常闇のヒーローアカデミア   作:ヴィヴィオ

3 / 11
第3話

 

 

 

 雄英高校に入学した次の日。午前中は普通の授業だ。ルーミアは俺の膝の上に乗りながら授業を受けたり、用意された席でお絵かきをしたりしている。

 午後からはヒーロー基礎学で戦闘訓練を行っている。戦闘訓練はオールマイトが行っている。俺達はヒーローコスチュームを着て移動する。

 

「さて、本来はチームを組ませて室内戦闘を教えようと思った。だけど、その前にいいことを思い付いたんだ」

「いいこと?」

「今回はルーミア君がいるからね。君達には本物の、本物の死の恐怖を教えてもらおう。恐怖に打ち勝たねばヒーローになんてなれないからね」

「え?」

「ああ、ちゃんと危なくなったら止めるよ。いけるかね?」

「任せてよ~」

「まあ、鬼ごっこだ。10分間、彼女から逃げ切るか、常闇少年を捕まえるのが勝利条件だ。ちなみにルーミア少女は殺す気でいってもいいが、手加減するように」

 

 俺は逃げればいいのか。そうなると勝ちは確定だ。

 

「つまり、それは俺が逃げればいいのか?」

「いや、それだと君達が有利すぎる。動けるのはルーミア少女だけだ。常闇少年は道の真ん中にある円の中からでることは駄目だ。つまり、これはルーミア少女と常闇少年の訓練を兼ねている。いいかな?」

「なるほど」

 

 つまり、俺はルーミアの枷となる。他の連中が俺を狙うことでルーミアは守るしかない。

 

「おいおい、まさか全員を相手にするつもりかよ。俺だけで充分だ」

「いや、それは無理だね。たぶん、全員で挑んでも勝ち目は少ないよ。それだけ、彼女は強い。これでもまだ駄目なくらいだろう。う~ん、最初の五分間はルーミア少女は常闇少年の視界から出るのは禁止しようか」

「それはいくらなんでも、俺達をなめすぎなんじゃないか?」

「有精卵である君達はまだ本物を知らない」

「そ、そんなに強いん? 全然怖くないんやけど……」

「正直、本気の彼女は私でも相手したくないな。しんどいから」

「オールマイトでもですか!」

「本当にやばいのね」

「んな雑魚、俺だけで十分だ!」

「まあ、始めたらいいさ。何回かしたらいいからね!」

 

 オールマイトの言葉と同時に俺達は別れる。俺はオールマイトの書いた円の中に入る。交差点でだいたい直径20メートルぐらいだ。隣にはルーミアだけで、オールマイトはどこかからみているようだ。

 

「ルーミア、最初の五分間は俺から離れるなよ」

「そーかー」

「殺すなよ。手足を取るのもだめだ。打ち身程度にしろ」

「そーなのかー」

「……い・い・な……」

「んーわかった。ちょっと虐める程度にするのだー」

 

 ルーミアがちょろちょろと動く間に、俺は影から刀を実態化させる。ルーミアの剣を生み出す"個性"を利用して、俺も作り出せる。ルーミアは大きさ=強さと思っていて大剣を使うが、俺は刀だ。ツクヨミヒーローなのだから、日本刀がいい。もちろん、刀身は黒だ。

 

『はい、スタート!』

 

 オールマイトの声と同時に轟と爆豪が道路にでてくる。

 

「待ってっ、作戦を考えないとっ!」

「しゃらくせぇっ! 雑魚をくびり殺すだけだ!」

「まずは様子見だ」

 

 ルーミアが翼を出して飛び上がり、周りに弾幕を放つ。氷と弾幕がぶつかり、氷の一部が消滅する。爆発も同じだ。回避しないと駄目な量をばらまくルーミア。そして、彼女の手からはレーザーが放たれる。

 

「ムーンライトレイ!」

 

 レーザーは建物を飲み込み、容赦なく切断していく。すると、オールマイトから即座にストップがかかった。

 

『大規模破壊禁止! あと、弾幕もやめてくれ!』

「え~つまんな~い」

「仕方あるまい。近接戦闘で蹴散らせということだろう」

『そういうことだよ!』

「やれやれ……ルーミア、暴れろ」

 

