宇宙
そろそろカイラスギリー周辺に到着するがこれ以上接近すると敵に捕捉される可能性が高い。なんせ奴等ザンネックなんてMSを所持している、例のセンサーを使われたらこちらの位置はすぐに発見されてしまうだろう。
ヨハンナのジェイブス・スナイパーカスタムが乗ってきたSFS、セッターから離れこちらに手をのせてきた、俗にいうお肌のふれあい通信というやつだ。
「アレックス、じゃあ予定通りあなたがIフィールド搭載MAを撃破した後私があれの制御管制ブロックを狙撃する、そうすればしばらくの間発射はできないはず。」
「ああ、しかしその機体のサイコミュ、本当に大丈夫なのか?」
「私の心配してくれてるの?大丈夫よ、これはテスト済みで安全は保障されてるの・・・20秒だけね。」
「ならいいんだが・・・なんだあの光は!?カイラスギリーが発射された!?馬鹿な、まだ回答期限まで時間があるはず!」
「なんてことを・・・待って、それ以外にもビームの光・・・あいつら仲間割れでも始めたっていうの!?」
うッ・・・頭が痛い、なんだこの感覚は・・・これはまるで・・・
「クソッ!しかし奴等どこに撃ったんだ?ヨハンナ、情報は入っているか?」
「ちょっと待って、ミノフスキー粒子が薄まっているから長距離通信が使えるはず・・・えっ!?」
「どうした?何かわかったか?」
「アレックス・・・落ち着いて聞いて、その、発射された場所はウェストバージニアのチャールストン、あなたの故郷・・・」
「・・・!?そんなまさか・・・そんな馬鹿な、馬鹿なッ!どうして!?」
「アレックス!!落ち着いて、今冷静にならないと・・・」
ありえない、なぜ、何故なんだ!?あそこには別に連邦政府の重要な施設など何もないというのに、発射される理由がない。・・・いやそうか、奴等実際に撃てるということを証明したということか、それで政府を脅すために、重要度の低いところで試射したということか!!奴等は俺から一体どれだけ奪えば気が済むのだ!サラにトーマスさん、故郷とそこに住む父さん母さん、友人・・・
戦闘狂のギロチンどもめ、あいつら人間じゃない!だから平気であんなことができるんだ、そして挙句の果てには仲間割れと来た。
「いや、俺は冷静だ、大丈夫だ、大丈夫・・・」
「・・・とにかく今は目の前のことを終わらせましょう、ごめんなさい、今のあなたにこんなこと言うなんて、私最低ね・・・」
「そんなことはない・・・終わらせなければ、2発目は撃たせない。」
そうだ、俺はやる、援軍など待っていられるか!当初の予定ではMAとカイラスギリーの管制部分の攻撃のみにとどめ連邦軍の援軍を待つ作戦だったが、奴らがあれを発射した以上もはやそんな猶予は無い。いつ第二射が来てもおかしくないとなれば多少の作戦変更はやむ負えないだろう。
奴等は内ゲバに夢中でこちらをまだ捕捉していない。まったくちゃんと警戒できていればサイコミュ・センサーでとっくにこちらを捉えられていたはずなのに、奴らのリーダーとやらはあまり利口ではないようだ。いや当たり前か、利口なら仲間割れなどしないだろうしそもそもこんな真似しないだろう。
ジェイブス・スナイパーカスタムがその強化されたセンサー系および光学カメラを使用し戦場の様子を偵察し始めた。この機体もスポッターカスタムほどではないがセンサー系およびカメラは強化されている。
「敵はザンネックに、その他ザンスカール系MS多数、巡洋艦にMA・・・ガンダムタイプもいる!?」
「ガンダム?機種は?」
「待って、データに該当機あり、これは・・・F90Ⅱ!?」
「なんだって!?ヨハンナ!それは本当か!!」
「ええ、間違いないと思う、・・・アレックス!ちょっと!!」
やっと見つけた。長かった、だが今全て終わらせる。
「行け!ファンネル達!!一番熱量の高い奴がIフィールド持ちのMAなはずだ!」
ファンネルが機体から一斉に射出され目標に向かって飛翔した。
よしうまく使えた、大丈夫だ。・・・ん?
この感覚はサイコミュ・センサーに狙われているのか!だがそんなもの、このクィン・マンサに!
敵機のザンネックの放ったビームが機体に迫る、がミノフスキーバリアーとIフィールドの二重のバリアの前では流石にあのビームでも貫通することはできなかったようだ。
「チィッ!ミノフスキーバリアーがダウンしたか、これだから試作品というやつは・・・」
しかし問題ない、Iフィールドさえ稼働していれば何とかなる。
いた、ガンダム、ついに見つけた。
俺はサーベルを抜きF90Ⅱに斬りかかる、だが少し抑えなければ、あのパイロットには聞きたいことがたくさんある、生きたまま捉え情報を吐かせる。(もしこの機体で全力で斬りかかればあのような小型機など一刀で切り伏せてしまうだろう。
「そこにいたかッ!ついに見つけたぞ、その機体!」
俺はF90Ⅱのパイロットに接触回線で話しかけた。・・・そして相手からの返事に驚愕することになった。そう、その声に聞き覚えがあったのだ、忘れもしないその声に。
「その声!!まさかアレックスなの!?うそ!?私よ、サラよ!」