月面 フォン・ブラウン市
「アレックスやったわね、例の大尉さんから撃墜判定取るなんて・・・私なんてスナイパーでこの前模擬戦したとき見事にやられちゃったっていうのに。」
「ああ、だが性能差もある、完勝したとは思っていない。」
「でもマクラウド大尉に勝ったんだからあのクソ中尉には負けないでよね。」
「ひどい言われようだなあの中尉・・・ローレンスも言っていたが・・・」
「言われる方が悪いのよ、それにしつこい男って最低・・・なんであんな男が2号機のパイロットなのかしら・・・」
「人格面はあまり関係ない気がするけどな。」
先日その例のハルミトン・グッドウィン中尉と会話する事があったのだがあれは・・・なんというか人の癇に障るという話し方だった、もっともわざとそうしているのかもしれない・・・よほどマハの事が気に入らないようだ。
「今度あの中尉に絡まれたらアレックスが助けてよね、あいつ本当にしつこいんだから・・・」
「ああ、・・・突然だが・・・話があるんだ、いいか?」
「ええ、なに?」
「例のカイラスギリーの件で家族の事なんだが、俺には遠方に住んでいる親戚などはいないし今回の計画が一段落したら一度地球に戻ってやらなくてはいけないことがある・・・その頃には故郷も少しは落ち着いていると思う・・・遺体は発見されないだろうがそれでも両親を弔ってやらなくてはならないからな。・・・いつ頃戻るかはまだ決めていないが・・・一緒に来てくれるか?」
「・・・ええもちろん。一緒に行くわ。」
「すまない・・・まだ暫く先の事になると思う。日程はまた相談するよ。」
「いいの・・・傍にいてあげるって言ったでしょ?それに一人で戻るなんてさせられないわ・・・私がいてもつらいだろうけど・・・」
「助かる、だが大丈夫さ。・・・それにもう俺は一人ではない。君がいれば大丈夫だ。」
サイド3 コロニー スウィート・ウォーター
「サラやるじゃないか、まさか初の模擬戦で勝利するなんて・・・しかし本当にパイロットになるつもりか?確かに昔操縦を教えたのは俺だが・・・これは死ぬかもしれないことだぞ?」
「わかってる、でも決めたことだから・・・それに私にだってできることがある。こう見えても何もできない女じゃないってエドゥならわかってるでしょ?」
「そうだが・・・やはり君には戦場には出てほしくないというのが本音さ。だが君がそう決めたのなら仕方がない・・・無理だけはしないでくれよ?」
「ええ、でも私にはしなくてはいけないことがある、だから・・・」
「例の幼馴染の事か・・・だがいいのか?ここでこのままパイロットを続ければ敵同士になる、もし再会することがあればその時は・・・」
「それでも私はそうする、たとえ私の言っていることが彼に、アレックスに信じてもらえなくてもいい・・・たとえ誤解が解けなくてもそれが私の責任なの。それに何となくだけどこうしていればまた会える気がするから・・・」
「女の勘というやつか、それとも・・・いやまさかな、なんでもない。だが無茶だけはしてくれるなよ?君を失いたくはない、男の勝手というやつだが俺はそう思っている。」