常闇のヒーローアカデミア   作:ヴィヴィオ

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第9話

 

 

 

 

 轟焦凍

 

 

 

 一回戦を勝利し、二回戦にまで駒を進めた。だが、ここからが厳しい。相手は常闇だ。ましてや、"個性"と一体化した状態となっていて、常闇のコントロールを受けていない。それがどれだけやばいことかは理解している。だが、ルーミアに勝てたら俺は親父を越えられるだろう。

 

「1-A轟焦凍対常闇踏陰の試合を始めます。両者、礼」

 

 頭を下げてから、ルーミアをみると目の白い部分が真っ赤に染り、中心にある黒い部分がこちらを見詰めている。

 

「はじめ!」

 

 開始の合図と同時に氷塊を作り出して襲う。彼女は動かずにその場に一回転すると全身から膨大な量の炎を噴き出した。それはまるで親父と同じような"個性"だ。

 

『おぉっと!? 服が燃えてやがる!』

『これはまずいな』

 

 すぐに彼女の身体が闇に包まれて服が形成された。袖から胸当たりまでが黒く、それ以外が白色のワンピースだ。スカートの裾は赤色がついている。そして、全身から炎を出している。

 

「轟君って、火は使わないの?」

「ああ、使わない」

「なんで?」

「親父を否定するためだ。俺は母さんの氷だけで親父を超えることで証明する」

「それなら、もう超えてるよ」

「そんなわけないだろ……」

「だって、エンデヴァー。今、"個性"ないもん」

「は? どういうことだ?」

「どうもこうも、目の前にあるじゃない。エンデヴァーの"個性"、ヘルフレイム」

 

 全身から爆炎をだし、掌サイズの球体をどんどん作り出しては青色に変えていく。

 

「まさか……」

「さっき会った時に拝借してきたの」

『"個性"を借りてくるとか、ありかよ』

『ありだろう。それができるのなら』

「ありね」

「ふざけるな! お前、親父の"個性"で戦うつもりか!」

「そうだよ。ああ、それだけじゃないよ。轟君のお母さんって入院しているよね?」

「まさか……」

 

 ルーミアは左手から氷を生み出していく。

 

「お前っ!」

「エンデヴァーを超えるんでしょ? いいよ、かかっておいでよ。エンデヴァーの"個性"で蹂躙してあげる」

「許さねぇっ!」

「許されるつもりもないからね。それと、私は貴方みたいに拘っていないから、両方を使う」

 

 俺が氷の槍を放つが、炎で解かれていく。ルーミアは頭上に手を上げて巨大な氷塊を生成していく。リングの上は炎で覆われ、上は氷。こちらが氷を使おうにも、リングの温度が熱すぎてすぐに溶けてしまう。

 

「はやくしないと、落ちてくるよー。あ、ちなみに轟君が負けたら、"個性"はどうなるかなー」

「くそっ!」

 

 炎を使って頭上の氷を解かす。氷は水となってリングに落ちて火が消えていく。

 

「で、使わないんだっけ? 使ったけど」

「くっ……」

「悔しそうだね。あ、いいこと思い付いた♪」

 

 両手の指と指を合わせて可愛らしい声と姿で告げてくるが、明らかにやばい。

 

「可哀想だから、あなたの"個性"。私が貰ってあげる」

「っ!?」

 

 即座に氷の防壁をリングの半分に展開する。

 

「遅いよ」

 

 気が付いたら、背後にいて耳元で囁かれると同時に頬を切られた。すぐに氷を放つ。放とうとしたが、発生しない。

 

「半冷半燃。たしかにもらったよ」

 

 ルーミアは俺が作った氷の上に座っていて、俺の血が滴る指を舐めていた。その姿はまさに無邪気な化け物だ。

 

「右で凍らせて、左で燃やすか」

「返せ! それは俺のだ!」

「そう、君のだよ。私は炎だけを奪うつもりだったんだけど、両方ついてきた。でも、氷しか使わないなら勿体ないよね。だから、安心して。私がちゃんと有効活用してあげる。私にそんな無駄な拘りがないからね。ああ、ちゃんとお母さんと同じ、別の氷の"個性"をあげるよ。エンデヴァーが嫌いなんでしょ? これだったら、問題ないよね?」

