クワック・サルヴァー
年齢不明
反地球連邦政府組織ズィー・ジオン・オーガニゼーションの指導者
アポステルから先生と呼ばれていた人物
しかし現在までの経歴に不明な点が多く反政府組織でありながら連邦政府にパイプがあるなど謎の多い人物
オーソシエ・エララ
28歳女性
現在ズィー機構と協力を結んでいる木星帝国の使者
その目的は・・・
サイド3 コロニー スウィート・ウォーター
※サラ視点
あのクワック・サルヴァーという人・・・なんだかとても嫌な感じがする。
具体的にと言われてもそれがどうとは言えないのだがある種のオーラのようなものを感じる・・・私の考えすぎかもしれないけど・・・
それよりもアレックス、貴方がまさかパイロットになっていたなんて・・・
私はなんてひどいことを彼にしてしまったのだろう・・・アレックスは私をティンブレだと勘違いしてしまった、誰だってあの場にいればそう思うかもしれない。
そう、貴方も故郷と肉親を奪われてしまった、私と同じように・・・
アレックスは私に復讐しに来るだろうか?もし逆の立場であれば私はそうするかもしれない・・・
私はどうしたらいいんだろう、それにここズィー機構の目的からすれば立場的にも私とエドゥはアレックスと敵対することになってしまうだろう。
もうあの頃には戻れない・・・別に今が嫌なわけではないけれど・・・だが、もしあの事件がなければ・・・ズィー機構がガンダム強奪をエドゥ達に依頼しなければ、いやあの時私がガンダムに乗っていなければまた別の人生があったのかもしれない。私は本当にここにいていいのだろうか・・・何が正解なんて私にはわからない。
だけどアレックス・・・これだけは信じてほしい、私は決してパパを殺してなんてない、そして故郷も貴方のお父様とお母様も・・・どうにかして伝えて、いや信じてもらいたいけれどそれは無理かもしれない、そもそもまた彼と会うことなんてあるだろうか・・・もし会えるとしてもそれは戦場になってしまうかもしれない。
そうよ、それでもいい、私だってMSを操縦できる、ならここズィー・ジオンのパイロットに志願してもいいかもしれない。たとえそれでアレックスにさらなる誤解を与えたとしても彼にそれ以外で会う方法があるとは思えなかった。何故だろう・・・なんとなくそうすれば彼とまた会えるような気がする、根拠なんて全く無いのだけれどそう私の直観のようなものが告げているの・・・。私の言っていることが信じてもらえなくてもいい、だけど私は彼に会わないといけない・・・それが幼馴染に対しての、かつての想い人に対してのせめてもの・・・
ここでパイロットになれば私も地球と宇宙の対立に身を投じることになる・・・それにしてもまさか今になってスペースノイドとアースノイドの対立なんて・・・
カイラスギリーの件もあり再び連邦の中で反スペースノイド的な意見が出ているとサルヴァー氏が言っていたはずだ、そしてスペースノイド側もアースノイドに対して敵対を表面化させている。
あの事件の後サイド1とサイド4はサイド自由同盟などと言うものを結成、地球連邦政府に対してカイラスギリーの即時破棄を要求した。
彼らの主張によれば連邦軍の杜撰な警備体制のせいで先日の事件を防ぐことができず、また同じようなことが発生することがあれば今度はコロニーが被害を受けるかもしれない・・・ということらしい。確かに次またあれが誰かに奪われれば今度は地球ではなくコロニーが標的にされる可能性もあるだろう。
しかしこのズィー機構、どれだけの戦力を保有しているのかしら・・・
「あなたがサラ・ウィリアムズさん?」
「はい・・・そうですけど、どちらさまで?」
「やっぱり、私はオーソシエ・エララ、まあ一応あなた達の同志ということになるわ。」
「同志・・・ですか?」
「ええ、我々木星とズィー機構の目的のね。」
「はぁ・・・ってあなたは木星の人間なんですか?」
「ええそうよ、我々木星帝国とズィー機構は現在地球連邦政府打倒という共通の目的をもとに協力関係にあるの・・・知らなかったの?」
木星・・・かつて総統クラックス・ドゥガチ率いる帝国は地球に対して宣戦を布告、木星戦役を引きを越した。大量の核兵器で地球の壊滅を目論んだがそれも結局は失敗したという。その後の木星について私はよく知らないのだがまさかまた地球に対して同じようなことを仕掛けるつもりなのだろうか・・・
「まさかまた木星は地球に対してあのような核攻撃を・・・」
「まさか、そんなことして何のプラスにもならないわ、我々の目的は飽くまで地球連邦の打倒よ・・・そしてその後のことをズィー機構も了承しているからこその協力関係よ」
「その後?」
「ええ、これを聞けば我々が核攻撃なんて事しないと信じてもらえるはずと思うわ。」
「そんなこと私に話してもいいんですか?聞かないほうが・・・」
「ええ、連邦にさえ知られなければね、あなたが元連邦の人間だとしても今は完全にこちら側、もし地球に帰りたいのならとっくに逃げ出せてるはずですもの。あなたが連邦に通じていないという事くらい調べればすぐにわかる、それぐらいの諜報力はあるつもりよ。それにあんまり年齢の近い女性が近くにいないからあなたとは仲良くしていきたいと思うの・・・恐らくは長い付き合いになると思うから。」
「・・・でその後の目的とは一体何なんです?」
「ああ、申し訳ない!話が脇道にそれてしまったわ。我々木星帝国の現在の目的は地球圏への帰還、レコンギスタよ」