なのはside
「明久君・・・」
私は玄関の外で明久君が帰ってくるのを待っている。放課後になって明久君は先生に呼ばれたから、私たちは先に帰ってきた。だけど、あれから数時間が経つのに明久君は帰ってくる様子がない。
「いったいどうしたのかな明久君・・・」
「なのは──中に入ろ?明久は大丈夫だよ」
「フェイトちゃん・・・」
「・・・それになのはの体が冷え切ってるから・・・」
「でも、私、明久君を・・・」
「なら私が待つよ!」
「アリシアちゃん・・・」
「ほらほらフェイト、後をお願いね?」
「わかったよ姉さん。」
私はフェイトちゃんと一緒に中へ入っていく。明久君・・・本当に大丈夫かな?
なのはside終了
アリシアside
さーてなのはちゃんと交代をしたけど、アキ・・・本当にどうしたのかなってあれは・・・!
「アキ!!」
「・・・アリシアかい?どうしたの・・・ふぅ・・・」
「そっちこそどうしたのアキ、なんか疲れてるみたいだけど?」
「・・・何でもないよ、ただ魔導師に襲われて魔法を使ったぐらいかな?」
「え!?」
私は驚いた、アキがまさか魔導士に襲われてきたなんていったい誰が・・・とりあえず私はアキと一緒に家の中へ入っていく。
「アキ・・・・・・」
「冗談だってアリシア!僕は元気だよ!」
アキは手をぶんぶんまわしてるけど・・・あ。
ごん!!
「いったあああああああああああああ!!」
あー、まわし過ぎて戸棚の角に右手がごっつんこ。まぁあれだけの勢いよかったら痛いよね。
「アキ、大丈夫?ほら手を出して」
私は治療魔法を使うためにアキの右手を持つ。それにしてもアキって体が前よりもガタイよくなってるからね。本当・・・この体で私たちを守ってくれたんだよね・・・。
「・・・・・・・・・・」
私は気づいたらアキを抱きしめていた・・やっぱり私はアキのことが好きだってわかる。
あの時、アキは私を蘇らせるために自身の魔力をすべて注いでくれた。それは母さんの病気も治してしまうほどに。だけど、それはアキがしばらく魔法を使えなくなってしまうほどだったんだ。
なのにアキはフェイトを悲しませたくないという思いで、母さんと私を救ってくれた。
「・・・アリシア?」
「・・・アキ、ありがとう・・・」
アリシアside終了
アリシアは数分抱きしめた後、彼から離れた。
「ごめんねアキ、ちょっと昔を思い出してね。」
「昔?」
「そう、昔々のお話です♪」
「・・・・・・・・・・・」
明久は黙っていた。あの時、自分がやったことなんて・・・。
「なのはやフェイトが活躍して、自分は大したことはしてないって思ってるよね?誰もそんなことは思ってないよ。あの時、アキがいなかったら私は今のようにみんなと一緒にいることはなかった・・・フェイトやアルフや母さん、リンディ母さんにクロノとも一緒に暮らせなかった。だからアキ・・・そんな風に自分を軽く見ないで・・・私はそんなこと全然思ってない・・・!」
「・・・アリシア・・・」
「・・・だから・・・一人で抱えないでよ・・・アキ・・・」
「そ、それは・・・・」
「アキは一人で解決をするつもりだったんでしょ?みんなを巻き込まないために・・・・」
アリシアは明久の考えをすべて当てた。さすがの明久もまさかアリシアに悟られているとは思ってもなかったので驚いていた。
「驚いたよアリシア・・・でもなんで?」
「最初に気づいたのは私じゃないよ・・・なのはちゃんだよ?」
「なのはが?」
「私たちを島田さん達から遠ざける為に、アキは一人で彼女たちの攻撃を受けようと思ったんじゃないかって。それにアキはリインフォースにも言ったんでしょ?教えてもらったよ。」
明久は手で頭に押さえた。
「だからさ、アキ・・・一人で抱え込まないで・・・私たちはアキの味方だよ?」
「・・・・でも僕は・・・・」
「明久君!!」
「アキ!!」
「なのは?それにフェイトに・・・みんなも・・・どうして・・・・」
なのはを始め皆が来た、涙目になりながら・・・
「明久・・・私たちにも手伝わせてくれ・・・」
