宇宙
なんとか逃げられたが生き残ったのは俺とサラ機だけか・・・
あの赤いMSが助けてくれなければ今頃は三途の川の向こう側だったはずだ・・・
とりあえず離れた場所で待機していたサラの乗ってきたシノーペに掴まり戦闘宙域からの離脱に成功した。(ミノフスキー粒子の濃度が高まった為比較的簡単に離脱できた)
それにしてもあの機体はいったい・・・
そうこう考えていると赤いMSがこちらに通信用ワイヤーを発射してきた。
「大丈夫か?もうすぐ我々の艦の待機場所に到着する、その機体はもう駄目そうだな、よし、機体から降りて哨戒艇に移れ。」
「その声はアポステルか!どうして俺達を!?」
「話は後だ、もたもたして連邦軍に捕捉されたくないのでな。」
「わかった、今降りる。」
この機体ともお別れか・・・親父の形見でもあるこのゾロアット・・・最後まで俺を守ってくれたこの機体をできれば破棄したくはないのだが仕方あるまい。
「よし、自爆装置を作動させろ、タイマーは30分後くらいでいいだろう。」
「・・・了解だ。」
しばらくすると遠くに艦影が視界に入ってきた。なかなか立派な軍艦のようだなあれは。
「よし、その哨戒艇とガンダムは艦に収納できる、急ぐんだ。」
艦内に入るとそこには見たことのない外装のMSが3機格納されていた。なんだあれは・・・
「エドゥ!よかった無事で!!」
「サラ!しかし無事なのは俺と君・・・あとシノーペに乗ってきた整備士だけか・・・」
「うん・・・ロペさんが私を庇って・・・」
ロペ・・・すまないことをした、こんなことに全員を巻き込んでしまって俺達だけ生き残るなんて・・・
暫くして赤いMSからアポステルが降りてきてこちらに近づいてきた。
「どうだ我々の艦はなかなかだろう?ようこそ二十一の一乗へ」
「ああ、だが二十一の一乗っていうのはこの艦の名前か?随分変わった艦名だな。」
「・・・まあそれは私も同感だな。」
「それよりなぜ俺達を助けた?あんたらが俺達を助ける理由が俺には思いつかないんだが・・・」
「前に伝えただろう?うちの先生が君を勧誘していると、まあそのためだけに艦を派遣したわけではないがね、我々もあのティンブレには少し手を焼いていて、その始末の次いでと言ったところだ、まあ結局奴等は連邦が始末してしまったがな。」
「・・・まさかあんたらがティンブレのスポンサーか?」
「まさか、と言いたいところだがまったく関係がないわけではない、もっとも連中は我々の言うことなど聞かなかったがね。」
「そうだろうな・・・」
一瞬俺の脳裏にこいつらがロベルタ達を操っていたのではないかという考えが浮かんだ、いやありえないか、そもそもロベルタは思い通りに動くような人間ではないのだ。恐らく俺達と同じようにロベルタのティンブレもこいつらの依頼を受けたことがある程度の関係なんだろう。(実際ロベルタは独断でカイラスギリーの発射命令を下していた。)
「で、君たちはこれからどうする?もうアベッハには戻らないほうがいいぞ、恐らく今回の事件を受けてザンスカール残党系の組織の拠点は掃除されることになるだろうしな、いまの連邦軍でもそれぐらいはやるだろう。」
「ああ、あんなに派手に動いたんだ、あの拠点がもうすでに知られてしまった可能性は高い。俺たちはどこかのコロニーで暮らすことにしようと思ってるんだが・・・」
「それは無理だな。」
「・・・何故だ?」
「正確には君の隣のサラという女性は無理だと言っている。」
そのアポステルの発言を聞いて今まで黙っていたサラが口を開いた。
「何故です?宇宙は連邦政府の監視なんてそこまで・・・」
「ああ確かに、エドゥ君だけならそれもできただろう、だが君は違う。君は連邦にとって無名の人間ではないからな、今回の件を受けて君の生存が政府に知られてしまった。それに現在連邦内部に宇宙へ関心を高めつつある勢力が確認されているのだ、とても静かになど暮らせないだろう。」
「・・・!!」
「つまり俺達には選択肢はあまりないということか。」
「まあそう言うことになる、だが私は悪くないと思うがね、待遇だって保障するよ。」
「ああ、わかったよ。俺達をよろしく頼む。」
「エドゥ!!」
「仕方ないさ、それにここが一番安全そうだ。君にとっても。」
「・・・わかったわ、私はエドゥと一緒ならいい。その代り絶対に私を置いていかないで、約束して!」
「ああ約束する、前にもそう言っただろ?」
「うん・・・」
「よしまとまったようだな、では改めてようこそズィー・ジオンへ。」