機動戦士ガンダム 宇宙世紀0180   作:NY15

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セクター・フォッシル3

旧ザンスカール軍拠点アベッハ

 

 その後拠点に戻るまでに連邦軍に発見されることもなく無事に仕事は終了した。例のブツを奴らの輸送船に積み込みこれで仕事は完了。俺はMSから降りると例のアポステル氏が格納庫で待っており話しかけてきた。

 

 「やあ、見事仕事を終えてくれて助かった。うちの先生も結果に満足しているよ。」

 

 「そりゃよかった。まあこちらも大金を貰っている。その先生とやらに感謝してるよ。」

 

 「ところで、奴等・・・もとい海賊の連中とは何か話したか?」

 

 さてどうしたところか・・・いや変に隠したところでばれるだろう。通話ログを提出してくれと言われるかもしれん。まあそれは拒否できるにしてもあまりこいつらに不信感を抱かせるのは得策ではなさそうだ。正直に話しておこう。

 

 「ああ、奴等お前らのこと化石って呼んでたぞ。まあ俺らにはなんのことかさっぱりだが。」

 

 「化石?またそれはなんとも・・・まあ当たらずも遠からずと言ったところだな。」

 

 俺からしたらあの連中のMSのが化石だと思うがねと口に出かけたがそれは言わないでおいた。

 

 「いやしかし化石か。なるほど、ところで君、映画や小説は好きかね?」

 

 「?まあ人並みにはだが・・・それがどうした?」

 

 「大昔、宇宙世紀の前の旧世紀の頃、古代生物を化石から復活させるというSFがあったんだがね。まあ我々がやろうとしてることはそんなことさ。」

 

 「は?何の話だ?それにあんたらが目的を知らなくていいと言っていたのにどういう風の吹き回しだ?」

 

 「ああ、そのことか。いやいや我々の先生がね、この仕事が成功したらヒントぐらいは出してやれと言ってきたんだよ。どうやら先生は君たちのこと結構気に入ったらしい。まあヒントは他のフレーズがあったんだが、ちょうど君が化石と言ったのでそれに絡んだヒントを思いついてね。それと別に返事は後で構わないんだが、先生は君らを組織に勧誘したがっている。どうだ?」

 

 「まさか。お断りするよ。それに俺はもうこんな生活からは足を洗おうと考えていたところでね。」

 

 「そうか。まあでも今すぐにとは言っていない。我々も今すぐ活動を本格化するわけではない。気が変わったらいつでも待っているよ。」

 

 そう言うとアポステルは去っていった。なんだったんだ?いや考えても仕方がない。

 

 それよりサラに会いに行かなければ。俺は急いでパイロットスーツから着替えフロア4に向かった。

 

 部屋に入ると電機はついておらずサラがベッドの隅で丸くなっていた。

 

 「サラ?どうした?泣いているのか?」

 

 「エドゥ!」

 

 いきなりサラが抱きついてきた。

 

 「どうした?何があった?」

 

 「パパが、パパがね。いまテレビのニュースで地球でテロがあってそれで・・・」

 

 俺は急いでテレビの電源を入れた。

 

 「これは・・・」

 

 そこに映し出されているのは地球上のアデレードでの連邦議会を狙ったテロ事件発生のニュースだった。かなりの死傷者がでており、その死者の中にトーマス・ウィリアムズという名前があった。そしてそのテロの引き起こした組織は俺達と同じザンスカール残党であるという報道だった。

 

 「サラ・・・そのなんて声をかけたらいいか。謝って済むことじゃないが・・・」

 

 「ううん、そうじゃない。だってこのテロはここの人達が起こしたんじゃないから。それにパパにだってもう12年もあってない。もう私はここの人間になったから、宇宙で暮らすと決めたからパパにはさよならしたんだって思ってた。でもね、いつか、いつかはもしかしたら会いに行くことがあるかもしれないって心のどこかでそういう気持ちも残ってたの。」

 

 サラは俺の胸でさらに泣いた

 

 「ママはもう私が小さいころに亡くなったから、私独りになっちゃった・・・」

 

 「本当にすまない。」

 

 「エドゥは・・・私を独りにしないよね?いなくならないよね?」

 

 「ああ、君を独りになんてしないさ。保証する。だから今日くらいは泣いてたっていい。」

 

 サラが泣いているのが俺にも辛かった。何よりサラが俺達、いや俺のことを責めないのが辛かった。こんなところに連れてきたのは俺達だ。責められて然るべきなのだ。

 そしてテロを起こした他のザンスカール残党軍、ティンブレとかいう連中と俺達はしょせん同じ穴の狢。その行いが生きる為なのか政治や信仰の為なのかなんて被害者からすれば同じだ。どちらも同じテロリストでしかない。

 

 今この時ほど俺は自分の行いを後悔したことはなかった。

 

 

 

サイド3 コロニー スウィート・ウォーター

 

 「そうか、では。」

 

 よし。すべては順調だ。脱出ポッドも確保し例のデータのほうも入手できた。例のザンスカールの息子が勧誘に乗らなかったのも今の段階では想定済みだ。彼を引き入れる算段もついている。いや彼はおまけで次の行動での付属品のようなものかもしれんな。さてしかしティンブレの連中は同じザンスカールでもかなり毛色が違うな。下手をしたらこちらまで噛みつかれかねないが。いやそれならそれでもいいだろう。あちらのティンブレの首領は次の作戦でどの道お役御免だ。私達が始末するか連邦が始末するか・・・まあどちらにせよ同じことだ。しかし次の作戦・・・この私でも良心の呵責を感じる。いや、そんなことではいかんな。そんなことでは閣下の理想など達成はできないだろう。私は決めたのだ。あの日、閣下の理想を実現するためにはどんなことでもやるとな。

 

 

 

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