宇宙 月面 フォン・ブラウン市
月に戻ってきてまず目についたのは連邦軍の慌ただしい動きであった。
どうやら新連邦派コロニーへ譲渡されるはずだった例の量産型スペックダウンMSが輸送中テロリストに襲撃を受け強奪されるという事件が発生したようだ。また例のサイド自由同盟の反連邦政府デモも頻発しているらしい。
そのせいか月の連邦軍駐留部隊や定期パトロール部隊すらその対応に駆り出されたようで通常のパトロール業務をマハが急遽担当する羽目になった。
テスト部隊にパトロールを任せるなどなんともおかしな話になってきたような気がするが・・・まあこれからマハが宇宙へ進出していく以上将来的には俺達が行う業務ではある・・・
ならば仕方がないか・・・と言ってもSFSとMSの数に限りがあるので通常時と同じ規模のパトロールを行うのは不可能ではあるのだが・・・それに俺達はまだ宇宙に完璧に慣れているというわけではないのだ。
俺も本来ならパトロール業務をやるべきなのだがいかんせん機体がない・・・まさかクィン・マンサで出撃するわけにもいかないだろう。それにあの機体は今調整中なようだ 何やら機体に追加でよくわからない装備を取り付けているようだがテストパイロットの俺にはそんな話は聞かされていなかった・・・あれは何の装備なのだろうか?というよりその装備の試験をするならもう俺のところにその詳細が来ていてもいいはずなのだが・・・
ローレンスとヨハンナもパトロールに駆り出されるようだ ヨハンナのスナイパーはまだ修理中なので別の機体・・・スポッターカスタムで出撃するようだ もっとも任務の特性上こちらの機体のほうが適任ではあるだろう。
「まあアレックス、心配するな この複座のスポッターならそうそうやられはしないさ」
「だといいが・・・もし強奪されたMSが出てきた場合は注意しろよ?確かあれはリバティとか言う名前のMSだったか・・・モンキーモデルとはいえ元はジェイブスなんだからな・・・」
「大丈夫さ・・・と言っても俺じゃなくてヨハンナが操縦で俺は後ろに座ってセンサーやレーダーの相手だけどな。」
「まああんたより私の方が腕は上でしょ?」
「まあ確かにな・・・とにかくアレックス、たかがパトロールくらいは俺達だけで十分さ、NT殿の出る幕じゃないから月でお留守番していてくれよ。」
「ああ、ヨハンナを頼んだぞ。」
「逆に私がローレンスを守る立場になると思うけど・・・アレックス、ちょっと話があるんだけど・・・
「ん?どうした?」
「・・・ううん、やっぱり戻ってきてから話すことにする・・・じゃあまた戻ってきてからね。」
「ああ、分かった。気をつけてな。」
しかしなぜだろうか嫌な予感がする・・・なんだこの胸騒ぎは・・・