「ふざけるなっ!」

「ふざけてないし、真面目だよ。ああでも、"個性"がなくなれば仲良くできるだろうし、全員の"個性"もらってあげようか。うん、それがいいね。終わったら、さっそく会いに行こう。久しぶりに冬美さんにも会いたいし」

「お前、姉貴をしっているのか?」

「しっているよ。勉強を教えてもらったこともあるし。家族が仲良くできないって愚痴も聞いてたし、ちょうどいいよね」

 

 どうすればいい。どうすればいい。

 

「悩んでいるね。じゃあ、ゲームをしよう。私は塔の天辺で待つから、登っておいで」

「な、に?」

 

 ルーミアが両手を叩くとリングの上に氷の塔が形成された。その上に彼女は移動していく。塔の周りには炎がある。溶けることはないみたいで、内部も炎が走り回っているのがわかる。

 観客席の方をみると、親父がいた。炎をだしていない親父がこちらを見詰めている。俺はすぐに中に入る。

 塔の中は一方通行のようで、ところどころが抜けた螺旋階段になっている。そこを飛んで進んでいかないといけない。ただ、そこに火でできた鳥や蛇が襲い掛かってくる。それ以外にも氷でできた拷問器具がふってきたりする。デストラップの嵐だ。ただ、なんとなくだが、場所がわかるので回避できる。

 他にも攻撃してこない変なのが浮いている。

 

 螺旋階段が終われば、次は氷のゴーレムと火のゴーレムが襲い掛かってくる。必死に逃げながら確認していくと、ゴーレムの額に文字があった。

 

「ゲームかよ」

 

 そこですぐに氷のほうにゴーレムの綴りを死に変えると、ゴーレムが倒れた。その氷を投げて火を鎮火させる。その後もアトラクションのオンパレードだ。どれも氷と火を使わないと攻略できず、効率よく進むために火を利用する。

 本当にゲームだ。冷静に考えたら彼女の目的が理解できた。これは俺に火を使わせるためのものだ。俺の"個性"は火と氷は対極にあるが、どちらも片方だけでは成り立たず、活かすためにはどちらも必要だ。

 それにルーミアがいっていた。火を奪うつもりが氷までついてきたと。それはつまり、両方合わせて一つの"個性"ということだ。

 最上階には炎と氷でできたドラゴンがいた。しかし、そこに攻略方法など用意されていない。ただ必死にブレスをさけ、攻撃をさける。なぜか氷のほうはあまり攻撃してこなかったが、火の方は執拗に狙ってきた。

 何度も死を意識して、走馬燈がみえる。昔、母さんと一緒にいた時のことなどだ。そして、俺は自分から親父にヒーローになりたいと言ったことを思いだした。

 同時にこのドラゴンがなにを意味しているのかも理解した。必要なのは受け入れることだ。逃げるのではなく、ブレスに身を任せ、身体を焼かれながら進む。すると氷が放たれてくる。それでちょうどいい感じになった。そのままドラゴンに抱き着くと、それは闇になって消えた。同時に温かい物が俺の中に戻ってきた。

 確かめると、"個性"が発動できるようになっていて、氷と火を使えるようになった。この闇はルーミアその物ということなんだろう。

 階段を登り、屋上にでるとルーミアがいた。闇に顔と手を突っ込んでいる。そこまらでると、手にわたあめを持っていた。彼女の周りには沢山の食べ物のケースがあった。

 

「あ、やっときた」

「おまえ、それ……」

「ちゃんと買った奴だよ。ここから動いていないだけで」

「そうか」

「それじゃあ、続きをはじめようか。さっきから、ミッドナイト先生が時間をかけすぎだってうるさいから」

「そだろうな。じゃあ、いくぞ」

「来るがいいよ。ああ、でも塔を攻略した君にご褒美を与えないとね」

「いらん」

「いいの?」

「その"個性"は糞親父から借りたものだろう。どうせ、これも親父が頼んだんだろ」

「ありゃ」

「それと、母さんの"個性"は違う。ルーミアはそれがそうだと名言していなかった。つまり、自前の"個性"だろう?」

「正解。じゃあ、この"個性"の力をみせてあげよう」

 

