宇宙 月面航路 サラミス改級艦内
サラミス、この艦はMS登場以前から現在に至るまで1世紀以上にも渡り連邦軍を支え続けている超老朽艦だ。戦場での主役をMSへ奪われてからも、いや奪われたからこそ今まで使用され続けていると言えるかもしれない。もしMSやミノフスキー粒子が実用化せず艦艇が戦場の主役であり続けたのであれば次世代艦にとっくの昔に交代していたであろう。ふと思う、いったいこの艦はいつまで使用され続けるのだろう?
現在俺は連邦軍のサラミスに搭乗し月面に向かっている。
マハ宇宙進出、その為のマハと連邦軍共同の次期主力機開発計画、通称プロジェクト・MM。
詳細についてはまだ俺もよくは知らされていない。月面についてから説明されるであろう。
しかし宇宙に来られたのはいいがその任務はテロリスト鎮圧ではない。いや今はまだ我慢だ。いつの日か必ずその任務に就ける時がくる。
そうだ俺は今まで12年も必死に努力してきたじゃないか、ここで焦ってはいけない。
そういえば宇宙に上がって暫くして妙な感覚に襲われた。なんだか他人の意識が自分の頭に入ってくるような、そんな感覚だ。ひどく頭痛がして、悲しみや痛み・・・そんな感覚が頭に入ってくるようだった。
あれはいったいなんだったんだ?もしかしたら初めての宇宙で体にストレスがかかっているのかもしれない。
しかし意外にも重力に体を縛られないというのは妙な感覚で思っていたよりも悪くはない。
それに宇宙から見る地球は美しかった。直に自分の眼でその地球を見たときその姿に目を奪われた。
まったく今の時代になってずいぶんと時代遅れ的な事を言うと思うかもしれないが、直に見る地球というのはまた映像や画像とは違うものだった。
目的地は月面のフォン・ブラウン市アナハイム社の工場だ。
アナハイム社は一時期連邦軍の主力機開発をサナリィに奪われてからしばらくの間冷遇されていたが現在では再び全盛期の業績を取り戻しつつある。
次期主力機もおそらくはアナハイム社製になるだろう。
実はこのアナハイムという会社を俺はあまり好きではない。
こいつら武器商人は金さえ払えば、いや金を払わなくてもテロリストに武器を供給している前科がある。もちろん表ざたになっていない事もたくさんあるだろう。
要するにテロリストに武器を売りつけ、それに連邦も対抗する。つまりテロリストにタダで武器を渡したとしても最終的にはアナハイムの利益になるのだ。
これだから武器商人って奴は嫌いだ、おそらく一年戦争後裏でアナハイムの関わっていない戦乱など殆ど無いであろう。