの破片をかわしきれず、ついに膝をついた。

ビルドはネットに捕まったライダー達を助けた。

「これで終わりだ、御堂光明!」

ディケイドはデバイスを取り出した。

 

クウガ・アギト・龍騎・555・剣・響鬼・カブト・電王・キバ

ファイナルカメンライド・ディケイド!

 

肩から胸元へかけてカードが並び、頭頂部にもカードが現れ姿を変えた。

 

「俺達も行くぞ!」

 

スーパークライマックスフォーム

 

電王を中心に地上で戦っていたイマジン達が融合していき、新たな姿になった。

 

「いいか、御堂光明。お前の科学が間違っていること。それは人の為にならない科学だからだ!」

ビルドはハンターに告げた。

「何だと!?」

「人の為にならない科学は、脅威となって人を滅ぼす。それはあってはならない事なんだ。」

「だから、僕達はお前を倒す!」

ラビットタンクの姿に戻ったビルドはベルトのレバーを回し始めた。

「黙れぇ!」

ハンターは背中の触手をビルドに向けて伸ばす。

「させるか!」

 

カメンライド

響鬼!装甲!

 

ファイナルアタックライド

HHH響鬼!

 

ディケイドはすかさずに装甲響鬼を召喚すると、ハンターの触手めがけ斬撃を飛ばし、全ての触手を切り落とした。

ライダー達は最後の攻撃に備える。

 

ファイナルアタックライド!

DDDディケイド!

ボルテック・フィニッシュ!

フルチャージ!

フルチャージ!

 

4人のライダーは飛び上がり、ハンター目掛けてキックを放つ。

為すすべもなく、ハンターはそれぞれの攻撃に身をさらし、ついには爆発した。

「うわあああああああああ!!」

 

「巧!」

美空はビルドの元へ駆け寄った。

「石動美空。」

ビルドは言った。

「僕は、本当なら新世界の中で消えるはずだった。」

「でも、ネビュラガスのせいなのか。それとも科学だけでは証明できないことが起きたのか。こうして僕は佐藤太郎の身体を借りてビルドになった。」

「うん…。」

美空は自然と涙が流れた。

目の前にいるビルドは桐生戦兎じゃない。

わかってはいるが、かつての仲間が帰ってきた嬉しさが大きく、気持ちが昂っていた。

「士。」

ディエンドとゼロノスも追い付いてきた。

「本当に成し遂げてしまうとは。」

「予想外だったか?」

「どうだろうね。」

「本当に良かった。これで美空ちゃんの世界は消滅から免れた。」

NEW電王も胸を撫で下ろした。

「まさか、人格データだけでなく消えたはずの巧自身が宿るとは。」

テディも驚きを隠せなかった。

「彼は、桐生戦兎は向こうの世界で元気にしている。それを君に伝えることが出来てよかった。」

ビルドは美空に告げた。

「よかった…。」

 

「まだだぁ…。」

後ろの方から御堂の声が聞こえた。

振り向くとアシッド・ハンターから元の姿に戻った御堂の手元にフルボトル数本と、赤いデバイスが握られていた。

「私が…、私が新世界の神となる…。」

「お前、まだそんなことを!」

「待て士、やつは気力で立ち上がっている、自我はない。」

「私が…、神になれぬなら…、こんな世界など、滅んでしまえええ!!」

そう叫ぶと御堂は自身の体にフルボトル数本を突き刺した。

その後、赤いデバイスのスイッチを入れた。

 

マックス・ハザード・オン!

 

ビルドはそれが何かようやく気づいた。

「御堂、よせ!!」

しかし、御堂は赤いデバイスも体に突き刺した。

「ヴ、ヴヴ、ぐああああああああ!!」

御堂の身体を黒い煙が包み込んだ。しかし、黒煙はどんどん大きくなっていき、中から黒い巨体の化け物が現れた。その姿はコブラのようにしっぽまで長い胴をしていて、その背中にはコウモリのような巨大な羽を、胴体には蜘蛛のような八本の脚を生やしていた。そしてアシッド・ハンターのマスクをさらに歪めたような顔をしていた。

「ぐああああああああああ!!」

化け物の雄叫びに反応するかのようにライダー達の回りをスマッシュが囲うように現れた。

「くそっまだこんな力を!」

ゼロノスが言った。

「いやこれはネビュラガスの暴走だ。ああなってしまったら御堂はもう助からない。」

ビルドが答えた。

化け物となった御堂は、パンドラ・タワーの内壁を突き破り、頂上を目指した。

「何をする気だ。」

「っ!まさか、パンドラボックスか!!」

ビルドは言った。

「あのまま、やつ自身を人柱にしてパンドラボックスを再起動しようとしているんだ!!」

「そうなると、どうなるんだ!!」

ディケイドが尋ねた。

「世界は、消滅する。」

「マジかよ!」

電王は思わず声が出てしまった。

「早く追いかけないと!」

しかし、回りのスマッシュがまた詰め寄る。

「…士さん、貴方は巧さんとやつを追ってください。」

「野上幸太郎?」

「ここは俺達が引き受ける。」

「モモタロスまで。」

「行け、門矢!!」

「桜井侑斗…。」

電王、NEW電王、ゼロノスはそれぞれ構えた。

「士、これで行こう。」

そう言うとディエンドは龍騎を召喚すると同時にその姿を龍に変えた。

「任せたぞ。」

「それはこっちのセリフだ。さっさと行きやがれ!」

電王が答えた。

「石動美空、必ず戻る!」

ビルドが叫んだ。

「うん!」

 

ビルド、ディケイド、ディエンドを背に乗せ、赤い龍はタワー頂上を目指した。

 

 

 




第6話

仮面ライダービルド、復活劇です。
そして、葛城巧への救済措置も取りました。
ビルド本編でC世界創造と同時に、戦兎の中から消えてしまった葛城巧。
本編を観ていて、あれだけ苦悩していた巧が消えてしまったことに衝撃を覚えてしまいました。個人的に本編登場人物の中でも割りと好きだったキャラなだけに、何とか救済できないかと考え、本作のように扱いました。

ラビット&タンク、ゴリラ&ダイヤモンド。
どちらも、ベルナージュの力が美空自身に残っていたと設定し、ベルナージュ最後の力で浄化して登場。
巧といったらゴリラモンドですよね。

士の説教。それっぽくなっているでしょうか。笑

最後の戦いにて、電王はスーパークライマックスフォームへ、ディケイドはコンプリートフォームへなります。

カメンライドはD響鬼&装甲響鬼。

最期に御堂がハザードトリガーを持っていた理由は、元々エボルトリガーを模して造られた物であり、複製可能であったと仮定し、御堂が作ったからと設定しました。

次回、いよいよ最終話となります。
最後までお楽しみ下さい。
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