バカとリリカルとシンフォギアと召喚獣   作:桐野 ユウ

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久々の休日 アミティアたちとの模擬戦

アキside

 

竹原教頭ことMr.ササタケが起こそうとした事件は僕が阻止した事によって未遂に終わった。清涼祭の方も大成功に終わったので結果オーライと思いたいけど・・・。

 

「・・・まだ戻らないか」

 

僕こと吉井 明久は現在も女体化が解かれておらず、布団の上で休んでいる。魔法を使ったことによって疲れが出てしまったからだ。

 

まぁ何気に魔法を使ったのは、家で訓練をする以外では島田さん達やFFF団や時空犯罪者たちへのバインドやメモリーデリート等、そして学校に遅刻をする際にライニングシューズを使ったぐらいだ・・・「結構使ってんじゃん」とは言ってはいけない。

 

そう言えば、ササタケをクロノに引き渡した時、彼も驚いてたよ、“私”の美貌に(笑)。

 

まぁ冗談はここまでにしておいて、僕は起き上がり、家の中を歩く事にした。胸が大きい分体が重いけどそれ以外は普通に過ごせる状態だ。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

僕はでかい家の中を歩いてリビングに到着をする。

 

「あれ?明久どうしたの?」

 

フェイトがいた。他の皆はどうしたのか僕は聞いてみた。

 

「なのはとはやては管理局の仕事に行ったよ。姉さんとアリサとすずかは買い物、シグナムたちも同じく仕事でいない感じかな?」

 

「フェイトは行かなかったの?」

 

「明久を一人にしたらいけないと思ってね・・・また無茶したみたいだから」

 

「面目ない」

 

僕は反省をしてフェイトと過ごすことにした、僕はふっと昔のことを思い出す。

 

「それにしてもフェイトと過ごすのって久しぶりかも・・・」

 

「・・・そうだね。敵同士だった頃から考えると信じられないね」

 

アキside終了

 

フェイトside

 

忘れもしない、あの日の出会いは・・・あの時、私は母さんの命令で、ジュエルシードを集めるために海鳴市へアルフと一緒にやってきたんだ。その時に出会ったのが明久だった。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

私はすぐに彼から魔力を感じてバルディッシュを構えてしまった事を思い出す。彼は私の顔を見てごそごそと袋から何かを出してきた。

 

「はい」

 

「?」

 

私は、その時、初めてドーナッツを食べた。明久からもらった初めての楽しい思い出・・・それが私と明久との出会いの始まりだった。

 

「そうだったね」

 

「うん、あの時貰ったドーナッツが美味しかったのも良い思い出だよ・・・」

 

そこから、私は明久と話をしたりしていたんだっけ。それから明久と時には敵として戦ったり、協力をしてジュエルシードを封印をしたりしていたっけ。

 

そういえばお義兄ちゃんが攻撃をした時に庇ってくれたのは明久だった。

 

「早く逃げるんだフェイト!!」

 

「あ・・・明久!!」

 

それから明久は母さんの所へとやってきた時に、自分の全魔力と引き換えに姉さんと母さんを助けてくれた。私は嬉しかったよ、明久が私の為に母さんに怒ってくれた事・・・例えクローンとして生まれてきたとしても私は私だって言ってくれた事。

 

「明久・・・私ね、あの時、嬉しかったんだよ?」

 

「あの時?もしかして、僕がプレシアさんに生意気に説教した時の事かな?」

 

ふふふ、覚えてくれてた。その通りだよ明久・・・私は、あの時、クローンと言われた時にショックだった。でもあなたは私の両手を包んで言ってくれたんだよね。

 

「フェイトはフェイトだよ・・・僕にとって君はフェイト・テスタロッサという女の子なんだよ?」

 

「でも・・・私・・・クローンなんだよ・・・!」

 

「それがどうしたんだ!!クローンだろうとも関係ない!!君はフェイトなんだ!!一人の人間なんだよ!!」

 

「・・・あ・・・明久・・・うわあああああああああああああああああああああああああああ!!」

 

私は明久に抱きついて泣いたっけ。あー、今、思い出すと、私、大胆な事をしたんだなって思うよ。

 

「ううううう・・・・・・」

 

急に顔を赤くなってきた・・÷恥ずかしくなってきたよ。でも本当に明久が生きてくれてよかった・・・あの時ヴィータが涙を流しながら帰ってきたときは誰も驚いたんだ。

 

「ヴィータ・・・どうしたんや?」

 

「頼む!!急いで明久の所へ行ってくれ!!あいつ、一人で!!」

 

「明久!!」

 

ヴィータの話を聞いて私と姉さん達は飛びだした・・・けど・・・。

 

「え?」

 

私たちが見たのは大きな爆発が起きたところ・・・つまりここで、明久が・・・。

 

「あ・・・明久?」

 

私はすぐに現場の方へ行く。辺りには明久が撃破したロボットの残骸が見つかった・・・。そして・・・

 

「・・・あ・・・あああああああああああああああ・・・ッ!!」

 

私は膝をついた。そこにあったのは粉々になった何か・・・でも、私はすぐにそれが明久の物だってことはわかった。だって・・・

 

明久にあげたブレスレットだから。

 

「あき・・・ひさ・・・明久ああああああああああああああああああああああああ!!」

 

私は泣いた。明久が居なくなってしまったという思いが強く・・・誰よりも強かった彼が・・・私たちの前から消えてしまった事に・・・!