 ルーミアがそういった瞬間。気温が一気に下がった。周りは凍りつき、マイナスを超えていく。

 

「原子操作の"個性"。つまり、原子の動きを押さえて作り出す、絶対零度の世界。炎を使わないと、死ぬよ」

 

 セルシウス度で −273.15 ℃、ファーレンハイト度で −459.67 °Fのはずだ。そんな世界で対抗するのは火を使うしかない。それすら焼石に水だ。

 現れたのは氷の龍。相手をするには火を使うしかない。ただ、それでも炎は凍らされてオレは弾き飛ばされた。身体も凍っていて、氷を出しても助からない。塔の上から落ちていく中、確実に死んだ。

 

「焦凍ぉおおおおおおおぉぉぉぉっ! 炎で溶かしてバーニアにしろぉおおおおおおおおぉぉぉぉっ!」

 

 糞親父の声を動かない頭でなんとか理解し、身体を炎で包んで溶かし、火を全力で下に放って落下速度を相殺していく。下をみれば親父が黒い地面の中を走ってきていた。

 

「ルーミアっ、返せっ!」

「はーい」

 

 その声と同時に親父の身体から炎が噴き出して、空中にいた俺を抱きしめて地上に降りてくれた。そして、塔が崩れて氷の破片が綺麗に舞っていく。

 

「勝者、常闇踏陰とルーミア! 時間がないのでルーミアはすぐに次の試合よ! 他は別会場で終わらせたから!」

「さあ、次は何して遊ぼうかなあ~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「優勝は常闇ペア」

 

 

 

 

 

 あの後、爆豪もルーミアと戦ったが、爆豪に対してはルーミアは一切容赦しなかった。大剣をもって、弾き飛ばしては場外に出る前に追いついてはじき返すを繰り返し、リング内でボールとして扱っていた。緑谷はその爆豪に負けた。

 

 閉会式が終わった後、俺は親父に連れられてルーミアと一緒に母さんの病院にきていた。

 

「大丈夫なのか?」

「平気だ。許可も得た」

「ごめんねー心躁君が、やっぱ返してくれっていってきたから、少しだけ待ってもらったの。インターンまで間に合わないからね」

「うむ」

 

 病室に入ると、親父をみてお母さんが怖がるが、その前にルーミアが洗脳をかけた。それから、俺と親父達に思っていることなどをルーミアが質問していく。

 

「ほら、ちゃんとメモとる!」

「ああ……」

 

 それが終わってから、お母さんの洗脳を解き、今度は親父に洗脳を使ってお母さんに質問させるそうだが、ここで俺は追い出された。親父が断固拒否したからだ。

 しばらく時間を潰していると、他の家族も呼ぶように言われたので連絡をするとすぐに来てくれた。病室に戻ると、ルーミアが扉の前に待っていた。

 

「大丈夫なのか?」

「みてみたらいいよ」

 

 皆で覗くと、お母さんが笑って親父と話していた。信じられない光景だ。

 

「なにをしたんだ?」

「原因となることを含めて洗脳して互いに徹底的に嘘偽りなく洗い浚い吐かせて、互いにそれをメモして駄目なところを直すように洗脳で刷り込んだ。もちろん、二人の許可はもらってるからね。それから、念のためにお母さんの"個性"をわたしが預かって、代わりに精神系の"個性"を渡したの。心を読む"個性"と精神力強化する"個性"ね。それと私がスイッチの"個性"を使って"個性"をつかえなくするスイッチを作った。それをお母さんの方に二人分渡してあげたの」

「それって……」

「エンデヴァーが怖いと思いこんだのも理由の一つだしね」

「じゃあ、仲良くなれるのね!」

「そうだよー」

「ありがとう、ルーミアちゃん!」

「わぷっ。冬美先生、苦しい」

 

