月面 フォン・ブラウン市アナハイム社工場
例の検査の結果で俺に適正有りと出たためまた後日さらに精密な検査を行うらしい。
サイコミュか、俺に扱えるだろうか・・・
このままでいけば俺は例の大型のMS、いやMM(マン・マシーン)のテストを行なうことになるらしい。
例の機体はXMM-01 新技術実証機と言って愛称のようなものはないらしい。
にしてもこいつは随分でかいな、こんな機体を俺が動かすことになるとは・・・
俺はXMM-01の前でそんなことを考えているとヨハンナがやってきて話しかけてきた。
「例の検査、適正有りって出たんだ、おめでとう。」
「ああ、と言ってもあんまり実感がわかないな。まさか自分にNT適性があるなんて考えたこともなかった。」
「あらそうなの?普通パイロット志望の男って自分がNTじゃないかとか考えそうだけど?」
「さあ、少なくとも俺は違ったな。ていうかそれ別に男限定の話なのか?」
「まあ私の場合はあんまりそういうこと考えたことなかったから、それに周りに女でパイロット志望の人はなかなかいなかったし。」
「まあ確かにな、士官学校でも君とあと数人くらいしか女性はいなかったからな。」
「・・・ねぇアレックス、聞きにくいんだけどサラっていう人のこと忘れられないの?」
「・・・ローレンスから聞いたのか。」
「うん、まあそうなんだけど、ローレンスもあなたからは詳しく聞いてないって言ってた。」
「何でもない、ただどうやら俺は寝言で余計なことを言ったみたいで・・・まったく情けない話だ。」
「嘘、何でもないことでそんな顔はしない・・・ごめんなさい、言いにくいことだってあるよね。今のは忘れて。」
「いや別にいいんだ、気にしてない。ただあまり人に話すことでもないから聞かないでくれると助かる。」
例の寝言の件は士官学校時代に聞かれることは多かった。だがそれはルームメイトしか知らないはずだったのだが噂っていうのは広がるものだから仕方がない。
しかし情けない話だ、俺って奴は寝言でそんなこと言うなんて、しかも女性であるヨハンナまで知っているとなるともう同期の連中はこの話を全員知っているのかもしれないな・・・
「でも、もし誰かに話したくなったら・・・私が聞いてあげるから、あんまり無理しないで。なんだかアレックス、つらそうな顔してるときあるから・・・」
「すまない、君にまでそう思われるってことは相当ひどい顔してたんだな俺・・・でも大丈夫だ。別に無理してるわけではないさ、ただちょっとその時は疲れてたんだと思う。」
しかし俺は意外と顔に内心が出やすいのかもしれない、ヨハンナにまでそんなこと心配されるくらいだ、少し気をつけないといけないな・・・あまり人に心配をかけたくはない。というよりヨハンナが俺のことを心配するなんて珍しいな、彼女は誰かを心配とかするタイプだったか?いや、俺が知らないだけで意外と世話焼きなのかもしれない。別に俺はヨハンナのことをよく知っているというわけではないからな。
その時だった アナウンスでマハのパイロットに招集がかかったのは。
「なんだ?とにかくブリーフィングルームに行ってみるか。」
「ええ、でもただごとじゃないみたいね。」
部屋は人で溢れておりローレンスも既に来ていた。
「よおアレックス、ヨハンナ。二人で到着とは仲のいいことで結構だが残念ながら冗談言ってる場合じゃなさそうだ。」
「何があった?」
「前にアデレード襲ったティンブレとかいう連中いただろ、あいつらまたやりやがった。今度はもっとやばいぞ、カイラスギリーを乗っ取りやがったんだよ。」