 俺はリボンを外してやる。大剣とかは幼女では使えない。胸から上が黒色で、下が白色の服のルーミアは銀髪へと変化して頭上にリボンでできた輪が出現する。背中からも禍々しい幾重にも別れた翼が現れる。瞳も真紅に染まり、両手と首に鎖が出現する。

 

「変身した!」

「少女モードですわね」

「死ねぇっ!」

 

 驚いている者達の中で、爆轟がこちらに爆発を利用して高速接近してくる。確かに変身中に狙うのはいいだろう。だが、甘すぎる。

 

「駄目だかっちゃん!」

「あはっ!」

「ぐっ!」

 

 爆発を一切気にせず、爆炎の中からでたルーミアの片手が爆豪の頭を掴んでコンクリートの地面に叩き付け、蹴り込ませる。クレーターを作らないだけ、手加減したようだ。

 

「くそっ!」

「誰が誰を殺すの? 私が、アンタをだよねー」

 

 足で頭を踏みつけてぐりぐりしだす。その瞬間、巨大な氷が迫ってくる。それに対してルーミアは大剣を生み出して一閃する。そだけで氷の塊は切断されて吹き飛んでいく。

 

「あはっ、あはははははっ! 弱いっ、弱すぎるよっ! このまま頭を埋めちゃえ!」

「くそがっ! あがっ、やろっ!」

 

 どんなにルーミアの足を掴んで爆発させようが、一切傷つかない。多少は傷ついてもすぐに戻るからだ。そして、ルーミアは大剣を思いっきり振り下ろす。女性陣が悲鳴をあげる中、何度も何度も叩き付けて爆豪をボコボコにする。

 

「かっちゃんを離せ!」

「それなりの威力だけど、遅い」

 

 緑谷が突撃してくるが、大剣をバッドがわりに吹き飛ばされる。切島や男達も突撃してくる。彼等は大剣の風圧で吹き飛ばされた。そんな状況に動きがでる。

 

「ルーミア」

「おー?」

 

 発煙筒が投げ込まれた。おそらく、八百万だろう。蛙吹なども救助に向かったようだ。

 

「私は(ヴィラン)。気にせずに殺しにきなよ、ヒーローさん達」

『ヒーローは殺しちゃ駄目なんだが……』

「私、いっぱい殺してるけどねー。あ、この人達は食べていい人間かー?」

「駄目だ」

「そーなのかー。じゃあ、少し遊ぼうかな」

 

 目の前のルーミアが叫んでいる爆轟の頭から足を退けて、起き上がろうとする彼の頭と地面の間に足を入れて蹴り上げ、そのまま拳を叩き込んで錐揉み状態で吹き飛んでいく。

 同時に地面にクレーターを作って移動したルーミアが、峰田を蹴り飛ばして大砲を作っていた八百万にぶつける。峰田は大喜びみたいだ。次に狙われたのは麗日で、大剣を振り下ろされる。

 

「ひぃぃっ!」

「麗日さん!」

「させねぇ!」

 

 氷が邪魔してきくるので、ルーミアが大剣で対応。その直後に緑谷が前にでて殴りかかってくる。それをルーミアが素手で受け止めて後ろに放り投げる。力を逃がしたようだ。オールマイトとは何度も殴りあっているからだ。暴走状態に近いが、冷静に対処できている。

 

「建物の中に!」

 

 全員が八百万の声に従って建物の中に入る。発煙筒の煙もあり、鬱陶しそうに振り払うルーミア。それにより、制限のあるルーミアは追撃をやめた。

 

「正直、暇だな」

 

 直接の警護をしているルーミアの前に相手になっていない。ヒットアンドアウェイで蹴散らされている。

 

「ばらばらに攻めても駄目だ。協力しよう」

「そうですわね」

「うん。絶対数人じゃ無理」

 

 大剣で衝撃波を放つのを耳郎が音波で防ぐ。その後もなんどもぼこぼこにされるが、皆は頑張っていく。だが、俺は暇なのだ。それにビルに隠れだしたのでルーミアも暇そうだ。なので俺はルーミアと一緒に彼等がでてくるまでお茶をする。

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。