 納得できないこともあるが、これでいいと思う。

 

 

 

 

 

 問題は駄目なところを互いにいいあって直していく両親は素直に応戦する。しかし、それが俺達にも強要されると別だ。家族会議をするようになったうえに、隠したい事実が全て母さんにはばれる。筒抜けなのだ。そのせいか、姉ちゃんが付き合っている人が判明し、親父が激怒して母さんに怒られていた。

 

「焦凍はいい人いないの? こないだ来てたルーミアちゃんとか……」

「あれはない」

「ないな」

「そうなの? 心から思ってるみたいね。可哀想よ?」

「アレはすでに心に決めた奴がいる。そいつ以外、眼中にない」

「まあ、今のところそんなことは考えていない。俺は親父を超えるヒーローになるんだから」

「うむ。あ、それで忘れていた。焦凍の冒険を皆でみよう!」

「待て!」

「え、なんなのそれ?」

「これだ」

 

 雄英高校体育祭の俺とルーミアの戦いだ。母さん達は楽しそうに見ている。内部の映像も全て筒抜けで、録画されていたようだ。

 

「焦凍」

「なんだよ?」

「この映像は何度もみておけ」

「嫌なんだが……」

「あの氷のドラゴンと火のドラゴン。習得できればかなり便利だ。ドラゴンでなくてもいい。鳥にするだけでもだ。空を移動できる。それと動物にするだけでも移動が便利だ。これはヒーローにとって大事なフットワークを軽くすることができる」

「なるほど。これは全部俺の"個性"でやったことらしいから、俺も訓練次第でできるってことか」

「そうだ。正直言って、俺の"個性"は市街地ではあまり全力を出せん。だが、この様に動物などの姿にさせることで小回りがきくようになる。とくに焦凍の場合は氷がある。氷なら被害はさしてきにするほどでないからな」

「わかった。頑張ってみる」

 

 ルーミアを倒すためにも吸収できるところはしないといけない。

 

 

 

 

 

 

 

「一歩音超え、二歩無間、三歩絶刀……! 無明三段突き」

 

 エリアを支配していた怨霊を調伏し、刀を振って鞘に納める。縮地からの瞬く間も無い間に三連撃を放つこの技はやはり難しい。

 

「まだまだですねー」

「そう簡単に習得できるとも思っていません」

 

 ルーミアの"個性"の一つには思念を集めるというものがある。宿っているのは何も怨霊だけではない。そう考えた俺はとある場所に保管されていた刀と袖口にダンダラ模様を白く染め抜いた浅葱色の羽織をみつけ、少し触らせてもらった。そして、思念を俺が知っているゲームの通りに具現化して師匠に弟子入りをした。ルーミアと戦うには"個性"でどうにかするのは無理だ。では、どうすればいいかといえば、人であるのだから技術で対抗すべきだ。

 

「師匠もたまには外にでますか?」

「この戦いは楽しいですから、いいですよー。それよりも縮地の入り方が甘い。もっと勢いよく、足裏で力を爆発させるように。刀の入れ方も引きも甘いです。型をそれぞれ一万回やりなさい」

「御意」

「まあ、今は狩りにでましょう。ルーミア」

「「「ここにいるぞー!」」」

「食べておいてください」

「俺達は次のエリアに移動する。説得が失敗したら、援軍を頼む」

「「「任せてー」」」

 

 ちびルーミア達と別れ、次のエリアに入る。俺があのゲームをイメージしたせいか、聖杯大戦みたいな感じになっている。もっとも、桜セイバーしかいないが。

 

 次のエリアに移動すると、交渉する暇もなく襲われた。

 

「相手は骸骨の兵士か」

「これはいい。弟子よ、突きだけで骸骨を制圧しなさい。移動は縮地のみ。いきなさい」

「はっ」

 

 地獄だ。片手が使い物にならなくなったら、反対の手でやる。そちらが使い物にならなくなるまでにもう一つを直す。それの繰り返しだ。だが、精神の世界だからこそ、すぐに直る。