「そうよ明久君、あなたが1人で抱えることはないのよ・・・」
「シグナムさん、シャマルさん・・・・」
「そうだ明久、お前は一人じゃない・・・私たちはお前に助けてもらった・・・少しでも恩を返させてくれ・・・」
「アインスさん・・・・・」
全員、明久の力になりたいと思っていた、それぞれの意味でなのはたちは明久に助けてもらったからだ。
『マスター、通信が入っておりますよ?』
「え?」
通信を開くとシュテルを始め、ジェイルたちが映っていた。
『私たちも協力しますよ、明久。』
『そうだよ明久!!僕たちだって明久に助けてもらったんだ!!』
『そうです!!だから今度は私たちが明久君を助ける番です!!』
「シュテル、レヴィ、アミティアさんたち・・・」
『それは私たちも一緒だよ明久君・・・・』
『そうだ明久、私たちはお前の味方だ、だからこそ私たちはこの世界へと来たんだ。お前に礼をするために・・・私たちを解放を してくれた明久のために・・・』
「ブライトさん、トーレさん・・・」
明久の目から涙が流れた。こんなにも自分のことを慕ってくれている人がいることに・・・
『マスター、メールが届いております。』
「メール?」
明久はライカに届いたメールを確認をすると宛先は母からだ。
『明久へ、あなたは一人じゃないわ・・・あの人も私も玲達も爺や達も外国からだけどあなたのことを思っているわ。だからこそもし一人で抱えているなら、なのはちゃんたちをもっと頼りなさい。つらいことがあったら私もすぐに日本へ帰ってくるし家族のことを思うのは誰も一緒よ?だからもし本当につらいと思ったらいいなさい?私たちはいつでもあなたを見守っているわ。 母より』
「かあさ・・・ん?ちょっと待って、いったいどこから僕のことを見てんの!?」
明久は「いつでも見守っている」という言葉に恐怖を覚えた。このメールのタイミングからして、この家族はいったいどうやって息子の生活を見ているのか不思議になってきた。明久はしばらく部屋をキョロキョロしたのも無理はない。
「・・・明久君?」
なのはたちは明久の奇行からいったい何があったのかと思い心配になるが、すぐ正気に戻った様子にほっとして料理を作ることにした。
明久の部屋
「・・・ねぇライカ」
『なんでしょうかマスター?』
「・・・僕ってそんなに一人で抱え込んでいた?てかライカでしょ・・・レイジングハートたちに僕のこと話したのって?」
『・・・お察しの通りです・・・マスターが海鳴市の方へ帰った時にアリサさんの車の中で・・・』
「そうか・・・ライカにも随分心配をかけちゃってたんだな、ごめんね」
『いいえ、マスターはマスターなりに考えていたのを知っておりました・・・でも・・・マスター・・・私はやはり理解できません・・・なぜマスターが攻撃を受ける必要があるのか・・・マスターがどんな女性と話してもいいじゃないですか!!それなのにどうしてあの者たちはマスターにあんな酷い事が出来るのか理解不能です!!』
ライカは我慢が出来なかったのか今までの島田たちの行動に腹を立てていた。自身のマスターが傷ついている姿を見るのはデバイスである彼女からしても辛すぎるからだ。それでも明久は彼女たちを責めないでいた。
だからこそ彼女は理解が出来ない。何もしていない明久が理不尽な暴力を受けるのは、全く持って不合理に過ぎるからだ。
「・・・ライカ、ありがとう、心配をしてくれて・・・でもね何度でも言うよ、僕は彼女たちはいつか変わってくれる事を信じている。だから僕は暴力を受けようとも反撃などをしたくない・・・それは男としてもいけないことだからね・・・女性は大事にしないといけないって習ってきたから。」
『マスター・・・・・・』
(たとえ暴力を受けようとも・・・僕は彼女たちが変わってくれる事を信じる・・・)
それが吉井 明久が島田たちの事を思っての事であった。
次回 文月学園では清涼祭というのがおこなわれる、雄二たちはFクラスの教室を見てこれはまずいなと思い、とりあえずお金の問題はいいとしてどうするか考える。
次回「清涼祭準備」