 

それから、姉さんと私は執務官として事件が終わった後に、その世界で明久の行方を探していた。

 

私達だけじゃない、なのはやはやて・・・アリサやすずかも探してくれた・・・だけど明久を見つける事が出来なかった。

 

時間が経つばかりだった・・・明久が私たちの前から消えて6年が経った時に彼を見つけた。

 

明久が成長をした姿を見て私たちは嬉しかった。

 

「・・・フェイト?」

 

「・・・明久、私ね、嬉しかったんだ。」

 

「え?」

 

「明久を見つけた時、嬉しかった・・・なのは達も喜んでいた。なのははずっと明久に謝りたかったって言ってた。」

 

「・・・・・・・・・・・・・・」

 

明久は俯いている。自分が消えてしまった事が私達を傷つけた事に・・・。

 

フェイトside終了

 

「そっか。だから文月学園に来たのか・・・でもなんでわざわざFクラスに?」

 

「明久と同じクラスになりたくて、皆でFクラスに行くことにした・・・だけど・・・」

 

「?」

 

フェイトはしばらく俯き、顔をあげると涙目になっていた。

 

「どうして・・・どうして明久が殴られたりバットで叩かれたりしているの?何もしていないのに・・・明久は我慢をして・・・ライカが言っていたのは本当だった・・・!」

 

「フェイト・・・」

 

「私は我慢が出来なかった。明久が止めたのに・・・あの人たちに魔法を使ってしまった・・・。ライカがデリートをしてくれなかったら・・・魔法がバレていた。でもそれでも私は許せなかった・・・」

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

アキside

 

フェイトが言いたい事は分かっていた。でも彼女達はいつか変わってくれる事を僕は信じたい。彼女達だっていつかは分かってくれるはずだ・・・と、僕は思っているからだ。

 

それは今も変わっていない。雄二たちは助けてくれる・・・でもそれでもこればかりは僕の我儘に過ぎない。

 

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

ん?なんか知らないけど、前にでかいものが顔に当たっている気がするのですが・・・

 

「・・・明久・・・・・」

 

フェイトが僕に抱き付いていた、彼女は目を閉じている・・・。処女を奪ってしまった僕に・・・フェイトは僕にキスをしろというのですか・・・。

 

僕は耐え切れません・・・お許しください。僕はフェイトにゆっくりと近づく・・・。

 

「・・・へぇ・・・素敵な光景だね」

 

「「!!」」

 

僕達は声をした方を見ると、そこに立っていたのはなのはだった。彼女はニコニコしながら僕達の方へとやってくる。

 

「フェイトちゃん、今日は、仕事無いからね、分かるよ。でもね?私が帰って来た時にただいまって言ったのに返事が無かったからね、まさかフェイトちゃんが大胆な行動をするなんて思っても無かったよ」

 

なのはがくどくど言っているが、まずい・・「私、怒ってます」というアピールだ。

 

「分かった!!なのは・・・僕が悪かった、何でも聞いてあげるから!!」

 

「・・・証言取ったの。」

 

あれ?僕・・・はめられました。

 

「諮ったな!!なのはァッ!!」

 

「へっへーん!!もうレイジングハートで証言取ったもん!!ねぇレイジングハート。」

 

『はい。すみません、明久。でも許してください、マスターはあれからずっと涙を流していたんですよ?』

 

「ちょっとレイジングハート!?」

 

『マスターは黙っていてください。あの時、明久さんが放ったプラズマフレイムバスターを見たマスターは病院で発狂をしたんです。それだけじゃありません・・・外では元気に過ごしていましたが・・・家に帰り布団の中に入ると直ぐに泣いていました。自分のせいで明久さんが消えたと・・・それは再会をするまでずっとでした。私も必死に貴方を探しました。けど貴方を見つける事が出来ませんでした。私だけじゃありません、バルディッシュにフォーチュンドロップ・・・フレイムアイズにスノーホワイトも一緒に探してくれましたが・・・見つけられませんでした。私達はマスターを笑顔にする事は出来ませんでした。』

 

「レイジングハート・・・・・」

 

『お願いです、明久さん。私達にも協力をさせてください・・・貴方が一人で背負う事はありません・・・!マスターや仲間達は貴方の味方なんですよ?』

 

「分かっているさ、レイジングハート・・・なのはやフェイト達は僕にとって大事な仲間だ。だけれどそこまで協力をさせる訳にはいかないんだ」

 

「明久君!!」

 

「だからこそなんだよ・・・あの子たちは変わってくれることを信じているんだ。いつかは必ず変わるってことに」

 

「明久・・・・・・」

 

「こうやって敵同士だったフェイトやシグナムさん達とも一緒に過ごせているんだ。彼女たちだっていつかは・・・」

 

「「・・・・・・・・・・・」」

 

僕は変わらない。例えこの先が厳しいかもしれない・・・けれど僕はまだ知らなかった。この数週間後に事件が起こる事に。




次回 合宿が行われることになった、Fクラスは現場まではなんと自力で行くことになってしまったが・・・母である美奈だった。

彼女は明久がいった人たちを乗せて合宿場へと向かう。

次回「合宿」

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