月面 フォン・ブラウン市
さて、これからがプロジェクト・MMの本番と言ったところだろう。
例の2機は予想よりも早く完成、ロールアウトしたようだ。2号機はともかく3号機は機体自体はとてもシンプルというのもあるだろう。
3号機・・・XMM-03は各種オプションの素体としての意味合いが強く機体そのものと言うよりは換装システムのほうがメインと言っていいかもしれない。そのため3号機は2号機に比べると機体出力は半分程度、MSであるジェイブスにも劣る。もちろんそれは何も装備しない裸の状態、そんな状態で運用することなど無いであろうが。
2号機、XMM-02の方はまさに高性能機という言葉が似合うだろう。機体出力も8000kWに迫る、だがいかんせんこちらのほうがコストが高い。・・・いや3号機も換装システム全体を含めれば同じか、もしくはそれ以上のコストなのだが整備性という観点からは3号機のほうに軍配が上がるのだ。ミノフスキードライブに不調が生じれば機体そのものが使えなくなる2号機に比べて3号機はミノフスキードライブユニットを交換すればいいだけ、それにその他オプション装備を開発すれば様々な局面に対応可能な3号機は軍、マハともに2号機よりも魅力的な候補になっていた。
だが実際には動かしてみない事には何とも言えんだろうな・・・俺は3号機の方のテストを担当することになっている。
そして両機ともガンダムヘッドが装備されている・・・
ガンダムか・・・嫌でもF90の、サラのことを思い浮かべてしまう。
2号機の方は連邦軍のパイロットがテストを担当するらしい、ここについ先日連邦軍からの人員が合流してきたのだがまだ話したことはない。なんでもルナツーの精鋭部隊だとか・・・そのせいかわからないがここにもかなりの数のMSがやってきたようだ。
「あんたが噂のNTか?」
いきなり俺に話しかけてきた男・・・連邦軍の制服で大尉の階級章を身に着けている人物に話しかけられた。
「はっ!マハ所属アレックス・ハーディング少尉であります。」
「ロバート・マクラウド大尉だ、まあこれからよろしく頼む・・・まあそちらは軍をよく思ってないかもしれないがお互い様だな。」
「・・・大尉が2号機のパイロットを担当するのですか?」
「いや、違うな・・・俺のようなロートルはもはや主役は譲る、そういうものだ。それにしてもあんたがNTか・・・いやまったく初めて見たよ。だがあまり普通の人間とは変わらないように見えるな。」
「・・・そうかもしれませんね、自分だってまだ半信半疑ですよ。」
「まあ検査でそう出たのなら本物なんだろう、NTにガンダムか・・・これは何か起こるかもしれんな。」
「どういうことですか?」
「いや何でもない、それではまた。」
しかし軍がここに合流してきてから少し空気がギスギスしてきたようだ。それもそうか・・・
マクラウド大尉の言う通り連邦軍とマハはお互いをあまりよく思っていないのだ。勿論俺自身もそうなのだが。
その両者が同じ空間にいるとなれば何が起こるか大体の想像はつく・・・それが血気盛んなパイロットとなれば尚更であろう。