 

「遅い。もっと速く、もっともっと速く加速しなさい」

 

 相手を調伏した後は、次のエリアに移動する。そこでは歓待を受けて交渉を取りまとめる。子供が相手だった場合はとくに楽だ。ルーミア達と一緒に遊んでやれば成仏したりしてくれる。大人の場合は色々と面倒だが、それでも何人かは条件付きで大人しく従ってくれる。

 

「息子がいてな。その息子に手紙を届けてほしい。二十歳の誕生日まで頼めるか?」

「内容ができているのなら、問題ない」

「助かる」

「代筆になるが、構わないか?」

「ああ、それでいい」

 

 こんな依頼はまだ可愛いほうだ。中には殺害依頼もある。女性がかなり多い。相手のことを詳しく調べてから、殺害ではなく逮捕にする。嫉妬によるものは不可であり、他の代替え案を聞く。それでも諦めない場合は調伏する。基本的には成仏してもらう方向で、穏便に解決をはかる。

 

「交渉人ですねーまとめて斬り殺したらいいのに」

「俺はヒーローを目指しているのだ。それはできない」

「やれやれ、変な時代になったものです」

 

 次のエリアでは夫と再開し、お別れを告げたいという人もいる。そういう人には残ってもらって、後日教えてもらった住所に移動。そこで事情を話し、敷地に入れてもらって"個性"で相手を取り込み、中で再開させる。中には"個性"を息子に託したいという人もいるので、そちらも対応する。

 

「だいたい、大きな厄介な場所は潰しましたが……」

「おわらん!」

「まあ、そうでしょうね。こんな面倒な手段をとっているんですから」

「しかし、これで七割は終わった。後の三割は……」

「それはこちらで選別しておいてあげますから、後は任せなさい。こう見えても事務処理もちゃんとやっていましたからね」

「うむ。他の人達も手伝ってくれるみたいだから、なんとかなるでしょう」

「まあ、自分の順番がくるまで暇ですからね」

「助かる。っと、そろそろいけるか」

「じゃあ、帰りなさい。毎日一万回、縮地をしながら素振りすること。早く沖田さんと殺し合いができるようになって、私を超えてください。それが私の楽しみなのですから」

「ルーミアとは戦わないのか?」

「いやー沖田さん、ルーミアちゃんとは戦いませんよ。彼女を守りたいという貴方の願いで私は弟子入りを認めたのです。それなのに私が彼女と殺し合ったら本末転倒です。例え模擬戦でもやりだしたら、我慢できないでしょうしね。それに妹みたいに思ってますから」

「理解した。それでは戻る」

「はい、いってらっしゃい」

 

 意識が浮上していく。外にでると、俺とルーミアが別れていく。しかし、ここで問題がおきた。俺達は一人が二人に別れる。どちらも実体なので、服が破れていく。

 

「おっ、お気に入りのふくがぁぁぁっ!」

「す、すまん。今度買いに行こう」

「デート? デートだよね?」

「ああ、デートでいい」

「なら許すよ。あ、お帰りなさい」

「ただいま、ルーミア」

「じゃあ、お風呂に入ろー洗って洗ってー」

「わかった」

 

 子供姿に戻ったルーミアと風呂に入る。湯船につかりながら、ルーミアを膝に乗ると、彼女はヒヨコで遊びだす。俺は携帯を操作して知り合いの刑事に連絡を取る。

 

『どうしたんだい?』

「元に戻れました。そこで知った情報を伝えます。その代わり、一つお願いを聞いてください」

『お願いかい?』

「一般家庭でそこの住人に"個性"を使用する許可を得たい。死んだ家族から最後に再会したいとのことです」

『情報次第だな』

(ヴィラン)や他にも多数の犯罪の情報と証拠のありかです」

『了解した。交渉してみる』

 

 これでいい。

 

「終わった? 遊んでー」

「ああ、そうだな。遊ぼう」

 

 久しぶりにルーミアと夜遅くまで遊ぶことにした。

 

 

 

 

 

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