宇宙 要塞カイラスギリー
カイラスギリー、この巨大なビーム砲はかつて存在したコロニーレーザーすら凌ぐ威力をもった恐るべき兵器である。(もっともコロニーレーザーとは原理が異なるため単純に比較はできないかもしれない)
戦後連邦軍に接収されコロンブス級を改装したコントロール艦により制御されるこのビーム砲の存在は大きく、連邦の力が低下したとはいえ各コロニーが表立って反連邦を掲げられない理由の一つはこのカイラスギリーにあると言えるだろう。(反地球的なコロニーも一応表立って連邦政府には反抗してはいないのだがそれはあくまで建前であり反連邦勢力を支援している場合がある)もっとも連邦政府自体も宇宙への関心を失っているためこれを使ってコロニーを恐喝するようなことはしていない、今の政府は予算の問題もあるが宇宙などに構っている余裕はないのだ。(ただし現在再び宇宙への干渉を強めようとする動きがあるのも確かである、その一つがマハの宇宙進出、スペースマハである。)
俺はロペ機のゾロアットにワイヤーを射出、接触回線での通話を試みた。
「ロペ、俺はロベルタを止める。お前とアベッハの全員は俺が攻撃した隙に離脱するんだ。」
「何を言ってるんだ、俺も他の奴等もお前を見捨てて逃げ帰るなんてできるわけないだろ!」
「しかし、それでは全員死ぬぞ!」
「わかってるさ、だがみんなこのままティンレブの連中に大人しく従うなんてまっぴらごめんだと思ってる。それに言わなくたってアベッハの全員はお前に地獄の窯の底までついていくさ。」
「すまん・・・」
これも親父のおかげかもしれない、俺は仲間には恵まれたようだ。少し前に俺はこいつらを捨ててサラと一緒にどこかに行こうとしてたというのに。
「ロベルタ様、カイラスギリーのエネルギー充填完了、いつでも発射できます。」
「よろしい、・・・待て、光学カメラに反応?連邦の援軍か?だがこのザンネックの前にはただの的でしかないな。」
ロベルタのザンネックがサイコミュ・センサーを使用し接近する機体を攻撃しようとした。
「ん?なんだこいつ・・・回避運動をしている?まさか狙われているのに気が付いたのか!」
「ロベルタ様、光学カメラにて接近する機影の機種判明、これは、ガンダムタイプです!」
「ガンダム・・・そうかあの基地にまだ機体が1機残っていたがそういうことか。」
ガンダムだって!?まさか・・・
「なるほど、あの基地にパイロットはもういないと思ったがあの小娘か、大方エドゥに操縦を教わっていたのだろうがたかが1機で何ができる。」
サラ!!君はなんてことを・・・
確かに昔機体の操縦を教えたことがあった、しかしまさかここに君が来るとは想定外だ。
サラのF90Ⅱがザンネックに接近、護衛のリグ・シャッコーが迎撃しようとしたがロベルタがそれを静止、自らがビームサーベルを構え2機が切り結んだ。
「やるな小娘、まさかここまで来るとは思ってもいなかったぞ。」
「これ以上あなたたちの好きにはさせない!私は貴女を止める、その覚悟を持ってきた!」
「だがそんな機体ではこのザンネックは止められないはしない!」
ザンネックがサラのF90Ⅱをその機体出力にモノを言わせ吹き飛ばした。
「うぅッ!でもまだ!」
しかしサラ機も瞬時に体勢を立て直しロベルタに食い下がる。
「ふん、ならばよろしい、カイラスギリーの発射準備、出力40%!」
ミノフスキー粒子が薄れていたためその命令がコントロール艦に伝わったようだ。
何だって!まさかまだ回答期限には時間があるはずだ。
「私に逆らった罰を与えよう、その小娘の素性などとっくに調べがついているわ。攻撃目標 ウェストバージニア チャールストン!」
「なんですって!やめて!!」
「いいや、やめないわ。それに我々がこれを本当に使えるということの証明にもなる、連邦政府も交渉に応じざる負えなくなるはずよ!」
まずい、カイラスギリーが発射されてしまう。コントロール艦を撃破すれば止められるか?
「アベッハの各機へ、もはやティンブレに従う必要はない、各自の判断で行動せよ!」
俺はコントロール艦にビーム・ライフルで射撃、それを撃破した。
ロペ機はリグ・シャッコーを奇襲、完全に不意を突いて撃破に成功したようだ。その他アベッハ所属のゾロアットも攻撃を開始した。
・・・がしかしカイラスギリーは既に発射体勢に入っており止めることはできないようだ。
「クソッ!コントロール艦をやっても止められない!!」
「もはや遅い、まさか貴様らがそこまであほだったとは、私の見込み違いだったようだ、ならば制裁を受けよ!」
「そんな!!ダメッ!!」
無情にもカイラスギリーのビッグキャノンが発射されてしまった。出力40%とはいえ地球の都市一つを破壊するのには十分すぎる威力である。
「ああ・・・なんてこと・・・」
「ロベルタ!お前はサラから全てを奪ったんだぞ!」
俺はロベルタのザンネックにサーベルで斬りかかろうとしたが残っていたもう1機の護衛のリグ・シャッコーに防がれてしまった。
「どうした小娘!動きが鈍くなっているぞ!ならばそこで死ね!」
まずい、ザンネックのサーベルがサラ機に迫っていたがそこでザンネックの動きが止まった。
「なんだ、これは・・・クソッ!」
ザンネックがいきなり回避運動を取る。なんだ・・・これは、ファンネルだと!!
いきなり戦場に出現したファンネルに周囲は混乱、全機が回避運動を取り始めたがファンネルの攻撃目標はMSではないようだ。
「しまった!狙いはビルケナウか!各機へ、あの小うるさい蠅を打ち落とせ!」
しかし時すでに遅くファンネルはビルケナウに殺到、ドッキング中のカリスト級巡洋艦を巻き込んで爆発大破してしまった。
「クソッ!連邦の奴等、・・・この感覚は、サイコミュ・センサーか!!」
サイコミュ・センサーはある特殊な素質を持つ人間にはロックオンを認知されてしまうという欠点が存在している。
目視外からの長距離射撃がカイラスギリーに命中、おそらくはあの要塞の制御管制部分を狙ったのであろう。
そして接近する機影・・・なんだこのサイズは、MAクラスじゃないか!!
ザンネックがその巨大なビーム砲で接近する機体に攻撃、・・・しかし攻撃は防がれてしまったようだ。
「馬鹿な!!このザンネックのビームを防いだだと、ありえない!!」
しかしその攻撃された機体はザンネックを無視してサラのF90Ⅱに狙いを定めたようだ。
「なにこの大きい機体!!私を狙ってくる!?」
サラもサーベルを構えそれを迎え撃つ。なんだあのサイズ差は・・・まるで大人と子供だ。
「そこにいたかッ!ついに見つけたぞ、その機体!」