サイド3 コロニー スウィート・ウォーター
※サラ視点
木星帝国のレコンギスタ・・・!?わからない・・・私にはこのズィー機構の意図が・・・確かに組織の目的は反地球連邦政府運動をまとめあげて連邦に対抗できる国家的規模の確立からすれば木星を仲間に引き入れるのは間違いとは言えないかもしれない、けど帝国が大人しくズィー機構の言うことを聞くだろうか・・・少なくともレコンギスタ達成までは協力し合えるであろう、でもその後は・・・それくらいあのサルヴァー氏も分かっているはず・・・
私が考え込んでいるとどこからともなく現れた例のアポステルさんが話しかけてきた。
「やあ、ご機嫌よう、そういえば君、パイロットに志願したというのは本当かね?」
「はい、私もただここにいるだけでは駄目だと思って・・・」
「ふむ・・・しかしエドゥ君もよく反対しないものだな、はっきり言って志願したということは死ぬこともあり得るということだよ、君はそれを分かっているのかね?・・・いや君には余計なお節介だったようだな、目を見れば分かる。」
「あの・・・聞いていいですか?」
「ん?私にか?応えられる範囲での質問なら受け付けるよ。」
「ありがとうございます・・・木星帝国についてなんですけど、何故ズィー機構は帝国と協力を結んでいるんです?私なんかが言うのもあれなんですけど・・・危険ではないですか?」
「確かにそれは私も思っていたことではある・・・だがこれは先生の方針でね、私などには先生のお考えを全て理解などできないのだが・・・しかし危険性は先生も十分承知のはずだよ。」
「サルヴァー氏の事、信頼しているんですね。私もエドゥのことを信頼しているから・・・わかりますよ。」
「ああ、先生がいなければ今頃私など・・・いや昔話は辞めておこう。それに私はこのズィー・ジオンの、先生の理想に共感しているからこそとも言えるがね。」
「そういえばアポステルさんもMSに乗るんですね、あの赤いMSの事聞いたんですけどあれはサイコミュっていう装置が搭載されているって・・・もしかしてニュータイプなんですか?」
「いや、私の能力は後天的なものだ、ニュータイプではない。」
「!!・・・ごめんなさい、無神経な質問をして・・・」
「いや別に構わない、隠している事でもないのでな、それに強化人間と言っても不具合があったのは昔のことだ、かつて存在したデメリットなど殆ど解決されている、君が気にすることではない。」
「そうなんですか・・・でも私達もその力のおかげで助けられました、あの赤い機体とアポステルさんに・・・あの機体、昔シャア・アズナブルの乗っていた機体の復元なんですか?」
「半分正解と言ったところだな、正確にはシャアの乗っていた機体、サザビーの発展型の再現と言ったところだ、まあ今風のアレンジを加えているらしいが・・・それにあれの原型は結局設計だけで製造はされなかったはずだ。」
「そうなんですか、しかしそんなに昔のMSの設計が現在にも通用するなんて驚きです。」
「ああ、あの年代のMSは今の機種に比べると大型、特にあれはその中でも巨大な部類に入る、設計に余裕があるからこそと言えるな。大型MSのポテンシャルの高さともいえるだろう、無論小型MSが台頭した理由もあるので一概にはどちらが優れているとは言い難いが・・・それにあれだけではない、あの機体は新造されたMSだが確か地上では保管していた古い大型MSを1機改修し続けているそうだ。私の読みではこれから再び大型化の波が押し寄せると踏んでいるのだがね。」
その後も少し会話を続けたのだが、アポステルさんもサルヴァー氏の考えを全て把握しているわけではないようだ。
あのクワック・サルヴァーという人・・・一体何者なのであろうか?
結局のところ彼についてわかっている事はズィー・ジオンの指導者であり連邦政府やアナハイム社にも顔が利くという事くらいなのだ・・・
そもそもなぜ連邦政府とのパイプがサルヴァー氏にはあるのだろうか・・・
何か嫌な予感がする、何となくだが私にはサルヴァー氏の語る理想が形式的なものに感じる・・・
なぜ私はこのような違和感を感じるのだろう・・・それに例の計画、シャア・コンテニュー・オペレーションもそうだ、確かにシャア・アズナブルというスペースノイドにとっての英雄が蘇れば反地球連邦政府運動はさらに過熱し連邦政府を打倒することも可能かもしれない・・・だが復活したシャアは果たしてズィー機構の意向通りに行動してくれるのだろうか?はっきり言ってシャア・アズナブルという人間をコントロールすることなんて不可能であろうと私は思う・・・もっとも私は実際のシャアを知っているわけではないので断言はできないのだけど・・・
クワック・サルヴァー・・・一体彼は何を考えているのだろう・・・