月面 フォン・ブラウン市アナハイム社工場 格納庫
「私の名はロベルタ・オルティス、偉大なるザンスカール及びマリア主義の正当なる後継者である!今こそ全スペース・ノイド諸君は立ち上がってほしい、先日連邦政府のサイド4のコロニー、フロンティアⅣでの暴挙、もはや許せるものではない。今こそ再びスペース・ノイドが手を取り合い連邦政府に立ち向かう時が来たのだ!我々の要求は捕らえられている同志諸君の解放及びコロニー駐留の連邦軍の即時撤退である。これが受け入れられない場合はカイラスギリーのビッグキャノンで地球の都市ダカールに制裁を与える、回答期限は・・・」
何が全スペース・ノイドだ、今現在彼らに仲間意識など存在しないにも等しいというのに・・・大方先日の事件を利用してスペース・ノイド全体のイニシアチブを取りたいだけであろう。それにフロンティアⅣの連中は他のコロニーの攻撃計画を練っていたというじゃないか・・・
まったくとんでもないことになった。いや敵討ちのチャンスが巡ってきたと言えるのかもしれない。
だがまだこの機体試運転もしていない、いきなり実戦とは流石に想定外だ。
今回の事件、カイラスギリーを占領したテロリストは護衛の連邦軍艦艇をアウトレンジから攻撃、その全てを撃破したようだ。
さらにそれだけではない、その後奪還に向かった連邦軍の艦艇とMSのビームを全て防いでしまったのだ。奴等カイラスギリー全体をカバーできるIフィールド発生装置を持ち込んでいるらしい。(それらしき敵MAを確認したとのこと)
ありえないことだ、ミノフスキー粒子散布化で長距離射撃を成功させたこともそうだがテロリスト風情があの要塞全体をカバーできるほどのIフィールドを持っているなんてどう考えてもおかしい。
・・・で現状を打破できるのはこのXMM-01、つまり俺に声がかかったわけだ。
このファンネル搭載機ならIフィールドの内側から敵を攻撃できる。敵機のIフィールド搭載MAさえ撃破してしまえばこっちのものだ。
まさかマハの本部長直々に俺に声がかかるとは思っていなかった。
「やるしかないか・・・で、このサイコミュ本当に俺に扱えるのか?」
「一応この機体のファンネルはOTでも使用できるようになってますから使えはするはずですよ。ただNT適性がないと脳に障害が発生する危険がありますがね。」
「大丈夫なのか?」
「さあ、少尉殿はまだ精密検査を受けていませんからニュータイプ能力は未知数です、保証できるわけありませんよ。」
「・・・はっきり言ってくれるな。」
「まあ、気休めかもしれませんが少尉殿がNTであることは間違いないですから、うまくやれますよ。それにほら彼女さんも一緒なら大丈夫ですよ。」
今回の作戦、ヨハンナがこの基地に乗ってきたジェイブス・スナイパーカスタムも参加、援護してくれることになっている。
「・・・ヨハンナは俺の彼女ではない。ところでこの機体、新技術実証機だと言いにくんだが何か他の呼び名はないのか?」
「特に無いですけどね、でもこの機体の原型機はクィン・マンサって呼ばれてたみたいですよ、随分昔の話になりますがね。では少尉殿、ご武運を。」
「そうか、ありがとう。よし機体を出すぞ。」
しかし説明は受けたがなぜかこの機体、メインのジェネレーターが動かないらしい。もっともサブの融合炉だけでも十分だと聞いたが・・・
「進路クリア、オールグリーン、発進どうぞ。」
「了解、アレックス・ハーディング、クィン・マンサ行きます。」