72話の人名に誤りがあったので修正しました。
宇宙 月面 フォン・ブラウン市
※アレックス視点
戻ってきたジェイブス・スポッターカスタムを見た時俺は安堵した
なんだやはり嫌な予感など気のせいだったのだと だがそれは間違いであった。そればかりに気を取られ機体が損傷している事、随伴機のジェムズガン2機の存在が見当たらない事や戻ってくる少し前から基地内が慌ただしくなっている事など気には止まらなかったのだ。
だがどうだ?戻ってきたジェイブスの周りを医療班が取り囲みコックピットハッチがゆっくりと開かれた。
内部から人が医療班により出されていく 遠くからノーマルスーツ越しなのであれがどちらなのか判別できない 何があった?
俺は機体に駆け寄る もう一人コックピットから出てくるその人物はローレンスであった。
という事はあの担架で運ばれていく人物は・・・
俺は再び走り出す 担架で運ばれていく人物を確認するために 自分の眼で確認しなければ信じられない だがこのとき既に俺の脳内は何が起きたか理解していたのかもしれない・・・
間違いない それはヨハンナだった・・・ノーマルスーツの上から深々と金属片のような物が突き刺さっているのが確認できた。
俺は大声で呼びかけた だが返事はなかった 慌ただしい医療班に俺は止められてヨハンナが処置室に行くのを見送るしかできなかったのだ。
しばらくの時間が経った それはとても恐ろしく長く感じられた時間であった。
「アレックス・・・俺が悪いんだ・・・俺があの時外に出るのを止めていたら・・・」
「・・・」
その後全ての話をローレンスから聞いた
彼女が俺の子供を妊娠していたことも全て
何故こんなことになってしまったのだろう?もしパトロールの前にこの事を話されていたら俺はどうしただろう?
ヨハンナの顔はまるで死んでいるのが嘘のようだった これほど大きな金属片が突き刺さったというのにその顔は眠っているかのようだったのだ。
どれほどの苦痛だっただろうか なぜこんなことに彼女がならなければいけなかったのだろうか
他人は言うだろう このような仕事を選んだ以上覚悟の上だろうと・・・だがこんなことは許されるはずがない
何故だ、何故いつもこんな事になる?
俺のせいか、そうかもしれない 思えば俺の周りは皆不幸になっていく
結局俺はいつもいつも何もできない たった一人の命さえ救えない男だ
「彼女は・・・ヨハンナは俺の傍に居てはいけなかったんだ・・・いつだってそうさ、俺の周りは・・・俺は人を不幸にする・・・」
「・・・!馬鹿野郎お前!!」
「だが!!俺の家族だって・・・」
「お前のせいじゃないだろ!今回だって責任を負うとすれば俺にある!・・・それにやったのは奴等だ。見ただろあのファイルの中身を!?ヨハンナが命を賭けて手に入れたあれを見れば・・・」
テロリストの正体・・・木星帝国・・・!?
「馬鹿な・・・木星は共和制になったはずだ、今更帝国などと・・・」
「だがそれが事実だ!そして奴等の計画は何としてでも阻止しなければ・・・」
木星帝国の目的
あまりにこの奢りに満ちた作戦名に怒りを隠しきれなかった その文脈からは恐らく作戦が成功すれば地球人など家畜以下に扱う事など容易に想像できるようであった。
こんな連中に・・・これ以上宇宙人共の好きにさせていいはずがない
サイド3 コロニー スウィート・ウォーター
なるほどあの木星のお嬢さんは獲物を撃墜出来なかったか・・・だがこちらが望む結果にはなったようだな。
いや撃墜出来なかったのはこちらとしては好都合 どうやら木星の情報についてはそのおかげで持ち帰ることが出来たようである ならばそれでよい。
想定していたのはあのNTの交際している女性と友人共々撃墜というシナリオで木星に関する情報は私が流してやろうと思っていたがそれは不要になったな。
全ては順調 連中の始末が完了すればいよいよガイア・ギア計画は始動する もう誰にも止められん
動き出した運命の輪はもう止まらないだろ
さて少し若者の背中を押してやるとしよう それが老人の役目だからな