宇宙 1ヶ月後 地球圏付近 レコンギスタ船団 旗艦カウディーリョ
※クレト視点
さてそろそろ到着か 最初の攻撃ポイントまで敵に気が付かれなければよいが
迎え撃つ連邦の艦隊がいないという事はやはりこちらの動きに気が付いていないようである、奇襲は成功であろう。
「各艦警戒を厳に、気が付かれていないとはいえパトロール部隊に発見される可能性もあるのでな。」
「待ってください大臣閣下!センサーに反応、接近する機影1!」
「なに?連邦のパトロール部隊か?いや1機だけとは不自然だな、仕方あるまいMSを・・・」
その時だった 一筋のビームが改良型サウザン・ジュピター級1隻を貫いたのは
なんだあのビームは、あの威力は一体・・・
艦長が悲鳴にも近い絶叫を上げる
「3番艦被弾!馬鹿な!あの艦が一撃で・・・」
ありえない・・・FEバリアーを貫通して一撃でだと!?あの規模の艦艇でダメージコントロールもあるというのに・・・
「艦隊を密集隊形にしてバリアーを強化しろ!」
「大臣閣下落ち着いてください!あのビームには確かに驚きましたがあれほどの攻撃を連続して行えるとは思いません!」
「それが油断だと言うのだ、そもそもあれだけの火力は我々の想像外である、ならばこちらも最善を尽くさなければならない、私のバロメッツを出す、護衛のアルファも全機だ!」
「閣下!?」
「艦長、君の言いたいことは分かる、だが既に奴には1隻沈められているのだ、ならばこちらも切り札を出すべきであろう。」
やってくれるな、ならば奴には私自らと護衛のアルファ100機で相手になってやろう、いかに奴がたったの一撃でサウザン・ジュピターを沈める事が可能な機体であってもこれだけの戦力であれば十分すぎる数だ。
それに他のMSを出した場合これから連邦軍と戦闘を行う事も考慮するとこれ以上の損失は出せない 確かに油断は危険だが過剰反応して全戦力をここで出してこの後の本命である連邦軍と戦えなくなってしまっては本末転倒になってしまう。物資は無限ではないのだ。
艦隊が密集体形に移行し各艦が主砲で敵機を攻撃し始める その光景はまさに圧巻の一言に尽きるがこれだけでは撃墜出来ないだろうとの予感を私は感じていた。
やはりバロメッツを建造して正解だったようだな このMAを建造するにあたりあまりに過剰であるとの意見もあったが結局は私の意見が通ったのだ。
しかし敵の攻撃の正体はなんだ?あの常識を逸脱した火力の正体には見当もつかない。だがまあいい 奴を撃破した後残骸から解析も可能であろうし作戦成功後あの機体に関するデータが地球にあるだろうからな。
艦橋から格納庫への直通エレベーターのおかげで私は直に機体に搭乗することが出来た。
サイコミュの調子も良好、問題は無い
たとえ奴があのエスパダと言うやつでもこのバロメッツには到底及ばないであろう、この機体にはそれだけの性能があるのだ。
「バロメッツを出すぞ、僚艦に格納されている護衛のアルファの準備は出来ているな?」
「勿論です閣下、ハッチ開きます!。」
船体の下部分が開き機体が放出される、私が今の段階で出るのは想定外だが計画というものは何事にも変更がつきものと言う事であろう。
「さあ、敵機はそこか!こいつの攻撃にどう対応するか見ものだな、ファンネル!」
機体からMSサイズもある大型ファンネルが10基放出され敵機にめがけ飛翔する、あのファンネル1基1基全てにミノフスキー・ドライブが搭載されているのだ、さらに1基に付き5基のチルドファンネルも搭載されている。大型の方はファンネルでありながらビームシールドすら貫通する出力があるのだ。稼働時間火力そして数どれをとっても圧倒的である。またこのMAバロメッツは防御面でも艦艇搭載タイプには流石に劣るがFEバリアーが搭載されている、まさに無敵の性能であると言えるだろう。
護衛のアルファタイプフーピテルが一斉にジェネレーター直結式メガ・ビームランチャーを発射する、かなりの数が敵機に命中したように見えたが敵機は無傷であった。
「Iフィールドを搭載しているのか!、しかしあれだけのビームが直撃してまだフィールドが機能しているだと!?ならばファンネルで内側から攻撃させてもらおう。」
敵機が急速に接近してくる かなり速いな、だがこのミノフスキードライブ・ファンネルからは逃れられまい!
護衛のアルファとチルドを含めたファンネルが一斉に敵機に襲い掛かる、だが敵機に接近した瞬間その全てが破壊されてしまったのだ。
「何が起きた!?あの攻撃は一体なんだ!?いかん!これ以上艦隊に接近させるわけには!!」
今の謎の攻撃を受け残存している機体は距離を取りマイクロミサイルを一斉に発射する
しかし敵機はまるで当然のように無傷であったのだ 実弾すら弾くとは敵機もFEバリアーを搭載しているのか?ありえない、あれは木星で開発された技術なのだ、地球圏に存在するはずがない!!
「ならばこいつはどうだ!これならば防御できまい!」
バロメッツの機体から無数の触手が敵機に伸びていく、このテンタクラ―・センチピードならば有効打を与える事が可能であろう。
あの敵のパイロットが悪いのだよ、なまじ性能のいい機体だったばかりにいらぬ苦痛を感じることになるのだ。
このセンチピードからは電撃を放つことが可能である、たとえ最新の保護機能があろうとも敵機の電子機器は勿論パイロットも消し炭になる。
機体はそのままパイロットには死んでもらう!
しかしセンチピードは空を切る。何故だ、何故当たらん!?
敵機を捉えられない、あの機体はこちらのセンチピードやアルファよりも速かったのだ。信じられない事である。
私は恐怖を感じていた、あの機体はまさか・・・いやありえない、あんなものはつまらん伝説、作り話にすぎんのだ。そんな事があっていいはずがない
敵機をこれ以上接近させるのは危険だと分かっていた、だが頭で分かっていても私は機体を艦隊のバリアーの中まで後退させてしまったのだ。気が付けば護衛のアルファの数が相当数減少していた、目を凝らすとどうやら敵機もファンネルを使用していたようだ、だがあのファンネル、赤く発光しているだと!?
あの数のアルファが・・・
敵機が急速に上昇し艦隊の真上に静止、艦隊から防空火器が一斉に発射されるがやはりバリアーに阻まれその攻撃は届かない。
私も機体に装備されている近接防御機関砲及びビーム砲を連射するが全くの無駄であった。
その時私は見た、敵機から放たれる無数の光を 宇宙の星々にも似たあの煌きを その光は艦隊を包み込むように拡散していったのだ
馬鹿な、こんな事が現実とは認められるものか 奴は