月面 フォン・ブラウン市
あの事件の後ザンスカール残党拠点の掃討作戦が実施、既に大半はもぬけの殻だったようだが一応の成果は上がったようだ。サラがいたと思われる拠点も発見されたらしい。
今日は休暇ということもあり暫くぶりに気の休まる一日になりそうだ。
あれからヨハンナとの関係はすぐにローレンス達にばれてしまった、俺はそんなにわかりやすい人間なのだろうか?曰く態度で分かるとのことである。
戦う理由か・・・あの後ヨハンナに言われたことがある、私達マハは地球の為、市民の為に存在している、だからたとえそれが復讐という目的でもいいじゃないか、建前はどうであれテロリストと戦うのには変わらないのだからと・・・確かにそうかもしれない。それにこれ以上奴等のせいで俺と同じように人生を狂わせる人を生み出させたくはない。
さてそろそろ時間か、月面でデートとは随分ロマンチックなことになってきた。
思えばここに来てからフォン・ブラウン市を散策したことはなかった、もっとも遊びに来たわけではないのだからこれからも特に行く予定もなかったが、それも過去の話である。
まだあの事件から立ち直れたわけではない、いや一生忘れられないだろう・・・だがこのまま立ち止まるわけにはいかない やるべきことが俺にはある それにヨハンナの気持ちを知った今それに応えたいという思いもあるのかもしれない。あの時傍にいてくれると彼女に言わて正直嬉しかった あんなことがあった直後というのもあったのかもしれないが、俺みたいな人間を必要としてくれているというのが嬉しかった。
そして大事な事が一つ、決してヨハンナはサラの代わりなどではない、君は君として俺の傍にいてほしい・・・と伝えなければ、もう少し時間が経ってから言おうと思う。
「アレックス!準備はできた?」
「ああ、・・・でエレカは借りられたのか?」
「ええもちろん、今日は私が運転するわ、アレックスはフォン・ブラウンをあまり知らないみたいだし。」
「助かる、次からは俺が運転するよ。・・・ヨハンナがそういう服着ているの初めて見るな。」
「似合ってない?」
「いや似合ってるよ、ただこれまではプライベートな付き合いは無かったから少し驚いただけさ。」
「ありがと、じゃあ行きましょ。」
エレカが道路を進んでいき俺は助手席から外の景色を眺めていた。遠くにとてつもなく巨大な艦艇が存在するのを確認できた。
「あれが噂の金星方面への入植艦ビーナス・グロゥブか・・・まだ建造中だと聞いたがあれはジュピトリスクラスよりでかいな・・・」
「ええ、それにしてもよくあんな船作る金があるわね。ならもっとマハに予算を回してほしいくらい。」
「まああれは連邦政府単独ではなく新連邦派コロニーとの共同らしいからな、それに新しく8番目のサイド、ガイアの建設も始まるらしい、景気のいいことだ。」
予算という面では最近の連邦政府は以前より回復してきている、これはいい兆候かもしれない。それにそういう公共事業というのは必要な物なのだ。
「そういえばヨハンナは俺達より先に宇宙にいたそうだが地上ではMS戦はやったのか?」
「やったわよ、だから宇宙へ来れたの、アレックスもそうでしょ?」
「そうか、ということは今ここにいるマハのパイロットは皆MS戦経験者ということか・・・いやローレンスは違うとか言ってたような・・・」
「そういえばそうらしいわね、あいつ地上だとヨーロッパ方面のどこ配属だったかしら・・・」
「いや、仕事の話は今は止そうか、それより今日はどこへ?本当ならこういうのは男がリードしないといけないけど、運転までさせてしまってすまないんだが・・・」