サイド3 コロニー スウィート・ウォーター
ズィー・ジオン・オーガニゼーション、それが奴等の正式な名称のようだ・・・いやもう奴等と呼ぶのはおかしいだろうな、俺達もその一員になったわけだから。
ジオンか・・・まさかその名を冠している組織がまだ存在しているとは・・・なるほど化石とは確かにその通りだ。
もっとも大きな規模の組織に限らなければ宇宙の小規模な集団が勝手にジオンを名乗って活動していることもあるらしいが・・・
この組織の目的はスペースノイド自治独立などではなく(既にそれは達成されてしまっているというのもあるが)各地に散在する反地球連邦政府運動をまとめ上げ連邦に対抗できる国家的な規模の組織の確立というまた壮大なものであった。
そしてそのための計画というわけかこれが・・・
「君が来てくれてよかったよ、ようこそ歓迎しよう。一応私がこのズィー・ジオンの指導者と言うことになっているがまあそこまでお堅いものではない、クワック・サルヴァーだよろしく頼む。」
「・・・で説明はされたがその計画、本気なのか?とても俺には実現できるとは思えないのだが」
今現在ズィー・機構が進めている計画、俺達元アベッハにも大いに関係のあるそれを説明されたとき耳を疑った。
シャア・アズナブルの復活・・・肉体的にもそうだが彼の記憶すら引き継ぐというどう聞いても不可能と言える計画であった。
確かに肉体的という意味での復活、クローンは可能であるのだがそれが記憶となると一体どうするつもりなのだろうか?
このクワック・サルヴァー曰く肉体だけの空っぽの器では意味がないと言う。
「記憶の復活、メモリークローンというのは肉体的なそれとは違い難易度の高いものだ、だが我々はそれを可能にしたのだ。それには君が回収してくれた例のMSの脱出ポッドが大いに役に立ったのだよ。」
「あれが?特に何の変哲もないポッドにしか見えないが・・・」
「君はサイコフレームというものを知っているかね?」
「ああ、聞いたことはある、あれは随分前に封印された技術のはずだが。」
「そのサイコフレームが鍵なのだ、あれには人の意思、いや言わば記憶のようなものが残留することがあるのだ。そしてその人物にNT能力があり強い感情が現れればそれが乗り移る。」
「そんなオカルト話俺が信じるとでも?ありえない。」
「私も最初は信じられなかったよ、だがあのサイコフレームというのはオカルトそのものだ。そしてそれを抽出することも不可能ではない。」
「なんだって!?じゃあまさかあの脱出ポッドはまさか・・・」
「そうだ、あれは第二次ネオ・ジオン抗争時、シャア・アズナブル最後の乗機サザビーの脱出ポッドそのものだ。」
そうだったのか・・・シャア・アズナブル、彼の最後は謎に包まれている。ライバルであるアムロ・レイとの戦いの中で行方不明になりその後の消息は一切不明。だが今になって彼の痕跡が発見されるとは・・・
「もっとも我々もサイコフレームだけに頼り切っているわけではない、それが君と君のお父様の仕事の成果でもある。あのガンダムがそうだ。」
「F90のことを言っているのか?あれにシャアと何の関係があると言うんだ?」
「正確にはあの機体そのものではなく中身についてだ、あれに搭載されていた疑似人格コンピューターType-C.Aが我々の目的であったのだ、まったく幸運であったよ・・・あれが再びF90に搭載されたのは。」
F902号機はかつてある戦いで損傷、回収されて修復されたのだがその時疑似人格コンピューターは取り外されバイオコンピューターが搭載されたらしい。だがその後バイオコンピューターが実用化されると再びまた疑似人格コンピューターの試験が再開されることになりF90に再搭載されたということらしい。
そしてそれの為に父と俺が、そしてサラの運命を変えたというわけか。
「そうか・・・だからあの時コックピットと頭部に搭載されていたコンピューターを抜き出したら機体は俺達に寄越したというわけか。」
「そういうことだ、この計画は君たちの貢献が大きいのだよ、そして復活したシャア・アズナブルというカリスマを中心に迎えた時我々の目的は達成されるのだ。」