機動戦士ガンダム 宇宙世紀0180   作:NY15

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月の底へ

宇宙 月周辺宙域

 

 

 結局あれから連邦政府はサイド自由同盟の主張を受諾しカイラスギリーの破棄は決定された。もっとも今の連邦にとってもあれは手に余る代物だったのかもしれない。

 

 実際の所カイラスギリーという巨大兵器は使用せずとも莫大な維持費人員を必要とする・・・仮に有事の際、例えば先日のフロンティアⅣの件の事からもわかる通り別にこんな巨大兵器でなくても核ミサイルで事足りるのだ。少なくとも現在の連邦はそう考えているらしい。だがこのカイラスギリー破棄自体が仕組まれたものだとしたら・・・

 

 しかしこんな処分方法はいい加減というか豪快というか・・・

 

 まさかカイラスギリーを月面の人が居住していないエリアに落とし破壊するなどと・・・

 

 確かにそれなら確実だ、そうすれば仮に修理修復して再利用するにしても途方もない時間と金がかかるだろう。しかし誰もいないエリアとはいえあんな巨大な物落として大丈夫なのだろうか・・・実際には落とすというより軟着陸程度という感じではあるらしい、まさに埋没作戦とはよく言ったものだ。実際あれだけ巨大なものだ、軟着陸程度でも十分破損させられると踏んだのだろう。解体するよりもはるかに安上がりで時間もかからない。月面まであれを持って来ればいいだけで済む。なおかつ月面に連邦軍が駐留しているため安全性も高いと踏んだのだろう。月面であるならば何者かが連邦軍の目を盗みあの残骸を利用するなど不可能である。

 

 父さん、母さん、故郷の皆すまない、俺は止められなかった、結局マハに、パイロットになったところで俺は何もできなかった。・・・でも、それでも俺は・・・そうさ、これで終わりになどさせるものか 例の赤いMSもそうだがティンブレが壊滅したところで何の解決にもなっていない。あのティンブレは・・・いやもしかしたらティンブレも何者かの傀儡に過ぎないのではないのだろうか。

 

 これは噂だが何やらザンスカール残党とはまた違う反政府組織が活動しているとの情報がマハに広まっていた。

 

 そして例のカイラスギリー破棄を要求したサイド自由同盟なる連中の動きも不可解だ。連中の行動がいくら何でも早すぎるのだ。もし今回の事件、何者かが仕組んだものでありビッグキャノンでの無差別攻撃とは別に何か違う目的があるのだとすれば・・・考えられるのはまずカイラスギリー自体を破棄させる為、もしくはアースノイドとスペースノイド間の緊張を高める為、あるいは・・・その両方かもしれない。

 

 だとすればサイド自由同盟のサイド1とサイド4のバックに何者かがいる可能性が高いだろう、だが宇宙での捜査など今のマハにそんな力はない。もちろん連邦軍など論外であろう。

 

 だが見つけなくてはならない、まだ見えない倒すべき敵を・・・そしてサラ、俺には君の生き方を否定する権利などない、この12年で何があったのかそれは俺にはわからない・・・だが君が、自分の父親すら殺してまで連邦政府と戦うつもりなら俺も覚悟を決めることにしたよ・・・

 

 俺は連邦が、マハが、そして自分が絶対的な正義だとは思っていない、けどこれだけは断言できる。自分の父親を、罪のない大勢の人間を殺すようなテロリストに正義など無いと。

 

 君がその道を往くのなら俺はそれを止めてみせる、たとえ君を殺すことになっても・・・いや殺してでも止めてみせる。

 

 

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